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DAZN観戦 2024年J2リーグ第20節 ベガルタ仙台vsV・ファーレン長崎

2024-06-19 16:41:24 | サッカー視聴記(J2)

※前回の仙台の記事はこちら(15節・群馬戦、2-1)
※前回の長崎の記事はこちら(16節・鹿児島戦、3-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(2節・長崎 1-2 仙台)

<仙台スタメン> ※()内はリーグ戦前試合のスタメン

  • 天皇杯2回戦(徳島戦、0-1)からの継続スタメンは無し。唯一、有田が序列を上げたか3節(水戸戦、1-0)以来のベンチ入り。
  • 14節(鹿児島戦、1-0)で負傷交代した工藤の詳細が発表され、全治約8週間との事。
  • マテウス・モラエスの負傷が発表され、5/16に手術実施して全治約12週間との事。

<長崎スタメン>

  • 19節(いわき戦)は、ルヴァン杯開催(新潟戦、2戦合計2-3で敗退)のため6/26に順延となる。
  • 天皇杯2回戦(讃岐戦、3-2)からの継続スタメンは無し。レギュラー組は、ルヴァン杯2戦目で揃ってスタメンと約1週間の間隔を保っての出場。
  • 長らく負傷離脱していた中村が復帰し、天皇杯2回戦からベンチ入り。
  • 青木(法政大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり17節(千葉戦、1-0)から登録される。

リーグ戦ではとうとう1敗しかせずに、折り返し地点にまで辿り着いた長崎。
その屈強ぶりは誰もが認める所で、何処がこの流れを止めるかに注目が集まり。

しかし前半に唯一の敗戦を齎したクラブが、この日の相手である仙台。
同じ目に遭わせる期待が……とは言っても、前回当たったのは開幕直後の2節。
その時は長崎サイドが、チームの完成度の低さがありありという内容で、この時点ではとてもここまでの成績を残すとは思えないものでした。
戦術とメンバーを調整し、軌道に乗せる事が出来たのは見事ですが、不安材料を払拭するには仙台を打ち破るのが必須といえる一戦に。

お互い上位を維持する戦いぶり故に、そのスタメンも固定傾向が続き。
完全ターンオーバーで挑んだ天皇杯を挟んでも、序列は大きく変わらずぶつかる事となり。

前半2分、長崎の右からの攻めを長澤が縦パスをブロックした事で一転仙台の攻撃に。
拾った相良がすかさず持ち運び(シュートまではいけず)、相手のパスワークを遮断してからの素早い攻撃を見せ付け。
しかし長崎も3分、自陣での笠柳のボール奪取から、拾ったエジガルが中央をドリブル突破。
そしてエリア手前で右へ叩き、ギリェルメがカットインシュートを放つと、高田がブロックで防ぐも左コーナーキックに持ち込まれ。
ここからキッカー加藤のクロスを中央でエジガルがヘディングシュート(GK林セーブ)と、こちらも数多抱える助っ人の威力を発揮せんとします。

ストロングポイントの交錯となった入りを経て、訪れたのは長崎のボール保持の時間。
前回対戦時と同様に、常時アンカー秋野が切られている状況故にサイドからの運びを強いられるのは変わらず。
しかし増山が右サイドバックに入った事により(前回の時は本職で無い山田)、ギリェルメとのポジチェンチェンジで仙台サイドを惑わし。
センターバックから右への縦パスをギリェルメが降りて受け、その隙に増山が追い越す形で、巧くチェックを外してパスに流動性を齎します。
他方左サイドも、9分に左ワイドに流れた田中の縦パスを笠柳がフリックし、追い越した米田が奥に抜け出してクロス(ニアでエジガルがヘディングシュートも枠外)と同様の流れで攻め立て。

そして13分、右から櫛引の縦パスをギリェルメが受けるという同様の流れから、今度は加藤とのワンツーを経て自ら持ち運ぶギリェルメ。
防ぎに来た菅田も裏街道でかわして奥に切り込み、満を持して上げられたクロスを手前でブロックにいった小出。
しかしこれを左腕に当ててしまった事で、主審の笛が高々となり響きハンドによるPKという結果となります。
華麗なドリブルで絶好機を齎したギリェルメ、最初はキッカーを頑として譲らずという姿勢を見せたものの、結局チーム得点王のエジガルへ託し。
そのエジガル、今季まだ失敗無し(5本)というその実績の通りに落ち着いてゴール左へと蹴り込み、ネットを揺らします。
サイドアタックの形が結実する格好で、先制した長崎。

仙台はビハインドとなった事で、ボールポゼッションによる攻撃の色を強める形に。
しかし直後の16分、最後方の菅田がワンタッチパスを繋がんとするも、眼前のエジガルにカットされる失態。
そして前進を経てペナルティアークから放たれたエジガルのシュート、ゴール左へ外れて何とか命拾い。
焦ってダイレクトの繋ぎに頼るのは死を招く、という絵図になり。

先制した長崎も、ボール保持によりペース維持の思考が一層強まった事で、そこをハイプレスで突きたい仙台。
23分に右ワイドでボールを持つキーマンの増山に対し、松井がプレッシャーを掛けた事で後ろを向かせた所に郷家がプレスバック。
そしてボール奪取に成功するも、パスを受けた松井のドリブルが止められて好機に繋げられず。
一方こうしたシーンを作るのは避けたい長崎、28分にCBから繋ぐ体勢で、田中に対しアンカーを切りながらプレッシャーにいく郷家。
しかしその背面で秋野がポジションを(中央→左ハーフレーンへ)ズラし、そこに田中がパスを通すという頭脳的なプレーを見せると、すかさず秋野は右へとライナーでロングパス。
受けたギリェルメが加藤とのパス交換を経ての突破でクロスに持っていく(GK林キャッチ)という具合に、ハイプレスのいなしも前回とは雲泥の差であり。

中々ショートカウンターの機会を作れない仙台、結局は自身も(たまにオナイウの裏抜けを交えながら)ポゼッションを貫く体制に。
30分、自陣深めからサイドを振りながら地上でパスワークを展開し、長崎のプレッシングをかわしつつの前進。
ザ・遅攻というその絵図により、(GK以外)全員が敵陣に入り込む状況を作ると、最後方から小出縦パス→中島ポストプレイ→真瀬エリア内へ切り込みとテンポアップを仕掛けましたがフィニッシュは撃てず。
36分には再度小出が右サイドで縦パスを送り敵陣で繋ぐ状況を作ると、郷家の戻しを経て長澤がダイレクトでサイドチェンジ気味のクロスを大外へ。
そして相良がこれをボレーシュートで合わせましたが、ゴール左へ外れて惜しくも決められません。

やはり遅攻では効率が悪いと感じたか、40分には秋野にプレスバックを掛けた郷家によりパスミスを誘発させ、拾った松井がすかさずエリア内へ縦パス。
これを中島が反転しながらダイレクトでシュートにいくも、体勢悪くジャストミート出来ずに終わり。

一方の長崎も43分、GKから繋ぐ体勢と見せかけて秋野が裏へのロングパスをエジガルに届け。
エジガルはこれを入れ替わりで受けた事で直接左ポケットに進入、そのままシュートを放ちましたがGK林がセーブ。
少ない手数で決められればそれで良い、という思考は長崎も同様であり。

結局0-1のまま動かず、終了となった前半。
気になったのはこの日の長崎のキーマンに見えた増山が、終盤に足を伸ばす仕草をしていた事で、負傷のリスクを抱えながらのプレーを強いられていたでしょうか。
後半は持ち味であった、ギリェルメを追い越すシーンは殆ど見られなくなりました。

共に交代無く始まった後半。
長崎は再度右サイドアタックを仕掛ける入りとなるも、増山のその変節により、単騎突撃をしなければならなくなったギリェルメ。
それでも脅威は十分で後半1分に早速右ポケットへ切り込んだギリェルメ、ラストパスを中央前方のスペースへ送ったものの、走り込むジェズスには僅かに合わず逃す形に。

一方仙台は、自身での繋ぎは小出の縦パスを起点とし、その先・主に右サイドでオナイウ・真瀬を活かすという立ち回りで入り。

こうして5分が経過するという所で、長崎はGKから繋ぐ体勢を取った所、そのGK原田に郷家が強烈なプレッシャー。
慌てての縦パスを余儀なくされた原田、これを松井がカットして中央を縦に素早く運ぶショートカウンター、松井→中島→郷家と経由してエリア内を突き。
シュートには辿り着けず終わるも、前半よりも鋭さを増したハイプレスにより主導権を握る事となった仙台。
直後の右スローインからの攻撃で、長澤がカットインから角度の付いたクロスを送ると、ファー奥で相良が合わせヘディングシュート。
これが左ポストを直撃→GK原田の背面に当たってCKと、際どいフィニッシュでも脅かします。

前半とは一転し、ペースを確保するのも困難となった長崎。
8分にハイプレスを受けながらの繋ぎで、GK原田ロングフィード→エジガル収めで何とかプレス回避、保持に入ったものの流れを取り戻すには至りません。

そして10分、ここも小出が前に出てパスカットに成功し、長澤の中央の持ち運びを経て右ハーフレーンでパスを受けたオナイウの鋭いクロス。
これを郷家がヘッドで合わせ、ゴール左へと突き刺して同点に追い付く事に成功します。
呼び込んだ好循環をしっかりと得点に繋げる、長崎同様に強者の立ち振る舞いで対抗する仙台。

追い付かれた長崎、その後も右サイドから攻め上がるものの、やはり増山はそれに絡む事無くギリェルメの突破頼みという状態は続き。
13分に田中ロングパス→中央でエジガル収めて右へ→加藤ダイレクトでスルーパスという流れでギリェルメに渡すと、再度ドリブルで右ポケットを突いてジェズスへラストパスを送るギリェルメ。
今度は足下へのパスで、それをダイレクトでシュートに持っていたジェズスですがGK林のセーブに阻まれ。
不穏な流れながらも、助っ人の威力を活かせば互角以上に戦える。
そんな思惑も窺えましたが、続く14分にはそのギリェルメが長澤に奪われ、逆起点となりかけたためプレスバックを掛けるも長澤を倒してしまい反則・警告を受ける事態に。

結局先にベンチが動く事を余儀なくされた長崎。
笠柳・エジガル→松澤海・フアンマへ2枚替えと、定番の持ち駒を投入したのが20分。
しかし流れはそれほど変わらず、24分には増山が高田のチャージを受けて倒れ込むなど、危惧の方が膨らむ展開を強いられます。

一方仙台ベンチは25分に相良→名願へと交代。
すると27分早速その名願に好機が訪れ、最終ラインでプレスを引き込んだ上での菅田のロングパスが右の真瀬に通り、スルーパスに走り込んだオナイウのクロス。
これをファーでヘディングシュートにもっていくも、枠を捉えられず。
退いた相良と同様に、ドリブラー兼ファーサイドのターゲットとして振る舞う名願。

29分、長崎は加藤が足を攣らせて倒れ込む事態が発生、すかさず動くベンチ。(加藤→山田)
その後はお互いにGKからの繋ぎで前線に運ぶという、疲労感による守備時の間延びを気にしながらのフェーズへと移行したでしょうか。

34分の長崎、左サイド深めからワンタッチパスの連続でプレス回避の末に、中央でのフアンマのポストワークからのドリブルで前進に成功。
右奥からの戻しを経て増山がクロスを入れ、跳ね返りを拾った松澤海のラストパスを受けたジェズスがシュート。
しかしこれもGK林のセーブに阻まれるという具合に、この日は最後の場面で運に恵まれずとなったジェズス。
その後37分にもエリア内中央からシュートを放ったジェズス、ブロックされてCKとなった所で双方選手交代。
長崎は助っ人2名(ジェズス・ギリェルメ)を退かせ、名倉と復帰したての中村を投入。
仙台はオナイウ・中島→有田・中山と、ともに疲弊した前線の矛を取り換えるという形となりました。
長崎の右CKで再開し投入された中村がキッカーと、試合勘を取り戻させるとともに、懐かしさも感じさせる振る舞いとなり。

40分の仙台、菅田が右へ低いロングパスを通して深さを取り、松井がキープする所名倉に反則を受け。
これでセットプレーの好機となり、キッカー長澤のクロスがファーへ流れたこぼれ球を繋ぎ、高田のミドルシュートにもっていくもブロックされて左CKに。
今度は左からのキッカー長澤のクロス、これを名願が合わせヘディングシュートを放つも、ゴールバーを直撃し跳ね返り。(その後混戦のなか郷家がシュートもブロックされる)
期待通りにヘッダーの役を果たす名願でしたが、結果が付いて来ずとなりました。
45分、仙台は残されていた交代カードを使用(高田・長澤→内田・松下)し最終局面へ。

そしてアディショナルタイム、それに相応しいオープンな展開から勝ち越し点が齎されます。
GK林のロングフィードがターゲットの中山を越え、右奥を突いたボールに有田が追い付いて折り返し。
これを中山が足でフリック、中央へ流れた所でシュートを放ったのは松下。
長崎は意表を突かれたか、GK原田も動けずにゴール左へと突き刺さり、投入されて間も無く勝ち越し点を叩き出す事となりました。

胸すく逆転劇に、勝利を確信させたかのようなホームチーム。
その後も左奥に持ち込んで時間稼ぎに入るという具合に、それを固定化させる振る舞いを貫きましたが、喜ぶにはまだ早かったか。

何とか仙台の時間稼ぎモードを切り、フアンマを軸としたパワープレイを仕掛ける長崎。
それが奏功し、跳ね返しを拾いにいった増山が中山に反則を受けた事で中盤からのFKとなります。
焦ってヘッドでクリアせんとした中山が増山に乗っかる形となるなど、直ぐ先に待ち構える栄光しか見えていなかった感があり。

結局その姿勢が高く付く事となり、GK原田の放り込みをエリア内左でフアンマが落とし、それを中央で山田がボレーで合わせにいく好機に。
放たれたシュートはジャストミートせず、バウンドの末に菅田にクリアされるも、右サイドで拾った中村からクロスが上がり。
そして満を持して放たれたのはフアンマのヘディングシュートで、ゴール右へと突き刺さり起死回生のゴールとなります。
歓喜に沸く長崎サイドとともに、鳴り響く試合終了のホイッスル。
引き分けに持ち込み、連続無敗記録は後半戦にも継続される事となりました。

一方ラストプレーで追い付かれるという、悲劇的な結果に終わった仙台。
それでも内容的には悲観的になる事は全く無く、今後長崎はじめ第1グループ(清水・横浜FC)を追い掛ける糧としたい所でしょう。

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