※前回の金沢の記事はこちら(8節・新潟戦、0-1)
※前回の群馬の記事はこちら(5節・北九州戦、0-2)
今季も3分の1を消化。
序盤は勢いが良かったものの、現在は12位まで落ち込んでしまっている金沢。
最近5試合で3連敗を含んでの未勝利(2分3敗)もさる事ながら、内容的にも前回観た際の「シュート数が非常に少なく、耐える時間帯が長い」というものを引きずってしまっており。
リードを奪っても後半にそれを失い、逆に先制されるとパワー不足が露呈するという内容が続いているここ5試合。
果たしてこの状況から抜け出し、再度上位に肉薄できるかどうか。
カンフル剤としてか、12節・水戸戦の逆転負け以降、庄司→廣井・大橋→本塚とベストメンバーを弄り。
この日は大橋をスタメンに復帰させており、2試合のリフレッシュ効果は表れるでしょうか。
試合序盤、前半4分の群馬の攻撃で中山の縦パスを大前がトラップした際、主審に当たりこぼれた所を奪われ。
当然ドロップボールとなり、フリーキックにも似た位置で審判からボールを受けた大前。
この攻撃はフィニッシュに繋がらずも、直後の5分には平尾の左からのクロスがクリアされると、拾った加藤が中央へ向かうドリブルからカットイン。
エリア内へパスを出した所に、内田が走り込んでシュート。
ブロックされ、直後のスローインでは岩上がロングスローのフェイントから繋いで右サイドから岩上のクロス、クリアされたボールを平尾がミドルシュートを放つも枠外に。
この日も立ち上がりは群馬の攻勢で、いつもと変わらぬ展開を強いられそうな予感が浮かんでしまう金沢。
しかし群馬の攻勢が続く所に、10分にカウンター攻撃。
右サイドで縦パスを受けた嶋田が中央へロングパス、収めた瀬沼が右へと流れ、エリア内右へ進入しシュート。(ブロック)
以降群馬からペースを剥がして逆に攻勢に入るという、文字通りのカウンターとなったシーンでした。
その後の時間帯は右サイドでのボール奪取からの攻撃が目立った金沢。
逆に言えば、群馬は左サイドからの攻撃が今一つという所で、20分過ぎからは逆の右サイドから好機を作る場面が目立ち。
そんな流れで飲水タイムへとたどり着きます。(23分)
明けた直後は群馬が左右双方から一度ずつ攻撃を仕掛けるも不発で、直後の26分に金沢の逆襲。
素早く前線にボールを送る攻撃でエリア内に繋ぐも、クリアされ左コーナーキックに。
しかしここから、キッカー藤村の中央へのクロスを廣井がドンピシャで跳んで合わせ、ヘディングシュートをゴールへ突き刺し。
セットプレーで先制した金沢。
尚も30分に、相手のクリアボールを拾った藤村がロビング、エリア内右で収めた瀬沼がシュートを放った(ブロック)金沢。
しかし以降は群馬が反撃に出ます。
ビハインドとなった事で、右サイドからの攻撃を重視する姿勢へと移り変わり。
パスを繋いだのちの岩上(この日は右サイドバックでのスタメン)の長いパスを主に好機を作っていきます。
人に付くのが基調の金沢ディフェンスは、この岩上のパスで翻弄されるも、何とか最後の所でやらせず。
群馬は良い流れを作るも、フィニッシュシーンは殆ど見られず。
ポゼッションスタイルのチームの典型に陥りつつ、前半を終える事となります。
後半の前に、リードしている金沢が大胆な2枚替えを敢行、渡邊・大谷→片倉・ホドルフォへと交代。
群馬の跳梁を許している事を重く見たのか、左サイドの選手を一気に取り替える采配を見せた柳下正明監督。(試合後のコメントで「ザルだった」とまで言っていたのが印象的でしたが)
この荒療治が奏功したのか、後半が始まると群馬の勢いは萎み。
ハーフタイムに奥野僚佑監督が「右サイドの攻撃を続けていこう」とコメントしていた(放送席での情報)通り、群馬は右の意識を相手に止められた格好となりました。
それでも最終ラインから繋ぐ群馬に対し、金沢は果敢なプレッシングが目立った立ち上がり。
そこでパスミスを誘発させタッチに出させると、さらにCKを獲得。
これが後半7分の事で、以降金沢が「攻撃機会を掴む→CKを取得」という流れが4度連続するという具合に押し込み続けます。
10分には群馬のスローインでしたが、岩上が投げ入れをミスしてホドルフォが拾うという信じられないシーンが生まれる(そこからホドルフォがクロスもブロック→CKに)など、群馬は全く反撃の糸口を掴めない状況に。
14分に何とか群馬が攻撃機会を得るも、結果はそこからのカウンターでまたも金沢が攻撃。
ホドルフォが左サイドをドリブルし、彼から受けた丹羽がエリア内左へ進入しシュートを放つも枠外に。
さらに19分には群馬のパスミスを丹羽が拾い、左サイドでホドルフォがクロスを上げ、クリアボールを拾った大橋がエリア内へスルーパス。
丹羽が左で受け、さらにマイナスのクロスを中央へ送るも繋がらずと、群馬のミスが目立ちつつある展開に。
直後に群馬ベンチが動く(平尾→久保田に交代)ものの流れは変わらず。
23分には右ハーフレーン・エリアからやや手前でのフリーキック、ホドルフォが直接シュート、ゴール右上を襲いますがGK松原がファインセーブで防ぎます。
直後の24分には左サイドでホドルフォがボール奪取し、拾った瀬沼からのスルーパスに走り込んでクロス。
クリアされてここからCKが2本続くなど攻勢は止まず(2本目で丹羽折り返し→大橋シュート・ブロック)、この時点で後半だけでCKは7本となった金沢。
群馬の反撃ムードが沸かないまま迎えた後半の飲水タイム。(25分)
今季は嫌でも熱くなりそうな残留争いですが、現時点での最低の勝ち点は11。
このクラブは5つもあるという混戦ぶりで、そのうちの1クラブが群馬。(後は愛媛・相模原・大宮・北九州)
今節には他の4クラブがいずれも直接対決を行う「6ポイントマッチ」が2試合組まれており、それを尻目に勝ち点を得たいという状況です。
しかしこの日の相手の金沢同様、群馬も5戦未勝利という状況。(1分4敗)
浮上の芽を掴み抜け出したい所ですが、相手の攻撃の圧を受けるとどうしようも無い、という内容が顕著。
前節・磐田戦(0-1)のように、個の力では敵わないのが明らかな相手も依然として数多いという苦しい編成を強いられる中、何処まで組織力でカバーする事が出来るか。
後方からパスを繋ぐ攻撃が主体、というのもそのうちの一つですが、それでも中々得点チャンスに繋げられないのがもどかしい。
この日は繋ぎの時点で失敗し相手の火力を受けるシーンが目立つなど、やや根幹が揺らいでいるような感じですが、それでも残留に向けて屈する事は許されない。
飲水タイム明けで、群馬は2枚替えを敢行(高木・内田→北川・金城ジャスティン俊樹)し建て直し。
てっきりジャスティンがそのままボランチに入るかと思われましたが、取った手段は岩上をボランチに上げて、ジャスティンを右SBに入れるというものでした。
この日の前半はボール配給を巧みに行っていた岩上が、中盤の底へ移った事で反撃の狼煙を上げます。
左右へとボールを散らせる体制が整い、ようやく両サイドから攻撃を敢行出来るようになり、金沢を押し込み始めます。
33分には左サイドでのパスワークに右サイドハーフの田中が加わり、前進を果たしたのち加藤からクロス。
クリアボールを大前が落とし、岩上がミドルシュートを放つも枠を捉えられず。
しかし逆に金沢のカウンターとプレスにも脅かされ。
32分は嶋田のパスカットから瀬沼がドリブルで持ち上がり、エリア内に入ったのち戻し、ホドルフォがミドルシュート。(瀬沼に当たって枠外)
34分にはGKにまで詰めにいった金沢、左サイドで片倉が奪った所をジャスティンに倒され反則・FKに。
このFKから二次攻撃で繋ぎ、嶋田の縦パスがこぼれた所を松田がシュート。(枠外)
金沢の攻撃に悩まされましたが、反撃の1点を奪うべく攻勢を掛けなければいけない状況。
36分には左サイドから久保田がクロス、クリアされたボールを岩上が拾い、再びミドルシュートを放ちましたが惜しくもゴール左へ外れ。
セカンドボールから有効打を放つなど押し込んでいく群馬ですが、依然として得点は奪えずに時計の針も進んでいきます。
金沢が試合を閉めるべく交代カードを切っていく(41分に大橋・本塚、アディショナルタイムに瀬沼→杉浦恭平)なか、群馬は42分に得たかなり遠目からのFKを、大前が直接シュート。(ゴール上を襲うもGK後藤セーブ)
その後のCKで大前がお役御免となり(白石と交代・43分)、1-0のまま迎えたAT。
金沢サイドがホドルフォがコーナーでのキープの際、相手に当てて外に出すのをミスしたり。
また丹羽のエリア内でのシュートが、DFに当たり枠外となるもゴールキックと判定されるなど、群馬に運が向いてきたというようなシーンが頻発。
そして4分台に突入し、右サイドからのスローインで岩上がロングスローを入れる体勢に。
ニアサイドに入ったボールを田中がフリックすると、中央で白石がヘディングシュート。
ゴール右へと突き刺さり、セットプレーから土壇場で同点に追い付いた群馬。
そしてキックオフしたのち試合終了となり、1-1で引き分け。
ともに6試合ぶりの勝利はお預けとなり、(大宮が負けたため)何とか底辺からは脱した群馬。
先日にはクラブからファンへのメッセージが発表されるなど、再度J3へと転落してしまうのは避けたいという気持ちが窺えますが、その思いが報われる日は訪れるでしょうか。