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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 ジェフユナイテッド千葉vs栃木SC

2019-12-05 17:05:36 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(41節・京都戦)
※前回の栃木の記事はこちら(37節・琉球戦)

苦しいだけの1年だった、という両クラブの対決。
ただし現状置かれている立場には差異が。

ホームの千葉は、この最終戦を「佐藤勇人の引退試合」という雰囲気に染め上げての一戦。yahooスポーツナビのアフリエイトも自分のPCでは彼一色になっていました
そして試合前には、既に一報として伝えられていた「来季の監督に尹晶煥氏」というものが現実となる発表が公式HPからリリースされました。(試合後に会見)
佐藤勇引退の方はともかく、まだ終了していない段階からこの手際の良い新体制の発表。
どうも今季の「苦しいだけの1年」は、さっさと忘れて次(来季)に行きたいというフロントの思考が見え隠れしているような気がします。

一方栃木の現状は、忘却するにはまだ早い、そして本当に「苦しいだけ」となっても忘却する訳にはいかないという岐路。
J2残留が掛かった一世一代の試合であり、引き分け以下に終わると即座に降格圏が確定してしまうという試合で、どんな形になっても勝たなければなりません。

残り4試合で20位との勝ち点差6という状況から、39節・新潟戦では試合終了間際での勝ち越しゴールで劇的な勝利。

そして遅まきながら勢いに乗り、勝ち点差3を保って迎えたこの最終節。
自身が勝利したうえで、町田・鹿児島のいずれかが敗戦というのが残留の条件。(得失点差ではこの2チームを上回っている)
他力も加わらないと浮上出来ない厳しい状況には変わりませんが、やるしかない状況。

千葉にとっては、前節・京都戦が昇格に望みを繋ぐ相手、そしてこの日が残留に望みを繋ぐ相手との対戦。
ただし京都がボール支配に重点を置く攻撃的なチームだったのに対し、栃木はボール支配に全く拘らない守備型のチーム。
そんな中、千葉は今季監督交代して以降どっちつかずという状態が長らく続いており、この両極端な相手の連戦は精神的にヘビーだったのではないでしょうか。

千葉はボール支配こそすれど、決定機に持っていけない時間が続きます。
いわば「ボールを持たされている状態」に陥っており、チームのスタイルが確立出来てない以上、こうなるのは至極当然と言えました。
前節の栃木は、ボール支配率僅か26%・シュート3本という内容で、長崎(74%・16本)相手に1-0の勝利。
こうした戦いは「押し込まれている」のでは無く、まさに狙い通りだったでしょう。

前半14分、為田がドリブルで突き進み、敵陣中央ほどで右へパス。
そして受けた見木がミドルシュートを放ちますが、GK川田修平がナイスセーブ。
ひたすら守備を固める相手には遠目からのシュートが吉。
そう感じたのか、17分にはセンターバック・エベルトもかなり遠めの位置からロングシュートを放ちますが、ゴール右に外れて得点ならず。

その後は千葉が時折ヘディングシュートを放つ場面こそあれど、千葉が攻めあぐみ、対する栃木の攻撃もシュートに結び付かず。
サイド攻撃主体、というのが辛うじて解る千葉ですが、左サイドの攻撃は厚みがあるのに対して右サイドは今一つ。
サイドバックの下平・サイドハーフの為田が、ポジションも入れ替えながら前進し、これに小島や船山が加わる事で奥に進入して(or進入すると見せかけて手前から)クロス。
そんなパターンですが、右はとにかくSB米倉頼みという印象で、彼のサポートが薄い。
右からのクロスは、スローインからとか左からのサイドチェンジやこぼれ球を拾ってというシーンばかりで、能動的に崩せるのは左だけ。
特に栃木のように中央の固いチームが相手では、それが顕著だったのでしょう。

一方の栃木も、そんな攻撃の組み立てはほぼ感じられませんでしたが、開き直るかの如く「ヘニキFWシステム」と「セットプレー」に全てを賭けている節があり。
42分の右からのスローイン、投げ入れたボールをヘニキが収めにいき、こぼれ球を榊が広い攻撃。
榊→浜下→久富と渡り、久富の手前からのクロスが上がると、落下点もエリア手前でありそこから大﨑がヘディングで中へ。
これをさらに榊が足で合わせますが、オフサイドとなり好機を逸します。

結局前半は0-0で終え、栃木にとっては勝負の後半。
千葉側も、ベンチスタートの佐藤勇を何処で投入するのか頭を使う展開になります。

後半も、組み立てたいもままならない千葉と、ロングボールとスローインで前進していく栃木の一進一退という内容。
後半12分の栃木、自陣からのフリーキックをキッカー瀬川がロングフィード、ヘニキが落としてから好機。
浜下は1タッチでヘニキに戻し、ヘニキがダイレクトでシュートを放ったものの枠外に。

千葉は前半の良く無い流れを受けたのか、後半はロングボールを使っての攻撃が目立ちました。
とにかくFWをターゲットにしてという、相手の栃木をインスパイアしたかどうかは不明ですが、そんな攻撃で活路を見出そうとします。
その攻撃が火を噴いたのが19分、下平のロングパスを船山が落とし、そのボールをクレーベがダイレクトでミドルシュート。
しかしGK川田修がここもセーブして得点ならず。
やはり個人のクオリティの違いからか、栃木がヘニキに当ててもその後繋ぐ必要があるのに対し、千葉は少ないタッチでフィニッシュに持っていく。

そんな攻撃が脅威となった千葉ですが、アクシデントが発生。
エベルトが足を痛めて倒れ込み続行不能となり、しかも丁度佐藤勇が交代準備をしていたとあって慌ただしくなるベンチ。
結局当初の予定通り見木に代えて佐藤勇、それに加えてエベルト→増嶋と交代。

これが流れを切ってしまった感があり、その後は栃木が攻勢を強めます。
ベンチも勝負所と見たのか、24分に浜下→大黒へと交代。
内容的には相変わらずロングボールとセットプレーでシュートまで持ち込めませんが、それでも千葉を押し込み、勝負への執念を見せます。

そして27分、とうとう結果に結び付きます。
右からのロングスローが跳ね返された後、枝村が右サイドで拾って繋ぎ、スローインをした久富が再度エリア内へクロスを供給。
ニアサイドで大﨑が触れると、ファーに流れたボールを田代が飛び込んでヘディング。
新潟戦でも決勝点を挙げた田代、再び泥臭さ満点のゴールを挙げて先制に成功。

その直後(29分)にも栃木は好機、GK川田修のフィードから、右サイドの前線でヘニキがフリックして大黒に渡ります。
一旦久富まで戻りますが、その久富がドリブル突破を見せ浜下→大﨑と渡り、大﨑はクロス気味にシュートを放ったもののGK佐藤優也がキャッチ。

その後栃木・瀬川の負傷交代(川田拳人と交代・久富が左SBに、川田拳は右SB)を経て試合終盤を迎え、窮地に立たされた千葉。
37分に小島→佐藤寿人へと交代、佐藤兄弟を揃えて反撃を……という思惑が繋がったかどうかは不明ですが、40分以降は一方的な攻勢に。
終盤で栃木のプレスも甘くなりがちで、リトリートに徹する栃木に対し再び千葉はボール支配しての攻撃に全てを賭けます。

42分、スローインの後右サイドで形を作り、工藤のクロスに為田がヘディングシュートにいきます。
しかしブロックに遭いこぼれた後クリア。
アディショナルタイムのコーナーキック、キッカー下平のニアサイドへのクロスをクレーベがフリック。
そしてファーに流れたボールに新井が飛び込みますが、僅かに合わず。
その後には為田のクロスがクリアされた後、エリア手前右という位置で佐藤勇がボレーシュートを狙う見せ場があったものの、これもブロックされて千葉は万事休す。
最後はGKの高い位置を見た栃木・大黒がロングシュートを狙う場面を作り(ゴール左に逸れる)、そのまま逃げ切り勝利した栃木。

栃木メンバーが他会場の結果を待つ姿勢に入っていると、負傷者もあって試合が長引いていた鹿児島、福岡に敗戦という報が伝えられて栃木の逆転残留が決定。
本当に最後の最後で、苦しさが安堵に変わる事となりました。


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