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DAZN観戦 2022年J1参入プレーオフ1回戦 ロアッソ熊本vs大分トリニータ

2022-10-31 16:01:05 | サッカー視聴記(2022年その他)

<熊本スタメン> 3-3-1-3
GK 佐藤優也
RCB 黒木 CCB 菅田 LCB イヨハ理ヘンリー
RWB 三島 DH 河原 LWB 竹本
IH 平川
RWG 杉山 CF 高橋 LWG 坂本
<大分スタメン> 3-4-2-1
GK 高木
RCB 小出 CCB ペレイラ LCB 三竿
RWB 井上 DH 保田 DH 弓場 LWB 増山
IH 中川 IH 野村
FW 伊佐

※最終節の記事 - 熊本(横浜FC戦・3-4) 大分(琉球戦・0-1)

熊本・えがお健康スタジアムでの開催となった事で、近場である大分も気心知れた雰囲気となったでしょうか。
いずれにせよ、既にリーグ戦の上位でしのぎを削りあったうえ、かつダービーマッチという間柄の対決。

ともに2連敗でシーズンを終え、不安視される中での開催となり。
しかし熊本の内容は比較的良好で、唯一カウンターへのケア不足により失点・敗戦という試合を2戦続け。
一方の大分は41節・山形戦のスコア的な完敗に続き、前試合は既に降格圏が確定していた琉球相手にビルドアップを破壊されるという屈辱の試合を演じてしまい。
そんな対極的な内容を受けてか、熊本がスタメンを最終節から不動のものにしたのに対し、大分は一気に半数以上入れ替え。
GKを吉田→高木へ代えたのを皮切りに、右センターバックが上夷→小出・左ウイングバックが松本→増山・ボランチの片割れが下田→保田・シャドーの片割れが梅崎→中川・1トップがサムエル→伊佐と6人を変更して臨みました。

リーグ終盤戦とは違いを出した大分のメンバー、そして開始直後に早速その効果が激烈に表れます。
キックオフからの戻しを受けたGK高木、熊本・高橋のプレスを持ち前の足下の技術でかわすと、観ている者を「巧い」と唸らせる間も無くすかさずロングフィード。
そして1トップの伊佐が落とし、増山→弓場と繋がってエリア内左を突いて中央へパスを送り、熊本・菅田に当たりコースが変わった所を中川がシュートにいき。
これが空振りとなったのがかえって幸いし、こぼれ球に走り込んだ伊佐が押し込んでゴール。
開始わずか20秒の電光石火の得点は、大分のメンバー・サッカー双方での奇襲が綺麗に決まったという形となりました。

いきなり出鼻を挫かれる格好となった熊本、気を取り直し、大木武監督曰く「普段通り」のサッカーを貫かんと反撃に掛かります。
しかし前半5分に右コーナーキックを得ると、そこでのポジション取りで高橋が大分・三竿に倒されるなど激しいやり合いを強いられ。
心理的にモヤモヤ感を生み出してしまうと、そこから大分のカウンターを浴びる事となり、裏へのロングパスに伊佐が走り込んで受け。
熊本のアタックを受けつつも倒れながらキープする伊佐に対し、GK佐藤優が飛び出してクリアして何とか防ぎます。

こうしたリーグ戦とはかけ離れた、大分の泥臭くかつ強い姿勢に戸惑う事となった熊本。
最後方からのビルドアップに対しては、イヨハがパスを受けた所に、遠目の位置から井上が猛然とプレッシングを掛け。
その大分の姿勢に対し、15分にイヨハもダイレクトの縦パスで井上を剥がし、受けた竹本がシュート(GK高木セーブ)と脅かす事で対応。
19分には大分のビルドアップに対しGK高木にまでプレスを掛ける熊本、これにより体勢を崩しながら出された高木の縦パスを河原がカット。
そしてそのまま遠目からシュートを放つ(エリア内で大分・ペレイラがブロック)という具合に、相手の出方を塞ぐ方策が巧くいきゴールを脅かします。

良い流れを何とか作り上げた内に同点に追い付きたい熊本でしたが、リードした大分も粘りの守備でやらせず。
そして31分に、熊本のパスワークを自陣で保田がカットしてからの速攻、野村のスルーパスに井上が走り込み。(クロスを上げるもシュートまではいけず)
これが文字通り、熊本ペースを遮断する切欠となったようであり。
以降は熊本も大分の術中にハマるかのように、球際勝負という展開へとシフトしていきます。

大分のこの変貌ぶりは、まるで最終節の相手であった琉球のスタイルをインスパイアしたようにも映り。
ポゼッションなど御構い無しでとにかく球際の強さとプレッシング、そして堅い守備・強い気持ちを貫くチームと相対し、見事に転覆させられたのを自身も取り入れたといった感じでしょうか。
ともかくともに激しいデュエルを演じ、倒されるも笛は鳴らずというシーンが目立っていく試合展開。
負けられない戦いに相応しい絵図なのでしょうが、ペースを握りたい熊本にとってはたまったものでは無く。
37分に河原の反則気味のボール奪取から細かく繋ぎ、平川のスルーパスをエリア内右で受けた杉山がシュート(大分・三竿がブロック)と、その中でも好機を生み出す事は生み出したものの盤石の反撃体制を築く事は出来ません。

そして終盤、大分の激しいプレッシングの前に撃沈といったシーンを頻発させるに至り。
42分右サイド敵陣奥で中川がボールカットした大分、エリア内で拾った伊佐を経由して野村がシュート、これが左ゴールポストを叩く冷や汗もののシーンとなります。
44分に今度はエリア内で伊佐がボールカット、こぼれ球を再度野村がシュートしますがGK佐藤優がセーブ。
一層不利にさせられる追加点は何とか阻んだ熊本、結局0-1のまま前半終了となりました。

共に交代無く迎えた後半。
何とか巻き直し、自分達のサッカーを取り戻して反撃体制を整えたい大分。
しかし入りの後半1分、いきなり大分・中川が猛烈なプレッシングで相手の蹴り出しをブロック。
そのままラインを割ったものの、前半同様に熊本のビルドアップを破壊しに掛かる姿勢とその効果は変わらず。

熊本の最初の好機は4分、大分・野村が縦パスを受けた所をすかさず囲み、黒木がボール奪取して敵陣で攻撃を展開。
そしてひたすらエリア内へボールを送り、跳ね返りを拾って継続し波状攻撃という流れを作る熊本らしさを見せるもシュートには繋げられず。
すると再び大分のプレッシングに悩まされ、自陣でボールを失うシーンを連発する厳しい戦いを強いられます。
7分には中盤からバックパスで作り直さんとするも、大分・弓場が2列目を切る姿勢を見た黒木がパスミス、奪った伊佐から受けた野村がエリア内左を突いてクロス(中央の弓場の手前でGK佐藤優キャッチ)という拙い奪われ方からピンチを招き。
大分の素早い寄せに対し時間とスペースが奪われ、ポゼッションによる攻撃も貫けない事態となります。

何とか打開したい状況で、次第にロングボールを使う立ち回りへとシフトする熊本。
13分、竹本が対角線のロングパスを右サイドへ送ると、受けた杉山もまた対角線のロングパスを送って坂本が左サイドで受け。
中央へ渡ったのち竹本がミドルシュートを放ち、大分・ペレイラにブロックされるも攻撃継続、河原がエリア内へ送ったミドルパスに坂本が走り込み。
そして足から跳び込んで合わせた坂本でしたが、ついて来た大分・小出と縺れたのもありジャストミート出来ず、ゴール前へ転がった所をGK高木に抑えられ同点ならず。

しかしこの好機から、長いパスを巧みに使う事で反撃体制が整ったでしょうか。
16分には右サイドのスローインから、一旦戻したのち黒木がエリア内を突くミドルパス、収めた竹本がシュート。(ブロック)
その後も裏へロングパスを送り、大分はGK高木が前に出てのクリアを目立たせるといったシーンが常態化するなどこの路線に活路を見出す事となりました。

一方プレッシングが機能するも、その分前線の消耗が激しい大分。
ベンチは先んじてカードを切る事となり、15分に伊佐→金崎へと交代。
その金崎は17分、GK高木のロングフィードがバウンドした所に走り込み、遠目ながらもヘディングシュートを放ち(GK佐藤優キャッチ)早速得点意欲を形に表します。
追い掛ける熊本も21分に動き、三島→田辺へと交代。(竹本が右WBに回る)
直後に高橋をターゲットとするロングボールから、セカンドボールを拾って敵陣でパスワーク、イヨハのスルーパスがエリア内左を突き。
そして受けた坂本が角度の無い所からシュートを狙うも、GK高木がセーブ。

交代効果も得て活性化する両チームの攻撃。
24分にはまたも大分が敵陣で保田のボールカットからショートカウンター、野村のエリア内へのスルーパスを受けた金崎がシュートするも熊本・イヨハがブロックで防ぎ。
27分の熊本は右サイドから竹本が切り込みカットイン、クロスは防がれるも中央で尚も繋ぎ、田辺がシュートするも枠外に。

ともに好機の応酬という熱戦が描かれるも、上記の直後に大分は弓場が足を攣らせてしまう事態となり。
ダメージは隠せないという状況で、30分にさらに交代カードを切り弓場・野村に代えてエドゥアルド・ネットと渡邉を投入。
同時に熊本も2枚替え、高橋・杉山→粟飯原・ターレスへと交代。
投入されたターレス、31分に早速右サイドを疾走、スルーパスに走り込んで(GK高木が跳び出してクリア)圧力を掛けます。

終盤を迎えたその後も裏狙いのロングパスを多用する熊本。
大分は次第にプレスも控えめとなるなど燃料切れを隠せず、逃げ切り体制に持ち込まざるを得なくなります。

そしてその矢先の42分でした。
散々裏狙いを見せた末に、ここでターゲット狙いのロングパスを選択したGK佐藤優、これを粟飯原がフリック。
大分・小出のカットが及ばず坂本に収まると、GK高木も前に出て防がんとしましたが坂本がかわし、無人となるゴール。
そして坂本がシュートを放つと、大分・三竿のブロックも空を切ってゴールに吸い込まれ。
土壇場で状況をひっくり返す同点弾が生まれ、ゴール裏に出来た歓喜の輪にマスコットのロアッソくんも加わる程の興奮に包まれた熊本サイド。

これで追いかける立場へと一変した大分、たまらず2枚替えで増山・中川→藤本・長沢へと交代。
併せてペレイラが前線に上がり、金崎・長沢・ペレイラの3トップという布陣に全てを賭ける事に。
そして増山の代わりにネットがロングスローを担当するなど、形振り構わず再逆転を目指します。

対する熊本は45分、竹本→阿部へと交代。
守備意識を高めるカードを切りましたが、その矢先のアディショナルタイムでした。
前掛かりの大分を逆手に取るように、ミドルパスを右サイドで粟飯原が収め、パスを受けたターレスが切り込んだのち中央へパスと各個持ち味を発揮してゴール前へ迫り。
そして坂本のエリア内へのスルーパスに走り込んだ粟飯原、勝ち抜きを決定付けるシュートが(左ポストを叩いたのち)ゴールに吸い込まれました。

スコア的にも逆転し、後は勝利に向かうのみとなった熊本。
しかしその矢先、中盤左サイドで熊本・平川が大分・井上のチャージを受けて反則の笛が鳴ると、尚も攻撃を続けようとした平川と大分・金崎が縺れて倒れ込み。
そして激高した金崎に対し、熊本・粟飯原が手を出した事で両軍入り乱れてもみ合う事態へと発展してしまいます。
大木監督はじめベンチのスタッフも巻き込んでの騒動となった末に、何とか収束したのち金崎と粟飯原に警告が付き出され。

この珍妙な事態にペースを乱されたか、大分が意地の反撃体制に持ち込み。
そしてATも7分が経過したのち、三竿のミドルパスをペレイラがエリア手前でダイレクトで浮き球を送り。
クリアされるも、拾い直したペレイラが強引にシュートに持っていくと、ボールはゴール右へと突き刺さります。
同点へと戻した大分ですが、後1点を奪うには時間が決定的に足りず。

そしてキックオフから熊本のロングフィードがピッチ外に出た所で、試合終了を告げる笛が鳴り。
ホームの大観衆のなか勝ち上がりを決めた熊本、その戦いはまだ続きます。


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