ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 栃木SCvsジェフユナイテッド千葉

2024-06-24 16:01:41 | サッカー視聴記(J2)

※前回の栃木の記事はこちら(17節・愛媛戦、0-0)
※前回の千葉の記事はこちら(18節・岡山戦、2-1)
※前回対戦時の記事はこちら(8節、千葉 8-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督交代に伴い空いていたヘッドコーチの枠には、小林伸二氏の盟友である長島裕明氏が就任。
  • 契約満了でフリーになっていた山本の引退が発表される。

<千葉スタメン>

  • 当初は鈴木大がスタメン(右センターバック)だったが、試合前練習で負傷したとの事でベンチメンバーのメンデスが代わりに入り、空いたベンチ枠には佐久間が入る。
  • 17節(長崎戦、0-1)で負傷交代した久保庭の詳細が発表され、6/3に手術実施して全治約3ヶ月との事。

前節(大分戦、2-0)実に14試合ぶりの勝利を挙げた栃木。
泥沼からの脱出を形にしたかのような流れを経て、この日ホームに迎えたのは千葉。
前回対戦の際、0-8という虐殺ゲームでその泥沼へと誘ったチームだけに、生まれ変わった姿を見せ付けるのには格好の試合となりました。

かくして、単なる1試合以上の意味を持ってのキックオフ。
アバウトなボールを栃木ゴール前に放り込み脅かす千葉の入りを経て、栃木が早速その活きのよさを見せ始め。
前半3分に奥田のパスカットから素早く縦に運び、右サイドを森がドリブルで奥を突く攻撃。(クロスもブロックされる)
続く4分にも、森の奥からのクロスが跳ね返されたのち、左から川名がカットインを仕掛け。
再び入れられたクロスは流れるも、パスワークを経て再度川名の元へボールが戻ると、さらにカットインからポケットへ切り込む川名。
そして奥からのマイナスのクロスをニアで神戸が合わせ(ジャストミートせず)、フィニッシュまで繋げたその姿は栃木の変身ぶりを窺わせるものであり。
監督が小林伸氏に代わり、推進力のあるウイングバックをファーストチョイスに選んだ事がその好循環の要因でしょうか。
前節初スタメンの川名は初得点も挙げるという具合に、構造改革の象徴的存在に一気にのし上がり。

その後千葉が攻撃権を奪うも、縦に速い攻め・CBからのフィードを重視するその姿は、相変わらず前回観た通りの「当たるも八卦」的なスタイルに見え。
一応後方での組み立てとしては、サイドバックが上がり過ぎず、ハイプレスに出て来る栃木のWBを釣り出したいという意図が窺えました。

しかし12分に逆に釣り出されたのは千葉の方と言いたくなる、最終ラインでボールを持つ栃木のビルドアップに対し、(2トップが前に出ずに)高木が福島にチェックにいった事でWB(森)に対しSB(日高)が出てしまう状態に。
日高を剥がした森のドリブルからのサイドチェンジにより好機が訪れる栃木、先程の残像を活かすような川名のカットインの姿勢からの中央へのパスから、ミドルシュートを放ったのは中央へ流れて来ていた森。
エリア内でメンデスがブロックと防いだ千葉でしたが、栃木の変身ぶりにタジタジといった守備面。

このまま先制点に辿り着きたい栃木でしたが、そこに落とし穴が待ち受けており。
14分、再度最後方からのビルドアップの体勢に入ったものの、平松の縦パスが横山にカットされた事で千葉のショートカウンターに。
それは読みを当てたというよりは、目の前の横山にパスをぶち当てるという格好つまり平松のミスの度合いが大きいように映り、その動揺を突くようにこぼれを拾った横山が一気にドリブル。
そしてエリア内へ進入し、左への横パスから放たれた高木のシュートこそGK丹野がセーブするも、田中が拾い尚もエリア内で継続する千葉。
シュートコースを探してのキープののちに放たれた中央からのシュート、奥田の股を抜いた末にゴール右へと突き刺さります。
GK丹野の怒号(人数が居たにも拘らず間をシュートで抜かれたDFへのものか?)が示す通り、悔やまれる失点となってしまいました。

ビハインドとなった栃木ですが、落胆の色は見せずに攻め続け。
直後の16分、千葉の左に出されたパスをカットした森、そのまま中央へと流れて持ち運びチャンスエリアを突き。
エリア内に出されたパスを宮崎がヒールで戻し、そして南野のシュートがゴールを襲いましたが、ゴールバーを強烈に叩いてしまい跳ね返り。
決定機を逃す格好となりましたが、尚も勢いを保つ栃木。
組織的な攻め・ハイプレスによるショートカウンターのみならず、川名のロングスローという強引な手法も積極的に交えて同点を狙います。

栃木の気迫籠ったハイプレスの前に、ビルドアップがままならなくなる千葉。
24分にはGK藤田縦パス→小林祐介レイオフが乱れ、右サイド深めでのプレス回避を余儀なくされた末に川名がボール奪取。
そしてそのままカットインでポケットに切り込んだ川名、外から巻くシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。
窮地という状況で、直後にGK藤田が短めのフィード、これを前に出た田口がフリックと手法を変えての運びを成功させます。
そして右から田中がクロスを上げ、小森がヘディングシュートにいきましたがミート出来ず終わり。

前任者(田中誠氏)とは異なり、しっかりとWBを利用する事でハイプレスを冴え渡らせる小林伸氏。
対する千葉も、前述のように手を変え品を変えてかわさんとし、途中から最終ラインを3枚で組み立てる左肩上がりのような布陣に。
しかしその姿勢が裏目に出たのが33分で、右サイドでのパスワークからGKに戻した所で、前に出ていた左SBの日高は中央に絞って受ける体勢を取り。
しかしその日高へのGK藤田の縦パスは、完全に読まれてしまい大島にカットされ。
そのままエリア内へこぼれたボールをシュートし、ゴールネットに突き刺した大島。
とうとう好循環を結果に繋げた栃木、同点に追い付きます。

尚も35分に、大島のパスに入れ替わった南野が左ポケットからシュート(GK藤田キャッチ)と、同点のみでは終わらせないとういう流れに。
しかし千葉も、ハイプレスにはハイプレスと言わんばかりにその後ショートカウンターを冴え渡らせます。
37分に栃木のパスミスを自陣で小森が拾い、彼のミドルパスを受けた田中が右ポケットまで持ち運んだ末にシュート。(枠外)
39分にも田口の敵陣でのパスカットから、遅攻に切り替えたのち左サイドへと展開し、奥へ切り込んだ高木のクロス。
クリアされた跳ね返りを横山がボレーの体勢に入りましたが、詰めに来た神戸に阻まれて撃てず。

本来の姿勢を取り戻した事で、ペースも掴んだ千葉。
終盤は攻勢に入り、45分にメンデスが左の高木へロングパスを通したのち、中央からの運びで横山がエリア内を突き。
ディフェンスにこぼされるも小森とのパス交換を経てシュートまで繋げ、ブロックを掠めてコーナーキックに。
 その左CKからの、キッカー高木の低いクロスを田口がヒールで合わせるという技ありのシュートが放たれますが、ラファエルのブロックに防がれて勝ち越しはなりません。

結局1-1のまま前半が終了。
前回対戦とは雲泥の差という、栃木の目論見は綺麗に成功した形となりましたが、勝負は後半に持ち込まれ。

自らの変身を証明するにはどうしても勝利が欲しい、そんな思いからか、後半は逆の右サイドでも川名がロングスローを投げ入れる体勢に。
しかしその初めとなった後半3分、フェイントで短く投げたものの森がスリップしてしまいボールロスト。
そして拾った横山を倒してしまい反則と、締まらない結末となり。
千葉サイドも4分、ロングパスをヘッドで合わせた小森がそのままエリア内で収めての好機も、彼のパスを田口がスルーするも繋がらずとイマイチ締まらない絵図を描きます。

そうした展開を覚ましたのはやはりショートカウンターで、5分に右サイドで縦パスをカットした森から攻撃を仕掛ける栃木。
逆サイドへ展開ののち川名がポケットへ切り込んでシュート(GK藤田セーブ)と、前半同様のキレのある動きでゲーム自体も動かしに掛かり。
すると千葉も、続く6分に敵陣での高木のカットから好機に持ち込むいう具合に、ショートカウンター合戦にも似た様相に。
ここから得たCKを2本続け立場ですが、ゴールは奪えず。

互角の流れでも、この日の栃木は一味違うという事を見せ付け。
15分、平松→森への右の縦パスを日高が前に出てカットするも、神戸がこぼれ球を繋いだ事で結局森のドリブルに持ち込まれ。
ここはクロスがブロックされ、その後のCKも反則で終わって実らずとなりましたが、全体の勢いの勝り具合がこうしたセカンドボールの繋ぎにも表れていたでしょうか。
尚、このCKの前にベンチが動いており南野→小堀へと交代した栃木。

一方の千葉も16分に高木→岡庭へと交代。(田中が左サイドハーフに回る)
試合前の思わぬアクシデント(鈴木大の負傷)で選択肢が狭まった状態ながらも、何とか動いて勝ち越し点に辿り着かんとする小林慶行監督。

そんな執念の交錯は、時には惨劇を招いてしまうものであり。
20分、ハイボールの競り合いで宮崎と佐々木が交錯すると、体勢を崩して足を上げる格好となった佐々木。
そしてその足が宮崎の顔に入った事により、負傷してしまい倒れ込む宮崎。
出血のためそのままピッチ内で応急処置が施され、そしてピッチ外へ出て本格的な治療を受ける事に。

つまりは暫く数的不利の凌ぎとなった栃木。
その隙に敵陣へと運び、右奥からのスローインに持ち込んだ千葉は、岡庭のロングスローでゴールを脅かしに掛かり。
投げ入れられたボールは跳ね返されるも、確保に成功したのち右手前から高橋のクロスが入ると、佐々木が合わせヘディングシュート(GK丹野キャッチ)と一矢を放ちます。
その後宮崎が復帰して同数となるも、このままペースを確保して得点を狙いたい千葉。

しかし24分の栃木、自陣でのスローインからこぼれ球をその宮崎が拾い、右奥へと持ち込んで好機を齎し。(奥で相手に当てて右スローインに持ち込む)
文字通り、宮崎が戻った事で好循環を取り戻すという流れへ変えるのに成功します。
そしてその思惑通り、25分に左から攻める栃木、川名がパスワークを経て奥へと切り込み。
クロスがブロックされて左スローインと、先程と逆サイドでの同様の流れになると、自らロングスローを投げ入れる体勢に入る川名。
そしてニアに投げ入れられたボールは、合わせにいった小堀・ラファエルと防ぎに飛んだ千葉ディフェンスを越え、その奥で平松が地面に足を付けたまま合わせるヘディングシュート。
ゴール左へと突き刺さり、とうとう(今季)このカード初めて栃木がリードを奪いました。

逆に追う立場となった千葉、キックオフの前に小林祐・田中→林・新明へと2枚替え。(横山がボランチに回る)
新たな駒の投入で攻勢を作りたかった所ですが、林のファーストプレーは、ハイボールの競り合いによる平松への腕でのチャージという暗雲漂うものとなり。

従って栃木の流れは継続し、28分にGK丹野ロングフィード→小堀フリックという単純明快な前進を経て、宮崎が右奥へと持ち込んで切り返しからクロス。
これを中央で大島がヘディングシュートと決定的なフィニッシュを放ちましたが、ゴール僅か上へと外れてしまい追加点ならず。
それでもサイドからの推進力は衰えず、31分には森が右サイドをドリブルし、日高を股抜き→新明に蓋をされるも力技でボール確保した末に振り切って奥へ。
そしてマイナスのクロス(合わず)と、今まで再三アーリークロスに終始していた栃木の攻撃は何だったのかと問いたくなるような流れを築き上げたこの日。
36分にも、今度は川名が左から切り込んで、カットインシュートをポケットから放つ(枠外)など躍動は止まりません。

何とか流れを作りたい千葉。
田口を中心にパスを散らし、サイドチェンジを交えながら組み立てるものの、最終ラインの可変(3枚となる事で岡庭・日高がWB化)により皮肉にも栃木とのミラーゲームのようにもなってしまい。
従って栃木サイドの対処も楽に見え、敵陣での必死の崩しも実りません。
逆に41分には千葉のCKからカウンターを発動する栃木、小堀のドリブルでアタッキングサード右へと持ち運び、そこから細かな崩し。
小堀のヒールパスでポケットを突き、走り込む福島の中央へのパスを宮崎がフリックし奥の大島の下へ。
そして満を持してシュートが放たれ、メンデスのブロックで何とか凌いだ千葉。
同点どころか、相手の猛攻に冷や汗を掻き続ける状態に。

そんな流れからか、45分という早い段階で、CKの際にGK藤田が前線に加わる形振り構わない姿勢を採る千葉。
最後はパワープレイ風に、後方からの放り込みに賭ける体制を余儀なくされます。
栃木はそれを凌ぎ続けながら、これまで温存していた交代カードを切って時間を使いに掛かったアディショナルタイム。
川名→黒﨑へと交代、それから暫くして宮崎→矢野へ交代します。

岡庭のロングスローによる攻撃を身体を張って防ぐなど、守備面で貢献という形となった大ベテランの矢野。
その姿勢もあり、無事に逃げ切って勝利に辿り着いた栃木。
連勝によりようやく残留への光明が見えたという状況ですが、今後も老練な小林伸氏の下、この日の組織力と精神力が融合された戦いを続けたい所でしょう。

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