ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J2リーグ第27節 水戸ホーリーホックvs大宮アルディージャ

2023-07-26 16:03:01 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(25節・いわき戦、3-4)
※前回の大宮の記事はこちら(23節・町田戦、2-3)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 安永がJ3・松本へレンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 移籍が決定していた松田隼風・GK東ジョンが前節をもって登録抹消。

<大宮スタメン>

  • 黒川が(町田から)レンタルで加入決定(再加入)し、今節から登録されてベンチ入り。
  • シュヴィルツォクが(ポーランド・ザグウェンビェ ルビンから)が加入決定し、今節から登録されてベンチ入り。
  • 飯田が(J1・京都から)レンタルで加入決定し、今節から登録されて即スタメン出場。
  • 矢島が故障離脱から復帰し、24節(千葉戦・2-1)からメンバー入りして途中出場を続けており、今節スタメンに。
  • 2種登録の市原が前節初のスタメン出場、今節も連続してスタメンに。

21位からも大きく離されてしまっている、目下最下位の大宮。
ここから残留するために、まさに「何でもやる」という精神状態に陥ったでしょうか。
今夏の移籍期間で大幅補強を敢行するに至りました。

中でも白眉なのが、何といってもFWヤクブ・シュヴィルツォクの獲得でしょう。
2年前にJ1・名古屋が獲得し、途中加入ながらストライカーとして大活躍。
しかしそれに待ったをかけたのがACL出場に則してのドーピング検査であり、それに引っ掛かってしまったシュヴィルツォクはアジアサッカー連盟からサッカー活動の停止処分が下されてしまい。
そして正式な判決結果として、4年間の活動禁止処分が下されたものの、不服として訴え勝訴したため取り消しに。
それが前年下半期の事で、今季から地元ポーランドのクラブでプレーしていましたが、再び日本の地を踏む事となりました。
かくして曰く付きの選手獲得と「悪魔に手を染める」ような格好となった大宮フロントですが、逆転残留の切り札となれるか注目が集まるシュヴィルツォク、ウィンドウが開いたこの日に早速ベンチ入り。

待望の点取り屋を獲ったといえど、前回観た際と大きくは変わらない大宮のサッカー。
3-4-2-1の布陣でひたすら守備重視・リスク回避のスタイルを採るという、恥も外見もかなぐり捨てて残留を目指している現状。
ジョーカーとして待機するシュヴィルツォク(並びに黒川)はそれで良いでしょうが、問題は右ウイングバックとして加入即スタメンとなった飯田であり。
攻撃参加が持ち味な彼ですが、その特徴が活かされる事は殆ど無く出場時間を過ごす羽目となりました。

それでも先んじて好機を迎える大宮、前半3分に右スローインから攻め立て、高柳がカットインで右ポケットを突き。
そして逆サイドへと細かく繋ぎ、左ワイドからもポケットを突かんとすると、水戸ディフェンスのミスによるこぼれ球をエリア内からアンジェロッティがシュート。
GK山口がセーブと得点の匂いを醸し出す入りとなりましたが、結局これが前半唯一といってもいい好機に。

その後8分に裏へのロングパスに抜け出した柴山、右サイド奥からのカットインを経てマイナスのクロスを送るも、走り込む栗本には合わず。
ここまでは割と攻撃的な姿勢も見せていましたが、以降はひたすら水戸が攻撃を仕掛ける展開へと移行します。
以降大宮はマイボールとなっても、ひたすら矢島狙いのロングボールを送ってはセカンドボールを回収されるという流れで、相手の攻撃を受け続ける事が定番化。
数少ないカウンターのチャンスも、水戸の素早いプレスバックの前に繋ぐ事はままなりません。

しかしそもそも攻める気はあるのか、つまり前半は0-0で良いというような思惑が伺えるシーンも見られ。
自陣でのフリーキックの際、大森がキッカーの位置に立ちながらも長考の末に結局GKに任せ、その笠原のキックは直接エリア内へ。
そしてターゲットの矢島が合わせにいった所、楠本のチャージで倒れ受けられず。
笛が鳴らなかった事で大宮ベンチから大きな異議が飛んだものの、こんなプレーでPKゲットとなれば興行的にも納得いかないだろう、と考えさせられてしまう一幕となりました。

水戸がどう大宮の守備を崩しにかかるかという流れに。
ボックス型と左肩上がりの最終ラインの形を使い分けるビルドアップにより、大宮の前線の守備はあっさり無効化され。
敵陣に運ぶのは容易となりましたが、同時に水戸の苦手な遅攻も強いられる展開。
縦に速く運ばんとして逆襲を受ける、甲府戦の危機の再現も過ったものの、前述の通りケアの速さと大宮の精度の低さで未然に防がれます。

それでもリトリート重視の大宮に対し、フィニッシュは遠目からが主となり。
14分に小原が、23分に武田がミドルシュート。(前者はブロック・後者は枠外)
特に14分のシーンは、防がれた後も繋ぎに成功し、武田のエリア内へのスルーパスに安藤が走り込んだもののGK笠原が前に出て抑えられるという二次攻撃も生み出します。

飲水タイム(24分)ののちも大まかな流れは変わらず。
敵陣でひたすらパスを繋ぐ水戸、斜めの縦パスを多用しながら大宮ディフェンスを崩さんとします。
フィニッシュは遠目からながら、2トップも孤立せずサイドに開きつつパスワークに関わり。
29分には梅田が市原をパワーで剥がして右サイドで運ぶなど、大宮の堅守にも力負けしないというシーンも描きます。

しかし遠目からのシュートという流れは覆せず。
33分には右サイドで永長縦パス→梅田ポストプレイ→安藤ドリブルから中央へパスという流れを経て、小原が再度ミドルシュートを放つもGK笠原のセーブに阻まれ。
その後も34分に永長が、37分に梅田がミドルシュート(前者は新里亮がブロック、後者はGK笠原キャッチ)と、遠距離から狙っていくもやはりゴール難度の高さに阻まれる格好に。

終盤を迎え、大宮サイドも専守のみでは流石に拙いと感じたのか、最終ラインから繋がんとする姿勢が顔を出し。
しかし45分に苦し紛れのミドルパスを永長にカットされ、武田が拾ってピンチになりかけ。
直後にはトラップミスを安藤に奪われる等、「慣れない事はするな」という警告のようなシーンが続く結果に終わりました。
幸い水戸はそこからシュートには繋げず、結局スコアレスで前半が終了。

ともに交代は無く、始まった後半。(後半から水戸はサイドハーフを入れ替え、右に小原・左に永長という布陣に)
後半2分にこの日初めてというべき、飯田が右サイドを前進するという長所が活かされるシーンが生まれた大宮。
しかし戻しから遅攻を強いられて結局フィニッシュには繋がらず、展開も元通り水戸の攻勢となり。

4分大宮のロングパスを松田が前に出てカットし、そのまま前進。
ディフェンスにこぼされるもそのまま圧力を掛ける水戸、右ハーフレーンから村田のクロスが上がると、梅田のヘディングシュートがゴールを襲い。
しかし左ポスト外側に当たり枠外と、何とか命拾いとなった大宮。

大宮は勝負の後半と目論んでいたようですが、流れに乗る事は無く。
そのフラストレーションからか、9分にはスローインの判定を巡って飯田が感情を爆発させてしまい、ボールを思い切り叩き付けたため警告を貰う事に。
それでも10分にはその飯田のボール奪取から前に運ぶなど、攻めっ気はプラスの方向にも働いたようで。
そして12分に左コーナーキックを得た大宮ですが、キッカー高柳が上げたファーへのクロスを市原が折り返し。
そして中央で跳んだ大森が、思わず上げてしまった腕で合わせた格好となり完全なるハンドの絵図に。
水戸サイドの抗議の末に警告が突き出される事となった大森。
「勝つためには何でもやる」という意欲が、醜悪さも招いてしまいました。

前半よりは大宮の攻撃シーンも膨らんだ事で、危機感を覚えたのか水戸ベンチの方が先に動きます。
17分に2枚替え、梅田・永長→寺沼・井上へと交代。
19分に大宮のビルドアップを詰まらせて左サイドで成瀬がカット、代わって入った井上が拾って奥へ切り込む好機に。
しかし入れられたクロスは精度を欠きGK笠原が正面でキャッチ。
推進力は増したようでしたが、ゴール前の精度が求められる状態は変わりません。
その後水戸がCK攻勢を仕掛けるも、安藤と矢島が頭部同士激突し倒れ込んでしまったという所で飲水タイムとなり。(23分、ともに無事に起き上がる)

そして開ける際に動く大宮ベンチ、待望のシュヴィルツォクがピッチに登場します。
矢島と交代という形となり、同時に栗本・飯田→小島・岡庭と、計3枚替えに踏み切り。
しかし1トップの駒を代えても、そこへ運ぶ道筋が皆無という状況なので、展開が変わる事は無く。
尚も水戸は攻勢を掛け、27分には再び2枚替え(安藤・成瀬→鵜木・石井、小原がFWへ回る)し前向きなエネルギーを充填します。

それでも、27分の武田のミドルシュート(枠外)など相変わらず遠目からしか撃てない水戸。
ワンチャンスが作れれば……という所で、30分に水戸の繋ぎのミスを小島が拾って攻撃に入る大宮、左サイドで溜めを作ったシュヴィルツォクがスルーパス。
これにアンジェロッティが走り込むも届かず、勢い余ってクリアした松田をチャージしてしまい反則・警告という結果に終わってしまい。
それでも、ようやくシュヴィルツォクが好機に絡んだ事で光明を見出せたでしょうか、直後に黒川も投入します。(柴山と交代)
さらに34分、アンジェロッティ→泉澤に交代と勝負手を打ち続ける大宮。
これにより、泉澤がワイドに張って茂木がその内側を上がるという、組織立ったような攻めをようやく見せられるようになる大宮。

攻撃権を支配するも、効果的な攻めは今一つ出来ずにいる水戸。
35分に寺沼の収めからようやく決定機が訪れ、中央で入れられた前田の縦パスを鵜木がフリック気味にヒールパス、反応した小原がダイレクトでミドルシュート。
またも遠目からのフィニッシュでしたが、今度はゴール左へ際どく外れと惜しい絵図を生み。

しかし37分の大宮、ワイドで持った泉澤が送ったミドルパスを、上がっていた茂木がスルーと可変システムが奏功する形でシュヴィルツォクに渡り。
そしてそのまま左ポケットからシュートを放ったシュヴィルツォク、これがゴールポストを直撃。
まさに冷水を浴びせられる格好となった水戸、ようやく新兵器の牙が相手を襲う事となりました。

以降色を失う水戸を尻目に、その後もボールの収め所として機能するシュヴィルツォク。
その脅威に晒されながらも、何とか最後の交代枠を使い(42分、小原→杉浦へと交代)ゴールを目指す水戸。
ポケットを突いてマイナスのクロス、という狙いを明確化させるも、僅かにズレて繋がらず。

そして突入したアディショナルタイム、ここもクリアボールをシュヴィルツォクが収めてから攻撃開始する大宮。
左へ展開し、泉澤がカットインの姿勢から上げたアーリークロスを、ファーサイド奥で収めるシュヴィルツォク。
そのままシュートを放ちとうとうゴールか、と思われたものの右足インサイドに掛け過ぎてしまい、威力を欠きブロックに当たった末に左へ逸れる事となりました。
その実力は見せたものの、成果は次節以降となったシュヴィルツォク。

一向に動かないスコアに、最終盤には判定を巡って一悶着。
タッチライン際での反則で、異議を唱えた水戸・濱崎芳己監督に対し思わず大森がヒートアップし挑発行為も見せる等、その緊迫感故のフラストレーションが醸し出されます。

結局スコアレスのまま試合終了となり、引き分けで双方勝ち点1。
当然ながらこれだけでは全然足りないという最下位・大宮。
新たに加わった駒の下、どう上昇機運を作っていくでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする