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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 水戸ホーリーホックvsファジアーノ岡山

2019-12-09 18:43:56 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の水戸の記事はこちら(41節・鹿児島戦)
※前回の岡山の記事はこちら(36節・徳島戦)

昇格争いの最後尾から、逆転昇格を図る水戸。
前節・鹿児島戦での敗戦(0-1)を受け、最も厳しい状況に置かれた上でこの最終節を迎える事となってしまいました。
一方対戦相手の岡山も、前節の敗戦(横浜FC戦・0-1)で昇格は絶望的に。
一応可能性としてはほんの僅かに残っているものの、非現実的なため無理に勝利・大量得点を狙うという事は無く。

水戸は志知・岸田がそれぞれ4試合ぶり・7試合ぶりのスタメン。
両サイドバックは外山・浜崎の2人が起用されていた近況でしたが、ここに来て原点回帰。
センターバックも瀧澤と細川のコンビにシフト、そしてGKには松井が復帰。
移籍後盛んに起用されていた宮はこの日はサブと、ディフェンスラインをテコ入れしてきたのは、前節の敗戦を受けての微調整か。
あるいは、試合前インタビューで何処と無くいつもの様子では無かった長谷部茂利監督(そのせいかインタビュアーの質問もやたら多かった)、「悔いのない戦いを……」という思いが表れての起用だったのか。

一方の岡山、昇格争いを戦ってきたダメージは、仲間・関戸の両サイドハーフが故障という状況に色濃く表れています。(仲間は前節出場も、この日は再びベンチ外)
そしてCBも田中が故障中であり、大ベテラン・後藤(この日3試合目)とともにコンビを組むのは、こちらも故障離脱から復帰してきた濱田。

雨中での試合という要素もあり、立ち上がりは両チームともボールを繋ぐのに難儀。
FW2人(イヨンジェ・山本)がターゲットになれる岡山が若干押し気味か、と感じたものの、とりわけ大差無く試合は進んでいきます。
ファーストシュートは岡山(前半15分)、ユヨンヒョンのディフェンスからイヨンジェに繋がり、そのままエリア手前からシュート。
これがブロックされてのコーナーキックからも、後藤がヘディングシュートを放ちます。(枠外)

しかしグラウンドコンディションに慣れて来たか、水戸は徐々に反撃。
19分、GK松井のロングフィードを清水が落とし、受けた小川が反転シュートを狙うもGK一森がキャッチ。
22分は左サイドから組み立て、前→木村→志知と繋げて、志知の中央へのパスがこぼされたボールを清水が拾いエリア内に進入してシュート。
これもGK一森にキャッチされます。
次第に水戸ペースに傾いていく試合展開、27分・29分にも清水がシュート、それをGK一森がキャッチというシーンが。
枠内シュートで攻撃を終える良い流れを見せていきます。

そして40分、岡山・上田のトラップミスを拾いにいった木村、そのまま上田に倒されて反則となり直接フリーキックに。
右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という絶好の位置で、直接狙いにいったのはスタメン復帰した志知。
これが壁を抜けるも岡山・増谷のブロックに遭い(瀧澤に当たった?)、エリア内にこぼれたボールを瀧澤がシュート。
ややもすると志知のシュートを強奪したような形に映りましたが、シュートはネットに突き刺さり水戸が先制点を挙げます。
尚も攻める水戸は44分、黒川のスルーパスに清水が抜け出すという好機がありましたが、GK一森が飛び出してクリア。

結局1-0で前半を終えましたが、追い掛ける水戸の立場からすると、他会場の経過が気になる所。
2チームを抜かさなければ6位以内に入れない現状で、既に京都は1-4と敗色濃厚となっていましたが、6位に入るには後1チーム。
勝ち点1差の甲府は引き分けでも抜けますが、勝ち点3差の山形・徳島は敗戦になってやっと得失点差勝負になるという状況。
他力本願も当てにしながら、得失点差を稼ぐというファクターも考慮に入れたい後半の戦い。

その思惑通り、後半立ち上がりは水戸が攻勢に出ます。
しかし前半とは打って変わりシュートまで持っていけない状態に陥ります。
周囲をヤキモキさせる展開になると、逆に後半10分の岡山の攻撃。
左サイドを突破したのち椋原が中央へパス、ユヨンヒョン→三村と渡り、三村がエリア内からシュート。
GK松井がセーブし、ヒヤリとさせられた水戸サイド。

しかし冷や汗を掻くだけに留まらず、ここから岡山ペースへと試合は移り変わります。
13分にユヨンヒョン→赤嶺へと交代を敢行した岡山。(山本が右サイドハーフへシフト)
ハッキリとしたポストプレイヤーである赤嶺を加え、ボールキープをした上で押し込んでいく意図でしょうか。

前後して両チームミドルシュートの応酬(水戸は前・木村、岡山は上田)を見せた後の22分。
右サイドで上田のスルーパスから、後藤がクロスを上げると赤嶺が落としてイヨンジェへ。
イヨンジェは収めたのちエリア内左から反転シュート、これがゴール右を際どく襲うも、僅かに外れて再び水戸サイドは冷や汗。

その後は前線の収める能力に加え、両SB(右・増谷、左・椋原)が奥まで進入して攻め上がる場面が増えてくる岡山。
29分には椋原→武田拓真へと交代(三村が左SBにシフト)し、尚も攻勢に出んとします。

一方追加点どころでは無くなったような状況の水戸。
最初の交代は29分、木村→浅野であり、劣勢を打開せんと攻撃の駒を入れてきました。
その通りに、直後に中盤での白井のパスカットから、早速浅野がクロスを上げる場面が。
そして35分には黒川→村田へと交代。
その直後、スローインから左サイドで攻撃を作り、バックパスを経た後白井が縦パス。
小川がエリア内で収めた後、清水へと繋がりシュート。
GK一森にセーブされた後、右サイドで村田が拾い再び中央へボールが送られて小川がシュート(DFがブロック)。

ようやく2点目への意欲が形になって見えて来たシーンでしたが、ここからはガス欠もあってか岡山が再び攻勢に。
それでもシュートシーンはイヨンジェ(39分)・三村(40分)ぐらいで、1-0のままアディショナルタイムへ。

ところがここからドラマ性の様相を示すようになっていくピッチ上。
というのも、他会場・山形の試合が、後半44分に1-2とリードを奪われる状況へと変化。
このままでいくと勝ち点で並びますが、水戸は得失点差が同じなものの総得点で負けている現状となり、6位浮上には後1点が必要です。
この状況をベンチはピッチ上に伝えたものの、全員には伝わりきっていなかったようで、GK松井がボールをキャッチし落ち着いていた際に水戸選手が早く出すように促すシーンも。

しかしピッチ上でビハインドなのは岡山の方で、依然として岡山押し気味という展開。
そして岡山のコーナーキックの際にGK一森が上がるシーンが見られ、「点が欲しい側が逆に総攻撃の姿勢を受ける」という可笑しな状況に。
しかもそこからクリアされカウンターチャンスかと思われましたが、好機には繋げられない水戸。

結局1-0のまま試合終了の笛が。
水戸はここから完全に他力本願となりましたが、既にアディショナルタイム。
そして山形はこの試合の結果を受け、失点を避けるためボールを動かさないというプレーを選択しており、水戸の希望は潰える事となりました。

最初から最後まで昇格争いを演じた今季の水戸。
J2一筋で20年間過ごしてきただけに、やっとJ1昇格への光明が見え始めたシーズン。
それだけにこの悲劇的結末は言葉にし難いものがあります。

そしてこれを受けて、条件付きという形でのJ1ライセンスも、来季は再びJ2に逆戻りが決定。(まあ来季途中にまた同じ形になるでしょうが)
さらには、試合前にまるで最後の試合になるかのようなインタビューをしていた長谷部監督も、退任が決定・すかさず来季の福岡監督に就任という報も飛び込んできました。
全てがスタートラインに戻ってしまうようなシーズン終了直後の流れですが、それでもクラブの最高成績という足跡は一生残っていくはずです。

コメント
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