<湘南スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 富居
DF 山根 坂 大野
MF 岡本 齊藤 金子 鈴木冬
松田 中川
FW 山崎
<徳島スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 梶川
DF 石井 ヨルディ・バイス 内田裕
MF 田向 岩尾 小西 島屋
野村 鈴木徳
FW 河田
惜しくも16位から抜け出せなかった湘南というイメージの最終節だったが、曺貴裁(チョウキジェ)監督がパワハラ疑惑により現場を離れる~シーズン終了まで僅か1勝という低空飛行がそもそもの要因、と誰もが思う成績。
そんな流れに浸かってしまったか故障者の数もおびただしく、リーグ戦でスタメン3試合のみの中川を起用するなど厳しい陣容。
杉岡・クリスランは間に合いベンチ入り。
クリスランの他、指宿・野田と長身FWがサブに控えており、終盤のパワープレイには事欠かないであろう布陣。
なおGKは富居で、31節以降秋元と守護神の座を交代していた模様。
自分は奇しくも今季富居のプレーを観た経験があり(ルヴァン杯3節)、不思議な巡り合わせを痛感する。(どうでもいい)
1回戦・2回戦を勝ち上がってきた徳島、上り調子vs不調という典型的な図式であるが、2チームの間に立ちはだかるのがJ1・J2という見えない(見えずらい)壁。
前年のヴェルディも、磐田相手にほぼ何もさせてもらえずという有様で、カテゴリの違いをまざまざと見せつけられてしまった決定戦となってしまった。
まずは自分たちのサッカーが通用するかどうかを見極める立ち上がりが予想される。
スタメンは2回戦から不動で、渡井が故障から復帰したものの、「良い流れの時はメンバーを弄らず」の法則に従いサブに。
その他清武・杉本・藤田・押谷と、サブにはレギュラークラスがズラリ。
試合開始
立ち上がり、湘南がJ1の貫禄を見せつけるかのように若干押し気味。
前半3分 湘南・齊藤がミドルシュート
湘南も徳島に負けず劣らず、DFの攻撃参加が目立つチーム。
まずは山根のドリブルでジャブを仕掛け、その後クロスがクリアされた後に齊藤のシュートが生まれたが枠を外す。
前半5分 徳島・河田がシュート
前半6分 湘南・松田がミドルシュート
前半7分 徳島・小西がミドルシュート
前半8分 徳島・田向がシュート
短い間にシュートの応酬が続いたが、湘南がいずれもミドルシュートなのに対し、徳島はこの展開でエリア内でシュートを放つ事2度。
これでいけると確信したか、以降は徳島が攻勢に。
9分には内田裕斗が、鈴木徳真のロングパスを左サイド奥で受けるという上がりっぷりを湘南に見せ付けるなど、早くもスイッチが入った模様。
前半14分 湘南・松田がボレーシュート
徳島のコーナーキック攻勢後の湘南の攻撃。
ショートカウンターが特徴という印象の強い湘南だが、この日はボール保持による攻撃も多々見られる。
この場面は左ウイングバックの鈴木冬一が、パス回しの最中に右に張り出して受け、そこからスルーパス。
そして岡本が高いクロスを上げると、大外で松田が足で合わせるもジャストミートせずGK梶川が抑える。
その後は一進一退ながら湘南がやや押し気味という展開だったが、徳島は野村のクロスがブロックされてこの日3本目のCKを得る。
前半20分 徳島先制 鈴木徳がボレーシュート 0-1
そのCKは左からで、キッカーは当然野村。
ファーへクロスを上げる→石井折り返し→鈴木徳がフィニッシュという完璧な流れでゴールゲット。
しかし地味ながら、もう一人のターゲットであるバイスが献身的に、湘南・大野を体で防ぎ石井をフリーにさせた動きが印象に残った。
前半24分 湘南・中川がシュート
反撃に出たい湘南、エリア内で山崎のポストプレイを受けチャンスを掴んだ中川だが、バイスがブロックで防ぐ。
湘南ペースだったが徳島も応酬で好機を連発、26分には左サイドで内田裕のスルーパスに島屋が抜け出し、カットインからシュート気味に中に入れたがオフサイド。
29分にはまたも左サイドで鈴木徳のドリブルから島屋がエリア内へスルーパスを出し、田向が走り込むも鈴木冬がカット、こぼれ球に河田が走り込むもGK富居が防ぐ。
前半33分 湘南・大野がヘディングシュート
スローインから大野のオーバーラップに合わせるクロスが上がったが、田向とボールを挟んで競り合いの形になり枠には飛ばず。
前半34分 湘南・鈴木冬がロングシュート
この直前には右WB・岡本を走らせる齊藤のロングパス。(岡本は合わせて落とすも繋がらず)
そしてここは左WBの鈴木冬が遠目から狙うも可能性の無いシュートに。
前半37分 徳島・野村がシュート 直後再度野村がシュート
フリーキックからの二次攻撃、右サイドから島屋が切り込み、こぼされるもボールは野村に渡る。
エリア内で切り返しの連発からシュートを放った野村、鈴木冬にブロックされても再度シュートしたが、これも中川がブロックと決められず。
前半41分 徳島・石井がヘディングシュート
これはCKからのヘディング、これがこの日徳島5本目のCK。
前半45分 湘南・山崎がミドルシュート
前線で奪ったものの相手守備を崩せずミドルシュート(小西がブロック)、その後も攻撃は続くも鈴木冬のクロスは合わず。
前半最後のプレーは徳島のFKで、右からの野村のクロスをバイスがファーサイドで折り返すも繋がらず。
前半終了
開始前 湘南 中川→クリスランに交代
このままだと降格する湘南、早くもクリスランを投入して勝負に出る。(1トップに入り、山崎が左シャドーに回る)
2017年に仙台で8得点、昨年は清水で5得点を挙げたストライカー、今季は故障続きで無得点だったがそれだけに秘密兵器的存在として停滞感に風穴を開ける。
後半開始
湘南キックオフだったがシュートまでは行けず、逆に徳島にカウンターを喰らう(これもシュートには繋がらず)と、以降は徳島の流れに。
後半2分 徳島・河田がミドルシュート
後半3分 徳島・野村がシュート
ミドルシュートあり、縦パスを受けてのエリア内でのシュートありと、徳島が多彩な攻撃を見せたこの時間帯。
この後6・7本目のCKも得る。
後半5分 徳島・河田がミドルシュート
再びの河田のミドル、3分前のはゴール左に外れたが、今度はゴール右に外れる。
後半6分 湘南・金子がシュート
しかし湘南はここで流れを変える事に成功し、その契機は、徳島に類似した3バックの左を張り出させてのビルドアップ。
中央CBの坂が齊藤とのワンツーで前進後、左の大野に展開、大野はドリブルで持ち上がる。
そして山崎のクロスが上がり、跳ね返されるもセカンドボールを拾ったのは岡本。
その後金子のシュートにまで繋げた。(GK梶川がキャッチ)
後半7分 湘南・クリスランがヘディングシュート
その1分後には期待のクリスランが高さを見せ付けるシーン。
この後も湘南は押し込み続け、シュートこそ無かったが徳島サイドに数が偏りつつあったCKも2本得る。
防戦が続く徳島だが、14分に島屋のスルーパスを内田裕がエリア内で受け、CKを得て反撃体制。
後半16分 徳島・野村がシュート
CKが2本続き、2本目の二次攻撃からシュートを放ったのはまたも野村。(大野がブロック→GK富居キャッチ)
後半17分 徳島 小西→渡井に交代
そしてこのCKの間に準備をしていた渡井、小西と交代で出場。(鈴木徳がボランチに)
プレーオフで故障した者と、リーグ戦最終盤に故障した者同士の交代である。
後半18分 湘南・クリスランがシュート
その渡井のファーストプレーが守備での湘南・山根とのデュエル、これに負けてしまいシュートに繋げられる。
山根のパスをクリスランがスルー、山崎は再度クリスランに渡し、そのクリスランがシュート(ゴール左へ外れる)という徳島ディフェンスを中央で攪乱させる動き。
後半19分 湘南同点 松田がシュート 1-1
そんな攻めが伏線となったか、中央での徳島の守備が乱れた隙を突いての同点弾。
左サイドに流れた山崎のグラウンダーでのクロス、クリスランは触らず後方の松田へ託す。
これに戻って来た岩尾が先に触れるもコントロール出来ず、松田に持たれてしまいフリーでシュート。
先に触っただけに、徳島にとっては悔やまれる失点となってしまった。
その後FW河田が、GK富居のロングフィードを妨害するという珍妙な見せ場を作るなど、ムードも停滞してしまう。
後半25分 徳島 島屋→杉本に交代
流れを変えたい徳島、2枚目の交代を敢行。
27分には岩尾が左サイドへ縦パス→受けた内田裕がスルーパス→杉本走り込んでクロス、これがブロックされてCKに。
ここから3本続いたCK、実に12本目を数える。
後半30分 徳島・内田裕がシュート
その3本目のCKの二次攻撃でのシュートだが、坂にブロックされる。
この後は膠着状態、中央から攻めたい徳島はクロスは上げず、サイドに出してもエリア内へのスルーパスを軸にした攻撃。
反対に湘南はサイド攻撃が軸で、岡本のドリブルや鈴木冬の縦パスで奥に進入してクロスが上がる。
後半42分 湘南 鈴木冬→杉岡に交代
40分に足を攣らせていた鈴木冬、ここで故障明けの杉岡に交代。
その40分頃から、バイスが前線に上がるパワープレイのシステムに移っていた徳島、ここから何度も惜しいシーンを作る。
後半43分 徳島・バイスがボレーシュート
まずはそのパワープレイ要員のバイス。
石井のロングパスが右サイドで収まり、河田が左へサイドチェンジしてからの杉本のクロス。
難しい体勢ながらシュートを放ったバイス、これを坂がブロックしたが、手に当たったとして徳島サイドは猛抗議。
そして主審(家本氏)がVARと交信を取るも、判定には持ち込まれず終わった。
後半45分 徳島・河田がヘディングシュート
杉本のクロスがクリアされてからの攻撃、岩尾が湘南のアタックを掻い潜りドリブルで前進し、左へ展開。
そして渡井の低いクロスに、ダイビングヘッドで合わせるもボールは無情にもゴール右に逸れる。
この際湘南DFと頭同士で交錯した河田、流血してしまい無念の交代に。
後半AT 徳島 河田→清武に交代
後半AT 湘南 岡本→小野田に交代
その徳島の交代と同時に、湘南も3枚目の交代。
時間稼ぎの意図のはずだったが中断明けでさしたる効果は無く、4分のアディショナルタイムは結果的に6分以上に伸びる事に。
後半AT 徳島・鈴木徳がミドルシュート
そのAT6分にも徳島はゴールに迫る。
左サイド奥から戻されたボールを受けた鈴木徳、そのままドリブルで前進すると湘南サイドのプレッシャーが甘い。
そして豪快に放たれたミドルシュート、ネットが揺れて「決まったか?」と思ったものの、突き刺さったのは惜しくもサイドネットの外側。
最後も「惜しい」で終わってしまった徳島、その後も攻めたもののとうとう試合を、そして今シーズンを終える笛が。
試合終了 1-1 引き分け(湘南勝利)
前年の決定戦とは違い、息詰まる接戦の中辛うじて湘南が残留をもぎ取ったという結果に。
自分は最後の鈴木徳のシュートシーン、ネットが揺れるのを見て大声を上げていましたが、あれが本当に決まっていれば伝説になったのに……とつくづく思います。
後半の猛攻のうちどれか一つが結び付いていてば、失点シーンで岩尾がクリア出来ていたら……という悔やまれる場面が目立った内容でスコア上もドロー。
それが試合後の徳島、リカルド・ロドリゲス監督のレギュレーションへの不満のコメントに繋がったと推測され、果ては後日Jリーグ側もその見直しの動きに出るという状況に。
勝負への熱い思いが山を動かす典型例といえるのではないでしょうか。
こうして幕を閉じた2019年シーズン。
湘南は5度目の降格を回避し、苦境続きだった1年を安堵の結果で締めました。
来季のJ2は、上からは出戻りの松本・2度目の経験(3シーズン目)となる磐田が加わり、下からは北九州・群馬が復帰を果たしました。
流動性は着実に上がっている近況、どんな一年となるでしょうか。
<徳島スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 梶川
DF 石井 ヨルディ・バイス 内田裕
MF 田向 小西 岩尾 島屋
野村 鈴木徳
FW 河田
<山形スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 櫛引
DF 熊本 栗山 松本
MF 柳 中村 本田 山田
坂元 井出
FW 山岸
1回戦・甲府戦で渡井が負傷退場した徳島、その際にシフトした「シャドー鈴木徳真・ボランチ小西」を継続。
また前節コンディション不良でベンチから外れた杉本が復帰したものの、スタメンは上記以外に変更無く挑む。
サブにはその杉本はじめ、押谷・清武・藤田・表原と駒が揃う。
長距離アウェイとなった山形、1トップの大槻がベンチにも入れず、代役になるであろうジェフェルソン・バイアーノも不在。
代わってベンチに入ったのが今季リーグ戦未出場の新人・高橋と、アクシデントを予感させられる布陣を強いられた。
1回戦・大宮戦で途中出場で結果を出した山岸を頂点に据える事で代用、その他は不動。
こうなるとサブも手薄だが、流れを変えられそうなのは南・高木辺りか。
試合開始
最低でも1点獲らなければならない山形、序盤から果敢にチャンスを作る。
また風が強く、山形がコイントスで風上を取ったのも影響したか。
前半1分 山形・井出がボレーシュート
敵陣の右サイドで山岸がボールを奪ってクロス、これに合わせた井出。
電撃作戦成功か、と思われたシュートはGK梶川に阻まれて先制ならず。
5分頃までは山形ペースだったが、以降は徳島が押し戻す。
とりわけこの日は1回戦であまり目立たなかった内田裕斗が、序盤から突破力を見せつける展開になる。
前半9分 徳島・島屋がボレーシュート
ゴールキックを跳ね返され、それを田向が拾ってからの攻撃。
右に流れていた河田がパスを受け取り、そのままクロスを上げるとファーサイドで島屋が合わせるも、ジャストミートはせずあっさりGK櫛引がキャッチした。
前半14分 徳島・岩尾がヘディングシュート
コーナーキックからのヘディング。
このCKを奪ったのは内田裕のドリブルからで、最初は左ハーフレーンぐらいで前進を見せた内田裕。
その後パスワークから右サイドにボールが渡ると、内田裕はそこに出張ってパスを貰いそのままドリブル(その後野村にパス→クロスがブロックされCKに)と、逆サイドでも飛躍する内田裕が印象に残った。
一方反撃したい山形は、この時間ロングボールを多用するも攻め込めず。
前半18分 徳島・野村がミドルシュート
しかし徳島も、この日はいつもよりボールキープの割合が少ないシンプルな攻撃が目立つ。
ここはゴールキックから、右サイドで田向が頭で受けて収めてからのチャンスをシュートに繋げる。
同点ならば勝ち抜けという状況からか、カウンター気味に心理状態がシフトしていたのだろうか。
前半21分 山形・熊本がクロス気味のシュート?
前半25分 山形・熊本がミドルシュート
そうなると山形はボールを持たされる展開を作られるのは必然で、不得手なはずのポゼッションでの攻撃を余儀なくされる事多々。
10分程山形のターンが続き、徳島にボールを前に運ばせる事無く分厚い攻撃を仕掛ける。
センターバックの松本・熊本も高い位置を取り、それが熊本のシュートに繋がるものの、逆に前線のメンバーは徳島の守備の固さもありどん詰まり気味に。
前半32分 徳島・島屋がシュート
徳島の反撃、右からのスローインから逆サイドへ展開し、島屋・野村の2人でチャンスを作る。
野村の股抜きスルーパスで島屋がエリア内に抜け出し、シュートもGK櫛引が防ぐ。
命拾いした山形、直後は徳島の最終ラインでのパス回しにプレスを掛け、際どいパスを誘発させるもショートカウンターには繋げられず。
前半35分 山形・柳がヘディングシュート
CKからのヘディングシュート、ゴール右に外れた。
前半37分 徳島・野村がシュート
前半38分 徳島・河田がヘディングシュート
徳島もCKから二連撃、最初はキッカー野村のクロスが跳ね返された後、自ら拾ってカットインからシュートする。
GK櫛引に防がれて2本目、今度はクロスからのヘディングシュート。(左に外れる)
前半40分 山形・井出がボレーシュート
これもCKからで、バイスが珍しくクリアをしくじり(頭に掠って後方へ)、ファーサイドで井出が撃つも枠には飛ばず。
前半41分 徳島・田向がシュート
前半42分 徳島・鈴木徳がボレーシュート 直後鈴木徳がシュート
田向のシュートがブロックされ、CKへ逃げられてからの攻撃。
キッカー野村はエリア内へ上げると見せかけ、エリア手前へとクロス。
これを鈴木徳がボレーシュート、ブロックされたボールをさらに鈴木徳がシュートするも、これもDFに当たって再びCKに。
しかし次のCK、得たのは遅延行為による野村への警告だけだった。
前半AT 徳島・河田がシュート
それでも野村の躍動は止まず、島屋のロングボールを高く足を上げて収め、その後スルーパス。
走り込んだ鈴木徳から河田に渡ってシュートに繋ぐが、決められず。
前半終了
後半前 山形 柳→三鬼に交代
早くも動いてきた山形サイドだが、放送によると柳の小破による交代らしい。
後半開始
前半とは逆に風下の山形、それでも点を獲りにいく姿勢は変えられず。
立ち上がりはセットプレーの応酬、山形はCKの際キッカーに中村・坂元の2人を立たせるトリックプレーを見せるも、結果には繋がらず。
後半5分 山形・坂元がシュート
ロングパスを受けた坂元、ドリブルで持ち込んでそのままエリア手前からシュート。
しかしGK梶川の正面に終わる。
7分、山形は後方でパスを繋いでからじっくりと攻めたのち、中村がスルーパスを出すも繋がらず。
遅攻も使う事で攻撃に人数を掛けてという姿勢が見られたが、結果的にこれが自身の首を絞めてしまう事に。
後半8分 徳島先制 河田がシュート 1-0
直後の徳島のゴールキック、山形が跳ね返すも田向に拾われ、彼のパスを受けた野村は2タッチで前方へスルーパス。
すると前掛かりになっていた山形ディフェンスは裏を取られ、抜け出した河田がGKと一対一になってしまい、河田はエリア内に入った所でループシュート。
流石のGK櫛引もどうする事も出来ず、先制点は徳島に入った。
後半11分 山形 山田→南に交代
早くも2枚目の交代カードを切った山形、この後4バックにシフト。(CBは栗山と熊本、右SBは三鬼・左SBは松本)
後半12分 山形・井出がシュート その後山岸がシュート
その効果が現れたか、2本シュートを重ねる山形。
しかしそれも束の間、再びのアクシデントで流れが止まってしまう。
松本が徳島・田向と接触すると、松本は起き上がれず担架で運ばれ、左SBに穴が開いてしまう事態に。
後半17分 徳島・岩尾がミドルシュート
3枚目の交代を用意している間も容赦無く試合は進み、徳島がその隙に攻撃。
尚この間中村が左SBを埋める。
後半18分 山形 松本→高木に交代
最後の交代はFWの高木で、彼を前線に入れる代わりに左SBには坂元が回るが、後に(30分頃から?)井出が回り坂元は右サイドハーフへ。
最終ラインも高めにしてコンパクトな布陣で攻め上がるものの、堅い守備の前にシュートまで持ち込めない山形。
逆に23分に徳島のカウンター、内田裕縦パス→野村収めた後スルーパスという流れで、再び河田が抜け出すピンチを招いてしまう。(ここはエリア内で戻った栗山・熊本が何とか防ぐ)
後半28分 徳島 河田→押谷に交代
早くも押谷を投入した徳島、前線での追い回しでピンチの数を減らしにかかる。
しかし30分、山形は左サイドでパス回しの後、南が山岸とワンツーでエリア内に進入する。
シュート体勢に入るも田向のディフェンスで撃てず、倒れてその後反則を主張するもPKは無し。
後半34分 山形・高木がシュート
エリア付近での細かいパス回しからのシュートだったが、徳島のブロックは固く防がれる。
後半34分 徳島 島屋→杉本に交代
この交代を境に、再び徳島は攻撃で良い形を作り始める。
後半36分 徳島・杉本がシュート
岩尾の左サイド奥へのロングパス一本から好機、受けた杉本は対面の三鬼に対してフェイントを仕掛けながらカットイン。
そしてエリア内に進入してシュートもブロックされ、野村の足元にボールが転がるも撃てず。
その後も杉本のいる左サイドから攻撃する徳島、41分には最後列(GK梶川)からのビルドアップで内田裕が、縦パス→押谷収めた後のパスを受ける→中央に向かってドリブルと跳梁。(その後杉本が奥でカットインを仕掛けるもシュートまではいけず)
いよいよ窮地に立たされた山形は、栗山を前線に上げるパワープレイ体制へ。
後半43分 山形・中村がFKを直接シュート
そのパワープレイが実り、ロングボールを受けようとした栗山がバイスに倒されて反則。
ゴール正面・エリアからすぐ手前という絶好の位置で、当然中村は直接狙う体制。
対する徳島、壁だけでは無く岡山戦で功奏した「ゴール前に人を立たせる」という、二重・三重の守備体制を取り徹底抗戦。
そして中村のキックが放たれたが、ボールは僅かにバーの上に外れた。
後半44分 徳島・鈴木徳がミドルシュート
この試合で定番化しつつある、右サイドの田向に当てるゴールキックからの徳島の攻撃。
落とされたボールを野村がダイレクトで左へサイドチェンジ、受けた杉本が仕掛けてクロスという早い攻撃で翻弄。
エリア内にこぼれたボールを押谷が落とし、走り込んだ鈴木徳がシュートするも山形・三鬼の足に当たり際どく外れる。
後半AT 徳島 野村→清武に交代
時間稼ぎの交代か、清武は右ウイングバックに入り、田向がボランチ?に。
後半AT 山形・高木がシュート
パワープレイ故、ひたすらロングボールを放り込むだけの山形の攻撃。
この場面は山岸が落としたボールを南が繋ぎ、高木のシュートに繋げたもののブロックに阻まれる。
どうしても徳島の守備を破れない。
後半AT 徳島・清武がFKを直接シュート
清武が田向のパスを受けて前進、幅の大きいドリブルで熊本をかわそうとした所をオブストラクションを受けて倒れてのFK。(熊本に警告)
かなり遠目だったが直接狙い、限られた時間でアピールしようという風に映った清武。
最後は山形がロングボールを上げようとした所を押谷がブロック、ルーズボールになった所で審判の笛が鳴った。
試合終了 1-0 徳島勝利
決定戦進出を決めた徳島、この日は自慢のポゼッションスタイルはあまり見られず、支配率では46-54と山形を下回りました。
しかしそれが「俺達はボール支配だけじゃあないぜ」というメッセージにも映り、引き分けOKの立場を存分に生かしての立ち回りを展開。
後半前掛かりになる山形に対しカウンターで先制点を獲得、その後は山形の攻撃をいなしつつ、選手交代で流れを作り直すという具合に完璧な試合運びでした。
山形は善戦したものの、駒落ち・アクシデントと負の要素を跳ね返す事は出来ず。
後日木山隆之監督の退任も発表されるなど、やり切ったものの及ばずという結果に終わりました。
前節で自動降格枠が2クラブとも決定(磐田・松本)し、後は入れ替え戦出場を余儀なくされる16位を決めるだけとなった残留争い。
一時期はJ1総勢クラブの過半数に焦りを生んだ今季ですが、最終節を残してその可能性があるのは、湘南・清水・鳥栖の3クラブに絞られた格好です。(一応、浦和と名古屋も可能性はあったがいずれも得失点差でほぼ残留は確定)
そのうちで胸すく直接対決となったのがこのカード。実際は阿鼻叫喚ものでしょうが
仮に引き分けとなると得失点差で下の清水の方が不利になり鳥栖が残留確定で、かつ湘南(松本戦)が勝つと16位は清水に。
湘南が引き分けの場合も、得失点差により敗戦が許されないのは清水の方という具合に、最後に得失点差がモノを言う展開。やはり札幌戦での0-8が痛すぎる
試合が始まると、双方残留へ向けて気合十分という様相、それ故ボディコンタクトも激しさを増す展開となります。
いきなり鳥栖の攻撃で、豊田が清水・竹内に倒されて反則となりそのフリーキック。
右サイドでかなり手前という位置から、キッカー・小野はファーサイドへのクロスを選択。
頭で合わせた高橋祐治のボールは折り返しとなり、それを豊田がヘディングシュートにいきますが惜しくも枠を捉えられず。
その後21分にも、中盤からのフリーキックで同じような形で豊田がヘディングシュート(枠外)と、このセットプレーでの守備の曖昧さが目立つ事となった清水。
一方清水の攻撃も、セットプレーに賭ける姿勢が強い傾向にあります。
6分に右ハーフレーンやや手前という位置でフリーキックを得ると、キッカー金子のクロスをファーサイドでジュニオール・ドゥトラがヘディングシュート、しかし枠外に終わります。
そして敵陣奥でのスローインでは、二見が助走を大きく取ってのロングスローでエリア内中央へ放り込みと、何処と無く今季のJ2・栃木を彷彿とさせる泥臭さを感じさせます。
しかしそれは戦術面での不安を露呈させるという諸刃の剣。
27節の時点で勝ち点35と、(その27節、湘南に6-0と大勝したのも手伝い)危険水域から脱したと思われた清水でしたが、その後は勝ち点を1しか上積みできない低調ぶり。
再びエース・ドウグラスのコンディション不良が襲い、翌28節・浦和戦で敗戦(1-2)となったのがその始まりで、以降はヘナト・アウグストの離脱(27節で故障、復帰も33節で再び故障?)やファンソッコの一発退場(30節・磐田戦、1-2)など悪い流れを量産してしまう有様。
折しも鄭大世(チョンテセ)の復帰で、「ドウグラストップ下システム」を試そうとしていた矢先の事で、ポストプレイと足元の技術に長けたドウグラスを一列下げたフォーメーションをオプションにしようとしていたのでしょう。(その後再びの鄭の離脱で完全にお蔵入り)
そんな絡め手を考えなければいけないほど、今季の清水の(もっと言えば篠田善之監督の)戦術面の幅の狭さは深刻。
ハードワークと個の力で勝ち点を稼いでいたものの、ここに来てボロが出た格好になって黒星を重ねてしまっている現状。
一度かみ合わせが悪くなると一気に崩れてしまうのは、今季開幕直後の流れでも証明済み。
何とか残留を果たし……という願いも、とうとう最終節までそれは確定せず仕舞い。
迎えたこの日、スタメンは西澤を起用せずにドゥトラ・六平を並べた辺り、ハードワーク・フィジカル重視という開き直りを感じさせるものでした。
立ち上がりこそ鳥栖に決定機を作られたものの、徐々に押し返して攻撃の形を作っていく清水。
31分・34分にそれぞれドゥトラがエリア手前からシュートを放つ(いずれもGK高丘がキャッチ)など、セカンドストライカーとしての期待に応えんというプレーを見せます。
しかし37分、ファンソッコがGK大久保へバックパスするも、これが弱くなった所を鳥栖・金森に奪われるというミスプレー。
飛び出した大久保により金森が倒されるも審判の笛は鳴らずと、心臓が止まるかのようなシーンを作ってしまったファンソッコ、やはり磐田戦での一発レッドの尾を引いているのか。
一方PKをアピールし抗議姿勢を見せるのは鳥栖サイド。
その直後から前半終了まで、埋め合わせとばかりに接触プレーを清水の反則にするシーンが多々見られるなど、今季の審判の不安定ぶりは最後まで健在のようでした。
それでも鳥栖・高橋秀人に警告が出るなど、言い訳の利かない反則で得たセットプレーからチャンスを作る清水。
43分はエウシーニョのシュート(GK高丘がキャッチ)、アディショナルタイムはエリア内でファンソッコ落とす→ドウグラスシュート気味に折り返し→エウシーニョ僅かに合わずと、際どいシーンを描いたのち前半終了。
フェルナンド・トーレスの引退試合を1-6の大敗で終え(24節・神戸戦)、以降「夢の終わり」を告げたかのように、過酷な残留争いを勝ち抜かんとする戦いに足を踏み込んだ鳥栖。
監督の金明輝(キンミョンヒ)氏は、所有戦力を結集させての戦いを選び、夏の補強選手で主力にのし上がったのは金井ぐらい。
パクジョンス(前柏)もチアゴ・アウベス(元清水)も、デビュー戦で得点を挙げた林(特別指定)もさして起用せず、「サガン魂」を蘇らせるかのようにしぶとい戦いを続け勝ち点を拾っていきます。
以降は3勝3敗3分と、完全なイーブンで試合を消化していった鳥栖。
中には27節・浦和戦(0-2から大逆転も、ATにPKを与えて3-3の引き分け)など勿体ない試合もありましたが、降格チームにありがちな大敗劇は見られず、白兵戦を総力で駆け抜けて最終節を迎えたという印象。
そしてこの日も、清水と一歩も退かない白兵戦を演じる事となりました。
ドウグラスと小野の接触による中断で幕を開けた後半。
双方シュートに持っていけない展開が長引く我慢の時間に入りましたが、それに流されてしまった感があったのは鳥栖。
時間が進むにつれて攻撃が単調になっていき、豊田に当てるロングボールへと傾倒していったのは、引き分けでOKという立場からしてのものか。
一方の清水、再びミス(二見がヘディングでクリアにいくも当てられず金森に拾われる)からピンチを招く冷や汗もののシーンを作るものの、ロングボール一辺倒からは次第に脱却。
後方からエウシーニョやファンソッコの持ち上がりで、分厚い攻撃を仕掛けていこうという意図が見えました。
後半17分、エウシーニョの縦パスを河井が受けて反転、相手のアタックに遭いながらもボールは河井→ドウグラス→ドゥトラと繋がります。
そしてエリア内でドゥトラがシュートしますが、ボールはゴール左へと逸れて先制ならず。
後半の初シュートで均衡を破った感のある清水、そしてスコアでも均衡を破る事になりました。
23分、後方でパスを繋ぎ、六平が右サイド奥へロングパスを送るとドウグラスが受けてカットイン。
そしてエリア内に進入した所で豪快にシュート。
角度の無い所から放たれましたが、ボールはものの見事に左サイドネットを捉えるスーパーゴールで、エースの証明を果たしたドウグラス。
一方ビハインドとなった鳥栖、いくら角度の無い場所といえど、フリーでドウグラスに受けさせたうえその後のチェックも甘いのが高く付いた格好となりました。
既に投入されていた安庸祐(アンヨンウ、19分にイサック・クエンカと交代)の存在で、サイド攻撃に活路を見出さんとしてた矢先の失点。
その後も安の右サイドを起点に攻め込まんとしますが、依然としてシュートに持ち込めない状況が続きます。
逆に清水はいささか肩の荷が降りたか、その後はボールキープしての攻めも巧くいくようになります。
33分にはドゥトラ→立田へと交代、3バック(実質5バック)へとシフトする守備固め。
その後も守備一辺倒では無く、鳥栖陣内に攻め込むシーンを見せて時間を進めていきます。
そして40分には再びドウグラスに決定機、クリアを中盤で収めたドウグラスから西澤(河井と交代で出場)へと渡り、西澤は右に流れてから遅攻を開始。
西澤・エウシーニョ・竹内でのパス交換の後、中央で受けたドウグラスがドリブルで単騎突撃、鳥栖選手全員をかわしエリア内に進入してシュート。
GK高丘が辛うじてセーブしますが、勝利への執念を形で表すドウグラス。
鳥栖はジョーカーとして残していた金崎を36分に投入(金森と交代)、その直後金崎はエリア手前右からシュートを放ちます。(清水・立田がブロック)
どうしてもシュートまで持っていけなかった鳥栖、金崎のその姿勢がチームを救う事を期待されますが、時間が経過し守りに入る相手を崩す事はどうしても果たせず。
そしてこの頃、他会場では湘南が先制したという情報を受け、どうしても点を獲らなければならなくなった鳥栖。
終盤は高橋祐を前線に上げ、豊田とともにターゲットにしての完全パワープレイ体制に。
アディショナルタイムも最終盤、放り込みでは無く小野が左サイドをドリブルで仕掛けてからの安のクロス。(41分のチアゴ投入で安は左SHへとシフト)
これを豊田がヘディングシュート、ボールはゴール左上を襲いますが無情にも僅かに外れ万事休す。
そのまま試合終了、自力で残留決定を果たした清水を余所に鳥栖の運命は……。
という悲劇的な流れになるかと思いきや、後半45分に松本の同点ゴールが生まれており、そのまま湘南は引き分け。
得失点差で鳥栖が上回ったため、16位は湘南に決定して鳥栖も無事残留の運びに。
別会場で敗戦した名古屋・浦和ともども締まらない残留となりましたが、残留は残留。
他方、入れ替え戦に駆り出される事となった湘南、相手は徳島。
これで敗戦し降格になると、5度目の降格で最多降格記録を更新してしまう事態にもなるので、意地でも勝たなければなりません。
(現状の最多降格は4度で、札幌・湘南・京都・福岡が並ぶ)
※前回の横浜FCの記事はこちら(40節・徳島戦)
※前回の愛媛の記事はこちら(41節・琉球戦)
前節のホーム最終戦で、退団選手の送り出し(河原・玉林)というミッションを終えた愛媛。
そしてこの日の最終節、自動昇格がかかった横浜FCの最後の関門として立ちはだかる事に。(ちなみに河原はこの日もベンチ入り)
U-22代表から戻って来た長沼に大ベテランの山瀬、10番の神谷と、現有でのベストメンバーらしきスタメンを組んで挑みました。
対する横浜FC、替えの利かない助っ人であったはずのイバとレアンドロ・ドミンゲスはベンチスタートが続いています。
それ程に若手アタッカーの成長は凄まじいといえ、逆にそれ程新陳代謝が進まなければ終始安定して昇格争いを続ける事は難しかった。
そして彼らを支えるのがベテランの本来の役割、という関係を築く事が出来たのも好調の要因だったでしょう。(まあ三浦の存在もあり今までそれが難しかったのだと思いますが)
その役に徹している節があるのが、この日で5試合連続スタメンとなる中村。
松尾・中山・齊藤功佑で組まれるオフェンシブハーフの後方、ボランチが現在の彼の定位置であり、ビルドアップに邁進するのが大部分で映る試合風景。
この日もそれは変わり無く、2センターバック+2ボランチという形で後方から試合を作っていく横浜FC。
しかし前半6分、愛媛にプレッシャーを掛けられ中村はパスを受ける所を愛媛・川村にカットされ、ヒヤリとしたもののその後の川村のパスが繋がらず。
逆に9分には右サイドを抉っての横浜FCの攻撃、その後中央にボールが戻されると、果敢にミドルシュートを狙いにいった中村。(それともスルーパスか? DFがブロック)
やられたらやり返す辺り、コンディション・モチベーションともに万全の様相が伺えました。
その後もボールキープする中村に対して愛媛・禹相皓(ウサンホ)が執拗にチャージをかけ、中村は巧くそれをいなすなど、ボールの取り所として目を付けられている感ありありでしたが大きな破綻は無く過ごします。
試合の方は、ともにボール支配したがるチーム同士の対決とあり、パスが良く回る展開。
しかし同時に、バックパスも多く双方シュートにまで辿り着けないという、我慢の展開でもあります。
愛媛の方はGK岡本もパス回しに加わる事で有名ですが、38節・山形戦(0-3)で、前目のポジションを突かれてロングシュートを決められる事2度。
それがあっての事か、この日は前目でパスワークに参加するシーンは殆ど見られませんでした。
その影響もあり、中々前に重心がかからない愛媛。
そしてその隙を突き、試合を動かしにかかる横浜FC。
30分、自陣で中村がパスカットして攻撃開始、皆川のスルーパスで右サイドに中山が抜け出してドリブル。
そしてクロスがブロックされて右からのコーナーキック、キッカー中村がクロスを上げると、ニアサイドで皆川を愛媛・下川が倒してしまったのを反則を取られPKに。(跳び蹴りのような恰好であり言い訳は効かず)
キッカーはPKゲットした皆川が務めると、右に放ったシュートはGK岡本の逆を突き、キッチリと決めて先制点を挙げます。
その後は愛媛もペースを握りますが、ボールは支配するもシュートまではいけなという、おなじみのポゼッションスタイル故の悩みが。
重心は前目にはなれていたのか、43分には再び川村が中村からボール奪取する場面を作りますが、そこからショートカウンターには持って行けず。(パスを受けた禹がボールロスト)
結局1-0のまま前半終了。
後半立ち上がり、双方攻撃が繋がらない展開が続いた後、再び愛媛のターンに落ち着きます。
後半3分、下川のクロスに藤本がヘディングで合わせるもオフサイド。
この藤本が前半はシャドーで、1トップには神谷が入っていたというギャップが見られた愛媛。
そのため前半はクロスを上げるような展開になっても、エリア内にターゲット役が居ないという場面もチラホラ見られ(神谷が組み立ての段階でしばしば降りて来るため)、そのためシュートに繋がらない攻撃ばかりだったのでしょう。
後半は両者のポジションを逆にして、これまで通りの形に直して反撃を図りました。
最初の攻撃をシュートに繋げたものの(オフサイドのため記録には加わらず)、6分にはGK南のフィードを妨害する姿勢を見せた山崎が警告を受けるなど、攻めの気持ちが仇になる場面が。
そして直後の7分にそれが悪い方向に出たのか、横浜FCの攻撃。
左サイドからのスローインを皆川が受けて松尾へと繋ぎ、松尾が奥を抉ったのちエリア内にパスを送ると、受けたのは齊藤功。
迷わず左足でシュートを放った齊藤功、豪快にゴール上部に突き刺す貴重な追加点を叩き出します。
昇格決定を手繰り寄せる2点目、沸き返るスタンドとベンチ。
尚も果敢にチャンスを連発する横浜FC。
10分は右サイドで齊藤功がスライディングで繋ぎ、これがスルーパスの形となり抜け出した中山がグラウンダーでクロスを上げて松尾がシュート。(DFがブロック)
15分には敵陣で右→中央→左のパスの流れを作り、中村の左へのパスを武田がダイレクトで前に送ると、松尾が抜け出してグラウンダーで中へ。
そして2点目のシーンと酷似した位置で、齊藤功が今度はダイレクトでシュートを放ちGK岡本の右を抜きますが、後ろで愛媛・山崎がブロックして得点ならず。
その後のコーナーキックも3本続くなど、相手に反撃の時間を与えずに攻撃していきます。
対する愛媛、今季は0-2からのチームとして名を馳せた(?)と言えども、この相手の昇格に向けてのムードを断ち切るのは容易では無く。
その後は意地の攻撃を見せ、20分神谷が左サイドをドリブル、エリア手前でカットインしての好機。
一旦奪われるも山崎がボール奪取して再攻撃、西岡の縦パスを受けた有田(藤本と交代で出場)が強烈なシュートを放ちますが、ゴール左へと外れてしまいます。
22分には山瀬のサイドチェンジのパスを右サイドで受けた長沼、そのままクロスを上げると神谷がヘディングシュートを放ちますが、無情にもゴールバーを直撃して逸してしまいました。
この2つのシーンで、今日の愛媛には運気も無いと痛感させられます。
その後横浜FCは選手交代、中山に代わって齊藤光毅が投入されます(29分)。
期待の新星としてシーズン通して活躍を魅せましたが、齊藤功のスタメン定着もありこの所の役割はスーパーサブ。
もっと見たいという外野の思いもありますが、未だ17歳という立ち位置故、無理をさせないともとれるそんな起用法は頷けるものがあります。
その齊藤光、早速ボール奪取からのカウンターチャンスで相手に反則で止められるシーンを作る(愛媛・西岡に警告)見せ場が。
37分にも、武田がヘディングで落としたボールを、入れ替わりの動きで抜け出してドリブルでチャンスを創生します。(その後齊藤功にパス→クロスに皆川が跳ぶも合わず)
アディショナルタイムには左サイドでボールを持ち、カットインしてエリア内右からシュートという場面も。(ゴール上へ大きく外れる)
短い時間ながら、この日も躍動を魅せた齊藤光、果たしてJ1でどれだけ通用するのか楽しみな要素になるでしょう。
試合終盤には、この日ベンチに入っていた三浦を投入する(松尾と交代・42分)という「演出」を完璧に演じきった横浜FC。
そのまま2-0で逃げ切り、見事に自力で自動昇格を決定させる事に成功しました。
ただ最後のプレー、右サイド奥までボールが来て、三浦がエリア内で待つもクロスは上がらずという場面でファンの怒号らしき声が上がったのは頂けないと思いますが
これで前年にトラウマを植え付けられたプレーオフ(後半アディショナルタイム、まさかのヴェルディGK・上福元のヘディングシュートからの攻撃を防げず失点)を戦う事無く、昇格を果たす事が出来た横浜FC。
前回のJ1での戦いから12年の月日を要したという、長い雌伏の時を経ての上陸。
再び映る、あの時(2007年)とは戦況が激変しているであろうJ1の舞台で、どんな戦いを魅せていくでしょうか。