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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 ヴァンフォーレ甲府vsいわてグルージャ盛岡

2022-11-08 16:02:05 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(38節・大分戦、1-2)
※前回の岩手の記事はこちら(41節・群馬戦、1-5)

<前節からの変更>

甲府=天皇杯決勝を戦った事で、水曜開催となった前節。そこから中3日なため9人入れ替え、といってもスタメンの休養は前節に敢行したため戻したというような変更。3バックは北谷、野澤陸、レナト・ヴィスキから須貝、浦上、エドゥアルド・マンシャへ。ウイングバックは右が大和→関口・左が米原→荒木、ボランチの片割れが野澤英之→山田。1トップ・2シャドーもウィリアン・リラとイゴール・飯島から、三平・長谷川・鳥海と全変更。

岩手=降格圏が決定と、失意の前節から7人入れ替え。GKが松山→野澤大志ブランドン、前節負傷交代の牟田に代わり深川(左センターバック)で、甲斐がリベロに回る。(右CBは戸根)ドイスボランチは小松・和田→石井・弓削と双方変更、WBは左の中村太亮が外れて宮市が右から回り、空いた右には加々美。1トップはブレンネル→クリスティアーノで、シャドーの片割れはオタボー→増田

スタメン

順位は割と近い両クラブ(甲府=18位・岩手=22位)ですが、その状態は雲泥の差。
既に実質的に降格確定となった岩手に対し、甲府は天皇杯優勝という何物にも代えがたい栄光を手にし、この日のホーム最終戦を迎える事となりました。

1億5千万というJ2クラブにとっては貴重な賞金と、来季のACL参加の権利を得た事で、来季のプランは大きく変わる事となり。
栄冠を齎したはずの吉田達磨監督の退任が決定したのもその一環と思われ、二兎を追う戦いを強いられる来季は一層腰を据えて陣容を整えなければ、今季のようなリーグ戦の低迷に晒されれば降格の危機もあり得る訳で。
果たして期待半分不安半分といった展望ですが、現段階では新監督の選択段階なので若干不安の方に針が振れている状態でしょうか。

優勝決定後初のホームゲームという事で、ほっこりしたような雰囲気を持って始まった試合。
相手の岩手は、何とか21位に浮上して僅かな望みを託したいという状況で、その雰囲気を壊すような積極的な入りで、圧力を持ってサイド奥を突く攻撃を仕掛けていきます。

しかし最下位クラブ故の悲しさか、それが一度いなされるとたちまち苦境に陥る事となり。
普段通りに最終ラインからのショートパス攻勢でポゼッションを高めていく甲府。
前半7分に左サイドでの前進からマンシャのクロスが上がると三平がヘディングにいき、フリックのようになって流れたボールを右奥で関口がシュート。(ゴール左へ外れる)
早速ゴールを脅かされた事で、以降甲府のビルドアップを遮断する事はままならないという流れになります。

それでも14分に奥山のドリブルが甲府・マンシャに反則で止められた事で、右サイド遠目からのフリーキックを得た岩手。
キッカー弓削のファーサイドのクロスを宮市が折り返し、増田がボレーシュートという定型の流れで、ブロックされるもこぼれ球となり。
そして宮市が詰めてシュート、ネットを揺らしましたがこれがオフサイドとなり先制ならず。
今季度々見られた、ゴールネットを揺らしたもののオフサイドの判定に跳ね返されるという光景を、最後の試合でも作ってしまいます。
これにより焦燥にかられていたのは選手以上にベンチだったでしょうか。
21分に反則の判定を巡って激高した秋田豊監督が、主審(柿沼亨氏)から警告を突き出されてしまう始末。

1トップor宮市へ当てるロングボールの攻撃は、シーズンも佳境に入りすっかり慣れられた感があり。
しっかり繋げる甲府相手では敵陣で奪ってのショートカウンターも期待出来ない以上、主体的な攻撃に活路を見出す他無い状況となったでしょうか。
29分の岩手の攻撃、宮市の裏へのミドルパスが跳ね返されるも、セカンドボールを拾って敵陣でポゼッションを繰り広げ。
右サイドで長らく繋ぎ、弓削のヒールでのスルーパスに加々美がエリア内へ走り込むも、甲府・荒木と交錯の末に反則を取られて実りません。

またロングカウンターを仕掛けようにも、1トップのクリスティアーノはポストワークに特化した存在なためままならないといった印象。
35分にはクロスをキャッチしたGK野澤が素早くスローしてのカウンターを仕掛けるも、増田のドリブルからのスルーパスを受けたクリスティアーノ、そのままキープの体勢に入ったためスピードダウン。
結局石井の右手前からのクロスに落ち着いてしまいシュートに繋がらず。

一方の甲府の攻撃は、岩手がリトリートへと意識を移したため、こちらも容易な崩しは行えず。
無得点のまま時間が進んでいきます。
終盤~アディショナルタイムに得意のセットプレー攻勢(FK+CK2本)を掴んだ岩手でしたが、モノにする事は出来ず。
スコアレスのまま折り返しとなりました。

残り45分、得点を挙げるために何とか紛れを作りたい岩手。
後半6分にGK野澤のロングフィード、甲府・浦上のクリアが真上に高く上がるものとなり、バウンドしたボールをクリスティアーノが落とし。
ここから右サイドで前進して奥を突き、奥山がエリア内へ切り込むもシュートは撃てず。
しかし直後の7分に、再び奥山の右サイドの前進を甲府・山田が反則で止めてしまい、FKを得ます。
キッカー弓削は中央へクロスを上げ、クリスティアーノがヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。

ようやくストロングポイントが出せるようになっていたという岩手。
しかしサッカーの神はその流れを岩手のみならず、甲府にも齎していた感があり。
以降左サイドから執拗に攻め続ける甲府。
11分には一旦攻撃が途切れるも三平が奪い返し、スルーパスにより奥を突いて荒木がグラウンダーでクロス、中央で受けた関口がシュート。(GK野澤キャッチ)

そして13分、荒木のレーンチェンジのパスから鳥海のスルーを経て三平がダイレクトでエリア内左へスルーパス、そこへ鳥海が走り込み。
そしてトラップでゴールに向かい、前に出て来たGK野澤の股を抜くシュートで見事にゴール。
撃ち合いになれば自分達の方が強い、という事を証明する先制点となりました。

岩手はたまらず、やられ続けた右サイド(甲府から見て左サイド)を受けて以降戸根と深川の位置を入れ替え。
しかしその甲斐無く、すっかり甲府に攻撃権を支配されて反撃の機運は生まれず。
17分にベンチが動き、増田・弓削→中村充孝・和田へと2枚替えを敢行しても流れを変えられません。(同時に甲府も鳥海→リラへと交代)

岩手サイドの対処を見てか、19分に今度は右サイドから攻める甲府。
リラがワイドに開いてスルーパスを受けてクロス、ブロックに当たるも中央に向かい、これを荒木がスルー。
その奥で長谷川がシュートしますが、ゴール上へ外れてしまい惜しくもモノに出来ず。
しかし流れは不変であり、迎えた21分左サイドでの前進から、中央→右へと経由してサイドを振り。
そして松本のスルーパスでエリア内右を突き、大外から走り込む須貝からマイナスのクロスが入りニアサイドで三平が合わせ。
これがミート出来ずに流れるも、中央に居た荒木が左足で合わせると、岩手・深川のブロックに当たりゴール左へ突き刺さるシュートとなり追加点。
前半の最初の好機といい、この日の三平は偶然か否か、自身のシュートミスが他者に幸福を齎す格好となりました。

2点差となり、これで総攻撃とまでは行かずも積極的な姿勢を取らざるを得ない岩手。
直後の23分に好機を作り、右サイドから加々美のクロスが上がり、GK河田がパンチングで跳ね返したボールを中村充がダイレクトでミドルシュート。
しかしこれも須貝のブロックに阻まれ、甲府ボールになるも前に出た甲斐が奪い返し、すかさずゴールに向かうクロスを入れるもGK河田に抑えられ。
何とか相手GKを働かせるシーンを生んだ岩手、直後の24分にクリスティアーノ→オタボーへと交代します。

果敢に敵陣に攻め込み、実らずも甲府の最終ラインへのゲーゲンプレスで奪い返すという姿勢に活路を見出さんとする岩手。
しかし甲府のポゼッションを阻めるほどのプレッシングは無く(あったらもう少し上の順位に居るはず)、前線の選手は何度も2度追いをするもボール奪取は果たされません。
そして甲府の逆襲を受ける、というのが以降の展開の基本になりました。
26分には岩手のプレスを左サイドでかわしきり、ドリブルで持ち込んだ三平からのクロスをファーサイドで松本がボレーシュート。(枠外)
直後に三平→飯島へと交代する甲府、その後もこの流れを維持します。

自分の攻めはフィニッシュまで繋げられず、相手の攻めは阻められずアタッキングサードまで持ち込まれるという岩手。
31分に最後の交代を敢行、奥山・加々美→色摩・桐へと2枚替えをしても流れは変えられず。(桐が左WBに入り、宮市は右WBへ)
それでも自身が好機を作れるのならばまだ良い方で、それを逃し続けている内に、ついに自陣からも脱出できないという流れを作られてしまいます。

相手の攻撃を切っても、運ぶ事すら出来ず奪われて再度攻撃を続けられる、いよいよ厳しいものに。
39分の甲府、敵陣で松本のボール奪取から、拾った長谷川がスルーパスですかさずエリア内を突き。
ここは飯島のポストプレイがリラに繋がらずも、岩手のクリアした先でさらに山田が奪って継続、拾った関口がミドルシュート。
GK野澤がセーブし、エリア内左へこぼれたボールをさらに飯島が追撃するも、このシュートも野澤がセーブと紙一重で防ぎます。

ゴールは奪えずも、終盤を迎えて勝利は間違いなしという雰囲気を得る事に成功した甲府。
ここで既に引退表明していた野澤英の送り出しへとシフトし、その一環で飯島がインアウトを強いられる交代策となり。(44分)
同時に関口・山田→野澤陸・山本へと交代、計3枚替えな上に配置も微妙に変更、須貝が右WBへと回り。
そのうえで山本・松本・野澤英の3ボランチの3-5-2という布陣を採ります。

体力を使い果たしたように萎んでいく岩手を尻目に、内容も野澤英を積極的に使う攻撃で、華を持たせるようなサッカーを敢行していく甲府。
45分には長谷川のスルーパスを左サイド奥で受けた野澤英、エリア内左を突いてマイナスのクロスを入れ。
ディフェンスに遭いこぼれたボールに対し、何とシュートまで放った野澤英。(枠外)
その後のATでも、左サイドでの攻撃に積極的に野澤英も絡み、岩手に何もやらせないという流れを作ります。

結局甲府のパスワークを遮断する事もままならず、最後に最終ラインにまで戻された所で試合終了の笛が鳴り。
連勝でフィニッシュした事で、順位は18位のままですが、それに相応しくない程の有終の美となりました。

一方の岩手、1年でJ3に舞い戻る事となり。
シーズン終了後にはビスマルクが不祥事で解雇となるなど、膨れ上がる助っ人部隊に頼りきりの攻撃陣は、最後まで制御できずといった格好だったでしょうか。
既に退任が決定済みの秋田監督は、社長に就任という転身を果たしましたが、再び這い上がる機運が生まれるかどうか。

コメント
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