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DAZN観戦 2024年J2リーグ第18節 レノファ山口FCvs清水エスパルス

2024-06-05 16:00:50 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山口の記事はこちら(14節・山形戦、2-0)
※前回の清水の記事はこちら(16節・横浜FC戦、0-2)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 梅木が累積警告により出場停止。
  • 移籍が決定していた水口(JFL・アトレチコ鈴鹿クラブへ育成型レンタル)は、15節(いわき戦、2-1)をもって登録抹消。
  • 16節(藤枝戦、2-1)で負傷交代した相田の詳細が発表され、全治約4週間との事。

<清水スタメン>

  • 川本が群馬へ育成型レンタル移籍となり、前節(水戸戦、2-1)をもって登録抹消。
  • 西澤の負傷が発表され、5/19に発生して全治約3ヶ月との事。
  • 乾が8試合ぶりのスタメン出場。それに伴い、前節から4-4-2→4-2-3-1へと布陣変更。

新潟がJ1へ、大宮がJ3へと場を移しても、オレンジがチームカラー同士の対決は盛んであり。
その代表格?として、(愛媛・清水も含めた)他チームが流動している間もずっとJ2を維持している山口。
成績的にも今季はそれに相応しいものとなっており、こうして難敵・清水をホームに迎えても「何とかしてくれる」というムードを膨らませて挑めたでしょうか。

対する清水は、前回観た際は完敗したとはいえ依然首位をキープ。
レギュラーの矢島のみならず成岡をベンチ入りさせる、古巣対決という色を強くアピールしたのも、そんな強者の立場が齎したものか。

試合が始まり、繰り広げられる20人+GK2人のオレンジの戦士(とはいっても、清水はアウェイ故に白のユニフォーム)によるボール争い。
その中で前半3分、クリアボールを拾いにいった原が新保に倒され、右サイドからのフリーキックを得た清水。
キッカー矢島が上げたクロスに住吉がヘッドで合わせ、右ポケット奥に流れたボールを北川が折り返してチャンス継続。
混戦のなかブラガ→原ポストプレイ→住吉シュートとフィニッシュに結び付けると、ブロックされた跳ね返りを右からさらに乾がシュート。
これを中村がヒールでコースを変えましたが、密集に引っ掛かってこぼれた末に掻き出され。
いきなりの波状攻撃も、結局ゴールは奪えませんでした。

出だしから清水の強者ぶりを味わった山口ですが、「去年とは違う」という事を見せ付けるべくその後奮起。
7分清水がボール保持による攻撃で、サイドチェンジを使いながら前進していき、乾が右からアーリークロス。
これをブロックで防いだ山口、跳ね返りを拾った山本が高橋祐の腕でのチャージを受けながらもボールキープを果たした末にスルーパス、これによりカウンターに持ち込みます。
新保の切り込みを経て中央でパスを受けた吉岡がミドルシュートを放ち、ゴール上へと外れてしまうも、これにより応戦姿勢は整い。

山口の攻撃は、例によって新保が前に出る左肩上がりへの可変が基本姿勢。
既にリーグも中盤でそのシステムは周知となっているはずですが、対する清水サイドの分析ならびに対応はどうだったのか。
左サイド(清水から見て右サイド)でのトライアングルによるパスワークで、あっさり新保を空けてしまう場面が目立つなど、それは甘かった感があり。
12分の山口は右サイドでの攻めで、キムボムヨン→佐藤ポストプレイ→田邉裏へミドルパスという定番の流れのなかで、吉岡がハーフレーンに位置取り山原をピン止め。
これにより空いたワイドにそのパスが送られ、そこに前が走り込む(ラインアウトで繋がらず)という具合に、あまりボールポゼッションに拘らない姿勢ながらも「相手を引き付けて崩す」意識は十分に持ち併せ。
清水は強者の奢り……という訳では無かったでしょうが、その山口の姿勢に対する準備は全体として感じられる事は有りませんでした。

そして13分、清水の自陣でのパスミスから山口の攻撃、左ワイドでボールを持った新保がポケットへパスを送って自らもパス&ゴー。
田邉のキープからのリターンを受けて奥へ切り込む新保により清水ディフェンスの網は破られ、入れられたグラウンダーのクロスを吉岡が合わせます。
シュートはジャストミートせずも、全体の勢いが勝った結果ゴール内へ転がり、先制に成功した山口。

反撃したい清水ですが、その形を作る事無く時間を浪費していき。
サイド攻撃を仕掛けたいものの、最終ライン→サイドバックに出した所に二度追いを掛ける山口のFWにより、数的優位を作る事はままならず。
原が前に出ての右肩上がりの布陣で、高めに位置取る新保の裏を取りたいという意識は見られましたが、原自体が新保のプレッシャーで詰まる事も多く。
またスタメン復帰した乾も、本調子には程遠いのかトラップ際を奪われるシーンが目立ち、攻撃の流動化を果たせません。

そんな清水を余所にペースを掴む山口。
前述のパスワークでの崩しの他、山本をターゲットとしたロングボールも有効打となり、セカンドボールを拾う事で敵陣でサッカーを展開する時間を増やします。

端的にどちらが順位が上なのか判らないといった内容で、その通りに次にスコアが動いたのが27分。
ここも左サイドから河野がハーフレーンに位置取ってのパスワークで崩しを図り、佐藤→新保戻し→田邉縦パスという流れで、マークが外れた河野を経由して中央へ。
そして若月のポストプレイを経て、起点となっていた佐藤が果敢にダイレクトでミドルシュートを放つと、狙いすましたようにゴール左隅へと突き刺さります。
早期に追加点を挙げ、勝利へのムードを高める山口。

一方の清水、この場面も然りショートパスによりボールを上下動させると、構えていたはずのディフェンスがあっさり前に釣られてしまう性質があり。
それを完全に把握されていたという感じで、前に出た瞬間に1タッチパスを通される事はこの後も目立ち。
前年の熊本戦が思い起こされるこの傾向ですが、それを直す事が出来ないのは根深いチーム特性か、あるいは秋葉忠宏監督以下首脳陣の能力の限界か。

これにより、その後も優位性を保つ山口。
何度か受ける清水の攻撃も凌ぎ、球際での激しいデュエルも制して反撃に持ち込むという具合に、組織的にも全体の流れでも上回ったチームは強く。
清水サイドが前掛かりの意識を高めたのもあり、悉くワイドでフリーとなる新保へとボールが渡り、更なる追加点を狙いにいきます。

41分からCKを3度続け、全て左からでキッカー佐藤は全てニアへのクロスを徹底。(いずれもクリアされ実らず)
神経戦といった前半終盤になると、44分には右スローインから空中戦に持ち込みボックス内を突く流れに。
跳ね返りを逆サイドで拾った新保のクロスが入ると、大外で収めた山本がボールキープを経て反転シュート。
強烈なグラウンダーのボールが間を縫うも、GK権田がこれをセーブと、何とか3点目は許さなかった清水。

結局2-0のまま前半が終了。
苦しい状況となった清水、当然の如くハーフタイムで動き矢島・ブラガ→松崎・千葉へと2枚替え。
北川・千葉の2トップとなり、乾が左サイドハーフに回る4-4-2へシフトと調整を図りました。

SHとなったものの、中央寄りに絞ってトップ下のままのように振る舞う乾。
便宜上のミラーマッチから変化させる、という姿勢で崩しに掛かったでしょうか。
その通りに後半2分、中村の縦パスを受けた乾が奪われるも、すぐさま白崎が奪い返して中央でのパスワーク。
距離感の近い繋ぎを経てチャンスエリアに持ち込み、北川の突撃がこぼされた所を中村がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、幸先良い入りとなり。

しかしその兆しも直ぐに途切れ、4分には山本がドリブルに入った所を白崎が倒してしまい反則・警告。
ここから山口が攻撃権を取り返し、5分には田邉のミドルパスで裏を取った新保が奥を突いてクロスと、相変わらずストロングポイントは全開といった感じ。
このクロスは流れるも、拾った吉岡が右からカットインを経てミドルシュート。(枠外)
続く6分には、新保を囮としつつ田邉が左サイドを持ち運び、中央で受けた若月がエリア内へ突撃。
ディフェンスに遭うも、こぼれ球を田邉がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、多少強引ながらもフィニッシュで終わらせ。
この辺りはカウンター防止の思惑が強く出た格好で、勝利への進撃は既に始まっているといった絵図でありました。

それを崩さんと清水ベンチは早めに動き、8分に白崎→宮本に交代。
しかし流れを変える采配にはならず、10分には乾が左ワイドで詰まらされた末に中盤でボールロスト。
田邉の縦パスを受けた山本が中央からミドルシュート(枠外)と、山口の思惑通りに時間を浪費していく流れを止められません。
その山口も13分にベンチが動き、佐藤→板倉へと交代、板倉が右SBに入って前がボランチへシフト。

15分、清水は長いボールポゼッションを経て乾のミドルパスで左奥を突き、山原のクロスをファーサイドで原が合わせにいき。
両SBが最前線という分厚い攻撃もクリアされ、その跳ね返りを宮本がミドルシュートに持っていき、これがエリア内の北川の足下に収まった事で偶然ながらも混戦に。
横パス→宮本スルー→松崎で何とか混戦を抜け出し、松崎のシュートが放たれるもブロックに阻まれ。
その後2本続いたCKも、高橋祐のヘディングシュートが決まらずと、運を味方にする事も出来ない清水。

盤石に見えた山口ですが、20分に若月が足を攣らせて倒れ込み。
スタミナ限界には早いような気がしますが、アグレッシブにいっていた事もあり消耗も激しかったでしょうか。
これで交代を余儀なくされ、若月・山本→野寄・末永へと2枚替えし、河野がFWへ回ります。

この体力面の不安を見せてしまった事で、一転清水の攻勢に。
24分に再びボール保持による前進で、右奥を突いた末にCKに持ち込むと、キッカー山原のクロスをニアサイドで中村がヘディングシュート。
対角線でゴール左へ向かったこのボールを、ゴール前に居た新保がヘッドでブロックして何とか凌ぎます。
しかしその新保も、可変の肝となる存在故に消耗具合が著しく、その後清水に右サイドの跳梁を許す状況が続き。

これにより原が高い位置を取り続けるなど、暗雲振り払うかのように攻め込む清水。
27分には中央からの前進で、中村の縦パスを乾が間で受けるという具合に、徐々に生まれる相手の綻びを突き。
そして右ポケットで浮き球パスを収めた原がシュート、これが巻く軌道でファーサイドを襲うも、ゴールバーを直撃し惜しくも決められず。
遅まきながら、試合開始時での狙い(原が新保の裏を突く)がようやく形となり。

しかしこの状況を山口ベンチが対応しない訳も無く。
31分に最後の交代を敢行、新保・河野→沼田・シルビオへと2枚替え。
これで3-4-2-1へとシフトし、野寄が右ウイングバック・沼田が左WBとなってワイドを締める対策を施します。(センターバックは右から板倉・ヘナン・キムボムヨン)

この交代後、先に好機に持ち込んだのは山口。
32分沼田のボール奪取から敵陣でショートカウンター、シルビオのポストプレイを経て末永がミドルシュート。
最後はフィニッシュで終わらせるというリスク管理は健在でしたが、ブロックされた結果右CKとなると、ファーへクロス→ヘナン折り返しがカットされて清水のカウンターに。
千葉がドリブルで一気に持ち運ぶも、キムボムヨンが反応良くスライディングで奪い、すると反転して山口がカウンター。
カウンターのカウンターという絵図で、スルーパスを右ポケット奥で受けたシルビオの戻しを経て野寄がシュート(枠外)と、ここでもしっかりフィニッシュに繋げ。

清水も最後のカードを使う段階となり、35分に高橋祐・中村→北爪・成岡へと2枚替え。
古巣対戦の成岡投入以上に、これにより原がCBに回る事となったのが目を惹きました。

その後も攻め続ける清水ですが、ブロックの外側で回すか、距離感の近いパスワークで強引に崩しを図るかの2択を強いられ。
37分には中央で乾がボールを持ち後者の状況となった所、前に反則を受けた事で直接FKの好機。
これを山原が直接狙い、壁を越えてゴール左上を襲うフィニッシュとなったものの、ポスト上部を直撃とまたも枠に嫌われる結果となり。

そうして終盤を迎え、押し込んでクロスを上げる状況には持ち込むものの、守備を固める山口を崩しきるのは至難の業であり。
突入したアディショナルタイム、敵陣浅めで北爪が沼田に反則を受けるも、放り込みは選ばずあくまで徹底抗戦する清水。
そして右サイドを前進していき、得たスローインからの繋ぎで右ポケットを取り、成岡のポストプレイを経て松崎のシュートが放たれ。
しかしこの枠内シュートもGK関にセーブされ、どうしても1点を取る事が出来ません。

これによるCKでGK権田が上がり、総攻撃体制を取ったものの実らず。
その後はシルビオが右奥でボールキープに入るなど、着実に時計を進める山口の前に万事休すとなり。
2-0のまま試合終了の笛が吹かれ、首位チームを下したという歓喜に沸く事となった維新みらいふスタジアム。

快勝した山口を尻目に、またも組織面で後れを取っての敗戦を強いられた清水。
迫る暗雲という状況を、次節のダービーマッチ(藤枝戦)で振り払う事が出来るでしょうか。

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