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DAZN観戦 2023年J1リーグ第21節 横浜F・マリノスvs川崎フロンターレ

2023-07-17 16:02:09 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

飲水タイムのガイドラインがニュースになるなど、真夏の中の試合という実感が沸く時期となり。
日曜は関東地方で日中40度越えの地域も現れるなか、密度の濃い試合が演じきれるかどうか。

そんな状況で、土曜に開催された強豪同士の一戦。
川崎は序盤の出遅れが響き、優勝争いの輪に加わるにはデッドライン上という状況で、暑さが……などと泣き言を漏らすのは言語道断であり。

不振の最大要因はセンターバックの人員不足で、谷口の移籍・ジェジエウの長期離脱が合わさってできた大穴は、チャナティップを活かせず今夏に放出というのが些細に感じるぐらい王者奪還という目標を掲げる余裕すら無くす程でありました。
田邉の(J2千葉からの)レンタルバックなど慌てて行った弥縫策も、その田邉本人の故障で無に帰すなど、チグハグぶりはまさに残留争いを強いられるチームのそれという趣も感じられ。
その他のポジションも故障者が膨らみチーム力は明らかに下降線ながら、何とか白星を拾い望みを繋がんとする状況で迎えた、マリノスという王者を奪還すべき相手と相対しました。

前半2分の川崎、シミッチの縦パスを山田が倒されながらもポストプレイで繋ぎ、右へ展開されたのち家長が右ポケットを突く好機に。(その後パスワークから山根がクロスもシュートは撃てず)
その後も山田がポストプレイに入った所を潰され倒されるシーンが目立つという具合に、新人ながらセンターフォワードを立派に努めんとする山田の姿が何かと印象的な前半となり。
しかしどちらかといえば、故障者続出という川崎の苦境を如実に表した絵図の方が強かったでしょうか。

対するマリノスは、前節は名古屋との首位攻防戦で死闘の末に引き分け。(2-2)
それでバーンアウトしてしまったのか、水曜の天皇杯3回戦では町田相手に惨敗(1-4)と、状況は決して首位に居る成績に余裕を持てるものでは無く。
ホーム(日産スタジアム)故に先にリードを奪うのは必須条件と言わんばかりに、川崎の隙を探しつつ、見つけた時は縦に素早く運んで裏を突く攻撃を繰り広げます。

11分最終ラインでボールを持つマリノスに対し川崎はプレッシングを掛けるも、エドゥアルドの縦パスを受けたマルコスをフリーにしてしまうなどそれに連動性は見られず。
その後エウベル→ロペスと経由して、エリア内を突いたロペスのシュート(ブロック)に繋げられるという具合に、曖昧なプレスは死を招くものであり。

その直前の10分には、永戸→マルコスポストプレイ→永戸裏へミドルパスという流れで、オフサイドギリギリで抜け出して受けたエウベルが左ポケットを突いて横パス。
これを逆サイドで走り込み合わせたマテウスのシュートが右サイドネット外を揺らすなど、最終ラインのコントロールもやや乱れがちといった川崎の守備。
逆に15分の川崎の攻撃は、自陣での脇坂のスルーパスに抜け出した家長、その位置はエリアラインから僅かに手前に見えたものの(その後グラウンダーのクロスを山田がシュートしたのち)ディレイでオフサイドを取られ。
オフサイド絡みでの判定では、割かし不運を強いられていた感がありました。(主審はこの日もカタール人のカミス・モハメド・アルマッリ氏)

ともにフィニッシュを放つ一進一退な流れとなっても、マリノスが優勢に見えたのは上記のような主体的な崩しのシーンが多かったからであり。
川崎はイーブンなボールを拾ったのちの、マリノスの陣形が乱れていた隙を突いての好機が多かったのもそんな印象でした。
マリノスは19分にマテウスの右ポケットからのマイナスのクロスを、ニアでエウベルが合わせシュート。(GK上福元キャッチ)
24分にはマテウスが右ワイドから細かいタッチでカットイン、エリア内中央を窺ってシュート(ブロック)という具合に、ボックス内でのフィニッシュを膨らませ。

今夏必須となった飲水タイムが挟まれた(25分)のちも、マリノス優勢の流れは変わらず。
29分にロペスへの反則でカウンターを阻止する格好となったシミッチが警告を受ける等、劣勢ぶりが記録に反映されるようになった川崎。
その後も裏狙いのパスに難儀する事態を受け、前半の終盤は自陣でのブロックを重視する守備へと切り替えを強いられます。

フィニッシュを重ねるマリノス、34分にはロングパスを収めたロペスがエリア内を突き、こぼれたボールを拾ったマテウスがミドルシュート。
登里のブロックに阻まれるも尚も繋ぎ、エウベルの右ポケットからのクロスをファーサイドでマルコスがボレーシュート(左サイドネット外)と、前線4人の助っ人が川崎ゴールを脅かし。
しかし有利な時間帯で得点出来なかったツケが、のちに大きく響く事となります。

川崎の守備重視の立ち回りを受け、全員(GK除く)敵陣に入り込みポゼッションを高めるシーンが膨らむマリノス。
しかし相対的に崩しの難度の上昇に苦しむというお決まりの流れは、例え強豪のマリノスでも付いて回るのは避けられずとなります。
39分の永戸のミドルシュート(GK上福元キャッチ)以降、何度もポケットを突く攻めを見せるもフィニッシュは生まれず。

そしてアディショナルタイムにはアクシデントにも塗れます。
敵陣でこぼれたボールに松原が走り込み、ヘッドで繋がんとした所を登里とパッティングする形となってしまい倒れ込み。
登里がノーダメージななか、1分以上起き上がれずとなってしまった松原。
脳震盪チェックを経て何とか復帰するものの、ハーフタイムで交代の憂き目に遭ってしまいました。(脳震盪による交代なためカード消費は無し)

スコアレスで迎えたHT、その松原に代わって畠中を投入し、上島を右サイドバックに回す事でカバーを図ったマリノス。

後半はともに中々ボールが繋がらない中、先制攻撃はマリノスで後半4分、マテウスが右サイドをドリブルで持ち運んだのち切り返しでカットイン。
右ポケットに入っての横パスで、中央でマルコスが受けるも前を向けず、戻しからの渡辺のシュートは枠を捉えられず。

後半に入っても強力な両翼からの攻めは健在と思われましたが、以降マテウスは足を痛めた(放送席の談より)ようであり、その後もプレーを続けたものの精彩を欠き。
上島のコンバートも相成って、突如として右サイドが硬直状態を強いられる格好となります。

その隙を突く川崎、5分に登里がそのマリノスの泣き所(つまり川崎から見て左サイド)をドリブルで突き進む攻撃を仕掛けます。
宮代に託したのち、中央でフィニッシャーになるべく入り込んだ登里でしたが宮代の横パスがズレてしまい撃てず。
しかしここを突破口とし、7分にはGKを含めてのビルドアップでマリノスのプレッシングを引き寄せ、上福元がエリア内でロペスのプレッシャーを剥がした後のフィード。
ここから左サイドを前進し、中央→右へとサイドを変えて家長クロス→ファーで瀬古折り返しと好機に繋げます。(フィニッシュは撃てず)

川崎のストロングポイントが出た事で、一気に劣勢となるマリノス。
9分にはチマがパスを受ける瀬古に対し寄せるも奪いきれず、繋がれて川崎の好機となり。
家長が右ポケットに入り込んでパス、登里のスルーを経て走り込んだ山根が最奥からシュートを放ち、GK一森が足でセーブ。
運動量の低下を表に出してしまうと、直後に持ち込んだカウンターでも、右サイドで持ったマテウスはやはり精彩を欠きスピードダウン。
12分には川崎の自陣左サイドでのパスワークに寄せるも、サイドチェンジで脱出されてフリーの高井から攻撃。
右ワイドで持った家長が永戸を剥がしてカットイン、右ポケットを突いたのちの横パスを瀬古がシュートするも、ふかしてしまい決められず。

たまらずベンチが動き、12分にチマ・マテウス→喜田・宮市へと2枚替えしたマリノス。(エウベルが右ウイングへシフト)
何とか運動量を担保し巻き返しを図ります。
一方の川崎も、15分に瀬古・山田→橘田・遠野へと2枚替え。(宮代がCFへシフト)

マリノスは前半、激しい攻撃を幾度も仕掛けたもののそれが仇となったようで、2人代えただけでは中々エネルギーを保つ事はままならず。
逆に川崎は家長のボールキープを重視とした攻めで、体力的に効率が良かったのが差となって表れたでしょうか。
特に後半は、家長が逆サイドでのボールタッチが増え、チーム全体に落ち着きを齎していたようでもあり。

共に交代カードを切ったのち、マリノスはボールポゼッションを膨らませるも、川崎の4-5-1ブロックを切り崩す事に難儀。
20分にトランジションを突いての好機が生まれ、マルコスのパスカットからすかさずスルーパスがロペスに送られるも、完全にオフサイドポジションという位置で受けてしまったロペス。
その後GKと一対一から放ったループシュートをゴールに入れるも、後の祭りでオフサイドディレイで無効となってしまいます。
前半とは一転して、オフサイドに悩まされたのはマリノスの方となり。(川崎は22分に宮代→瀬川へと交代)

そんな流れで挟まれた後半の飲水タイム。(23分)
マリノスは前半同様の流れに持ち込みたいものの、既にそれを許すフィットネスは無いという状況であり。
迎えた26分、空中戦からシミッチの落としを拾った橘田に対し、エドゥアルドが前に出て阻んだものの奪いきれず。
そして瀬川のスルーパスを遠野が走りながら足下で受けて抜け出され、前に出たGK一森がかわされた所を引っ掛けてしまい、遠野が倒れて反則を告げる笛が鳴り響き。
エリア内なので当然PKが齎され、一森には決定機阻止(と与PKによる割引)により警告を受ける事となりました。

これで先制の絶好機を得た川崎、キッカーは攻めの中心を担う家長。
何ともチグハグなマリノスの流れでしたが、このキックをGK一森がナイスセーブ、バーに当たって跳ね返ったボールを抑えて寸での所で防ぎます。

このビッグセーブで勢いに乗った一森。
尚もマリノスに勢いが出ない中、32分に遠野の左からのカットインシュートをセーブ。
直後のCKでも、直接狙ったような脇坂のゴールへ向かうクロスをセーブと、ゴールを守り続けます。

守護神の奮闘に応えたいマリノスでしたが、尚もアクシデントに苛まれ。
29分にマルコス→植中へと交代したのち、さらにカードを切らんとした所で永戸が足を痛めてしまいます。(33分、瀬川に反則を受け)
続行不可能となりましたがベンチも想定外だったようで、交代を取り下げたうえで、喜田が左SBに回る事で一時的な10人での凌ぎを選択。

しかしその10人での戦いのなか、エウベルが右サイドをドリブルで突き進み、右ポケットへ進入してグラウンダーでクロス。
これをニアでロペスが合わせる決定機となりましたが、シュートはゴール右へと外れたうえに、勢い余ったロペスが(高井のスライディングを受けたのち)ゴールポストに激突する事態となってしまい。
更なる不運かと思われましたが、何とか無事でプレーを続けたロペス。
彼がピッチ外で待機する最中に、ようやく永戸→水沼へと交代を果たすマリノスベンチ。(同時にエウベル→杉本へと交代)
しかし懸案の左SBは喜田がそのままで、両SBを失ったうえでの試合はやはり辛い展開に。

一方の川崎も同じタイミングで、登里・脇坂→佐々木・大南へと2枚替え。
CBを1枚増やした事で、3バックへシフト(3-3-2-2)とここに来てフォーメーションを弄ってきた鬼木達監督。

物理的にギャップを生み出す策は、既に汲々としていたマリノスの足をさらに止めるに実に効果的となり。
敵陣でサッカーを展開し続け、フィニッシュに繋げていくその川崎の姿に、アウェイの立場ながら観衆の声援も大きくなる一方の流れに。

41分に山根が右ポケットからカットインシュート、GK一森がセーブした跳ね返りをさらに佐々木がシュート、しかし一森が再度セーブ。
44分にはCKから、クリアボールを橘田がダイレクトでミドルシュートを放ち、またもGK一森がセーブ。
マリノスは既に、当たっている一森が持ち応えるかどうかという展開に追い込まれます。

一方これだけ攻め立てながら得点出来ない川崎。
順位的に追う立場だけに、引き分けで終わる事は避けたい状況ではありますが既に時間はATへ。

遠野の右からのカットインでアタッキングサードを崩しにかかる所を、エドゥアルドが倒してしまい反則。
直接狙っても良い位置ながら、素早くリスタートを選択した川崎、スルーパスでポケットを突くも山根のクロス(シュート?)をGK一森がブロックとこれも防ぎ。
そして移行した右CKからの二次攻撃で再び遠野が右から仕掛けるカットイン、中央へ託したのち瀬川のスルーパスが完全に裏を取り、右ポケットに走り込む大南。
その折り返しをGK一森は今度は止められず、中央に流れた所を車屋が跳び込み、ディフェンスと縺れながらも合わせたボールがゴールに吸い込まれ。
絶対に決めたいという執念が勝り、とうとう川崎がリードを奪いました。

ホームで諦めは許されないマリノス、その後ロペスのシュートがブロックされてCKに持ち込み、GK一森も前線に加わり。
しかしクロスがクリアされて川崎のカウンターとなり、瀬川が無人のゴールにシュート(ゴール右へ僅かに外れる)、と更なる失点の危機を招くに終わってしまいました。

結局そのまま0-1で試合終了、川崎が勝利を挙げ。
個人的には、攻撃サッカーが織り成す撃ち合いの好試合を期待しただけに肩透かしとなった感がありましたが、夏場が生み出す消耗戦には逆らえなかったようでもあり。
ともかく川崎にとって、上位に向けての足掛かりの構築は王者の足をすくう事で果たせたでしょうか。

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