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DAZN観戦 2023年J2リーグ第25節 いわきFCvs水戸ホーリーホック

2023-07-11 16:00:25 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回のいわきの記事はこちら(21節・千葉戦、0-0)
※前回の水戸の記事はこちら(23節・岡山戦、0-1)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 岩渕が前年の故障離脱から復帰、22節(大宮戦、5-1)から毎試合途中出場し、ゴールも毎試合挙げる。

<水戸スタメン>

  • 戦列復帰したGK山口瑠が前節からスタメンにも復帰。

今季から新たにJ2へと加わったいわきですが、単なる同一カテゴリの一チームに留まらない関係となったのが水戸。
地理的に、水戸~仙台のラインに立ち塞がる様に現れた新興勢力という位置付けとなり。
そして両者の対戦は、密接する鉄道の名称にちなみ「常磐線ダービー」と名付けられるに至りました。
前回対戦時は点の取り合いの末に引き分け(2節、2-2)、今度こそ決着をつけるという意気込みの下、いわきグリーンフィールドは熱気に包まれ。

その間にいわきサイドは敗戦が込み順位も降格圏に後退、そして監督交代と汚泥に塗れるような歩みを強いられ。
再び就任した田村雄三監督の下、4戦無敗(2勝2分)と浮上の兆しを見出してこの日を迎えました。
これまでとはフォーメーションをマイナーチェンジしたうえで、蔑ろにしていたポゼッションもある程度取り入れるなど新たなサッカーを模索。
従来のサッカーを維持しつつのそのスタイルに、文字通り一段上へとクラブを変貌させる目論見が窺えますが、現状はまだ道すがらといった所でしょうか。

その発展途上の状態を突かれるように、立ち上がりは水戸のハイテンションぶりに押されっぱなしの展開となり。
1トップの寺沼の迫力にたじろぎ、前半1分に早くも小原のシュート(ゴール上へ外れる)に繋げられたのがその幕開け。
いわきはとてもボールを繋ぐ余裕を見出せず、寺沼に対する(家泉の)反則もあり攻撃権の確保はままならず。

そして5分の水戸の攻撃、長いパスで頻繁にサイドを変えていわきディフェンスを揺さぶり、右サイドで溜めを作った末に中央でラストパスを受けた小原がエリア内を突き。
そして右ポケットへ流れつつ、寺沼のケアも頭にあったいわきディフェンスをかわしながら放ったシュートがゴール左へ突き刺さり、早々に先制点を奪います。

その後も攻撃の道筋を見出せずといったいわきですが、9分に審判団の間でトラブルが発生。
無線機の異常が起きたらしく、1分程ブレイクが設けられ、これで何とか落ち着きが取り戻せたでしょうか。
最終ラインから繋ぐ姿勢を取り始めると、水戸サイドもそれに無理にプレッシャーを掛ける事は行わず。
きっちり5-4-1の陣形を保つのを重点に置いていたようで、いわきもそれに伴いポゼッションを確保します。
最前線が1トップから動かないので、いわきも2センターバックを保つ意味はあまり無く、それに伴いボールサイドに片側のCBが張り出してパスを繋ぐシーンが数多。
これによりサイドに人数を掛ける体勢は出来上がったものの、当然ながら水戸の守備陣形の硬さをどう崩すかというのに難儀。
そして攻めあぐねた末に水戸の逆襲を受ける、お決まりともいえる展開に突入します。

水戸はサイドに開く梅田にミドルパス・ロングパスを裏へと送り、彼の落としを繋ぐという組み立てが中心。
前回とは違い、武田の存在で展開力が増したような恰好でしょうか。
圧力を持った寺沼が中央に張る事もあり、それに意識を割く事はままならないいわきディフェンス。
そんな対応の難儀が攻撃にも影響したか、21分には縦パスを出した所を楠本が敵陣に出て奪い水戸のショートカウンター。
そして武田のミドルシュートが放たれ、家泉のブロックに当たってゴール右へ際どく外れ。
直後のコーナーキックからも寺沼がヘディングシュートを放つ(枠外)など、ひとしきりフィニッシュに繋げていたのは水戸の方となりました。

しかし徐々に様になっていくいわきのポゼッションからの攻撃、サイドを運んだのちに戻しを経てサイドチェンジ、逆からポケットを突くという姿勢が見え始めたのが20分台。
そして28分もその流れで、左サイドから戻して中央→右へと渡り、石田のポケットへのスルーパスに有田が走り込んでクロス。
このグラウンダーのボールをニアサイドで楠本がクリアに入りますが、逆向きで合わせる形となりゴールに突き刺してしまい。
綺麗なオウンゴールといった絵図で、同点となります。

これがブーストとなり、以降は攻撃権を独占するいわき。
やはり水戸はプレッシングを掛けないのが災いしたか、波に乗るいわきを前に立ち上がりとは逆に押されっぱなしに。
こうなると幸運も絡み、34分には水戸のロングボールを跳ね返すとそのままエリア内で近藤が収める好機に繋がり。
そして左へ流れたのちパスワークで溜めを作り、宮本ポケットへのスルーパス→近藤ポストプレイ→河村シュートと流れるようにフィニッシュ。
ブロックに防がれるも尚も繋ぎ、下田の後方からのミドルシュートがゴールを襲いますがGK山口瑠のセーブに阻まれます。

いわきの独壇場といった展開が10分以上続きますが、42分に再び縦パスを自陣でカットされて(その後水戸は小原→寺沼へのパスが繋がらず)その流れは途切れ。
45分の水戸の攻撃では、逆に右からの鵜木のグラウンダーのクロスに対し、下田のクリアがゴールに向かうというあわやオウンゴールという場面も作ってしまいます。
これはGK鹿野が防ぐも、引き続きCKと水戸の好機。
キッカー武田のファーサイドへのクロスを寺沼が綺麗に合わせ、ヘディングシュートがゴールネットを揺らし。
劣勢を凌いだ末に、勝ち越し点を挙げた水戸。

その後いわきもやり返し、宮本のヘディングシュートが放たれるも再び立ちはだかるGK山口瑠のセーブ。
1-2のまま前半を終え、ホームの観衆の前で後半に賭ける事となったいわき。
ハーフタイムで早速2枚替えを敢行(永井・近藤→谷村・吉澤)し、その姿勢を露わにします。
一方の水戸も梅田→草野へと交代。

しかし迎えた後半の入り、前半同様にいきなり水戸の好機。
石井の左手前からのアーリークロスを経て、寺沼のフリック気味に合わせたヘディングシュートがゴール右を襲い。(際どく外れる)
さらに水戸は前半抑制していたプレッシングも解禁(恐らく連戦を考慮しての温存策だったのだろう)し、後半からは寺沼・草野の2トップによる3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジ。
サイドに出された際にはウイングバックが前に出ていわきの前進を阻みます。

圧力に押されるいわき、後半5分には石田がスリップし家泉のパスを受けられず、小原が拾った事でいわきのカウンターに。
そして草野がドリブルで左ポケットを突いてグラウンダーでクロスを送り、ニアサイドに寺沼が走り込むも僅かに合わずと、これまた際どい好機。
これが決定打となった訳では無いでしょうが、いわきベンチは6分に石田→岩渕に交代・宮本が右サイドバックにシフトと素早く動きます。

戦列復帰してから、点取り屋の資質を見せている(3試合で3得点)岩渕の投入に勇気づけられるいわき。
7分には左スローインからの攻めで、ワイドからポケットを突いた谷村のヒールパスで意表を突き、河村がシュートを放つも松田佳がブロック。
人数を掛けた重厚な攻撃にキレが戻り始めます。

一方の水戸は13分に寺沼→安藤へと交代。
前半体を張っていた寺沼・梅田が2人とも退いたものの、その後彼らがいわきディフェンスに与えていたダメージが響く絵図が描かれます。
14分GK山口瑠のロングフィードを家泉がクリアミスし、拾った小原が左ワイドを駆け上がってカットイン。
左ポケットを突く好機となるものの、宮本が反則気味のディフェンスで止めて凌ぎます。
しかしその直後にも、空中戦の末にクリアにいった谷村がハンドを犯し、水戸に直接FKを与える事態に。
相手の綻びを突きたい水戸は、この中央やや左からのFKを鵜木が直接シュート。
これがゴールバー下に当たってゴール内に落ち、綺麗に決めてモノにします。

2点差として勝利に前進した水戸。
18分にはいわきのクロス攻勢をGK山口瑠がパンチングで跳ね返し続け、奪ってカウンターに持ち込み。
溜めを作ったのち左から上がった石井のクロスを、ファーサイドで安藤が合わせましたが枠を捉えられず。
今思えばここから、いわきの攻撃を凌ぎつつカウンターという意識を強めるべきだったでしょうか。

20分、最終ラインから左へと展開するいわきに対し鵜木が前に出て阻みにいく水戸。
しかしそれを逆手に取り、河村の中央へのパスを下田がダイレクトで縦パスを送ると、村田と楠本の間のハーフレーンを見事に突いて(吉澤のスルーを挟んで)ポケットを取る岩渕。
そしてカットインをチラつかせながら、GK山口瑠と正対してのシュートをゴール右へと突き刺します。

1点差となり、意気上がるいわきを前に水戸は混乱状態になってしまった感があり。
22分に宮本の反則気味のボール奪取からいわきが攻め込むと、人数を掛けての前進を寸断出来ない水戸。
岩渕のミドルシュートは松田佳がブロックするも、松田佳が痛むのを尻目に跳ね返りを下田が落として尚も継続、右から宮本のスルーパスでポケットを突き。
そして走り込む有田ヒールパス→吉澤ダイレクトでクロス→谷村シュートという流れるような攻撃を防げず、揺れるゴールネット。
人数が揃っていた水戸ディフェンスをも崩す形で、僅か3分間で2点差を追いついたいわき。

同点となり、再び攻めなければいけなくなった水戸。
26分に武田が退いた(杉浦と交代、同時に小原→井上へと交代)事もあり、以降は鵜木が高目の位置を取って右サイドから攻め、村田との2段構えでの前進が中心となります。
いわきサイドも、前線がプレスを掛けるもスリップして繋がれてしまう場面を作る等、熱戦における体力面の問題はフィジカル軍団にも容赦なく襲い掛かり。

3-3のまま、(24分の有田のシュート以降)お互い攻め上がるもののフィニッシュに繋がらないという時間帯が続いた末に、35分に双方選手交代。
いわきは下田→加瀬へと交代し、山下がアンカーに回り。
水戸は石井→永長へと交代し、井上が左WBへシフトして永長が右・杉浦が左というシャドーの並びに。

均衡を破ったのは投入された永長の方で、37分に右サイドをドリブルし、右ポケットからカットインを経てシュートするも遠藤がブロック。
これで遠藤が痛んで倒れ込むも何故かプレーは止まらず(いわき3点目のシーンとの帳尻か?)、さらに永長が右から仕掛けた所河村に倒されて反則でようやく途切れ。
いわき・田村監督の抗議が生まれるも、終盤も間近になり熱戦の雰囲気は止む事無くといった状況故に、判断ミスも致し方ない所でしょうか。(遠藤は無事に続行)
ここからFK→CKとなった末に、水戸はクロスを合わせにいった草野が家泉にアフターチャージで反則・警告と、そのテンションの高まりは歯止めは利かず。

しかし最後はそれが仇となった感があり。
42分に草野を狙ったロングボールでの攻撃から右CKを獲得した水戸、キッカー鵜木のクロスの跳ね返りを尚も繋がんとします。
しかしいわきのプレッシャーの前でそれは逆効果だったか、杉浦の(永長への)ダイレクトパスがミスとなり、岩渕が拾った事で一気にカウンターに持ち込むいわき。
それはドリブルで抜け出した宮本と並走する岩渕がGKと2対1という絶望的なものとなり、横パスを合わせた岩渕がキッチリとゴールへ蹴り込み完遂。
パスを読んでいたGK山口瑠の反応も届かず、熱狂の終止符となるべき4点目はいわきが挙げる事となりました。

諦めずに攻めの姿勢を見せる水戸に対し、アディショナルタイムに最後の交代カードを切るいわき。(河村→江川)
以降も後方での繋ぎを経てのロングパスと、あくまで形作ったうえでの供給の姿勢を見せる水戸ですが、フィニッシュには辿り着けず。
いわきのプレッシングを呼び込んでの裏へのロングパスにも、GK鹿野が良く対応して好機を作らせません。

そして試合終了の笛が鳴り響き、胸すく大逆転劇でこの試合ならびに今季のダービーを制したいわき。
総得点25のうちの11を後半の4試合で挙げるという爆発ぶりが、改めてJ2への挑戦状となるでしょうか。

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