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DAZN観戦 2022年J3リーグ第33節 テゲバジャーロ宮崎vs松本山雅FC

2022-11-16 18:12:30 | サッカー視聴記(2022年その他)

<宮崎スタメン> 4-4-2
GK 石井
RSB 奥田裕貴 CB 奥田雄大 CB 代 LSB 新保
RSH 徳永 DH 下澤 DH 大熊 LSH 岡田
FW 橋本 FW 北村
<松本スタメン> 3-4-1-2
GK ビクトル
RCB 篠原 CCB 大野 LCB 常田
RWB 下川 DH パウリーニョ DH 佐藤 LWB 外山
IH 菊井
FW 横山 FW ルカオ

開幕から終始昇格争いを続けている松本。
4クラブもある降格組の中でも出色の成績といえるでしょうが、それでも昇格が確定となる程のものでも無く。
それだけJ3が「魔境」と呼ばれるに相応しいリーグになった証明でしょうが、破格の予算(あくまでJ3内では)を利用して1年でJ2復帰を目指さんとしている松本にとってその存在は障害でしか無い。
前節はとうとう生命線であった守備陣が崩壊しての敗戦(富山戦・3-4)で、残り2戦どんな形でも良いから勝利を……という思いは強く。

宮崎のキックオフで試合開始となると、早速の攻めでロングボールの跳ね返りを右サイドで拾った徳永、そのまま角度の無い所からシュートを狙い。
GKビクトルがセーブしてコーナーキック(ここからはシュートに繋がらず)と、硬さが見られるであろう相手の意表を突かんとします。
対する松本も前半3分、ロングパスをルカオが収めにいくという形から右サイドで攻め、下川のクロスをファーサイドで外山が合わせシュート。
ブロックされてCKへ移行と、宮崎の攻撃と似通ったプロセスを描き。

しかしここから松本がセットプレー攻勢を仕掛け優勢に立ち。
得た左CKから、クロスを常田が合わせヘディングシュートを放ち、ブロックで防がれるも尚も空中戦で押し込みゴールを狙い。
こうした絵図ではいかにもフィジカルの強いルカオが頼りになるといった感じで、その後もスローインやフリーキックでの好機を量産していく松本。
まさに「何でも良いから勝つ」精神を実行するかのような攻撃でした。

それでも、ボールポゼッションに長けている宮崎の方が攻めの見栄えは良く。
松本はそのビルドアップを遮断しようとするも、3-4-1-2というフォーメーション故に前線のプレッシングも変則といった感じ。
端的に言えば、トップ下配置となっている菊井が最前線に出るという可変が目立つ分、遅れてかわされるという欠陥が付いて回っていたようでした。
かといってリトリートに回っても5-3-2という形なので、2列目が薄い弱点を常時考えなければならない。(しかもトップ下を「3」のどこに降ろすのかという問題も生まれる)
そんな訳で、3-4-2-1や3-3-2-2(3-1-4-2)からマイナーチェンジの形であっても、その性質に有効性が見出し辛いものとなってしまったでしょうか。

宮崎は10分に橋本が、11分に奥田裕がエリア内からシュート(両者ともブロックに防がれる)と、しっかりと落とし込まれたビルドアップから有効打を放っていく流れを形成。
ボックス型(2センターバック+ドイスボランチ)の最後方の形から、徳永が降りて来て出口役を務める事で詰まりは殆ど起こらず。
攻撃権を支配し、21分には敵陣でボールを上下動させ続けた末に、最後はポイントゲッターの岡田がエリア内中央からシュート(GKビクトルセーブ)という決定機も生まれます。

攻撃を受け続ける状況に、松本も次第にしっかり守ってカウンター、という意識が強まったでしょうか。
23分の宮崎の攻撃、左ワイドからエリア内左へのパスを受けにいった橋本が、入れ替わらんとして奪われたのを機に松本のカウンター。
佐藤のラフなスルーパスに対し、横山が自慢のスピードを活かして左サイドで受け、そのままドリブルからカットインシュートを放ち。
枠外に終わるも、相手に目に見える脅威を与えたという所で飲水タイムが挟まれます。

ブレイクを挟み、松本は主体的な攻撃も交えながら先制を狙い。
宮崎のプレッシングを、3バックが距離を取ったうえでのショートパスで打開を図り、そこに大きなサイドチェンジも絡めて繋ぐ体勢を築きます。

徐々に宮崎ゴールに迫るシーンも増えていき、迎えた34分。
パウリーニョの縦パスをルカオが右サイドで受け、そのままドリブルで奥へ切り込むと、そのフィジカルを活かして宮崎・新保を剥がしカットイン。
そしてエリア内でGK石井の眼前を伺ったうえでクロスを入れると、後は合わせるだけと言わんばかりの菊井のシュートがゴールネットを揺らします。
どうしても欲しかった先制点に辿り着いた松本。

後は前節崩壊した守備を整えるだけといった状況ですが、多彩な宮崎の攻撃にその後も苦しめられ。
37分に右サイドのスローインからの攻撃で、エリア内へのミドルパスを橋本が走り込んだうえでの落とし、拾った北村が右ポケット奥に切り込んでシュート。
右サイドネット外側に終わるも、目線を変えられての攻撃に難儀といったシーン。

そして前線は前に出るのか構えるのかが曖昧といった印象は拭えず。
迎えた41分、ボールの奪い合いを経て自陣で回収した宮崎、そのまま松本のゲーゲンプレスをいなしつつのビルドアップから徳永の裏へのミドルパスでひっくり返し。
左サイドで受けた岡田のグラウンダーのクロスから何度もエリア内で展開される攻撃、マイナスのクロスあり橋本の落としありと際どいシーンが描かれ、それを必死に掻き出す松本ディフェンス。
しかし最後は新保の縦パスを受けた岡田、左ポケットからクロス気味のシュートを放つと、ループの軌道で右サイドネットに突き刺します。
集中砲火により守備網は決壊、という表現をしたくなる波状攻撃を決めきりました。

リードを失った松本ですが、アディショナルタイムに決定機が訪れ。
自陣右サイドのスローインながら、投げられたボールをルカオが入れ替わりで受けた事により宮崎の前へのベクトルを逆手に取る体勢に。
そして中央への絶妙なスルーパスで、受けた横山がGKと一対一になるという願っても無いシーンが生まれます。
しかし放たれたシュートは前に出たGK石井が片手でセーブ、左へこぼれたボールにさらに詰めた横山ですが、ゴールに向かうボールを宮崎・奥田裕の決死のスライディングに阻まれ決めきれず。
逆に凌ぎきった宮崎、このプレーで奥田裕が勢い余って横山と交錯、痛んでしまいましたがその対価は素晴らしいものとなりました。
結局1-1のまま前半が終了。

勝ち越す事が出来なかった松本、その気持ちの切り替えはハーフタイムでは足りなかったようであり。
後半も最終ラインからの組み立ての姿勢を崩さない宮崎の攻撃が冴え渡り、そこに強烈に絡むのはゴールゲッターの岡田。
後半2分に新保のミドルパスを受け、左ワイドからのカットインでエリア内からシュートを放ち、ボールはブロックを掠めてゴールポストを直撃という際どいものとなります。

松本はこの流れを切らないと大惨事を招く、そんな事を考えていた矢先の5分。
再び左サイドで岡田が受けると、今度はスルーパスで新保を走らせる選択を採り、新保のクロスが逆サイドに流れるも尚も継続される攻撃。
そして徳永がエリア内右からのカットインシュートという、岡田と対称のシーンが描かれると、GKビクトルがセーブしたこぼれ球を詰めた岡田。
見事に連撃を決め、好循環を結果に繋げた宮崎が逆転を果たしました。

その後も宮崎の攻勢は続き、8分には中央で岡田のパスを受けた橋本、ポストの体勢でのキープから反転してのシュート。
ブロックに当たっての枠外でCKとなると、そこからもクロスの跳ね返りを大熊がミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、ひたすら脅かされる松本ゴール。

5-3-2で構える守備を採っていた松本ですが、懸念のトップ下の菊井は右脇へ降りる事が目立ち。
それ故にボランチも左寄りへと位置を移すので、事前の落とし込みが無ければトランジションに難儀しそうな布陣でした。
そんな状況の中、ベンチは12分に動き横山・パウリーニョ→榎本・田中パウロ淳一へと2枚替え。
佐藤をアンカーとして、2シャドー(菊井・パウロ)・2トップ(ルカオ・榎本)の体勢を採る3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジさせます。

それでもあと2点が必須という窮状は変わらず。
ビハインドという状況では必然的にショートパスでのビルドアップを強いられる、つまりボールを持たされるという割合も増え。
焦りからか、15分には宮崎・北村のドリブルを後ろから倒した榎本が警告を受け。
17分にはCKのチャンスを得るも、キッカー・パウロのクロスが中央にこぼれ、そこを大野がボレーシュートを狙いましたが振った足は宮崎・代を蹴ってしまいここでも反則・警告。

リードしても、宮崎は松本の3バックに対し、2トップ+サイドハーフ1人というプレスの姿勢は変わらず。(それでも嵌めにいく事は減り、一定の距離で構える体勢)
それに対し前半と同様にサイドチェンジを交えながら、何とかかわしてボールを運ばんとする松本。

何度か好機も作ったものの、ゴールは奪えないまま後半の飲水タイムが挟まれ。(26分)
その際にルカオが宮崎・大熊との激突で倒れてしまい、そのままブレイクとなった事で欲求不満が全体としてさらに高まってしまったでしょうか。
明ける際に宮崎ベンチが動き、北村・下澤→薗田・内薗へと2枚替え。

松本のFKから再開し、ブレイクが挟まった事で自陣からという位置ながら放り込みを選択。
その後もスローインで押し込み続け、左からのクロスに対し前残りしていた篠原が合わせにいく(28分)という惜しいシーンも生まれましたが実らず。

逆に直後の29分にはパスミスから危機を招き、岡田のスルーパスを受けた橋本がエリア内に突撃して決定機になりかけるも、必死に戻った篠原がスライディングで掻き出して何とか凌ぐ松本。
しかしこれを期にペースは再び宮崎のものとなり、「ここで追加点を与えては終わり」といった典型的な状況を強いられます。

そしてその結果、耐えられずとなり。
32分、最終ライン~中盤でのパス回しから右裏へミドルパスを送る宮崎、走り込んだ徳永のダイレクトでの折り返しに、中央で薗田が足から跳び込んで合わせ。
遅攻→速攻への流れを綺麗に決めた結果、決定的な3点目が生まれました。

狼狽を隠せない状況となってきた松本。
34分に再びベンチが動き、大野・菊井→宮部・稲福へと交代し、4バックへと変更します。
<後半34分~36分までの松本> 4-4-2
GK ビクトル
RSB 宮部 CB 篠原 CB 常田 LSB 下川
RSH パウロ DH 佐藤 DH 稲福 LSH 外山
FW 榎本 FW ルカオ
こういう時にマルチプレイヤーである下川(右サイド→左サイドへシフト)の存在は貴重であり。

一方の宮崎も36分に岡田・徳永→青山・藤武へと2枚替え、それに伴い3-4-2-1へとシフト。
しかしそれから間もなく事件が発生します。
宮崎・薗田のチャージを受けたパウロが、激高のあまりその後インプレーの最中にボールと無関係な所で薗田に体当たりを敢行、倒してしまった事で反則の笛が鳴り。
明らかな報復行為という事で、主審が躊躇い無く赤いカードを出す事態となり、パウロが退場して10人となってしまった松本。

その後の松本は見るも無残であり。
4-3-2へと布陣を移して何とか反撃体制を築かんとするも、それが果たされる前に更なる失点。
40分に右CKを得た宮崎、キッカー奥田裕は中央へクロスを上げると、橋本がヘディングシュートで仕留め。
この日は何度もショートコーナーを使っていた宮崎のセットプレーですが、数的優位を得たのち正攻法で得点、という流れがあっけなくも映りました。

諦めずに攻める松本、42分にはCKから篠原のヘディングシュートがゴールを襲ったものの、GK石井のセーブに阻まれて実りません。
その後常田を前線に上げてのパワープレイに全てを賭け、道中反則に対し宮崎・奥田裕がヒートアップするなど珍妙なシーンも加わりますが、ロングボールを前線に入れ続け。

しかし最後は力尽きたかのように、ATでは宮崎がボールキープする体勢に入られ。
それをひっくり返す程の余力は残っておらず、試合終了の時を迎えました。

結局2戦連続の4失点で連敗となってしまった松本。
2位の藤枝が勝利したため、勝ち点差は3ながら得失点差は17差と絶望的な状況を作られ。
同じく勝ち点差3の鹿児島も、15もの得失点差があり、最終節を前にして十中八九藤枝の昇格が確定したと言っていいでしょう。
後は降格補助金が無くなる来季に向け、どういった落としどころを図るのかが見所でしょうか。

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