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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 ツエーゲン金沢vs栃木SC

2022-11-06 18:49:50 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(40節・琉球戦、1-2)
※前回の栃木の記事はこちら(37節・大宮戦、1-3)

<前節からの変更>

金沢=前節退場となった藤村の出場停止を受け、出来たボランチの穴には松本大弥が(左サイドハーフから)スライド。そして嶋田が左SHに入る。入れ替えはこれだけで、控えには今季限りでの引退を表明している廣井が30節以来に名を連ねた。

栃木=こちらも前節カルロス・グティエレスが退場になり出場停止。彼の居たリベロ(中央センターバック)には鈴木が右CBからスライドし、大森が右CBに入る。その他、GKが河田→藤田・ボランチの片割れが神戸→西谷と計3人変更。ベンチで名新しいのは、16節以来のメンバー入りとなった松岡か。

スタメン

常時ボトムハーフという位置ながら、残留争いにおいて深刻な状況とはならずに済んだという両クラブ。
順位こそ金沢の方が上ですが、危険水域に近付いたのも金沢の方だったでしょうか。

最大の危機が5連敗(27~31節)で、その5試合で17失点と守備陣の崩壊ぶり。
ここから良く盛り返し勝ち点を稼いだものですが、依然として失点は多く。
クリーンシートは23節(大宮戦・1-0)以降無しで、連敗後も2失点以上の試合が5度と、攻撃力に針が振れて何とか建て直したという格好となりました。
そんな状況でクラブは既に柳下正明監督の続投を発表済みで、来季でついに7年目に突入する事となります。
果たして終盤に手ごたえを感じての決定か、それとも「縋れるのは柳下氏だけ」という後ろ向き思考故のものか。

そんな来季への展望を考えさせながら始まった試合、ともにボールポゼッションに拘らないチーム同士に相応しい立ち上がりを描き。
つまりはアバウトな蹴り出しが目立ち、ボールの行方が定まらないというものとなりました。

しかし栃木は、そんな「ポゼッションに拘らない」特性を持つ相手の場合は、自発的にポゼッションを高めにいくように振る舞うのが今季。(代表例=34節・群馬戦
3バックの片側、主に左CBの吉田を前へ上げつつのビルドアップを見せ、ボールを地面につけてのパスワークも敢行していきます。
そんな相手の姿勢に面食らった金沢、前半10分に自陣で長峰が栃木・黒﨑の猛烈なプレッシングを受けてボールを失うと、奪い合いの末に再度収めた黒﨑のドリブルを嶋田が後ろから倒してしまい反則。
これで得た直接フリーキック、キッカー谷内田が直接シュート(ゴール上へ外れる)というファーストシュートのシーンになりました。

落ち着きを取り戻した金沢は、ロングボールで右SHの大石を裏へと走らせる攻撃を続けるなど、栃木・吉田の背後を突くように立ち回り。
次第に攻撃機会を増やしていくと、栃木の持ち前のプレッシングは影を潜めていき。
その結果金沢も最終ラインからショートパスで繋ぐ攻撃の時間が増えていくという具合に、お互いにグラウンダーでのビルドアップが見せ場となる逆転現象が起きる事となりました。

ボールを握る時間が長くなった金沢ですが、カウンターによる攻撃に趣があるチーム特性なのは周知の通り。
ショートパスでの前進を図っても何も起こらず、という攻撃を繰り返し。
栃木サイドもプレスを控えめにしていたのは、それを理解していたからという風さえ窺えました。
そんな攻めあぐむ金沢を尻目に、ゴールを狙いにいく栃木。
33分には中盤からのFKでエリア内右へと放り込み、根本の落としから中央へ浮き球のまま繋げ、西谷がダイレクトでシュート。(GK白井キャッチ)
36分には右サイドで細かく繋いでいき、谷内田が奥を突いてクロスも逆サイドへ流れ、拾った森から左奥での攻撃。
そしてポケットを突いた末に森から再度クロスが入るも合わず。

有効打がボール支配率の低い側に傾倒するというありがちな絵図となりましたが、終盤に来て金沢も好機を迎え。
44分に浮き球の応酬から大石ダイレクトで縦パス→杉浦恭平ポストプレイ→林受けてエリア内へスルーパスという素早い繋ぎを経て、エリア内右から大石がマイナスのクロス。
ニアで嶋田が合わせたもののミート出来ず流れ、逆サイドでの長峰のクロスの跳ね返りを松本大弥がミドルシュートを放ち、ブロックされて右コーナーに。
最初の嶋田クロス→杉浦恭フリックは厚く当たって失敗も、再び嶋田に渡ってクロス、ブロックでコースが変わるも杉浦恭がフリックで合わせ。
これがゴール左へ向かうも、GK藤田のセーブに阻まれ先制ならず。
押し気味相応のフィニッシュシーンが齎され、期待感を持って前半を終えました。

そしてハーフタイムを挟んで、今季最後の45分。
共に交代は無かったものの、栃木サイドはポジションを入れ替え、センターバックの左右をチェンジ。
吉田が右CBへと移り、大森が左に回りましたが、恐らくは金沢・大石の跳梁を止める意図があったでしょうか。

それを受けた金沢は、早速逆の左サイドでの前進を目立たせる立ち上がりとなります。
対策が早いというべきか、実に正直すぎるというべきか悩む所。

杉浦恭が左サイドへ張り出し、長峰のオーバーラップも絡む事で前進は果たされ。
栃木はマイボールになっても自陣深めに追い込まれ、クリア気味のパスを跳ね返されて攻撃を継続されるというシーンもあり。(後半5分)
しかしゴールを脅かすシーンはあまり無く。
12分に長峰のクロスを栃木・西谷が腕に当ててハンドとなり、左サイドからのFK。
キッカー嶋田のクロスをファーサイドで松田がボレーシュートにいきましたが、ジャストミート出来ず後方へのボールとなってしまい。
結局先制点への流れを作れぬまま、ペースを失う事となりました。

14分に先んじて動いた栃木ベンチ、根本→宮崎へと交代。
ここから攻撃リズムを掴まんとする栃木、ターゲットとして振る舞う宮崎を盾としつつ、相変わらずショートパス重視の立ち回り。
ポジションが変わった吉田のオーバーラップも不変で、前半とは逆の右サイドで人数を厚くする役割を担い。

次第にプレスの圧も強まっていき、そこから好機に繋げる栃木。
18分に敵陣中央で黒﨑のカットから、左サイドで森が斜めの縦パスを入れ、受けた谷内田がシュート。(ブロック)
24分には左サイドで谷内田がパスカットしたのち、逆サイドへパスを繋いでいき、エリア内右から黒﨑のグラウンダーのクロス。
これが中央の谷内田に収まり、ボールキープでシュートコースを探す谷内田でしたが結局撃てず。
直後には右サイドで吉田が反則気味にボールを奪い、拾った鈴木からすかさずクロスが上がると、宮崎のヘディングシュートが放たれましたが枠外に終わります。

金沢ベンチが動いたのは23分で、大石→須藤へ交代。
右サイドをテコ入れしたものの、以降も左サイド重視の姿勢は変わらず。
27分には右からの攻めでしたが中盤をスキップする松田のミドルパス、エリア内右の杉浦恭の前でカットされるもこぼれ球に反応して拾った杉浦恭。
そして中央へ横パスを送り、受けた林がシュートするもゴール左上へと外れ。
単純な攻めの方が惜しいシーンに繋がり、やはり現状の金沢にポゼッションサッカーは似合わないといった感じでしょうか。

29分に栃木が動き、谷内田・西谷→植田・神戸へと2枚替え。
その栃木も次第にショートパスによる攻撃は有効性が消え失せ、宮崎狙いの浮き球パスの割合が増えていき。
32分には左サイドでミドルパスを受けた宮崎がサイドチェンジ、一転して右サイドでの攻撃から、高萩のクロスを合わせにいく宮崎。
ディフェンスに遭いこぼれ、クリアが小さくなった所を森が追撃のシュートを放ちましたが、金沢・松田のブロックに阻まれゴールならず。
その後黒﨑のクロスを植田が無理矢理バイシクルにいき空振りとなる(33分)など、こちらの攻撃も万全ではないシーンが描かれ。

スコアレスの通りにどちらでも無いという展開の中、34分に3枚替えを敢行する金沢。
杉浦恭・林・嶋田→豊田・丹羽・平松と、一挙に前線の顔ぶれを入れ替えます。

栃木は優位性をすっかり失い、殆ど好機を作れずという状況に。
42分に宮崎のポストワークで金沢・庄司の反則を誘うも、FKはかなり距離のある位置。
これをキッカー黒﨑が直接狙ったものの、ゴール上へ大きく外してしまい、流れが無いのを助長するのみに終わりました。
そのFKの直前に、金沢はラストマッチとなる廣井を投入。(孫と交代)

チームを支えたベテランの投入で、それに応えたいという意思も抱えた金沢。
迎えたアディショナルタイム(栃木は最後の交代、高萩・森→大島・松岡)、栃木の左サイドからのFKを直接キャッチしたGK白井、素早くスローして攻撃に繋げ。
受けた平松が左サイドをドリブルとカウンター気味に敵陣へ運び、スピードダウンするも、長峰が手前から上げたクロスの先に居るのは豊田。
ファーサイドでヘディングシュートが放たれましたがGK藤田がキャッチと、万感の思いをはせたフィニッシュも実らず。

最後にはGK白井ロングフィード→豊田フリックという単純明快な流れで生まれる好機。
エリア内で丹羽が拾い、こぼれた所を平松がシュートするもこれもブロックに阻まれ。
どうしても先制点に辿り着けないまま、試合終了の笛を聴く事となりました。

上位を窺うには力不足という、スコアレスドローで締める事となった両クラブ。
それでも既に体制は続投が決定しており、路線を継続しつつ上積みを図るという流れは恐らく変わらず。
変化という誘惑に耐えながら、J2の座を維持する戦いは続いていくでしょうか。

コメント
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