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DAZN観戦 2024年J3リーグ第15節 SC相模原vsいわてグルージャ盛岡

2024-06-07 18:17:31 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 相模原ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

0-9惨敗(11節・福島戦)のショックから一向に抜け出せない岩手。
勝利したのは天皇杯のみという状況でリーグ戦は全敗、とうとう監督交代も断行される事となりました。
しかしその内容も凄まじく、中三川哲治氏を監督就任前のポスト、つまりコーチへと戻し。
空いた監督の座に、強化部長だった神野卓哉氏が就く、自ら責任を果たしに降臨したという格好に。

そんな迷走気味の相手とは裏腹に、上位争いの真っ只中という躍進を見せている相模原。
これが今季初の視聴……と思いきや、この試合(6節・金沢戦、0-1)が初めてだったので2試合目。
当時はそれほどマークしていなかった存在が、今や大きな脅威に……という典型パターンか。
しかし前回視聴時が初黒星で、その後もロースコアの接戦を続けた結果ここまで僅か2敗で推移。
天皇杯予選~1回戦が挟まる、中々ペースが確保し辛かった5月の戦いを切り抜けたその前方の景色は明るい、といった状況しょうか。
その当時とはスタメンが大幅に変更されており、伊藤・牧山・前田といった生え抜き2年目の選手が揃って前目のポジションで起用されているのが目を惹き。

迎えた試合開始。
ボール争いの時間が暫く続く典型的な絵図を経て、先に攻撃権を確保したのが相模原。
根底を成す形がある相模原と、実績豊かな選手+オタボー頼みの節がある岩手との違いが表れた感があり。

その相模原の形は、前回観た通り3バックの基本形から、攻撃時は左右のセンターバックの片割れが前に出て2バック化するというもの。
そこから距離感を広く取ってのパスワークで前進を図る、つまりは地上でのビルドアップが肝となるチーム。
ディフェンスが前に喰い付く傾向のある岩手にとっては、福島のダイレクトパスの連続は天敵というものでしたが、この相模原の攻撃も割と嫌らしく。
取れそうで取れない長いパスを見て、その性質上DFが前に出ざるを得ない状況が幾度も発生するので、そこで相手に前を向かせては致命傷となり。

前半7分・8分に、FWの藤沼が立て続けにシュートを放つなど順風な滑り出しを見せた相模原。
一方岩手の攻撃はロングボール頼みという域を出ず、都倉をターゲットにしたものか、他選手の裏抜け狙いかの二択が精々の選択肢。

しかし12分、相模原のプレッシングを呼び込んだうえで柳のロングパスが前線に入ると、都倉が前方へ落とした事で完全に裏を取り。
エリア内で受けたオタボーが、体勢を崩しながらも2タッチ目で放ったシュートで見事ゴールにねじ入れ。
ワンチャンスという域を出ない攻めでしたが、それを綺麗にモノにして先制に成功しました。

スコアが動いた事で、試合展開は固定化され。
リードされた相模原はボールポゼッションを高めて攻勢に入る側となり、岩手はそれを凌ぎつつ隙を窺う側に。

それでも泥沼脱出への光明が見えた心理的状況か、ゴールへの近さという面では岩手が上回り。
17分、自陣での右スローインからの奪い合いを経て都倉が確保し、逆サイドへ展開ののち柳がスルーパス。
このパス一本で一気にポケットを取り、受けたのは例によってオタボーという好機になるもディフェンスに遭い撃てず。
21分には相模原のビルドアップに対し、落ち着かせようとした徳永に寄せた新里がボール奪取に成功、一気にショートカウンターに。
そのままエリア内を突いて都倉にラストパスを送った新里でしたが、満を持して放たれた都倉のシュートはゴール左へと外れてしまいます。
これをモノに出来ていれば、少なくとも敗戦は免れていたでしょうが……。

あわや追加点を献上する所だった相模原。
サイドへパスを出し入れし、ウイングバックが受けた所に相手サイドバックを釣り出すという事は、岩手DFの性質もあり難なく出来ており。
しかしそこからの展開に欠け、岩手サイドも釣り出されて出来たスペースをボランチが埋める(この辺は監督交代の賜物か)事もあり、弱点を突く事はままならず。

相模原のポゼッションが実を結ばない時間帯が続いたものの、30分台に入るとにわかに動き出し。
33分、左から牧山がロングスローを投げ入れると、跳ね返りをさらにクロスに繋げる牧山によりクロス攻勢に。
橋本の右手前からのクロスを、中央で藤沼が合わせヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
続く35分には右サイドからパスワークで前進、一旦奪われるも岩手のパスミスで継続し、右ポケットへのミドルパスに走り込んだ橋本がマイナスのクロス。
ニアでまたも藤沼が合わせましたがこれも枠外と、果敢にフィニッシュを放つ藤沼という流れは復活するものの結果に結び付きません。

次第に岩手の攻撃に可能性が無くなり、ポゼッションvsカウンターという典型例に。
岩手サイドは弱点である喰い付きを何とか抑えながら、相模原の攻勢を防ぎ続けて時間を進めていく展開。
しかし42分、自身のクリアボールを拾った前田から右サイドで攻める相模原、牧山へのパスに柳が喰い付いた所でスルーを選択する牧山。
その裏を橋本が取ってドリブルと、岩手の弱点を突いて好機に持ち込み、橋本とのパス交換を経て右ポケットの伊藤にパスを送るもクリアされて撃てず。
このシーンのような、所々危ない絵図も見られましたが、何とか無失点で前半をやり過ごします。

アタッキングサードで中々迫力を出せない相模原、牧山のロングスローでそれをカバーせんと立ち回ったものの、結局ゴールは奪えずに前半終了。
追う立場のまま、後半開始を迎えました。

共にハーフタイムでの交代は無く、それ故に試合展開は変わらずという大方の予想。
それを踏まえてか、岩手は時間を浪費させんと立ち上がりにセットプレー攻勢に持ち込む事に成功します。
中盤からのFKで放り込み、クリアされるもコーナーキックに繋げてそこから2本続け。
そのCKでもオタボーがニアでのフリックで際どいヘディングシュートを放つ(藤沼が眼前でブロック)など、あわよくば追加点を……というシーンは作れたので上々の入り。

しかしそれを過ぎると、ひたすら相模原の攻撃を受ける状況に。
後半6分、左から田中が一気にポケットへロングパスを送り、走り込んだ高野がグラウンダーでクロス。
そして藤沼が合わせるという理想的な流れを作ったものの、藤沼のシュートは巧く面を作る事が出来ずただ右足で合わせたものとなってしまい、結果GK大久保の正面に転がって抑えられ。

決定的なシーンをモノに出来なかったものの、岩手ディフェンスもこの裏狙いから作られた好機で色を失ったか。
続く7分には大和が自陣でパスを受ける伊藤に喰い付くも奪えずにドリブルを許す(その後高野へのスルーパスがカットされる)等、綻びが目立ち始め。

そして9分ついに決定的な場面を作られ、右ワイドからの橋本の縦パスの打ち込みに対し、藤沼のポストプレイを大和が倒さんという勢い(実際に倒していたのだが)で喰い付きましたが阻止できず。
受けた伊藤が右ハーフレーンをフリーでドリブルに入り、このままではエリア内へ持ち込まれるという所で、もう一人のCB・深津はスライディングを選択。
しかし結果は伊藤を激しく削ってしまうものとなり、反則の笛が鳴り警告が付き出され。
決定機阻止に近い絵図だったのもあり、この判定に対し相模原サイドが退場を求めた異議を唱える状況に発展します。
その結果覆り、改めて一発退場を示す赤いカードが深津に突き出され。
結局弱点を克服できなかったという絵図で、以降10人での戦いに突入する事となった岩手。

この騒動の中のブレイクで、相模原ベンチの方が動き牧山→福井へと交代。
そしてエリアからすぐ手前での直接FKでの再開となりましたが、前田の直接シュートは壁を直撃して決められず。
リードを失っての再開は避けられた岩手、すかさずベンチも動き始めます。

準備の間、深川がCBに・新里がボランチにそれぞれ降りての4-4-1での凌ぎ。
そして15分に交代を敢行し、都倉・高橋→斉藤・宮市へと2枚替え。
CBを一枚増やした結果5-3-1となり、CBは右から大和・深川・斉藤で、WBは右に宮市・左に柳。
オタボーの1トップとし、中盤は右から加々美・新里・安達という布陣になりました。
当然ながら、ここから我慢の展開がスタートする岩手。

その間も無い16分、相模原は右スローインからの攻めで、クロスの跳ね返りを繋いだ末に福井がカットイン。
そしてハーフレーンからミドルシュートを放ちましたが、右ポスト外側を叩いての枠外と惜しくも決められず。
ここで決めていれば大分楽になったものの、結果はそうでなかった事により、ひたすらポゼッションを貫いて打開を図る状態となり。
それは攻勢に移る反面、専守の相手に対し何も出来ないという状態を強いられる諸刃の剣でもありました。

逆に攻撃の余裕が無くなった岩手ですが、5バックでの凌ぎに徹する事で、特性である弱点が顔を出す事は殆ど無くなり。
せいぜいWBが2列目に出て規制を掛けるという程度で、その際もまだ後ろに4人残っている安心感があり。
怪我の光明の感は拭えないですが、リードを守りきれれば勝利というミッションに一丸となったように映りました。
(26分に安達→松原へと交代)

しかしサイドを完全支配して攻め上がる相模原の前に、決して容易い事では無く。
19分に再び右スローイン、橋本のロングスローが跳ね返されての二次攻撃から、前田のクロスを加藤がファーで合わせヘディングシュート。
これがゴールバーを直撃と、またも枠に助けられる格好となり冷や汗を掻きます。
さらに27分、右サイドをドリブルで抉った橋本の戻しを経て上がった徳永のアーリークロス、藤沼が合わせヘディングシュート。
GK大久保がキャッチと、相模原は中央を固める岩手の前にクロス攻撃の域を出ない状況に陥るものの、それをフィニッシュに悉く繋げ。
その状況を見るや、直後に伊藤→瀬沼へと交代しターゲットの増員を図った戸田和幸監督。

その後も展開は大きく変わらず、薄いサイドを突く相模原の攻撃。
しかし織り込み済みの岩手もそのクロス攻勢を凌ぎ続け。
サイドに付いていってのブロック、中央でのクリアやGK大久保のパンチングなど、あらゆる手段で跳ね返して時間を浪費させていきます。
そして31分に最後のカードを切り、柳・加々美→小暮・桐へと2枚替え。

数的優位の状況でも、やはり崩す手段に乏しく、「ボールを持たされる展開」の域を出ない相模原。
愚直と言われようともやり続けるしかないという感じで、クロスに持ち込み続け。
フィニッシュに繋げていた時はアーリークロスが多かったですが、岩手の最後の交代以降、奥へ切り込んでのクロスの割合が増えたのが変化といった所でしょうか。

フィニッシュを放てずに時間を費やし、迎えた37分。
左サイドで田中・高野・前田と、CB・WB・シャドーが三位一体となってのパスワーク。
ここからどうするかという所で手前からのクロスを選択した前田、ファー奥に走り込む瀬沼の手前で、果敢にパンチングでクリアにいったGK大久保。
しかしこれをミート出来ず、掠ってフリックの形になった結果ボールはゴールへと吸い込まれてしまいます。
完全にオウンゴールに近い絵図での、前田のゴールで同点に追い付いた相模原。

気落ちは避けられない岩手ですが、直後の38分にロングパスが直接エリア内の藤沼に収まるなど、攻め手を緩めない相模原の前にそれを許される状況では無く。

しかし引き締めが間に合わず、立て続けに攻撃を許す岩手。
そして39分、ここも右から高野がアーリークロスを上げると、中央ややファー寄りで合わせたのは藤沼。
今度は綺麗なフィニッシュがゴールネットを揺らし、執拗なクロス攻勢をやっとスコアに結び付け。
一気に逆転を果たし、重苦しい雰囲気を完全に払拭させた相模原。

やはり1失点目が致命的となってしまった岩手。
その後は深川が再度ボランチに戻る事で、4-4-1へと布陣変更して何とか反撃に掛かり。
一方の相模原は42分に最後の交代。
高野・前田→栗原イブラヒムジュニア・岩上へと交代し、逆に逃げ切り体制へ。(橋本が右WB→左WBへ回る)

再度エネルギーを前に出さんとした岩手ですが、既にその力も運気も無く。
相模原に攻撃を切られては深めに持ち込まれるの繰り返しで、ロクに有効打を放てません。

逆に相模原が、サイド奥に持ち込んで着実にコーナーで時間を使いながらボール保持。
自身のゴールキックでは、右へと選手を密集させたうえで左へ送るというトリックプレーを成功させ、受けた橋本がコーナーでのキープに持ち込むなど奥深さも発揮します。

そして無事に勝利に辿り着いた相模原、これで3位に浮上。
大宮の一人勝ちな状況のなか、インビジブル的に地位を上げて来たその存在感は他の脅威となり得るでしょうか。

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