goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 鹿児島ユナイテッドFCvs大分トリニータ

2024-06-25 16:00:36 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(16節・長崎戦、0-3)
※前回の大分の記事はこちら(19節・山形戦、0-0)
※前回対戦時の記事はこちら(5節、大分 3-0 鹿児島)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 今更感はあるが監督を交代。17節(藤枝戦、1-1)終了の翌日に大島康明監督を解任し、後任には過去に指揮経験のある浅野哲也氏(2015~16年)が就任。
  • 前節(山形戦、2-1)出場停止だった戸根がスタメンに復帰。

<大分スタメン>

  • 前節(栃木戦、0-2)は3-4-2-1との事だが、この日は再度デルランを左サイドバックに置いた4-4-2へ戻す。
  • 梅崎の負傷が発表されるも、発生日・全治ともに未発表。

折り返し地点から早期に組まれた、九州ダービーの2戦目。
最も、天皇杯2回戦でも当たっている(大分 1-0 鹿児島)ため、それを含めれば3戦目なのですが。

そんなダービーマッチ、鹿児島は1戦目では手酷い敗戦。
その後は1勝しか出来ずという低調な成績で、とうとう監督交代の断が下されたのが17節。
再度の就任となった浅野監督の下、目標のJ2残留に向けて走り出したという現状。

課題は前回触れた通り守備面、特に被カウンターの機会の多さと、その際の脆さなのは明白であり。
浅野氏の就任会見でも、失点数の改善にウェイトが置かれていた風でした。
前節9戦ぶりの勝利でようやく泥沼を脱出したものの、その内容は(ダイジェスト動画で見た限り)やはり山形のカウンターからの好機が目立っており。
つまりはまだ道半ばという所が窺えましたが、結果も欲しい状況のなか建て直す事が出来るかどうか。

一方の大分も、そんな鹿児島の状態を対岸の火事で済ませられないものとなっており。
前節は前回観た山形戦の後半に採られた3バックで挑んだらしいのですが、そこでも結果は出ず。
そしてこの日は再度4バックと、基本布陣からして相当悩ましいものとなっている感があり。
4バック時はSBのデルラン、3バック時はウイングバックの宇津元が適応出来ずといった山形戦の印象ですが、鹿児島同様に何とか改善すべき課題点でしょうか。

ともに不安を抱えるチーム状態に相応しい、リスク回避を重視した立ち上がり。
つまりはお互いロングボール重視の攻撃で、鹿児島は鈴木・大分は長沢をターゲットとしながら、裏狙いも交えたボールを送り続け。

そんな中で前半6分、鹿児島が最終ラインから地上で繋ぐ状況となると、これまで最初から上がっていた右SBの野嶽が後方に残ったうえでの繋ぎ。
右で受けた野嶽がパスを渡し、藤村がボールキープする最中に上がり始めるという、これまでとは一線を成す動きを見せました。
SB・サイドハーフともに不在な所を突かれ続ける、長崎戦での教訓を意識したような立ち回りでしょうか。

一方、故障者も膨らみ苦心のメンバー選択が続く大分。
それを象徴するようなシーンが13分に得た右コーナーキックで、キッカーの位置には安藤とデルランの2人。
ともにターゲットとなるべき人材であり、何か変化を付けるという姿勢なのは明白で、その通りにショートコーナー。
そしてパスワークで逆の左の展開ののち、野村のアーリークロスがファーサイドに上がった所に、合わせにいくデルランと安藤。
ここは安藤の折り返しが乱れて実りませんでしたが、その執念からか続く14分に決定機。
鹿児島の地上でのビルドアップを規制した末に、縦パスを安藤が前に出てカットした事でショートカウンターに突入し、左ポケットを取った長沢が中央のスペースへとスルーパス。
そして走り込んだ野村がGKと一対一という状況になるも、判断良く距離を詰めたGK泉森にブロックされて先制ならず。
野村のキックは、シュートかGKをかわさんとしたトラップかやや中途半端なものに映り、結果的に悔やまれる逸機となってしまいました。

その後は、17分に保田が藤本への反則で警告を受けたのを皮切りに、両チームとも判定面でしこりを残すシーンを目立たせ。
倒れるも笛は鳴らず、ないしはアドバンテージを取って欲しい所で笛が鳴るという絵図の連続に、不穏な空気が漂い始めます。

南方の試合(鹿児島のホーム・白波スタジアム)らしく、飲水タイムが挟まれ。(25分)
突入した第2クォーター、その雰囲気が大分に伝染したか、優勢に立つ鹿児島。
特に31分、ゴールキックからのGK泉森のロングフィード、クリアにいった有働が目測を誤った事で左サイドで福田に収まり。
そして戻しから今度は藤村が右奥を突くロングパスと、長いボールをふんだんに使った末に、受けた圓道がカットインでエリア内中央まで流れてシュート。
安藤にブロックされるも尚も繋ぎ、山口の右手前からのクロスに鈴木が合わせヘディングシュート(枠外)と連撃。

流れに乗れない大分を尻目にゴールへの道筋を掴みかけると、迎えた34分。
ここではゴールキックを短く繋ぎ、最終ラインでサイドを振りながらプレス回避を果たすと、戸根の縦パスを間で受けた野嶽(ここも右最後方で受けたのちに上がる)がスルーパス。
抜け出した藤本が受けて決定機を迎えるという所に、背後を取られた安藤のスライディングで倒されると、反則の笛が鳴り響き。
そして躊躇わずに突き出される赤いカードにより、決定機阻止による一発退場の判定を受ける安藤。
誰が見ても当然というその絵図に、異議も殆ど唱えずにピッチを去る事を余儀なくされてしまいました。

数的不利なうえに、鹿児島の絶好の位置での直接フリーキックという逆境の大分。
キッカー藤村の直接シュートは壁が防いだものの、右CKで継続する鹿児島。
その二次攻撃で、左ハーフレーン後方から外山のロビングが上がると、ファーサイドで鈴木が綺麗に合わせヘディングシュート。
ペレイラの前を取る絶妙な動きから放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり。
大分に立て直しの猶予を与えないまま、リードを奪う事に成功しました。

粘りも空しく失点してしまった大分。
その後は4-4-1へとシフトし、デルランが安藤の穴に入る事で保田が左SBに回り。
そして野村がボランチ・渡邉新が右SHに回る、激しいポジション変更で破綻を防がんとします。

溜めを作れる野村・小酒井のドイスボランチから、何とか組み立てんと試みるものの状況は厳しく。
43分には有働が福田に奪われ、そのドリブルでカウンターになりかけた所を長沢が反則で阻止する破目となり警告を受け。
既に貰っていた保田とともに、膨らむ被害を止められない大分。

結局1-0と鹿児島リードのまま前半が終了。
大分は流れを変えるべくハーフタイムで2枚替え、有働・長沢→佐藤・伊佐へと交代。
そして1トップは伊佐と思われましたが、渡邉新で伊佐が右SH。
佐藤は左SBに入る事で保田が逆の右SBに回るという具合に、再度のポジション変更が交わり後半に臨みます。

伊佐が右サイドでのターゲットとなる事で、違いを生み出したいという意図を感じさせる大分。(鹿児島の左ボランチにサイズの小さい山口が居る事を考慮か)
元々苦しい布陣なうえに、数的不利とあっては出来る事は少なく。
その基盤を下にロングボールから保持を果たし、何とか全員でカバーして繋いでいく他に無い状態。

しかし何処かで無理が発生するもので、後半8分に自陣からの縦パスがズレた所を逆に岡本が縦パスを送り返して鹿児島の好機。
中央での溜めののち右へと叩き、上げられた野嶽のクロスを鈴木が合わせヘディングシュート。(枠外)
好調のヘッダーがゴールを脅かした事で、攻勢に入る鹿児島。
数的優位とあり、前半に見せていたリスク回避の姿勢を採る事無く、以前のようなSB・SHともに前線に上がってパスを受ける体勢へと移行。
ただしCBの持ち運びは前半に比べて抑え気味となり、無理に大分FWの脇を突く事はせずとも、全員敵陣に進入してポゼッションに入るのは容易という状況から来たものでしょうか。

そして10分、右サイドでの藤村縦パス→鈴木ポストプレイを経て受けた野嶽が中央からエリア内へを突き。
ディフェンスに遭い奪われるもすかさず鈴木が野村から奪い返し、エリア内へ送られたスルーパスを受けた福田がシュート。
ほぼフリーで放たれたフィニッシュでしたが、GK濱田は全身を使った末の足でのセーブで防ぎます。

この守護神の好守に応えたい所でしたが、12分に藤本が(野村に対し)反則・警告を受けた事でまたも判定面で混沌とする試合展開。
続く13分、敵陣エリア手前でポストプレイをする伊佐が戸根に倒されるも笛は鳴らず、その後鹿児島ボールに切り替わったのち外山が宇津元に倒された所で反則に。
当然ながら一斉にいきり立つ大分サイド、中々安定しないレフェリングに冷静さを保つのが難しくなります。

何とか追い付くために攻撃機会を確保したい大分ですが、そんな流れ故にままならず。
フィニッシュも21分の小酒井のミドルシュート(枠外)ぐらいのものに終始します。

そして24分、鹿児島は最終ラインからの繋ぎで右からの前進を選択、藤村の縦パスを野嶽が(佐藤に)倒されながらもフリックした事でスペースへ転がるボール。
そこに走り込んだ圓道のクロスが上がると、藤本がファーで合わせてのヘディングシュートでゴールネットを揺らします。
その直後に飲水タイムと、まさに最高のタイミングでの追加点となった鹿児島。
一方大分は、この際に藤本のオフサイドをアピールしたのか、副審を交えて異議を唱えていた(放送席の談)保田に警告が付き出され。
即ち2度目による退場処分という、抱えていた不満が最悪の結果に繋がった事で、第4クォーターは何と9人での戦いを強いられてしまいます。

2人の数的不利。
相手の鹿児島が前半に経験済み(6節・横浜FC戦、0-1)……と書いた所で、大分も18節・徳島戦(2-1)で2人退場者を出しているので2度目という事に気づき。
しかし経験があるからといって、9人の側の戦いを有利にしてくれるものでは無く。

ブレイクが明ける際に、渡邉新→中川へと交代する大分。
空いた右SBは宇津元が埋めたうえで、伊佐の1トップ、小酒井のアンカーという4-3-1の布陣に残り時間が託されます。

俄然有利となった鹿児島は、29分に圓道・鈴木→田中・有田へと2枚替え。
トップ下・ボランチでは無く右SHでの出場となった田中、鬱憤を晴らすようにその後好機に絡み続け。
30分には戸根の縦パスを右ハーフレーンで受け、カットインで中央へ流れたのちにミドルシュートを放った田中。
小酒井にブロックされるもこぼれ球を確保し継続、外山の左からのクロスを有田が合わせヘディングシュート(枠外)と、早速投入された2人がフィニッシュを放ち優位ぶりを示します。

大分は諦める事無く(33分に野村・小酒井→弓場・キムヒョンウへと2枚替え)、攻撃の際は2バックというような布陣を採り。
ペレイラ・デルランが開いた真ん中にアンカーが降りるという最終ラインからの繋ぎに活路を見出さんとしますが、結局大した前進は出来ずにラフなスルーパス・アーリークロスが主体となり。
当然満足に好機は作れず、以降も鹿児島のフィニッシュシーンばかりが目立つ流れは続きます。(鹿児島は34分に野嶽・福田→星・河辺へと2枚替え)

そして39分、自陣での藤村のパスカットから速攻を掛ける鹿児島、それは薄すぎる大分ディフェンスを突いて綺麗に決まる事となり。
田中のドリブルからのスルーパス、左ハーフレーンで受けた河辺がそのままエリア内へ切り込み、カットインを経て放たれたシュート。
ペレイラの決死のブロックを掠めてゴール左へと突き刺さり、止めの3点目となりました。

キックオフで再開の前に最後のカードを使う鹿児島、藤本→井林へと交代。
てっきり5バックシステムに移ると思われましたが、星が右SH・田中がトップ下に移り、右SBに戸根が回るという布陣に。
その後は3点リードもあり、ポジションを移した戸根は無闇な上がりを見せずという、試合開始当初の意識へと戻した感がある鹿児島。
カウンター防止という課題面では評価のし辛い一戦となりましたが、この姿勢が今後奏功する事となるでしょうか。

試合展開は、大分が反撃に出たいもののままならずという至極当然の流れは継続。
鹿児島の攻撃機会が重ねられ、42分には決定機。
右からの星のアーリークロスが跳ね返されるも、今度は逆の左から外山のアーリークロス。
これを巧く抜け出した有田がボレーで合わせにいき、空振りとなるも眼前なためGK濱田は慌てて弾く事しか出来ず。
この跳ね返りをすかさず有田がシュートしましたが、ボールはゴールバーに当たった末に上へ外れてしまい、4点目とはいきませんでした。

結局大分は満足に攻撃できないまま試合終了。
3-0で勝利した鹿児島、降格圏からも脱出し、巻き返すべくの気勢を上げる連勝達成となりました。

一方の大分は8戦未勝利と、苦境ぶりは明らかであり。
J1時代の整然とした「カタノサッカー」を観た者としては信じ難い今季の出来で、次節も3人が出場停止(警告の長沢が4枚目なため)と厳しいやり繰りを強いられるのは必至ですが、何とか調子を取り戻して欲しいものです。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ