ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ グループG第2節 ブラジルvsスイス

2022-11-30 16:34:57 | サッカー視聴記(2022年その他)

<ブラジルスタメン> 4-1-2-3
GK アリソン
RSB エデル・ミリトン CB マルキーニョス CB チアゴ・シウバ LSB アレックス・サンドロ
DH カゼミーロ
IH フレッジ IH ルーカス・パケタ
RWG ラフィーニャ CF リシャルリソン LWG ビニシウス・ジュニオール
<スイススタメン> 4-2-3-1
GK ゾマー
RSB ビドマー CB アカンジ CB エルベディ LSB ロドリゲス
DH フロイラー DH ジャカ
RSH リーダー CH ソウ LSH バルガス
FW エンボロ

参考動画 -ブラジル vs スイス|グループG|FIFA ワールドカップ 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

勝つ事を義務付けられている、という歴史を歩んでいるブラジル。
ナショナルチームの集大成であるW杯で悲惨な結果に終わってしまえば、国内では暴動が相次いで起こる(近年ではミネイロンの惨劇とか)程サッカーへの入れ込み具合は大きく。
プレッシャーとの戦いを強いられるなか、ピッチ上では独創的な技を披露して周囲を魅了していくのは異能という他ありませんが、そんな背景故にあくまで勝っているうちはという但し書きが付くでしょうか。

1節・セルビア戦を観た雑感としては、前線5人・後方5人に完全に分かれているかのような錯覚を受ける事がしばしばあり。
守備時はセルビアのビルドアップに対し果敢なプレッシングで奪いにいき、それがかわされて自陣に運ばれても、残りのディフェンスライン+アンカーで相手にフィニッシュを許さず守り切り。
また攻撃時ではその個人技は言うに及ばず、少ない人数で攻めを完結する事が出来るので、サイドバックのオーバーラップも控えめ。
そうしてスコア(2-0)以上に相手を圧倒していきましたが、その最中でネイマールが負傷交代を強いられるなど犠牲も払ってしまい、この試合に臨む事となりました。

ネイマールのみならず、右SBのダニーロも欠場を強いられたブラジル。
そんなイレギュラーぶりにより立ち上がりは精彩を欠き、ビルドアップはスイスのプレッシングに嵌められ、またこちらからのプレッシングもスイスにかわされるという運びとなり。

スイスの前節(カメルーン戦・1-0)は、しっかりとした最終ラインからのビルドアップを下地としつつ、ブラジルとは対照的にSBを積極的に上げていくという印象が特に残り。
特に右SBのビドマーのその姿はまさに「超攻撃的」といった感じで、しばしば最前線にまで張り出して攻撃に絡むシーンを作り出していました。
しかし相手のブラジルが右サイドに不安を抱えているとあり、逆の左サイドからの攻めを目立たせる事となり。
左SBのロドリゲスのボールタッチが多くなり、エンボロやソウも左に開いてボールを受ける事数多。

前節と比べて骨のある相手との戦いとなったブラジル、とても前後分断の趣のみでは太刀打ちできず、組織力を高めての組み立てを強いられ。
20分辺りからセンターバック2人の立ち位置を入れ替え、シウバが右・マルキーニョスが左へとシフト。
それと併せて、右SBのミリトンを含めた3人での最終ラインを根底としたビルドアップの形を定着させるに至りました。

序盤は互角以上といった戦いを繰り広げていたスイスですが、ブラジルがそんな変節により落ち着きを取り戻すと徐々に押され始め。
またボールを握っていてもフィニッシュまで辿り着けず、というポゼッションスタイル故のドツボに嵌りつつあったのも影響し、一旦ペースを失うと見栄えを無くす事となりました。

27分のブラジル、GKアリソンの左サイドへのフィードから、こぼれ球を拾ってそのまま同サイドで前進。
一旦ビニシウスが奪われるも、そのビニシウスがプレスバックでボール奪取して再度攻め込み、逆の右へと展開した末にラフィーニャからクロス。
ファーサイドでビニシウスがフリーとなっており、ボレーシュートで合わせたもののGKゾマーがセーブ。
先制はならなかったものの、流れるような攻めを見せた事で以降ブラジルの独壇場というべき展開となります。

スイスはプレッシングを諦め、自陣で4-5-1の体制を築く事を強いられ。
当然そんな相手の姿勢を見たブラジルは、全員敵陣に進入(GK以外)して攻め上がるシーンを膨らませ、先制点を奪いにいきます。
シウバが3バックの中央というような最終ラインの布陣から、マルキーニョスも積極的にドリブルで運ぶ動きを見せる事でスイスディフェンスを押し込め。
スイスのディフェンスも堅いため中々エリア内を崩せず、フィニッシュはミドルシュートが主となりましたが、それでも攻撃機会を渡さない程敵陣でサッカーを展開していきました。

何とかブラジルの圧力を凌ぐスイス、攻撃開始はGKのゾマーからという事が多く、それも反撃の糸口を見出せない一因となり。
39分にGKゾマーのスローインから左サイドで前進するも、カウンターには繋げられず右サイドに移ったのち一旦作り直し。
再び左サイドから攻め上がり、ロドリゲスのクロスがブラジルDFに当たるも、ニアサイドでバルガスが収めて決定機になりかけましたが(GKアリソンが抑えて)実らず。

終盤にはブラジルがコーナーキック攻勢を迎え。
しかしその最中の44分にスタジアム(スタジアム974)の照明が落ちるというトラブルに苛まれ、その絵図はまさにブラジルの進軍が神風により止められるという表現が似合っていたでしょうか。
結局スコアレスのまま前半が終了します。

守勢を強いられたスイスでしたが、既にセルビアvsカメルーンの試合が引き分けで終わった(3-3)ため、とにかく欲張らない立ち回りを貫いていたでしょうか。
狙い通りとは言わずも、無失点で済ませた事を重く見た感じ。
ブラジルサイドもそれを理解し、相手の狙いを崩さんとしたかハーフタイムに早くも動き。
パケタ→ロドリゴへと交代して後半に臨みました。
そのうえで、入れ替えたシウバとマルキーニョスの位置をスタートに戻す微調整も行われ。

HTを挟んだ事で、消極的だったスイスも再びプレッシングの意欲が高まる入りとなり。
その裏を突かんと、ロングパス・ミドルパスを絡める攻撃に舵を振るブラジル。
左サイドでビニシウスがそのボールを受ける事が何度かありましたが、オフサイドもあり際立ったシーンは作れず。
その一方で後半5分にはスイス・リーダーが、7分にはブラジル・フレッジが反則で警告を受けるという、カードの交錯といった展開にもなりかけ。

そんな立ち上がりの小競り合いを経て、前半は(記録上)シュートゼロだったスイスがゴールに迫り。
8分に長いポゼッションを経て左サイドからジャカが対角線でのミドルパスで一気にエリア内を突き、受けたのはビドマー。
そして右ポケットからグラウンダーでクロスが入り、走り込むリーダーの手前でブラジル・サンドロがブロックして防ぐも尚も継続、拾ったリーダーから戻しを経てソウがシュート。(ブロック)
初シュートで勢いに乗ると、続く9分にも右サイドで上がったビドマーが縦パスを受け、ディフェンスに遭うもこぼれ球を拾ったリーダーから中央へ向かうパスワーク。
そしてエンボロからのラストパスをエリア内左で受けたバルガスがシュート(ブロック)と、主体的な崩しを絡められるようになってきました。
2つの好機に絡んだビドマーの上がりは欠かせない存在であり、その後も中央でポストプレイをする(15分、その後ソウのシュートに繋がる)など単なるSB以上の働きを見せるビドマー。

それでもブラジルの揺るぎは小さく、11分にはエリア内左で中央からのスルーパスを受けたビニシウス、右足アウトサイドでのクロスで惜しいシーンを創出。(ファーでリシャルリソンが跳び込むも合わず)
1点を争う接戦の中でも、美技を絡めるファンタスティックな精神は忘れず。

13分に双方選手交代、ブラジルはフレッジに代えてブルーノ・ギマランイス。
スイスは2枚替えで、バルガス・リーダー→フェルナンデス・シュテフェンと両サイドハーフを揃って入れ替え。
ブラジルもHTでの交代と併せ、これでインサイドハーフが前半から入れ替わった事となりました。
以降アンカーであるカゼミーロを軸として、ギマランイスが下がり目で、ロドリゴが上がり目でボールに絡むというやり口となった攻撃時のブラジル3センター。

迎えた19分、ここも右サイド下がり目でボールを受けたギマランイス、中央のサンドロへパスを送るもズレて流れ。
しかしこれをリシャルリソンが拾いにいった事で、ディフェンスと縺れてさらにこぼれたボールをロドリゴが拾い、スイッチを経てカゼミーロからスルーパスが送られ。
受けたビニシウスがエリア内でカットイン、中央からシュートを放って右サイドネット内側に突き刺します。
ようやく先制……と思われた所でVARが介入すると、抜け出したビニシウスではなく、その前にボールを拾いにいったリシャルリソンの戻りオフサイドという事が発覚。
ゴールは認められず、0-0のまま試合は再開される運びとなりました。

それでもこの場面でシュートに持っていったビニシウス、その後もスイスの脅威となり続け。
24分にはドリブルで左サイド奥に切り込んだ所で(アカンジに)反則を受けてフリーキックを誘発し(FKからはシュートまでいけず)、26分にはカウンターから再び左サイドで前進したのちエリア内へスルーパス、走り込んだリシャルリソンがシュート(ブロック)という具合。
ブラジルは28分に再度交代カードを切るも、退いたのはリシャルリソンとラフィーニャ(ガブリエル・ジェズスとアントニーを投入)であり、ビニシウスの脅威を残すという采配が選択されました。

いつの間にやら、再び専守という体勢を強いられたスイス。
30分にソウ・エンボロ→アエビシェール・セフェロビッチに交代しても、攻撃リズムを掴む事すら許されない時間が長くなります。
ブラジルも26分以降フィニッシュまで辿り着けずと、スイスの守備力を崩すのは容易では無く。

引き分けの予感も高まる中、双方とも勝ち点4で3節を迎えるという思惑に(勝手に)納得するという流れで時計は進んでいき。
そしてそのまま終盤が間近という所で、ついに均衡が破れる時が訪れます。
崩したのはやはりブラジルで38分、(右サイドからの前進ののち)最終ラインでの繋ぎにギマランイスが絡み、左へと展開してビニシウスがサイド奥を伺うと見せかけてカットインでエリア手前へ。
そして中央へのパスをロドリゴがダイレクトでエリア内へ送ると、そのロドリゴを既に追い越していたカゼミーロがすかさずシュートを放ち、ブロックを掠めてゴール右へと突き刺さるボール。
この日の見所となっていた、ビニシウスとセンター3人の関係性が見事に絡んだ先制ゴールとなりました。

41分に両チームとも最後のカードを切り、スイスはビドマー→フライへと代え、フライがトップ下に入った事でアエビシェールが右SHへ・フェルナンデスが右SBへ・シュテフェンが左SHへシフト。
一方のブラジルはサンドロ→アレックス・テレスへと交代。

代わって入ったテレスも攻撃に絡み、尚もブラジルが好機を作り続ける一方で、スイスはチャンスらしいチャンスも訪れず。
アディショナルタイムに突入し、左サイドからロドリゲスが連続してクロスを入れるという攻めを見せたスイスですが、それを凌がれてカウンターに持ち込まれると事実上の終戦宣言となります。
CKを絡めながら、ひたすら左サイドでボールキープを続けるブラジルに対し脱出するのも一苦労となり。

結局スイスに好機は生まれる事無く、1-0のまま試合終了となりました。
スイスが3節に賭ける事となった一方で、連勝でグループリーグ突破を決めたブラジル。
それでも目標は5大会ぶりの優勝であり、本当の戦いはまだこれから、という思いは強い事でしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする