ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 アルビレックス新潟vsFC町田ゼルビア

2022-11-09 18:25:06 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(40節・仙台戦、0-3)
※前回の町田の記事はこちら(39節・徳島戦、2-3)

<前節からの変更>

新潟=3人変更。センターバックの片割れが千葉→舞行龍ジェームズ、ボランチの片割れが島田→秋山、左サイドハーフが小見→三戸で、三戸の居た右SHに松田。ベンチには鈴木が3試合ぶりにメンバー入り。

町田=甲府の天皇杯決勝に合わせるため、前節は日程がズレたため中3日での試合。しかし変更は出場停止のドゥドゥ→中島の1人のみとほぼ同一スタメンで、ランコ・ポポヴィッチ監督は最後まで流儀を貫きラストゲームに挑む。

スタメン

前節は敗れた(ヴェルディ戦・0-1)ものの、J2優勝を決定させてホーム最終戦を迎える事が出来た新潟。
相手は前年と同じく町田で、この際は田中達也の引退試合という名目もあり、送り出しに協力的な姿勢を取ったクラブ。
しかしアウェイである以上、自発的に「ガード・オブ・オナー」をやるという訳にはいかず。
仮に行えたとしても、前節・甲府戦に続き2戦連続となってしまうのが面白い状況でしたが。

前年はそんな送り出しの雰囲気とは裏腹に、攻守に圧倒して快勝した町田。
この試合も立ち上がりからハイテンションで挑み、新潟のボールポゼッションに対して果敢にプレッシングを掛け。
そして実際に、激しく規制を受けた新潟のビルドアップは冴えず、攻撃権を支配していく町田。

何とか打開しようと、右SHに入った松田の推進力を活かさんとボールを集めましたが、松田はコントロールミスでボールロストする事2度。(前半2分と12分)
マリノスからレンタルの身で、ようやく来季はJ1の舞台に戻る事が出来るという気負いもあったでしょうか、らしくない足下でのミスが目立ちました。

そんな松田とは対照的に、逆サイドの三戸はこの日絶好調。
13分、自陣でボール奪取すると伊藤に託したのち、パス&ゴーで追い越して彼のスルーパスを受ける役回りに。
そしてペナルティアーク付近から放たれたシュートがゴールネットを揺らし。
この日は普段からかなり遅れたファーストチャンスでしたが、それを電光石火の攻めでモノにした新潟。

これで立ち上がりの浮つき具合も落ち着き、普段通りにボール支配していく新潟。
ボランチは2CBの前で片割れが1アンカー気味な位置を取り(高と秋山のどちらかは不定)、もう1人が前に出てトップ下の伊藤と横並び、というのがこの日の基本形。
町田は立ち上がりのハイプレスもあり、そんな形を根底としたビルトアップに対しこの時間帯は構える姿勢が長くなり。

27~28分の間に、敵陣で長らくパスを繋ぐ新潟、左サイドでスルーパスを交えて奥を突く姿勢を見せつつ激しくボールを動かし。
27本パスしたのち秋山から縦パスが入り、エリア内で受けた三戸が中央からシュート(ブロック)と、しっかりフィニッシュで締めるという具合に、らしさを取り戻します。

町田はディフェンスでかなり振り回されていたため、攻撃に掛けるエネルギーの面でも余裕が無く。
仮にアタッキングサードまで運んでも実らずにすかさず攻守交替となり、その際も新潟はカウンターの姿勢を見せつつも結局戻して作り直し、というように徹底的に揺さぶる姿勢を貫きます。
先制点の電撃的な前進のシーンもチラつき、積極的になる事が出来ない町田サイド。

何とかその流れを凌いだ町田、37分に自身も右サイドでパスワークによる攻撃体制を作り。
奥山のクロスがファーサイドに上がり、中島が合わせたボールを奥山が落とした事で混戦となり左コーナーキックへと移行。
ようやく巡って来た得点チャンスで、キッカー平戸は変化を付けてマイナスのクロスをエリア外中央へ。
受けた高江がエリア内やや右へ浮き球を送ると、岡野が合わせて叩き付けるヘディングシュートを放ち、ジャンプしてブロックにいったGK小島の下を抜いてゴール。
乾坤一擲のサインプレーを決め、同点に追い付きます。

一方ペースを握る事には成功したものの、追い付かれた新潟。
40分に左サイドで裏を突いたのち、戻しを経て中央で受けた伊藤がミドルシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。
43分にも、三戸のドリブルでエリア内右を突いたのちの戻しを伊藤がシュート(枠外)と、優勝を決めた試合のようにゴールを狙っていく伊藤。
それでも前半のうちに勝ち越す事は出来ず、1-1のままハーフタイムを迎えました。

そのHTで、町田は前節同様にGK交代という手段に踏み切り、福井→ポープ・ウィリアムに。
この日もビルドアップの流れを変えるという意図での交代だと思われますが、強敵・新潟相手にそれは通用するのか否か。

そして迎えた後半の入り、町田が攻めた結果前線でボールを受けた中島が新潟CBトーマス・デンのチャージを受け、痛んで倒れ込んでいる間に新潟の逆襲が敢行され。
エリア内右でラストパスを受けた松田が、中央方向へと切り替えしてシュート(ブロック)と、シュートで締められたのちようやく中島の容態確認となります。
しかし続行不可能となり、早々にカードを切る事を余儀なくされた町田、ヴィニシウス・アラウージョを投入。

その際に自力で立ち上がった中島が、チャージされた相手のデンとタッチを交わすというシーンが描かれ。
これで落ち着きを取り戻すかと思われましたが、町田はそれから間も無くまたもやアクシデントに苛まれてしまいます。
後半5分今度は安井が後ろから新潟・藤原にショルダーチャージを受けた事で、激しく右肩を痛めてしまい続行不可能に。
しかも反則も採られなかった事で、一転してピッチサイドのポポヴィッチ監督も(ラフプレーの連続に)納得出来ないという態度に移り変わり。
結局安井に代わり佐藤が投入され、右SHに入った事で平戸がボランチへ・太田修介が左SHにシフトしました。

そんな相手の雰囲気を受け、この時間帯の新潟はやや後手に回った感があり。
(選手が倒れるシーンが長くなった事で)お互いロクに攻撃機会を得られない立ち上がりとなった末に、12分に交代カードを切った新潟。(谷口・松田→鈴木・小見、三戸が左SH→右SHへシフト)

しかし立ち上がりのラフプレー傾倒への流れを変えられず、13分には堀米のパスを入れ替わって受けようとした伊藤が町田・平戸に倒されるも、反則とはならずに攻守交替。
その後の町田の攻撃で、長谷川アーリアジャスールがボールキープする所を新潟・高に倒され、こちらには反則となった事で新潟ホーム・デンカビッグスワンスタジアムの雰囲気も悪くなり。
これで右サイドからのフリーキックを得た町田、ここでも変化を付けてキッカー平戸は中央へ横パスを送ると、高江のスルーを挟みその奥で太田修がシュート。
ブロックで跳ね上がったボールを岡野がヘディングシュートに持っていき、ループの軌道で枠を襲ったもののGK小島のセーブに阻まれ勝ち越しならず。

何とかピンチを防いだ新潟でしたが、16分にはデンがGKへのバックパスをミス、短くなったボールをヴィニシウスに掻っ攫われるという致命的なピンチを招き。
そして前に出たGK小島を右にかわしたヴィニシウスでしたが、戻ったデンがカバーしてボール奪取、ここも際どい凌ぎを強いられます。

これによりホームのムードを取り戻す事が第一となった新潟、17分にCKを得て、そこからの二次攻撃。
舞行龍の右からのクロスがクリアされるも尚も拾い、三戸が右からのカットインを経てミドルシュートを放ち、GKポープがセーブして再度CKに。
この右からのキックで、キッカー伊藤はファーサイドへクロス、そして舞行龍が折り返した事で混戦が生まれます。
藤原そして舞行龍がシュートにいくもディフェンスに遭い撃てず、こぼれ球に対しデンもシュートしましたが町田・翁長がブロック。
尚も跳ね返りを小見がシュートしましたがこれも翁長がブロックと、激しく連撃しても町田ディフェンスを打ち破れず。
しかしこれで息を吹き返した新潟に対し、町田はこの際に藤原がキーパーチャージではないかと異議を唱えたヴィニシウスが警告を受ける始末となり。
これによりラフプレーのムードを引きずってしまったのが以降町田にとって災いとなったでしょうか。

その後攻撃権を取り戻した新潟、それに合わせるように21分、秋山→島田へと交代。
中盤の底を固める事で流れを盤石なものとします。
冴えが戻る新潟のパスワークに対し、町田はプレッシングを掛ける姿勢を見せても、逆に裏を取られる事で速い攻撃を許し。
27分には堀米のボール奪取から素早く前へ繋ぎ、三戸のスルーパスに走り込んだ鈴木がエリア内でシュートするも枠を捉えられず。
32分には同じく鈴木へのスルーパスはカットされるも、こぼれ球を繋いで左サイド奥を突き、小見からマイナスのクロス。
ここでニアサイドに走り込んだ鈴木はスルーを選択、中央で三戸が合わせシュートしましたが町田・翁長がここも決死のブロックで防ぎ。

次第にパスワークを受け続け、前半同様にディフェンスで走り回らされる町田。
35分にとうとう目に見える形での破綻を見せ、高橋までもが足を痛めて続行不可能になってしまいます。
これで3度の交代全てをアクシデントで使ってしまい、深津が投入される事に。(同時に長谷川アーリア→鄭大世(チョンテセ)に交代)

後は仕留めるだけという流れとなった新潟、そしてそのシーンは直ぐに訪れます。
38分左サイドでのパスワークから中央へと戻されると、舞行龍のダイレクトの縦パスで一気にテンポを上げ。
受けた三戸もそれを維持し、鈴木とのワンツーで一気にエリア内右を突いてそのままシュート。
ループ気味のボールでGKポープを抜き、自身この日2点目となる勝ち越し点を挙げました。

その後も反撃の機運を高められない町田に対し、盤石なボールポゼッションの体勢を維持し続ける新潟。
残り少ない体力を振り絞り町田が前に出ようとすると、その隙を突いて一気にアタッキングサードへと運ばれるという繰り返しで、ほとんど何もさせなかった残り時間。
アディショナルタイムもその姿勢は崩れる事無く、しかもデンがドリブルで持ち上がったり、堀米がシュートを放ったり(ゴール左へ外れ)と最終ラインの選手も隙あらば果敢な攻撃参加を見せます。

結局最後まで守勢を強いられた町田。
2-1のまま試合終了を告げる笛が鳴り、無事に新潟が有終の美を飾る勝利に辿り着きました。

前年から3連敗と相性の悪い町田に対しても、ほぼ盤石な試合運びで克服を見せた新潟の強さは疑いようは無く。
後は来季J1という舞台でどれだけやれるか、という懸念でしょうか。
横浜FC・徳島・磐田と、ポゼッションスタイルで昇格を果たしたクラブを軒並み跳ね返すに至った過去3年間のJ1リーグ。
それを覆す更なる進化に期待しつつ、筆を閉じたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする