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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 柏レイソルvs京都サンガFC

2019-12-01 12:45:21 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の柏の記事はこちら(39節・大宮戦)
※前回の京都の記事はこちら(41節・千葉戦)

逆転でのプレーオフ圏内入りへ負けられない最終戦となった京都。
しかし相手は首位の柏で、しかもアウェイ。
前回「優勝を決めた柏だから、若手を試すゲームになるのでは」という予想を語ったものの、そんな事は無くベストメンバーに近い布陣を組んだ柏・ネルシーニョ監督。
柏の本拠地・三協柏フロンティアスタジアムは、ピッチと観客席の距離がとても近い事もあり、相手にとっては完全アウェイの雰囲気に陥り易い場所。
それに呑まれてしまうと、只でさえJ1並の戦力の相手なのでもはや勝利所では無く。

しかも内に目を向けると、満身創痍なチーム状況なうえ、DFの黒木が累積警告で出れず。
ベストな状態なら、跳び抜けた強敵には絡め手を用い、相手の長所を消しつつロースコアで逃げ切るという試合も出来たでしょう。
しかしそれもままならないので、いつものサッカーで相手を上回る事しか手は打てなかった。
試合前から不利な要素が重なり過ぎていたものの、それでも目標のためには泣き言を漏らす訳にはいきません。

果たして果敢に挑んだ京都でしたが、序盤からディフェンスラインは不安定さ全開。
柏のシンプルな前線へのパスに対し、田中マルクス闘莉王が中心の最終ラインではスピードが明らかに足りず。
柏の得点源FWオルンガはその背の高さからのハイボールの強さが注目されがちですが、スピードにも優れ、クロス・裏抜け両方を混ぜ合わされるとこの日の京都は対応に難儀するのは運命ともいえました。

そして前半6分早々に先制した柏。
自陣でボールを奪った瀬川がそのままドリブルで敵陣に持ち込み、エリア手前左のオルンガにパス。
オルンガは対峙した京都・上夷をものともせず、そのままエリア内に切り込んでから左足で豪快なシュート、ニアサイドを強烈に破りました。

早々にビハインドの展開となり、不利さが重くのしかかる京都。
それに追い撃ちが掛かるアクシデントが12分に発生します。
それはDF本多の負傷交代で、元々故障離脱中であり(39節・甲府戦で前半23分に交代)、この最終節に何とか間に合ってスタメンで出ていた本多。
もし再発だとしたら、黒木不在で無理をしてでもという感じで出場したのか(させたのか)。
この日唯一のDFのサブであった富田との交代を余儀なくされます。
そして闘莉王・上夷・富田の3バックにシフト。

その後同点に追い付かんと奮起しする京都ですが、逆に柏が追加点を重ねていく展開に。
2点目はヒシャルジソンとクリスティアーノが長短のパスを交えて右サイドを突破し、クリスティアーノのクロスにオルンガがジャンプすらせず頭で合わせ、競った京都・安藤を嘲笑うかのようなゴール。
3点目は中央を経由した左→右への早いサイドチェンジで右サイドバック・高橋がフリーで受け、低いクロスを瀬川が合わせてゲット。
そして4点目は、ボール奪取したヒシャルジソンが速攻でスルーパス、抜け出したオルンガはGKと一対一となりあっさりゴール。
やはりオルンガというフィニッシャーが居ては、混乱が発生していても可笑しくないディフェンス陣の状況ではどうしようもなく。
前半のうちにハットトリックを達成する大爆発ぶりを発揮するオルンガ。
しかし本領発揮は尚もこれからでした。

4-0と絶望的な状況になったものの、「とにかく点を獲る」という姿勢でいなければ奇跡は起きるはずもなく。
そんな姿勢が実ったか、38分にようやく小屋松のゴールで1点を返した京都(富田低いクロス→一美収めて反転シュート→GK中村セーブした所を詰める)。
かすかに光明が見えたかと思われましたが、地獄絵図はここからでした。

前半アディショナルタイム、その地獄へと叩き落される出来事が。
柏の右サイドからのコーナーキックでハイボールの競り合い、クリアにいった闘莉王が安藤と激突してしまい倒れ込んでしまいます。
すると出血が止まらないという惨事(骨折していたそうな)になってしまい、この日2人目のDFの負傷退場。(交代は後半頭、エクスデロ競飛王が出場)
これで守備を固める手段は皆無に近くなってしまいました。

そんな惨状で後半に入った京都ですが、諦めずに攻撃。
持ち味の攻撃力を前面に出して点差を詰めようとしますが、立ちはだかるのが日本代表GK・中村。
後半5分の一美のシュート、14分の庄司の直接フリーキックなど、惜しいシュートを悉く防がれてしまいます。

その最中の12分に5点目を奪った柏、これがゴールラッシュの幕開けで、それを演出したのは前半だけでは飽き足りないオルンガ。(クリスティアーノクロス→クリアが小さくエリア内で高橋繋ぐ→シュート)
その後も7・8・10・13点目を叩き出し、なんと1試合8得点の歴史的な活躍。
失点する度に反撃姿勢を取る京都を嘲笑うかのように、カウンターの連続で次々とゴールを量産していきました。

現代表も在籍するなど、そもそもどうしてこんなチーム(柏)がJ2に居るのか。
それは一重に前年大しくじりをしてJ2降格になってしまったからに他ならないのですが、その原因が不可思議な監督人事。

W杯による中断の1試合前に、生え抜き監督であった下平隆宏氏(現横浜FC監督)を突如解任。
そして新監督を招聘するのかと思いきや、コーチからの昇格でお茶を濁すという消極策で、白羽の矢が当たったのが同じく生え抜きである加藤望氏。
しかしその指揮能力は疑問符が付くもので、それが中断明け後に一気に露呈してしまい敗戦を重ねます。
正GK中村が2度の脳震盪による欠場という不運も響き、修正が全く効かないまま降格圏に落ちてしまい、残り2節というタイミングで加藤氏は解任。
しかし最早どうしようも無く、残りの2戦は全勝したものの降格確定……というのが大まかが流れでした。

よく「降格すると主力が一斉に移籍してしまう」と揶揄されますが、柏程のバックボーンがあれば、降格保障(1年間はJリーグ側から資金が出るらしい)もありその被害は最小に留められます。
大きな移籍は代表候補の伊東・中山が海外にレンタル移籍するぐらいに留まり、そして今季は「J2最強」の座を欲しいままにしての優勝・昇格。
ただ、ネルシーニョ氏の再就任という「困った時の……」を地でいく監督人事であり、今後の発展性という点では少々疑問が残りますが。

結局13-1という、違うスポーツではと疑いたくなる点差で柏の大勝に終わりました。
シュート数は柏25・京都18とそれほど差は無く、京都は最後まで攻めの姿勢を見せたものの、大敗への趨勢を打破する事は出来ませんでした。
果敢にプレーオフ進出を狙ったものの「惜しくも……」という展開を見せる事無く、潔いともいえる姿勢で玉砕。

そんな花火を最後に打ち上げた監督・中田一三氏(とゲルト・エンゲルスコーチ)も、退任という形でチームを去る事となりました。
京都の復調は今季のJ2を盛り上げた大要因と思っていますので、この人事に疑問符はあれど、とりあえずはお疲れ様と言いたいです。

コメント
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