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DAZN観戦 2022年J1参入プレーオフ2回戦 ロアッソ熊本vsモンテディオ山形

2022-11-07 18:30:07 | サッカー視聴記(2022年その他)

<熊本スタメン> 3-3-1-3
GK 佐藤
RCB 黒木 CCB 菅田 LCB イヨハ理ヘンリー
RWB 三島 DH 河原 LWB 竹本
IH 平川
RWG 杉山 CF 高橋 LWG 坂本
<山形スタメン> 4-2-1-3(4-2-3-1)
GK 後藤
RSB 半田 CB 山﨑 CB 野田 LSB 川井
DH 藤田息吹 DH 南
IH 山田康太
RWG 國分 CF ディサロ燦シルヴァーノ LWG 加藤

1回戦の記事 -熊本(大分戦・2-2) 山形(岡山戦・3-0)

試合日はJ1最終節の1日後という事で、勝ち上がった際に戦うべき相手(後述)も決まり。
挑戦権を確保するのはどちらのクラブか、という試合となりました。

その舞台は、熊本サイドのホームであるえがお健康スタジアム。
こうしたシーズンの佳境で口に出すのは相応しく無いでしょうが、周知の通り前年J3に居たクラブであり、2年足らずでJ1昇格が現実味を見せる所まで這い上がる。
今季のJ2は、天皇杯を勝ち抜いた甲府・リーグ6位から決勝を窺う山形に見られるように下克上が一種のテーマと化していますが、受ける熊本もそのカテゴリに十分入れられる立場であります。

そんな背景を浮かべつつキックオフ。
立ち上がりはホームの大声援を背にする熊本が、その通りにハイテンションな立ち上がり。
素早い寄せでアバウトなボールの蹴り合いに持ち込み、中盤の奪い合いを制して攻撃権を確保と優位性を得。
しかしそんな最中の前半5分、山形・山﨑の裏へのロングパスを菅田が落下点を誤りクリアミス、ディサロに拾われてコーナーキックに持ち込まれ。
この右CKで、キッカー國分のクロスの跳ね返りを拾った加藤がシュートを放ちGK佐藤がセーブと、ファーストシュートには山形が辿り着きました。

それでもミス絡みの好機故に、熊本はリズムを乱さなければ良しという流れ。
その後ペースを保ったうえで逆襲を掛けるという具合に、揺らぎは全く見られませんでした。
前線のプレッシングも、山形のフィールダーに対ししっかり同数でチェックする体勢を築き、相手にビルドアップさせず。

そして12分山形のパスミスからの好機で、平川が無回転でミドルシュートを放ち、GK後藤にセーブされて右CKに。
既にこれが4本目のCKと押し込んでいた成果が表れていましたが、このキックでとうとう結果に辿り着き。
キッカー杉山のニアサイドのクロスに、イヨハが競り合いを制して合わせヘディングシュート。
山形・南の後方から合わせるという迫力あるシュートがゴール右へと突き刺さり、優勢な流れでしっかり先制点を挙げた熊本。

その後反撃したい山形に対し、13分ディサロのポストプレイを後ろから倒してしまった菅田が反則・警告を受け。
暗雲が立ち込めましたがそれも一瞬で、以降も気丈に追加点を狙わんと振る舞う熊本。
16分には再び山形のパスミスからの好機、平川→杉山→高橋と渡ってエリア内を突き、高橋がシュートするもブロックに阻まれ。
尚も後方に繋ぎ、河原のミドルシュートが放たれるも枠外に。

完全な熊本ペースの序盤でしたが、17分山形はGK後藤が前に出てのビルドアップ、縦パスをディサロに送り左へ展開→中央で山田康経由→右サイドという流れで前へ運び。
國分のグラウンダーのクロスにニアサイドでディサロのスルーを挟み、クリアされるも尚も右から繋ぎ、今度はショートパスの連続で中央を突き。
南縦パス→半田ポストプレイを経て、ディサロが撃つと見せかけて走り込んだ山田康がシュート。
目線を変えられた熊本ディフェンスは成す術無い、といったシュートがゴール左へ突き刺さり、早期に追い付きます。

スコア的に振出しに戻った事で、熊本の手中にあったかに思われた展開も一変。
思うように攻撃が繋がらなくなり、停滞感が露わとなって時間が進んでいき。
それを打開したのは一気に勝ち越しといきたい山形の方で、22分に最終ラインで右→左へとサイドを振ったのち、川井の縦パスを受けた加藤が中央へ向かうドリブルを経て右へスルーパス。
エリア内で受けた國分がシュート(ブロック)と、普段の攻撃サッカーのリズムを取り戻す山形。

そして結実したのが24分でした。
始まりは熊本のビルドアップからで、杉山のドリブルに対し追走する藤田息と、近場の平川へのコースを切る南のボランチ2人により自由を奪ってボール奪取。
その流れで前へ上がり、拾った山田康のスルーパスで完全に裏を取って受けた南、そのままGKと一対一となる決定機を迎えます。
そしてGK佐藤の頭上を越すループシュートで仕上げ、これで逆転を果たした山形。

一気に優位性を失ってしまった熊本、以降試合内容もその通りのものとなります。
立ち上がりとは逆に、山形が何度もCKを獲得する押し込みを見せ。
前線のプレッシングも、サイドに出された際のチェックの遅れが目立つようになり。

攻撃権を支配され、耐える時間帯となった熊本。
逆にその流れに乗って追加点が欲しい山形は、36分押し込んだ状態から、一旦戻したのち最終ラインから右サイドへ。
そしてディサロのスルーパスでエリア内右を突き、半田のマイナスのクロスを山田康が中央で受けるという好機になるも、左へ切り返した山田康のシュートを熊本・三島が最後まで付いていきブロックで防ぎます。

これで決して走り負けない・最後まで諦めないという姿勢を蘇らせるに至ったでしょうか。
前半も終盤となると、再び熊本へ攻撃権が移り。
最終ラインからショートパスで繋ぐパスワークと、セカンドボールを支配する体勢で何度も攻撃を仕掛けます。
そして45分右サイドで人数を掛けての繋ぎから、スルーパスを奥で受けた杉山がカットイン→切り返しを見せた所に、山形・川井に倒されて反則。
これで右サイド奥からの直接フリーキックとなると、相手の用意が整う前に(笛が吹かれた直後に)杉山が直接シュート。
虚を突かれたGK後藤の上を抜いたものの、ゴールバーを直撃して奇策は惜しくも実らず終わり。
結局前半は1-2のまま終了となりました。

追い掛ける立場は前の試合でもそうであった熊本。
1点取れば逆転できるという状況で、かつこの日はリードしていても攻撃の姿勢を崩さない山形が相手であり、それを早めに突く事が求められた後半。

早速キックオフからの攻撃で、黒木のミドルパスを前線で収めた平川が右サイドを突き、戻しを受けた三島からクロス。
これをニアサイドで高橋が戻りながら合わせる形でシュートし(GK後藤キャッチ)、まず良い流れを得るに至ります。

続く3分山形のクリアを跳ね返し、そのボールを高橋がダイレクトでフリックしエリア内へ送ると、山形の野田と山﨑がお見合いした所を突いて竹本が走り込み。
ここは惜しくも繋がらずも、この山形ディフェンスの隙が直後に影響する事となり、尚も野田の縦パスをイヨハがカットして継続する熊本。
平川のスルーパスで高橋が山形・山﨑の裏を取ってエリア内へ走り込むと、後方から山﨑に倒される形となった高橋、すかさず反則を告げる笛が鳴り。
相手の意識ごと綺麗に裏を突いたといった抜け出しが、PKを呼ぶ事となりました。
これを蹴るのは杉山で、プレッシャーが掛かって当然という場面ながら、落ち着いてゴール右へシュート。
GK後藤の逆を突き、同点ならびにアドバンテージを握り直した熊本。

息を吹き返した熊本。
再び前線からのプレスを活性化させ、山形のビルドアップを機能不全にさせていきます。
追い掛けたい山形ですが、11分には高橋にパスを遮断されてあわやという場面を作られ。(高橋のドリブルを山﨑が止めて防ぐ)
続く12分には熊本・菅田の裏へのロングパスを、GKへ戻そうとした川井のヘディングが短くなり、エリア内で杉山に拾われるというピンチを招いてしまい。(杉山のシュートはゴール左へ外れる)
ミス絡みのシーンが目立ち、反撃の機運を高められません。

16分に動く山形ベンチ。
1回戦そしてシーズン中同様に、デラトーレとチアゴ・アウベスを同時投入します。(ディサロ・加藤と交代)
デラトーレのポストワークと、チアゴの突破力を交えて状況打開を図りましたが、流れを得るには至らず時間を費やします。

24分に熊本も動き、坂本→ターレスへと交代。
山形も26分に國分→河合に交代と、采配が錯誤する展開に。
そして直後の27分、GK後藤からのビルドアップで、熊本の素早い寄せに苦しみながらもデラトーレが自陣に降りてのポストワークもあって前進する山形。
左サイド~中央で繋いだのち、川井が手前から上げたクロスがファーサイド奥を突くと、脚から跳び込んだのは河合。
放たれたシュートはゴールバーを直撃し、跳ね返りをさらにデラトーレが詰めてシュートしましたが、GK佐藤が決死のセーブで防ぎ。
後半最大の好機といえたシーンでしたが、佐藤の右ゴールポストにぶつかりながらのセービングもあり、瀬戸際で防がれる事となりました。

冷や汗を掻いた熊本でしたが、その後は杉山・ターレスの両翼を活かしながら攻撃機会を作ると共に、相手の反撃の時間を奪い。
逆に言えば高橋に燃料切れが見られてきた風でしたが、32分に手を打つベンチ。
3枚替えを敢行し、高橋・竹本・三島→粟飯原・阿部・藤田一途へと交代。
こちらも交代要員はお決まりといったメンバーであり、勝ち抜きに向かっての邁進を強めにいきます。(このタイミングで両翼の杉山・ターレスがポジション入れ替え)

決定機を逃した影響もあり、その後も反撃の手は緩めないもののゴールへの運気は小さくなっていく山形。
36分に最後の交代を敢行、山田康・藤田息→樺山・小西へと2枚替え。(河合が右ウイング→トップ下へシフト)
しかし熊本の前線からの守備も緩みを見せず、前線に運ぶには難しいパスの繋ぎを強いられる状況なのは一向に変わらず。
38分に左サイドで受けたチアゴが、カットインを経て左ハーフレーン遠目からシュートを狙った(GK佐藤キャッチ)ものの、強引の域を出ないフィニッシュとなり。

41分には敵陣左サイドでカットした平川がそのまま奥でボールキープ。(その後奪われる)
45分には相手のフィードを右サイドで阿部がカット、ターレスには繋がらずも、拾った野田からターレスが奪ってエリア内右へ持ち込み。(グラウンダーでクロスを入れるも繋がらず)
終盤を迎えても、最終ラインを脅かして好機を作る熊本の姿勢は不変であり驚異的であり。(43分に熊本は杉山→上村へと交代)

とうとう迎えたアディショナルタイム、山形も形振りかまわない姿勢を強いられ、その形が野田を前線に上げたパワープレイ体勢。
突入直後に敵陣右サイドでパスワークを展開する山形の攻撃の最中、野田が上がっていく姿が見られましたが、そののち南からラフなボールがエリア内へ送られ。
走り込んだ河合が足で折り返し、収めたデラトーレがシュートしましたが熊本・阿部がブロック。
こぼれ球を野田が拾うもディフェンスに遭いこぼれ、最後はこれを拾いにいった河合の反則で途切れ実りません。

その後も圧力を掛け続ける山形、川井のロングスローも交えて何度もエリア内を突きますが、熊本も集中力を切らさず守り抜き。
結局6分間のATではスコアは動かず、試合終了の笛が鳴り響き。
2-2の引き分けで、熊本が2戦連続となるレギュレーション上の勝ち上がりを果たしました。

とうとう決定戦へとコマを進めた熊本。
その相手つまりJ1の16位は京都で、前年までJ2に居たクラブという事で個の能力の差はあまり無い(と思われる)のが救いとなるでしょうか。
決してスターと呼べる存在の選手は皆無な編成の中、大木武監督に率いられ、鍛え上げられ組織力を高めてここまで辿り着き。
下克上でシーズンの最終試合を締める事が出来るかどうか。

コメント
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