ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J2リーグ第27節 レノファ山口FCvsブラウブリッツ秋田

2023-07-24 16:03:04 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山口の記事はこちら(21節・仙台戦、2-0)
※前回の秋田の記事はこちら(22節・藤枝戦、1-3)

<山口スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 平瀬が(J1・鳥栖から)育成型レンタルで加入。前節(いわき戦、0-0)から登録されて今節で初のベンチ入り。
  • 25節(長崎戦、1-0)で負傷(HTで途中交代)した河野の詳細が発表され、全治約4週間との事。

<秋田スタメン>

  • 前節・町田戦は豪雨のため中止に。代替日は現在のところ未定。

就任当初、散々ネタにされた感のある山口のフアン・エスナイデル監督。
それがこれだけ守備面で驚異的な結果を残すとは……と、逆の方向で(つまり純粋に正当性で)Jリーグに衝撃を与える?に至りました。

思えば前回観た際(エスナイデル氏の2試合目)も、ハイプレスはともかく攻撃面では随分と堅いサッカーを展開していたものであり。
とことん裏狙いのロングパスを配給し、例え繋がらなくても悪い奪われ方をしない事により被カウンターのリスクは低下。
就任して間も無いという事情もあり攻撃力は大幅低下したものの、逆にそれが奏功した感もありその間失点は何とゼロ。(6試合)
無失点ではどうやっても敗戦はしないので、勝ち点を効率よく稼ぐのも訳は無く。

前職(千葉の監督)とのギャップも手伝い、ここまでは順調といった感じのエスナイデル氏。
思い出されるのが今季途中まで山形の監督を務めていたピーター・クラモフスキー氏(現J1・FC東京監督)で、「攻撃サッカー」と謳われながらも就任当初(2021年途中)はむしろ守備面で結果を出し、無敗記録を作り上げました。
彼も前職(清水の監督)で結果を残せなかった経歴があったので、ナチュラルに外野の評価を騙すブラフとなった感もあり。
果たしてこのまま結果を残し続けられるかどうか。

この日の相手は秋田と、「ボールを握らされる展開」になるのは必至というカード。
そのため従来のような、「相手のビルドアップにハイプレス」「相手のプレッシングを引き込んでロングパス」という単純明快なサッカーのみでは通用し辛い試合となりました。

様子見の入りは短く、1分超辺りで早くも山口のビルドアップvs秋田のプレッシングという図式となる試合。
しかし秋田は無闇に最終ラインへのプレスは抑制と、裏狙いのケアは明白といった姿勢を採り、流石に現在の山口の研究は欠かさなかったようで。
それでも前半3分に沼田の裏へのロングパスで吉岡が左奥を取ってクロス(ニアの皆川には合わず)と、その全てを防ぎきる事は出来ないので、この睨み合いがどちらに振れるか。

山口がボールを握る時間が続く中、8分に事変が起き。
エリア内でキープするGK寺門がコントロールを誤った所に、梶谷が突っつき奪いかけるシーンが生まれます。
幸いそのボールは寺門が抑えて事無きを得ますが、これを境に秋田に針が振れ始める試合展開。

右サイドからスローインを交えつつの前進で、それを果たした後は高田のロングスローを連発という、いかにも秋田らしい攻撃を繰り広げ。
11~18分の間に行ったロングスローは5本にも昇り、それに対し中村・梶谷が合わせにいく事で山口ディフェンスにダメージを与えんとする立ち振る舞い。

そんな圧に押される山口。
長らく攻撃機会を得れない時間が続き、打開を図らんとしたのが23分。
秋田の前線に対し睨み合う姿勢を続けて来た山口最終ラインでしたが、ここでは左サイドで間を通す縦パスを連発し、ポストプレイも交えて地上で揺さぶる攻め。
そして中央の矢島を経由し右へと渡し、高橋がエリア内へ縦パスを打ち込んだものの手前で遮断されて繋がらず。
最初の勝負手は不発に終わり、それから暫くして(25分に)飲水タイムが挟まれました。

明けて第2クォーター、様子見といった展開を経て29分に動く山口。
再びの地上からの前進で、沼田のスルーパスに対し、一旦(パスの前の)下がりを見せたのちの抜け出しで受けた吉岡。
ここからの前進はクリアされて実らずですが、直後の30分にロングボールを秋田ディフェンスがクリアしきれずに皆川が落とし、相手の陣形が乱れての好機となります。
中央で吉岡が拾い、溜めたのちエリア内へパスを送るも、ここも左ポケットに走った皆川とズレてしまい実りません。
31分にも、前のミドルパスを矢島が収め好機になりかかった所、矢島がハンドを取られるという具合に惜しい逃し方をしてしまい。

以降ひたすら定番の裏へのロングパスへと傾倒する山口。
それを尻目に、秋田はセットプレーから一発叩き込むという平常運転のサッカーを仕掛けるものの、ボール支配自体は山口が行えていたためその機会も少なく。
フリーキック1本・コーナーキック1本というこの時間帯で、34分の左サイドからのFKでは、キッカー水谷のクロスを阿部がヘッドで合わせたもののオフサイド。
40分の右CK、キッカー水谷はライナーでのクロスをファーサイドへ送り、才藤のヘディングシュートがループ気味に襲いましたが惜しくも外れ。

終盤を迎え、再び地上からの繋ぎに活路を見出さんとする山口。
その中で前がボランチへと位置を変えてのビルドアップを見せる等、相手の目線を変える工夫は怠らず。
41分に左からの前進で、沼田縦パス→小林スルー→吉岡と変化を付けた事で、吉岡のスルーパスに走り込んだ小林が左ポケットを取る好機に。
しかし中央にマイナスのクロスが送られるもそこに人は居らずと、良い流れを作ってもフィニッシュが遠いという二重苦を強いられます。
結局スコアレスのまま前半は終了。

共に交代は無く、賽が振られた後半。
立ち上がりを制したのは秋田で、前半同様にスローインを交えながら攻め上がり、相手のターンとなってもロングボールを跳ね返してすかさず攻撃と主導権を渡さず。
敵陣に押し込んで迎えた後半4分、左からのスローインを左ポケット奥で梶谷が受け才藤へ戻し、その才藤がワンツーからポケットへパス。
そして水谷のスルーパスが奥へ送られるも、抜け出さんとした梶谷が高橋と交錯してしまい受けられず(反則無し)と、不運に塗れモノに出来ません。

一方の山口は前半同様の攻めに加えて、対角線のロングパスを交える事で変化を付けようとしますが、攻撃機会は10分間で1度のみ。
攻めあぐねている所に一発、というのは避けたい流れでしたが、9分の秋田はクリアボールを正確に繋いだ末に水谷がドリブルに入り左ポケットを突く攻め。
これで左CKを得ると、キッカー水谷ニアにクロス→中村フリックでこぼれ球となった所、梶谷のポストプレイを経て藤山がボレーシュートを放ちましたが惜しくもゴール上へと外れ。
決定機が生まれた事でゴールへの意識も高まる秋田ですが、11分には中盤で奪った山口がカウンターに持ち込まんとした所、素早く戻りつつのパスコースを切る守備でそうはさせずに戻させ。
トランジションの速さも健在で、流れは秋田に傾きつつあったこの時間帯。

そしてそれを変えようと、先に動かんとしたエスナイデル監督。
一挙3枚替えという荒療治を取り、13分に前・吉岡・皆川→野寄・五十嵐・梅木へと交代します。(高橋が右サイドバックに降りる)
しかし準備している間に秋田も動きを見せ、結局同時のタイミングでの交代となりました。(齋藤・中村→青木・沖野)

投入された五十嵐が、アンカー神垣の左脇でパスを受ける事でビルドアップを円滑化させんとする山口。
そして裏狙いも活性化、という狙いが図られたものの、山口もサイド裏に出された所を高田・才藤の両SBが良く対応して防ぎます。

依然として流れを保つ秋田。
余裕が生まれたのか22分には最終ラインがボールを持った所、阿部がドリブルで五十嵐を剥がすという、細かなビルドアップへの入門ともとれるような持ち運びも見せ。
苦しむ山口、23分に右CKを獲得すると、仙台戦でも見せたサインプレーを選択。
即ちニアへグラウンダーのクロスを送り、そこでのポストプレイで揺さぶるという流れを実行に移し、戻しを受けた五十嵐のロビングを梅木がフリック気味に合わせます。
しかし枠を捉えられず、というタイミングで後半の飲水タイム。

明ける際に秋田はさらに動き、梶谷・水谷→丹羽・畑へと2枚替え。
その直後(28分)に山口も小林→池上へと交代します。
左ウイングという位置は変わらずも、中央~右でもプレーする池上の動きで、物理的に目線を変えにいった感がある以降の山口。

それでも流れは変えられず、31分に沖野のプレッシャーで右CKを得た秋田。
クロスの跳ね返りを拾って二次攻撃、サイドを揺さぶるパスワークの末に右から攻め、高田のファーサイドへのクロスを河野が折り返し。
そしてフリーの青木が詰めるという決定機を作ったものの、放たれたヘディングシュートは浮いてしまい枠を捉えられません。

時間も押し迫り、これを境に前への意識の高まりが顔を出すようになった両軍。
直後の33分にはボールの奪い合いを経て、中盤で制した秋田に対しさらに山口はゲーゲンプレスを掛けるも、キープしきって右サイドから前進する秋田。
スルーパスを受けた沖野が右ポケットを突いてマイナスのクロス、これを畑がフリーで合わせましたがGK寺門がセーブ。
依然秋田に決定機が生まれる流れも、34分にはパスミスを犯してしまい野寄にドリブルで疾走される危機を招く(フィニッシュには繋がらず)など不安定さも露呈します。
そして35分に野寄の出足良いパスカットに対し才藤が足を引っ掛けてしまい反則、警告を受けるとともにFKも与える事に。
ここはフィニッシュに繋がらなかったものの、このドタバタぶりを改められなかった事が後の縺れを生んでしまったでしょうか。

それでも先手を取ったのは秋田でした。
37分、ゴールキック→畑フリックという単純明快な流れで左サイド奥を突き、これで左CKに。
そしてキッカー沖野のクロスを、河野・青木というターゲット(と山口ディフェンス)を越えた所に、才藤がヘディングで合わせてゴールネットを揺らします。
やはりモノにしたのはセットプレー一発となりました。

しかし喜びも束の間、直後のキックオフから繋ぐ山口、意表を突いて中央からの前進。
五十嵐の持ち運びからのパスを受けた梅木に対し、寄せた諸岡が倒してしまい反則となり、これで中央良い位置での直接FKを与えてしまいます。
既に時間も40分という所で、キッカー池上は入念に(味方の)壁の位置を修正を図った末に、直接シュートを蹴り込み。
ボールは綺麗に曲がり落ちる軌道を描き、ゴール左へと突き刺さります。
背番号10に相応しいキックを決めた池上により、同点とした山口。

結局失点まで乱れを収められなかった秋田。
その直後(42分)も、クリアにいった河野が被ってしまい才藤と交錯して痛むなど、腰を落ち着ける事が出来ていない風に映り。

そのまま山口の猛攻を浴びる流れとなりますが、ワンプレーがスコアに直結します。
45分、例によって山口は裏へスルーパスを送るも、高田が読んでパスカットして反転攻撃を仕掛ける秋田。
そのまま上がり、スルーパスを右奥で受けた高田を経由して沖野のクロスがニアサイドに入り、この低いボールに跳び込んでヘッドで合わせたのは丹羽。
流れの中での、まさにワンチャンスを仕留めた格好で再び勝ち越しに成功しました。

勝利も見えただけに痛い失点となった山口。
突入したアディショナルタイム、裏を取らせない秋田の姿勢に対し、野寄の推進力を頼みに攻め立てる他無く。
またもや梅木に対して諸岡が反則しFKとなるも、今度は右サイドからでキッカー池上はクロスを選択。
こぼれ球を必死に繋ぎ、2度目のクロスがこぼれた所を神垣がミドルシュートにいきましたが、素早く寄せた藤山のブロックに阻まれ同点ならず。

最終盤に秋田は残っていたカードを使い、藤山→小柳へと交代。
何とか最後の攻めで右CKを獲得した山口、GK寺門もエリア内に加わって総動員体制を取ると、キッカー池上はその寺門に向けてクロス。
跳んで合わせにいった寺門の手前で、GK圍がパンチングで掻き出すという、GK同士の跳躍が交わったのちに試合終了の笛が鳴り響き。
エスナイデル氏の無失点記録のストップと共に、黒星が付いてしまった山口。

一方豪雨災害を乗り越えて……という勝利を挙げた秋田。
同時に、J2ライセンス消失の危機のニュースが公式から流れて以降の初勝利でもあり。
二重の苦難に苛まれた現状となっている秋田ですが、月並みながらこの勝ち点3が事態解決に向かう事を祈るばかりです。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする