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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 水戸ホーリーホックvsファジアーノ岡山

2019-12-09 18:43:56 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の水戸の記事はこちら(41節・鹿児島戦)
※前回の岡山の記事はこちら(36節・徳島戦)

昇格争いの最後尾から、逆転昇格を図る水戸。
前節・鹿児島戦での敗戦(0-1)を受け、最も厳しい状況に置かれた上でこの最終節を迎える事となってしまいました。
一方対戦相手の岡山も、前節の敗戦(横浜FC戦・0-1)で昇格は絶望的に。
一応可能性としてはほんの僅かに残っているものの、非現実的なため無理に勝利・大量得点を狙うという事は無く。

水戸は志知・岸田がそれぞれ4試合ぶり・7試合ぶりのスタメン。
両サイドバックは外山・浜崎の2人が起用されていた近況でしたが、ここに来て原点回帰。
センターバックも瀧澤と細川のコンビにシフト、そしてGKには松井が復帰。
移籍後盛んに起用されていた宮はこの日はサブと、ディフェンスラインをテコ入れしてきたのは、前節の敗戦を受けての微調整か。
あるいは、試合前インタビューで何処と無くいつもの様子では無かった長谷部茂利監督(そのせいかインタビュアーの質問もやたら多かった)、「悔いのない戦いを……」という思いが表れての起用だったのか。

一方の岡山、昇格争いを戦ってきたダメージは、仲間・関戸の両サイドハーフが故障という状況に色濃く表れています。(仲間は前節出場も、この日は再びベンチ外)
そしてCBも田中が故障中であり、大ベテラン・後藤(この日3試合目)とともにコンビを組むのは、こちらも故障離脱から復帰してきた濱田。

雨中での試合という要素もあり、立ち上がりは両チームともボールを繋ぐのに難儀。
FW2人(イヨンジェ・山本)がターゲットになれる岡山が若干押し気味か、と感じたものの、とりわけ大差無く試合は進んでいきます。
ファーストシュートは岡山(前半15分)、ユヨンヒョンのディフェンスからイヨンジェに繋がり、そのままエリア手前からシュート。
これがブロックされてのコーナーキックからも、後藤がヘディングシュートを放ちます。(枠外)

しかしグラウンドコンディションに慣れて来たか、水戸は徐々に反撃。
19分、GK松井のロングフィードを清水が落とし、受けた小川が反転シュートを狙うもGK一森がキャッチ。
22分は左サイドから組み立て、前→木村→志知と繋げて、志知の中央へのパスがこぼされたボールを清水が拾いエリア内に進入してシュート。
これもGK一森にキャッチされます。
次第に水戸ペースに傾いていく試合展開、27分・29分にも清水がシュート、それをGK一森がキャッチというシーンが。
枠内シュートで攻撃を終える良い流れを見せていきます。

そして40分、岡山・上田のトラップミスを拾いにいった木村、そのまま上田に倒されて反則となり直接フリーキックに。
右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という絶好の位置で、直接狙いにいったのはスタメン復帰した志知。
これが壁を抜けるも岡山・増谷のブロックに遭い(瀧澤に当たった?)、エリア内にこぼれたボールを瀧澤がシュート。
ややもすると志知のシュートを強奪したような形に映りましたが、シュートはネットに突き刺さり水戸が先制点を挙げます。
尚も攻める水戸は44分、黒川のスルーパスに清水が抜け出すという好機がありましたが、GK一森が飛び出してクリア。

結局1-0で前半を終えましたが、追い掛ける水戸の立場からすると、他会場の経過が気になる所。
2チームを抜かさなければ6位以内に入れない現状で、既に京都は1-4と敗色濃厚となっていましたが、6位に入るには後1チーム。
勝ち点1差の甲府は引き分けでも抜けますが、勝ち点3差の山形・徳島は敗戦になってやっと得失点差勝負になるという状況。
他力本願も当てにしながら、得失点差を稼ぐというファクターも考慮に入れたい後半の戦い。

その思惑通り、後半立ち上がりは水戸が攻勢に出ます。
しかし前半とは打って変わりシュートまで持っていけない状態に陥ります。
周囲をヤキモキさせる展開になると、逆に後半10分の岡山の攻撃。
左サイドを突破したのち椋原が中央へパス、ユヨンヒョン→三村と渡り、三村がエリア内からシュート。
GK松井がセーブし、ヒヤリとさせられた水戸サイド。

しかし冷や汗を掻くだけに留まらず、ここから岡山ペースへと試合は移り変わります。
13分にユヨンヒョン→赤嶺へと交代を敢行した岡山。(山本が右サイドハーフへシフト)
ハッキリとしたポストプレイヤーである赤嶺を加え、ボールキープをした上で押し込んでいく意図でしょうか。

前後して両チームミドルシュートの応酬(水戸は前・木村、岡山は上田)を見せた後の22分。
右サイドで上田のスルーパスから、後藤がクロスを上げると赤嶺が落としてイヨンジェへ。
イヨンジェは収めたのちエリア内左から反転シュート、これがゴール右を際どく襲うも、僅かに外れて再び水戸サイドは冷や汗。

その後は前線の収める能力に加え、両SB(右・増谷、左・椋原)が奥まで進入して攻め上がる場面が増えてくる岡山。
29分には椋原→武田拓真へと交代(三村が左SBにシフト)し、尚も攻勢に出んとします。

一方追加点どころでは無くなったような状況の水戸。
最初の交代は29分、木村→浅野であり、劣勢を打開せんと攻撃の駒を入れてきました。
その通りに、直後に中盤での白井のパスカットから、早速浅野がクロスを上げる場面が。
そして35分には黒川→村田へと交代。
その直後、スローインから左サイドで攻撃を作り、バックパスを経た後白井が縦パス。
小川がエリア内で収めた後、清水へと繋がりシュート。
GK一森にセーブされた後、右サイドで村田が拾い再び中央へボールが送られて小川がシュート(DFがブロック)。

ようやく2点目への意欲が形になって見えて来たシーンでしたが、ここからはガス欠もあってか岡山が再び攻勢に。
それでもシュートシーンはイヨンジェ(39分)・三村(40分)ぐらいで、1-0のままアディショナルタイムへ。

ところがここからドラマ性の様相を示すようになっていくピッチ上。
というのも、他会場・山形の試合が、後半44分に1-2とリードを奪われる状況へと変化。
このままでいくと勝ち点で並びますが、水戸は得失点差が同じなものの総得点で負けている現状となり、6位浮上には後1点が必要です。
この状況をベンチはピッチ上に伝えたものの、全員には伝わりきっていなかったようで、GK松井がボールをキャッチし落ち着いていた際に水戸選手が早く出すように促すシーンも。

しかしピッチ上でビハインドなのは岡山の方で、依然として岡山押し気味という展開。
そして岡山のコーナーキックの際にGK一森が上がるシーンが見られ、「点が欲しい側が逆に総攻撃の姿勢を受ける」という可笑しな状況に。
しかもそこからクリアされカウンターチャンスかと思われましたが、好機には繋げられない水戸。

結局1-0のまま試合終了の笛が。
水戸はここから完全に他力本願となりましたが、既にアディショナルタイム。
そして山形はこの試合の結果を受け、失点を避けるためボールを動かさないというプレーを選択しており、水戸の希望は潰える事となりました。

最初から最後まで昇格争いを演じた今季の水戸。
J2一筋で20年間過ごしてきただけに、やっとJ1昇格への光明が見え始めたシーズン。
それだけにこの悲劇的結末は言葉にし難いものがあります。

そしてこれを受けて、条件付きという形でのJ1ライセンスも、来季は再びJ2に逆戻りが決定。(まあ来季途中にまた同じ形になるでしょうが)
さらには、試合前にまるで最後の試合になるかのようなインタビューをしていた長谷部監督も、退任が決定・すかさず来季の福岡監督に就任という報も飛び込んできました。
全てがスタートラインに戻ってしまうようなシーズン終了直後の流れですが、それでもクラブの最高成績という足跡は一生残っていくはずです。

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DAZN観戦 2019年J1参入プレーオフ1回戦 徳島ヴォルティスvsヴァンフォーレ甲府

2019-12-06 19:20:46 | サッカー視聴記(2020年以前)

<徳島スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 梶川
DF 石井 ヨルディ・バイス 内田裕
MF 田向 岩尾 鈴木徳 島屋
   渡井 野村
FW 河田篤

<甲府スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 河田晃
DF 小出 新井 エデル・リマ
MF 湯澤 小椋 佐藤和 内田健
   曽根田 アラーノ
FW ピーター・ウタカ

徳島は杉本がベンチ外となり、島屋を彼のポジションである左ウイングバックに転用。
故障者の影響で最終盤でスタメンとなった田向・鈴木徳真も、継続して起用。
サブには小西が復帰したが、一方で狩野・内田航平が外れ。
その他は清武・藤田・押谷と順当なメンバーが並ぶ。

甲府は最終節出場停止だった小椋が復帰しボランチ、彼の代役だった横谷はサブに。
後は終盤と同じメンバー、残り4試合というタイミングでセンターバックに抜擢された新井も継続起用。
サブには故障復帰して間もないドゥドゥと、ジョーカーの金園。
この2人に加えて佐藤洸一も入り、終盤の攻撃要員には事欠かないメンバー。

試合開始
ボール支配からの攻撃が信条の徳島と、堅守速攻が第一の甲府の戦い。
前半5分 徳島・野村がシュート
渡井の中央でのドリブルからチャンス、左に展開した後島屋が早速カットインを仕掛け、彼のパスからシュートするもGK河田晃平がキャッチ。
前半6分 甲府・内田健太がシュート
湯澤の右からのクロスが流れ、中央やや左で走り込んでのシュート、徳島・田向がブロックで防ぐ。
前半9分 甲府・内田健がFKを直接シュート
佐藤和弘が徳島・鈴木徳に倒され反則、左ハーフレーンでエリアからやや手前という位置。
グラウンダーで直接狙うも壁に当たってこぼれ、また蹴る前に小椋がオフサイドポジションに出たため、壁に当たった時点でオフサイドを取られた。
その後は徳島がペースを握り、いつものようにポゼッション重視で攻める。
最終ラインは、いつもよりも右の石井が前に出る場面が多く内田裕斗は自重気味。(後半は数的優位もあり内田裕が上がる場面が目立った)
17分頃から甲府の反則祭り、1分おきに立て続けに3度反則を犯してしまい、結局この姿勢が後の命取りになった感あり。
20分に甲府が攻勢、クロスは跳ね返されるもセカンドボールを握り続け、徳島を押し込む。
しかし直後の21分、アラーノがくだらない抗議の姿勢(ボールを叩きつける)で警告を貰う。
この後は甲府もボールを握って攻撃、ポジションチェンジも頻繁に行い、ポゼッションスタイルかと錯覚する場面も。
具体的には右サイドは右CB・小出が張り出し、WB・湯澤が前に出る。
そして左サイドは、アラーノが度々張り出して前進を助ける。
そしてウタカとアラーノが再三ポジションチェンジを敢行、ウタカが左に流れた時はアラーノが中で張っていた。
前半32分 甲府・ウタカがシュート
そんな姿勢が実ってのシュート。(GK梶川がキャッチ)
リマのドリブルでの持ち上がりから、ウタカがアラーノとワンツーでエリア内に進入し、角度の無い所から撃った。
前半33分 徳島・河田篤秀がシュート
対する徳島、左サイドでパスを繋いで前進、中央で野村のスルーパスに抜け出した河田篤。
GK河田晃と一対一になるも、エリア内で放ったシュートは弾かれ、「河田対決」は甲府の河田が勝った。
両チームのFWが一本ずつシュートを放ち、まずまず互角の展開である事を証明。
直後の34分は徳島のコーナーキックのチャンスだったが、キッカー野村はトリックプレーを選択するも、グラウンダーでエリアやや手前に入れたボールが直接甲府・リマに渡ってしまいカウンターという可笑しな場面を作ってしまう。
この後、35分に甲府・新井が河田篤に対するラフなタックルで警告。
このフリーキックからのクロスの応酬は防いだ甲府だが、ついに耐え切れず。
前半37分 徳島先制 バイスがシュート 1-0
再び野村のスルーパスが契機、今度は左サイドの島屋へ。
島屋はグラウンダーで甲府・新井の裏のスペースに入れると、後方から走り込んだバイスがシュートを放ちネットを揺らす。
前半39分 甲府同点 ウタカがシュート 1-1
実質2点ビハインド(正確には1.5点ぐらいか)となった甲府だが、その直後、長いボール支配の末のチャンスをモノにする。
最初は右サイドからの攻めだったが一旦新井まで戻し、アラーノのドリブルを交え、左に展開した後リマがクロス。
グラウンダーのボールをウタカがトラップし、ループ気味の技ありシュートを放つと、GK梶川の手を弾いてゴールに。
その後も互角の展開ながら、甲府・アラーノが徳島・野村に反則を犯す等、後半の伏線となる場面がチラホラと。
前半AT 徳島・野村がシュート
島屋のロングパスの跳ね返りを拾った岩尾からパスが繋がり、エリア内で野村が撃つも甲府・リマが防ぐ。
この後甲府のターンになるもシュートまでは行けず。
前半終了

後半開始
後半1分 徳島・河田篤がシュート
早速キックオフからのロングボールでの攻撃をシュートに繋げた河田篤。(田向の落としを拾いエリア内で撃つ・枠外)
そしてその後甲府の攻撃に移り、後半も互角かと思われた所に事件発生。
後半2分 甲府 アラーノ退場 10人に
再び野村に対してチャージしてしまったアラーノ、後ろからという言い訳の利かない形に本人もまずいと思い、すぐに倒れた野村を起こそうとするも突き出される黄色のカードは止まらず。
この時に徳島・バイスが、腕に巻いたテーピングの色を白→青に変えるのに試合が止まるという場面が生まれ、いささか落ち着きを取り戻して再開。
甲府は4-4-1のフォーメーションにシフトし、DFは右から小出・新井・リマ・内田健、MFは右から湯澤・小椋・佐藤和・曽根田となる。
後半6分 徳島・渡井がシュート
この前の5分に甲府が攻撃、曽根田がエリア内へスルーパス、湯澤が走り込むも収まらず。
すると徳島のターンが開始、ポゼッション重視の相手に1人少なくなる事の意味を、この後嫌と言う程甲府は味わってしまう。
後半7分 徳島・島屋がシュート
上記の渡井のシュートが防がれてのコーナーキックからのシュート。
これも防いだ甲府、リマのドリブルで一気にカウンターを仕掛けるが、モノに出来ず。
この後徳島にボールを動かされ続け、反撃もままならず。
後半11分 徳島・バイスがミドルシュート
バイス得意の攻撃参加(それにしても両チームとも助っ人DFは攻撃大好きなタイプだ)、ドリブルで持ち込んで撃つ。
これはブロックされ、その後もボールを繋ぐが、最後は島屋のクロスがカットされ終了。
後半13分 徳島・野村がシュート
後半13分 甲府 曽根田→金園 湯澤→ドゥドゥに交代
一向に攻撃機会が巡って来ない甲府、野村のシュートが枠外に終わったこのタイミングで2枚替えで勝負を賭ける。
2人ともサイドハーフに入り、ドゥドゥが右・金園が左。
しかし直後に金園が徳島・田向に対してバックチャージで警告、これで甲府はこの日4枚目。
その直後(15分)、バイスと小出が交錯し、バイスが足を痛める場面が。
ヒヤリとしたが続行可能となり、バイスは一旦ピッチ外へ出た後復帰。
後半21分 甲府・ウタカがシュート
その後も徳島がボールを握る時間帯が続いたが、ようやく甲府が反撃。
佐藤和の縦パスから、金園の1タッチパスを受けてエリア内左から撃つも、直前に徳島・鈴木徳のタッチでジャストミートせず。
直後の22分、ドゥドゥがドリブル→小出とのワンツーで奥に進入しクロスを上げる(クリアされる)が、再び攻撃はこの後打ち止め状態に。
23分岩尾とドゥドゥがボールを拾いに行き、ドゥドゥがバックチャージの格好になってしまい倒れる。
この時は流されたがプレーが止まった後ドゥドゥに警告、これで5枚目である。
後半27分 徳島・島屋がミドルシュート
ここもコーナーキック、野村がショートコーナーを選択してのシュートシーン。(GK河田晃がキャッチ)
直後の徳島の攻撃、渡井がドリブルで持ち上がっている最中突然腰を抑え、倒れ込んでしまう。
後半30分 徳島 渡井→小西に交代
バイスと違いマストの選手では無いためか、徳島ベンチはすぐに交代を選択。
鈴木徳がシャドーに上がって小西が本来のボランチに。
直後に田向のドリブルに対し足を掛けて倒した甲府・佐藤和、チーム6枚目の警告を受けたうえ直接フリーキックに。
後半32分 徳島・バイスがFKを直接シュート 直後再度バイスがシュート 直後島屋がシュート
右ハーフレーン・エリアからはやや手前という位置でバイスが直接狙う。
しかし壁に当たり、跳ね返りを再度バイスが撃つも再び壁に当たり、後方にこぼれたボールを島屋が撃つという三連撃だったが島屋のシュートは宇宙開発に。
後半35分 甲府 内田健→佐藤洸に交代
後半35分 徳島 島屋→清武に交代
甲府は勝負を賭けるカードを切り、再び3バックに戻したうえ、最前線を佐藤洸・金園の2枚にしてドゥドゥが左SHへシフト。
ウタカは2列目だがポジションは一定せずという役回りに。
後半38分 甲府・ウタカがシュート
後半39分 甲府・金園がシュート
その効果が表れ、甲府はようやく反撃体制に。
佐藤洸に当てるロングボールを軸に、裏の選択肢でドゥドゥへパスを出して突破させる攻撃。
この場面は後者が功を奏し、反撃の狼煙のシュートが生まれた。
後半40分 徳島 河田→押谷に交代
定型となっている徳島の交代。
リーグ戦での押谷はサブとなってもモチベーションを切らさず、良く試合終了間際に追加点となるゴールを決めていたりと活躍していた模様。
後半42分 徳島・清武がFKをクロス気味にシュート
後半44分 徳島・バイスがFKを直接シュート
甲府攻勢の流れを切りかねなかったのが、再びの甲府の反則ラッシュによるフリーキック攻勢。(後者は小椋に警告・これで7枚目)
清武のは距離があり、一瞬ライナーでのクロスと思ったものの直接GK河田晃の腕に収まる。
バイスのは逆に距離が近すぎ、再び壁に直撃で終わる。
後半AT 甲府・佐藤洸がシュート
これは惜しいボレーシュートだったが、無情にもゴール右に外れた。
後半AT 徳島・清武がシュート 直後岩尾がシュート
押谷が左サイドで時計を進めるべくキープ、倒れたもののすかさず清武が拾ってドリブルで突き進む。
そして奥でカットインしてGK河田晃の目の前まで来て、シュートも抜けず弾かれる。
そして甲府・新井がクリアも小さく、岩尾がシュートしたが甲府・リマのブロックで際どく防ぎ、止めは刺せず仕舞いとなった。
後半AT 甲府・金園がシュート その後ウタカがシュート
ポイントゲッター2人のシュートも、徳島のブロックに阻まれ得点できず。
色々あったおかげで8分もあったアディショナルタイム、その後ドゥドゥが怒涛の中央突破を魅せたりと、最後まで甲府は攻めたもののゴールを奪う事は無く。
試合終了 1-1 引き分け(徳島の勝利)

1-1で終わり、レギュレーションに従ってリーグ戦上位であった徳島が勝ち上がり。
徳島は数的有利が色濃く表れた時間帯(甲府・佐藤洸投入まで)に一度でも決めておけば、もっと楽に勝ち上がれたと思います。
渡井の故障は気掛かりでありますが、2回戦も引き分けOKとなったのはプラス要因。
甲府の警告が膨れ上がったのは、数的不利をカバーしようという気迫の表れだったと推測しておきますが、それにしても多すぎという感想が先に立ってしまいます。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 ジェフユナイテッド千葉vs栃木SC

2019-12-05 17:05:36 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(41節・京都戦)
※前回の栃木の記事はこちら(37節・琉球戦)

苦しいだけの1年だった、という両クラブの対決。
ただし現状置かれている立場には差異が。

ホームの千葉は、この最終戦を「佐藤勇人の引退試合」という雰囲気に染め上げての一戦。yahooスポーツナビのアフリエイトも自分のPCでは彼一色になっていました
そして試合前には、既に一報として伝えられていた「来季の監督に尹晶煥氏」というものが現実となる発表が公式HPからリリースされました。(試合後に会見)
佐藤勇引退の方はともかく、まだ終了していない段階からこの手際の良い新体制の発表。
どうも今季の「苦しいだけの1年」は、さっさと忘れて次(来季)に行きたいというフロントの思考が見え隠れしているような気がします。

一方栃木の現状は、忘却するにはまだ早い、そして本当に「苦しいだけ」となっても忘却する訳にはいかないという岐路。
J2残留が掛かった一世一代の試合であり、引き分け以下に終わると即座に降格圏が確定してしまうという試合で、どんな形になっても勝たなければなりません。

残り4試合で20位との勝ち点差6という状況から、39節・新潟戦では試合終了間際での勝ち越しゴールで劇的な勝利。

そして遅まきながら勢いに乗り、勝ち点差3を保って迎えたこの最終節。
自身が勝利したうえで、町田・鹿児島のいずれかが敗戦というのが残留の条件。(得失点差ではこの2チームを上回っている)
他力も加わらないと浮上出来ない厳しい状況には変わりませんが、やるしかない状況。

千葉にとっては、前節・京都戦が昇格に望みを繋ぐ相手、そしてこの日が残留に望みを繋ぐ相手との対戦。
ただし京都がボール支配に重点を置く攻撃的なチームだったのに対し、栃木はボール支配に全く拘らない守備型のチーム。
そんな中、千葉は今季監督交代して以降どっちつかずという状態が長らく続いており、この両極端な相手の連戦は精神的にヘビーだったのではないでしょうか。

千葉はボール支配こそすれど、決定機に持っていけない時間が続きます。
いわば「ボールを持たされている状態」に陥っており、チームのスタイルが確立出来てない以上、こうなるのは至極当然と言えました。
前節の栃木は、ボール支配率僅か26%・シュート3本という内容で、長崎(74%・16本)相手に1-0の勝利。
こうした戦いは「押し込まれている」のでは無く、まさに狙い通りだったでしょう。

前半14分、為田がドリブルで突き進み、敵陣中央ほどで右へパス。
そして受けた見木がミドルシュートを放ちますが、GK川田修平がナイスセーブ。
ひたすら守備を固める相手には遠目からのシュートが吉。
そう感じたのか、17分にはセンターバック・エベルトもかなり遠めの位置からロングシュートを放ちますが、ゴール右に外れて得点ならず。

その後は千葉が時折ヘディングシュートを放つ場面こそあれど、千葉が攻めあぐみ、対する栃木の攻撃もシュートに結び付かず。
サイド攻撃主体、というのが辛うじて解る千葉ですが、左サイドの攻撃は厚みがあるのに対して右サイドは今一つ。
サイドバックの下平・サイドハーフの為田が、ポジションも入れ替えながら前進し、これに小島や船山が加わる事で奥に進入して(or進入すると見せかけて手前から)クロス。
そんなパターンですが、右はとにかくSB米倉頼みという印象で、彼のサポートが薄い。
右からのクロスは、スローインからとか左からのサイドチェンジやこぼれ球を拾ってというシーンばかりで、能動的に崩せるのは左だけ。
特に栃木のように中央の固いチームが相手では、それが顕著だったのでしょう。

一方の栃木も、そんな攻撃の組み立てはほぼ感じられませんでしたが、開き直るかの如く「ヘニキFWシステム」と「セットプレー」に全てを賭けている節があり。
42分の右からのスローイン、投げ入れたボールをヘニキが収めにいき、こぼれ球を榊が広い攻撃。
榊→浜下→久富と渡り、久富の手前からのクロスが上がると、落下点もエリア手前でありそこから大﨑がヘディングで中へ。
これをさらに榊が足で合わせますが、オフサイドとなり好機を逸します。

結局前半は0-0で終え、栃木にとっては勝負の後半。
千葉側も、ベンチスタートの佐藤勇を何処で投入するのか頭を使う展開になります。

後半も、組み立てたいもままならない千葉と、ロングボールとスローインで前進していく栃木の一進一退という内容。
後半12分の栃木、自陣からのフリーキックをキッカー瀬川がロングフィード、ヘニキが落としてから好機。
浜下は1タッチでヘニキに戻し、ヘニキがダイレクトでシュートを放ったものの枠外に。

千葉は前半の良く無い流れを受けたのか、後半はロングボールを使っての攻撃が目立ちました。
とにかくFWをターゲットにしてという、相手の栃木をインスパイアしたかどうかは不明ですが、そんな攻撃で活路を見出そうとします。
その攻撃が火を噴いたのが19分、下平のロングパスを船山が落とし、そのボールをクレーベがダイレクトでミドルシュート。
しかしGK川田修がここもセーブして得点ならず。
やはり個人のクオリティの違いからか、栃木がヘニキに当ててもその後繋ぐ必要があるのに対し、千葉は少ないタッチでフィニッシュに持っていく。

そんな攻撃が脅威となった千葉ですが、アクシデントが発生。
エベルトが足を痛めて倒れ込み続行不能となり、しかも丁度佐藤勇が交代準備をしていたとあって慌ただしくなるベンチ。
結局当初の予定通り見木に代えて佐藤勇、それに加えてエベルト→増嶋と交代。

これが流れを切ってしまった感があり、その後は栃木が攻勢を強めます。
ベンチも勝負所と見たのか、24分に浜下→大黒へと交代。
内容的には相変わらずロングボールとセットプレーでシュートまで持ち込めませんが、それでも千葉を押し込み、勝負への執念を見せます。

そして27分、とうとう結果に結び付きます。
右からのロングスローが跳ね返された後、枝村が右サイドで拾って繋ぎ、スローインをした久富が再度エリア内へクロスを供給。
ニアサイドで大﨑が触れると、ファーに流れたボールを田代が飛び込んでヘディング。
新潟戦でも決勝点を挙げた田代、再び泥臭さ満点のゴールを挙げて先制に成功。

その直後(29分)にも栃木は好機、GK川田修のフィードから、右サイドの前線でヘニキがフリックして大黒に渡ります。
一旦久富まで戻りますが、その久富がドリブル突破を見せ浜下→大﨑と渡り、大﨑はクロス気味にシュートを放ったもののGK佐藤優也がキャッチ。

その後栃木・瀬川の負傷交代(川田拳人と交代・久富が左SBに、川田拳は右SB)を経て試合終盤を迎え、窮地に立たされた千葉。
37分に小島→佐藤寿人へと交代、佐藤兄弟を揃えて反撃を……という思惑が繋がったかどうかは不明ですが、40分以降は一方的な攻勢に。
終盤で栃木のプレスも甘くなりがちで、リトリートに徹する栃木に対し再び千葉はボール支配しての攻撃に全てを賭けます。

42分、スローインの後右サイドで形を作り、工藤のクロスに為田がヘディングシュートにいきます。
しかしブロックに遭いこぼれた後クリア。
アディショナルタイムのコーナーキック、キッカー下平のニアサイドへのクロスをクレーベがフリック。
そしてファーに流れたボールに新井が飛び込みますが、僅かに合わず。
その後には為田のクロスがクリアされた後、エリア手前右という位置で佐藤勇がボレーシュートを狙う見せ場があったものの、これもブロックされて千葉は万事休す。
最後はGKの高い位置を見た栃木・大黒がロングシュートを狙う場面を作り(ゴール左に逸れる)、そのまま逃げ切り勝利した栃木。

栃木メンバーが他会場の結果を待つ姿勢に入っていると、負傷者もあって試合が長引いていた鹿児島、福岡に敗戦という報が伝えられて栃木の逆転残留が決定。
本当に最後の最後で、苦しさが安堵に変わる事となりました。

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DAZN観戦 2019年J1参入プレーオフ1回戦 大宮アルディージャvsモンテディオ山形

2019-12-05 11:52:46 | サッカー視聴記(2020年以前)

<大宮スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 笠原
DF 畑尾 菊地 櫛引
MF イッペイ・シノヅカ 石川 三門 酒井
   茨田 奥抜
FW ロビン・シモヴィッチ

<山形スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 櫛引
DF 熊本 栗山 松本
MF 柳 本田 中村 山田
   坂元 井出
FW 大槻

3位の大宮、終盤の過密日程とメンバー固定が祟ってか、ディフェンスラインの河面・河本がメンバー外に。
左ウイングバックには最終節を休んだ酒井が復帰(渡部と入れ替え)。
1トップ、フアンマ・デルガドはベンチスタート。

6位の山形、ベテラン・加賀がベンチ外で熊本がスタメン。
シャドーには山岸では無く井出がスタメン、山岸はベンチスタートと、後半勝負を意識した布陣か。
リーグ終盤はベンチ外が続いていたジェフェルソン・バイアーノがベンチ入り。

前半開始
どちらも好機を掴めない展開。
大宮はシモヴィッチをターゲットにした攻撃で先に主導権を握りかけるが、6分に山形がカウンター攻撃で流れを引き戻す。
その後は8分、山形・井出の左コーナー付近でのダブルタッチからのカットインが鮮烈な印象を残すも、シュートには持ち込めず。
前半13分 山形・井出がシュート
このシュートは大宮・菊地がブロック。
15分、井出のスルーパスに大槻が走り込む好機があったが、GK笠原が飛び出してクリアで難を逃れる。
19分にも山形のカウンターで井出が抜け出すも、同様にGK笠原の飛び出しでクリアという場面が。
またこの日の山形、意外にも最終ラインからの繋ぎによるビルドアップで活路を見出そうとするシーンが目立つ。
前半20分 大宮・酒井がヘディングシュート
右サイドでのフリーキック・シノヅカのクロスから。
23分、再び山形・井出が左コーナー付近でシノヅカを振り切りキープと目立つが、シュートには持ち込めない。
前半25分 大宮・酒井がヘディングシュート
これもコーナーキックでのシノヅカのクロスから。
26分には大宮・櫛引がドリブル・三門とのワンツーを織り交ぜて左サイドを突破、クロスが上がるもののシノヅカには惜しくも渡らずクリア。
29分には大宮・菊地のパスカットからチャンス、石川がエリア内へスルーパス、茨田が走り込むも合わず。
その後大宮の攻撃は打ち止め、山形ペースに、しかしシュートには持ち込めず。
中村のロングパス配給が目立ち始めるも、今一つ好機は作れず。
41分、シモヴィッチが栗山に対してバックチャージして反則・警告。
アディショナルタイムは大宮がボールを握るも、最後は無理に攻撃はせずキープして終了を待つ。
前半終了
後半開始
開始前 大宮 シモヴィッチ→フアンマに交代
早いタイミングで1トップを交代した大宮、シモヴィッチの警告も考慮しての采配か。
しかし立ち上がりは山形のペース。
後半4分 山形・栗山がヘディングシュート
コーナーキック・中村のクロスからも、威力に欠けたシュートに。
7分に山形のカウンター、本田のロングパスを受けた井出、ドリブルで疾走しエリア内左へ入りクロス。
後半10分 山形 井出→山岸に交代
井出はここでお役御免、前半から躍動する場面が目立っていたが、既定路線の交代のため飛ばしていたのだろうか。
後半10分 山形・中村がミドルシュート
以降は中村がミドルシュート攻勢、しかし1発目は大宮のカウンターを誘発してしまう。(茨田→シノヅカへの決定的なロングパスを栗山がカットして防ぐ)
後半13分 山形・中村がミドルシュート
後半15分 大宮・畑尾がヘディングシュート
右コーナーキック・シノヅカのクロスから、ニアサイドでのシュート。
この直前に右サイドからシノヅカクロス→ニアでフアンマ合わせにいくもGK櫛引の飛び出して撃てず、という場面があり、ニア狙いを続けた格好。
後半17分 山形 大槻→バイアーノに交代
矢継ぎ早にコマを繰り出す山形、同点な以上実質ビハインドなので当然か。
後半18分 大宮・茨田がシュート
敵陣深くのスローインは殆どがロングスローの大宮、その姿勢がシュートに繋がった場面だが、結果は枠外。
その後山形はバイアーノのポストプレイを利用した攻めを見せるも、成果は今一つ。
後半24分 山形・坂元がミドルシュート、その後山岸がシュート
坂元がドリブルで持ち込んでシュート、ブロックされた後も繋いでチャンスを作る。
中村のクロスがクリアされ、そのボールを柳がダイレクトでエリア内へ送り山岸へ(もしかするとシュートだったのかも)、惜しくも山岸のシュートは左に外れてしまった。
後半25分 大宮・石川がミドルシュート
ゴールキック→フアンマの落としというシンプルな攻撃からのシュート。
後半25分 大宮 奥抜→ダヴィド・バブンスキーに交代
後半28分 山形先制 オウンゴール 0-1
本田のクロスがクリアされて左コーナーキックになると、キッカー中村は変化を付け、松本とパス交換ののちエリア内の坂元へ。
その坂元はエリア内左からグラウンダーでクロス、これがクリアにいったシノヅカの足に当たってゴールに吸い込まれた。
一旦判定はオフサイドになったものの、主審と副審の判定が違ったため協議し、その結果ゴールに。
これでフアンマが激高して抗議・警告を貰う。(さらにはGKコーチ・藤原氏にも警告)
試合再開後も山形が攻勢。
後半34分 大宮 石川→大前に交代
茨田がボランチにシフトし、大前がシャドーに。
たまらず切り札を投入した大宮だが、情勢は変わらず。
後半37分 山形追加点 山岸がシュート 0-2
坂元が右サイドでロングパスを出し、バイアーノが抜け出した所からチャンス。
バイアーノはキープしたのち柳にバックパス、彼が上げたクロスをファーサイドで山田が折り返し、中央で山岸が走り込んで仕上げた。
山形サイドに、2014年のプレーオフで山の神・山岸(当然別人・GK)が上げたゴールをフラッシュバックさせる新・山の神の得点。
後半41分 大宮・バブンスキーがシュート
2点差という危機的状況に、良い所が少なかった大宮サイドも血眼になる。
このシュートはGK櫛引のセーブに阻まれ得点ならず。
以降もフアンマのポストプレイや大前のセットプレー、櫛引のオーバーラップなど、総動員して攻め上がるも得点は生まれず。
後半AT 山形 山田→野田に交代
時間稼ぎの一環か。
その後バイアーノの右コーナーでのキープも見られ、大宮はシュートを撃てないまま時間が経過していく。
試合終了 0-2 山形が勝利

下剋上は得意、とばかりに大宮を下した山形。(2014年も6位から勝ち上がり、J1昇格)
大宮サイドはDF3人のうち2人が入れ替わり、有利な条件故のプレッシャー、リーグ戦終盤の失速などネガティブな要素を複数抱え込んでしまったのでしょうか。
山形が、本来の持ち味ではない最終ラインからのビルドアップをする姿を見ても、プレスはあまり掛けられずと気持ちが守りに入っていた印象でした。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 アルビレックス新潟vsV・ファーレン長崎

2019-12-04 16:07:33 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の新潟の記事はこちら(37節・福岡戦)
※前回の長崎の記事はこちら(38節・金沢戦)

後半は怒涛の追い上げを見せたものの、結局昇格には届かなかった新潟。
可能性が潰えたのが栃木戦(39節・1-2)という事で、「下位相手に取りこぼしを……」なんて嘆きが聞こえてきそうですが、ある意味今季のチームの立ち位置を象徴したかのような試合。
残留目指して泥臭くくる相手に対し苦戦気味の内容で、それは新潟の現状に足りないものを見せられたようでもあり。

レオナルドを中心とした強力助っ人陣と、本間・渡邊新太・秋山らに代表される若手成長株がウェイトを占めるレギュラー陣。
勝つ時は華々しい試合で沸かせたものの、栃木戦のような展開になると押され気味になる。
泥臭さが足りず、何処と無くスマートさが目立っていたと推測します。

戸嶋・渡邊新以外のレギュラー陣は、今季新加入ないしは大幅に出場機会を得た選手ばかりなので、言い換えれば今季は土台作りが果たされたシーズン。
そして足りないものを来季補えれば理想的であり、土台を作るのに邁進していた節のある吉永一明監督は退任が決定。
既に新監督にはアルベルト・プッチ・オルトネダ氏が内定しており、来年このチームをどう色付けていくのか。

その対戦相手である長崎も、既に来年へのスタートを考える時期に入っています。
この日はチーム得点王の呉屋がベンチスタート。
レンタル元・ガンバへのレンタルバックを邪推してしまいそうな起用でしたが、彼不在の形を見つけるのも一種の来季への備えでしょう。
ただしベスト4に残っている天皇杯が控えるというのが他チームとの相違点で、その意味では天皇杯に出場資格の無い秋野(今季湘南で天皇杯に出ているため)を起用するのは疑問が残りますが。

試合が始まり、立ち上がりは長崎ペースに。
今季途中から見られる、ボール支配がベースのサッカーを色濃く表します。

その内容は、ビルドアップ時は2センターバック+2ボランチで、両SBを高い位置に上げるというオーソドックスなもの。
そしてサイド攻撃中心の思惑も、片側のサイドでパスを回しては、玉田や逆サイドのサイドハーフが寄って来るという行動に表れていました。
しかしそれは単調な域を出ていないもので、呉屋の居ない攻撃陣では中々ゴールに結び付けるのは難しい。
特にサイドチェンジのパスは殆ど見られず、ワンサイドで攻撃を完結させたい趣が露骨であったかな、と感じました。
前半12分の長崎のファーストシュートは、角田のパスを受けた右SB・米田がドリブル、一旦奪われるも取り返して吉岡のクロスに繋げたのが契機。(その後クリア→こぼれ球を島田シュート・GK大谷がキャッチ)
抜擢されて未だ日が新しい米田ですが、着実に実力は発揮しているようで。

反対に新潟も、秋山という経験が浅いながらも存在感を発揮している選手を擁しています。
以前は後方からの縦パス・ロングパスが中心で、後は反則的な助っ人を軸に何とかする、というような攻撃。
しかしボランチの位置でゲームメイクするのが特徴の秋山が加わった事で、遅攻もそれなりに有効になった感のある新潟。
長崎には見られない、サイドチェンジのパスも繰り出す事で、高校卒らしからぬ安定感と落ち着きを与えていたようでした。

その他この日の新潟の攻撃は、堀米・早川の両SBが中央に絞る動きが多々見られました
その空いたスペースにサイドハーフが入る事で、相手選手のチェックを攪乱させるのが主な狙いで、最近のトレンドの一つにもなりつつあるこの攻撃。
サイドハーフに本間・渡邊新が控えているので、彼らの引き出しをもっと増やしてやろうという思惑が感じられました。

結局前半は五分五分ぐらいの攻撃率ながら、シュートに繋げられていた分新潟の方が優勢に映った印象で終了。
それでも新潟はシュートを撃っていたのは縦パスの攻めからのレオナルド・シルビーニョと、コーナーからのCB大武のヘディングであり、上記のような攻めはあまりシュートに繋がらず。

「縦パス一本で助っ人利用」と「遅攻・偽SBによる新しい攻め」の二つの要素が同時に存在していた感のある新潟。
この二つをどう結び付けていくかが課題だと個人的に思っていましたが、後半早々にその融合ともいうべきゴールが見られました。
後半3分左SBの堀米が自陣中央でボールを拾い攻撃開始、そして堀米が居るべき場所には本間が居り、シルビーニョのポストプレイを受け取ります。
ここから遅攻に入り、中央から右へパスが回ったのち再び中央で秋山・戸嶋・堀米がパス回し、一旦戻された後大武が左へ展開し堀米へ。
左寄りに戻った堀米の外側には依然として本間が居ましたが堀米は縦パスを出し、シルビーニョが入れ替わりで受けて抜け出し攻撃にスイッチが入ると、シルビーニョの中央へのパスをレオナルドが受ける絶好機に。
そして渡邊新とのパス交換の後、エリア内右からシュートを放ったレオナルド、豪快にサイドネットに突き刺す先制点。
シュートこそ守備側がノーチャンスの個の力でしたが、遅攻から巧く速い攻撃に切り替えた素晴らしい攻めがあってのゴールと感じました。

先制された長崎ですが、その後も最終ラインでのビルドアップからの攻めに邁進。
その最終ライン、この日CBの片割れを務めていたのは高杉。
長崎がJリーグ入りを果たすと同時に加入し(愛媛から移籍)、以降長崎一筋で過ごしてきた選手ですが、今季契約満了による退団が決定。
今季は角田の加入・香川のレンタルバックなどで出番が減少し、これが5試合ぶりのスタメンでした。

その高杉、この試合の印象的なシーンを演出します。
11分の長崎のコーナーキック(キッカー秋野)、一旦エリア内でクリアされた後、吉岡が拾い米田が再びエリア内へクロス。
これが低いボールでゴール前を突き、待ち構えていたビクトル・イバルボを過ぎると、ファーサイドに高杉が猛然とスライディングで合わせてシュート。
ボールはゴールネットに突き刺さり、見事な高杉の送別ゴール……と思われましたが判定はオフサイド。
これに猛抗議する長崎サイド。

というのも、オフサイドを取られたのはイバルボ(彼は最初からオフサイドポジションに居た)ですが、プレーには全く関与しておらず。
高杉は完全にクロスが蹴られてから抜け出しており問題無く、イバルボがどうだったかが問題であったこのシーン。
「GKのブラインドになっていたらオフサイド」が適用されたのでしょうが、イバルボに隠されるような位置でシュートを放ったという訳でも無い(GKから見たらイバルボの右側でのシュートだったと思われる)ので、釈然としない判定となりました。

その直後の14分、再び長崎の決定機。
角田がドリブルで持ち上がり、その後中央でのパスワークから、秋野がミドルシュート。
これをGK大谷がセーブしますが、すかさず詰めにいったのは吉岡。
しかしシュートは無情にもゴールの左で、今度は自力(?)での決定機逸となってしまいました。

そして16分、長崎を失意の底に叩き落すかの如く新潟が追加点。
コーナーキックからのクロスを、大武がヘディングシュートでゴールに叩き込みました。
尚この日のキッカーは本間であり、以前は秋山が務めていたはずでしたが、競争の一環か。

2点ビハインドとなった長崎、18分に痺れを切らしたのか呉屋を投入。(澤田と交代)
その直後、再び高杉がシュート(コーナーキックからヘディング)と見せ場を作ったものの枠外に。

リードされた長崎、その後は相手の「ボールを持たせる」思惑も絡み前半以上にポゼッションに偏ったサッカーになるのを想像しましたが、ここからは一転して速攻狙いに。
縦パスと呉屋のポストプレイを絡ませて前進するというシンプルな攻撃を重視しチャンスを作っていきますが、反撃の狼煙となるゴールは上げられず。
逆に、新潟側がこれまで以上に遅攻を駆使し、ポゼッションを高めるという試合の図式に変遷していきました。
この速攻と遅攻の使い分けを存分に使えるようになれば、来季は有力な昇格候補になる気がしました。

そして新潟は36分、シルビーニョ→矢野に交代。
長崎・高杉と同様、既に今季の退団が決定している矢野が登場した事で、デンカビックスワンスタジアムは情緒溢れる雰囲気となります。

この後新潟は緩んでしまったか、自陣でパスミスをしては長崎にシュートされるシーンが頻発。
そして43分、スローインから簡単に中央に繋がれ、米田に鮮やかなミドルシュートを決められて1点差に。
それでも反撃をこの1点に留め、最後は矢野と同じく退団が決定しているGK野澤を交代出場させ、無事に試合終了。
実績あるベテラン選手の退団に花を添える事にも成功した新潟(この他、田中達也も退団)、来季へのスタートに弾みはついたでしょうか。

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