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DAZN観戦 2023年J2リーグ第25節 藤枝MYFCvsヴァンフォーレ甲府

2023-07-13 16:12:17 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(22節・秋田戦、3-1)
※前回の甲府の記事はこちら(21節・磐田戦、1-1)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 2人出場停止の影響か、微妙にマイナーチェンジした3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣。しかし横山が頻繁に降りて来るので視覚的な印象としては3-1-5-1か。
  • 山原が前節(岡山戦、3-2)退場となったため出場停止。
  • 水野泰が累積警告のため出場停止。

<甲府スタメン>

  • 土肥の移籍が決定。レンタル終了(レンタル元はJ1・広島)という形で退団し、J3・今治へ再度レンタル移籍。(登録抹消は7/21以降)
  • 三浦の負傷が発表され、22節(岡山戦、0-0)で発生して全治6週間との事。
  • 荒木の負傷が発表され、21節の試合前に発生して全治4週間との事。
  • 飯島がプロA契約を締結。

一時期の「勝つ時はウノゼロ」病から脱却したと思ったら、今度は大量点差での勝利ばかりとなっている甲府。
18節(大宮戦、5-1)の勝利を境に情景が変わった一方、そんな展開に持ち込まなければ勝てないという状態に陥ってしまい。
果たしてどちらが良かったのか考えものですが、連戦の最中で深く考察する暇も無く。
点の取り合い上等という雰囲気ですが、この日の相手は計ったように、同じような信条の藤枝が相手。
アウェイながら地理的に近い事もあり、(藤枝総合運動公園サッカー場の)ゴール裏では完全にホームチームを凌駕するサポーター数を集めました。

入りの様子見の時間を逆手に取り、前半1分に早くも関口が遠目からシュートを狙う(枠外)など仕掛けにいく甲府。
ポゼッションスタイルの藤枝は軌道に乗るのにどうしても時間が掛かり、それを利用した節がある立ち上がり。
5分に甲府のパスミスから攻め上がる藤枝、左から榎本のカットインで抉ったのち、左ポケットを取った横山からシュート気味のクロス。
久保が走り込むも惜しくも合わずに、GK河田がキャッチすると素早くスローしてカウンターに持ち込み。
長谷川の持ち運びで始まり、ジェトゥリオのスルーパスを右サイドで受けた関口からクロスが上がり、ニアサイドで鳥海がヘディングシュート。(ゴール上へ外れる)
攻撃力はある藤枝ですが、意外にも逆転勝利が少ない(例外が11節・仙台戦、この時も先にリードはしている)チームなので、先にリードを奪う事でペースを握るというのが甲府の目論見だったでしょうか。

その思考が強く表れるかのように、10分には蓮川が最終ラインからドリブルを仕掛け、左サイドで一気に敵陣中ほどまで運びます。
しかし奪われて逆に藤枝がカウンターを仕掛けた(久保がドリブルからクロスもシュートには繋がらず)事で、これを機に藤枝がボール支配するという戦前の予想通りの絵図に移行。
甲府は12分に中盤からラフなロングパス一本で一気にエリア内のウタカに渡り、そのままシュート(枠外)という好機を作るも、殆どが藤枝の攻撃に対応を強いられる時間となります。

ボランチ(この日は河上のアンカー)へのパスコースを切る事が第一という甲府の前線の姿勢。
それでも新井や横山が河上の脇に降りて受けるので、それに対して甲府のボランチも前に出て、相手に前を向かせない事に重点を置きます。
そのため久保・榎本が中心となるサイドでの横暴はある程度仕方ない、といった意識での守備。
彼らにアタッキングサードまで運ばれても、自陣でしっかりとゾーンで固める事で対応。
前線の高さで劣る藤枝は素直なクロスは上げ辛いので、結局は戻して作り直しに、というシーンも多くなります。

そんな体勢で攻撃を凌ぎ続け、隙を窺う甲府。
25分にゴールキックからの攻撃で、ロングフィードの跳ね返りを拾って攻め上がり。
佐藤の右へのスルーパスに走り込むウタカ、ヒールパスでクロス気味のボールを送るという心憎いプレーを見せると、中央で走り込む鳥海が河上の後ろから足を伸ばしてのシュート。
これをGK上田が前に出てセーブと際どい凌ぎとなり、やはり攻撃権を支配していても、ウタカの技術をはじめ甲府の一刺しが恐怖となる展開を強いられる事に。

気を取り直す藤枝、26分に小笠原がロングパスを通した事で中央から攻め込み。
平尾→渡邉へのエリア内へのパスがカットされるも、拾った横山がミドルシュート(枠外)と速攻気味のフィニッシュに。
続く27分には久保の右サイドアタックから、久富のクロスに渡邊が合わせヘディングシュート。(枠外)
29分には空中戦から平尾のフリックでマイボールとし、横山が右からカットインを仕掛けてポケットからクロス気味にシュート(ゴール左へ外れる)と、多種多様の攻めでゴールを狙います。

26分のシーンは、GK上田を含めての繋ぎで甲府のプレッシングを呼び込んでのロングパス。
こうした立ち回りで、甲府の守備ブロックが整う前にフィニッシュに持ち込みたかったでしょうか。
40分にも同様の流れで、小笠原が今度は低いロングパスを右サイド裏へ送りますが、久保はこれを惜しくも受けられず。
当然ながらそのチャンスは多くは訪れないので、こうした僅かなズレが大きく響いてしまったでしょうか。

すると42分、甲府は浮き球を拾いにいった鳥海が川島にチャージされ、反則を受けた事で中央遠目からのフリーキックに。
距離があるなかどういったキックを選択するか注目が集まりましたが、キッカー品田は思い切って直接シュート。
手前でバウンドさせたこのボールを、GK上田はキャッチできず弾いてしまい、すかさず詰めた須貝がゴールに流し込み。
じっくり守った末に、隙を突いての先制点を挙げました。

結局そのまま前半を終え、藤枝は再び苦手な追う展開を強いられる事に。
ハーフタイムで平尾→岩渕へと交代し、巻き返しを図ります。

いくらポゼッションを高めてアタッキングサードに持ち込んでも、甲府の守備ブロックが整っていれば得点は難しい。
それを前提として思考を巡らせたのか、後半の藤枝は守備ブロックが整う前に仕掛ける事に舵を切り。
甲府の攻撃を切った直後や、中盤のボール争いを制した所を狙う攻めを重視します。
後半5分、榎本のボールキープがディフェンスに遭うも、こぼれ球をダイレクトで川島が縦パスを送る事で一気に前線へ。
新井のポストプレイを挟み、横山が持ち運んだもののエリア手前で関口の反則気味にディフェンスに阻まれ。
こうした攻撃は運も絡む(こぼれ球が何処に転がるか等)ので、普段のボールポゼッションに比べると安定性は落ちるのですが、ビハインドを跳ね返すためには仕方ないとも言えました。

そして10分の攻撃も、川島のフィードがウタカにブロックされるも、前に転がった事で渡邉が拾って好機に繋がり。
横山が中央突破を仕掛け、ディフェンスに遭いエリア内へこぼれた所を渡邉がシュートしましたがGK河田が前に出てセーブ。
こぼれ球を横山・榎本が狙うも撃ちきれず、左へ流れた所を渡邉が拾いましたがオフサイドとなり、決定機をモノに出来ず。

するとその安定性の欠如から次第に甲府に圧され始め。
12分に鳥海の敵陣でのボール奪取から、長谷川が右ポケットでシュートに持ち込み、ブロックされて右コーナーキックに。
するとサインプレーを選択し、キッカー品田のグラウンダーのクロスをニアで長谷川がシュート、意表を突くもゴール前で渡邉がブロック。
その後ジェトゥリオの折り返しも渡邉がクリアと、何とか凌ぎます。
15分にはカウンターで、ウタカがスルーパスを送ると、オフサイドの位置に居た長谷川がスルーしたためウタカ自ら走ってクロスを入れ。
この「一人スルーパス」の格好で右サイドから入れられたグラウンダーのボールを、ジェトゥリオが合わせましたがこれも久保がブロックと寸での所で防ぐ藤枝。

そして17分、自陣でのパスミスを拾われ、品田のミドルシュートはブロックするもこれにより左CKに。
キッカー品田はニアに低いクロスを送ると、ウタカが巧にGK上田の前へ入り込んで合わせゴールネットを揺らします。
多彩なフィニッシュで揺さぶり、得点に辿り着いたのは甲府の方となりました。

このままでは「超攻撃的」の名倒れとなってしまう藤枝。
直後に久富→鈴木へと交代(小笠原が右センターバックに回る)し、何とか打開を図り。
しかし守備を固める甲府の前に、エリア内に進入してもシュートを放てないという攻めを繰り返し。
既に甲府の陣形の乱れを突ける状況では無く、光明が見えません。
逆に22分に須貝の左からのクロスを収めたウタカがシュート、ゴール右へ惜しくも外れと、ゴールに近いのは甲府の側。

そんななか迎えた25分。
左スローインから細かく繋ぐ藤枝、榎本が強引にカットインし、被った横山とスイッチのような格好となり右へとこぼれるボール。
これを拾った久保がペナルティアークからシュートすると、甲府ディフェンスの間を縫ってゴール左へと突き刺さります。
GK河田も反応できずと、まさに細い所を通しての得点で1点を返しました。

そしてキックオフの前に両者交代。(甲府は鳥海が足を痛めた?ためアクシデント絡み)
藤枝は川島・新井→山田・矢村、甲府はジェトゥリオ・鳥海→武富・宮崎といずれも2枚替え。
どちらが次のゴールを得るかが勝負の分かれ目といった展開で、それを齎したのはストライカーの個人能力でした。

29分GK河田のロングフィードからの攻撃で、長谷川の縦パスをエリア手前で受けたウタカ。
藤枝のディフェンスは人数は居たものの、それに寄せられる前に小さい脚の振りで果敢にミドルシュートを放つと、ボールはゴール右へと突き刺さり。
まさに経験豊富なストライカーの成せるシュートといった得点で、再び2点差とした甲府。

反対に見えかけていた希望の芽が摘まれる格好となった藤枝、それでもとにかく攻めるしか無いのは変わらず。
32分には左CKから、クロスをGK河田がパンチングした所、久保がダイレクトでミドルシュートを放つもゴール左へと外れ。
何とか少ないシュートチャンスをモノにしたい所でしたが、それはやはり難度の高いものでした。
一方の甲府は連戦に備えてか、この日2ゴールのウタカを36分に退かせます。(松本孝と交代、同時に佐藤→山本へと交代)

万策尽きたという格好で、山田を最前線に上げてパワープレイ体制を取る終盤の藤枝。
ターゲットを作った事で、多少強引なクロスでも形になり。
44分に榎本の左からのクロスをファーで山田が折り返し、クリアされるも尚も繋いで横山のシュートに持っていき。
しかしこれもゴール左へ外れてしまい、甲府の背中が遠いまま、アディショナルタイムに突入します。

何とか山田狙いのロングボールから、好機に繋がんとする藤枝。
しかしATも4分が過ぎもうすぐ目安時間(5分)という所で、GK河田のロングフィード一本で、(ターゲットの松本孝に釣られて)受けた宮崎が抜け出すという決定機を得た甲府。
そして悠々と右ポケットへ進入してのシュートで、GK上田の左を抜いてゴールを挙げた宮崎。
止めを刺したという表現がピッタリの得点で、これにて試合も終着する事となりました。

藤枝のキックオフからの攻撃が途切れた所で、鳴り響く試合終了のホイッスル。
甲府はこの勝利で4位に浮上を果たし、昇格争いの立場をキープするものの、同時に保つべくの戦いが3日後に控え。
それは天皇杯3回戦で、憚らずもディフェンディングチャンピオンとなった甲府が対戦するのは鹿島。
前年準決勝で破った相手であり、まさにリベンジマッチという熱い戦いが待ち受けている格好で、果たしてその結末は。

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