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DAZN観戦 2021年J2リーグ第12節 愛媛FCvsジュビロ磐田

2021-05-08 17:05:55 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(4節・甲府戦、0-1)
※前回の磐田の記事はこちら(9節・大宮戦、3-2)

試合前に降った雨により、非常に難儀なピッチコンディションの中行われた試合。
傍らから観るのみならば迫力満点の死闘といった感じでしたが、実際に戦っていた方々はどうだったでしょうか。

そんな状態のニンジニアスタジアムでホームチーム(愛媛)の指揮を執るのは、既に和泉成徳氏では無く。
前年京都の監督を一年間全うした實好礼忠氏が、コーチから昇格してその座に就いているのが愛媛の現在です。

愛媛の総力を挙げてJ2残留を目指す、というのが開幕前のコンセプトだったと思われますが、6節終了後に早くも和泉氏は辞任を表明。
2分4敗という低空飛行ぶりである意味仕方無いのでしょうが、元々下位が予想されただけに、諦めの早さだけが目立ち。
7節(岡山戦・2-2)でのDAZN中継の中では「男気を見せた」などと語られていましたが、個人的には「駄目だったので辞めます」というぐらいにしか思えませんでした。キツい言い方をすれば、最初から就任要請を受けるべきでは無かったかと

そして青天の霹靂のように、再度監督の座が巡ってきた實好氏。
所謂「監督解任ブースト」(辞任ですが)に乗っかり、3戦で勝ち点7を積み上げましたが、そこから連敗。
自動降格ラインを行ったり来たりするチーム状況で、ある意味ここからが残留への本格的な戦いとなるでしょう。

就任するや否や、4-1-2-3を基本フォーメーションに取り入れた實好氏のサッカー。
前年の京都時代との違いを見せたかったのかは不明ですが、奇しくも實好氏が去った後の京都も、 曺貴裁(チョウキジェ)氏の下同じフォーメーションを取り入れたのは単なる偶然なのか。
この日は、4月末に育成型レンタルで加入した唐山をセンターフォワードに起用してきました。

ピッチ上のあらゆる所に水たまりが浮かぶというコンディション。
おかげで入りはピンボールサッカーとも言うべき、お互いとにかくボールを蹴っていくスタイルとなりました。
象徴的だったのが前半8分の磐田、GK三浦のロングフィードをルキアンが浮かせるポストプレイで後方へ、それをさらに伊藤がダイレクトで前方に蹴り出し。
そのボールが一気にエリア内へと入り、受けた山田がクロス、という攻撃。(ブロックされてコーナーキックに)

特に愛媛陣内に多く存在した水たまり。
当然の如く磐田はそれをしたたかに利用し、ひたすら裏狙いのパスを送り選手(主にルキアン)を走らせる攻撃で愛媛を脅かしていきます。
水で止まるボールで愛媛ディフェンスを幻惑し、それを必死でクリアする愛媛により、スローイン数も増大。

最初の決定機は10分の右CKで、一旦クリアされたボールを伊藤が拾ってシュートにいくもミートせず。
しかし大井が繋いで再び山田からクロスが上がると、ルキアンがヘディングシュート。(ゴール上へ外れる)

「ゴールが見えたらシュート」というような攻撃もこの日の磐田の特徴で、15分にはルキアンが中盤からロングシュートを狙う(GK秋元キャッチ)など、悪状況による紛れを招かんとする振る舞いを見せます。
18分はルキアンのシュートが空振りとなり(この悪コンディションは当然磐田サイドにも影響が出る)クリアされたボールを、山田がミドルシュート。(GK秋元キャッチ)
19分にも鹿沼が際どいミドルシュートを放つ(ゴール右へ外れる)など、遠目からでも積極的に撃っていきます。

このように磐田が圧倒して攻め込み続けた前半ですが、得点は出来ないまま23分に飲水タイムを迎え。
明けた後、最初に好機を掴んだ愛媛で25分、ルーズボールに川村が反応し裏へロングパスを送ると唐山が抜け出し。
そしてエリア内左を抉りますが、磐田・大井に倒されてゴールラインを割り、反則の笛も吹かれず終わります。
それでも磐田サイドに、ワンチャンスの怖さを植え付けるには十分のシーン。

29分には磐田が、森岡のロングパスを大森がフリックすると、ルキアンが裏抜けの形で受ける好機。
そしてシュートにいったルキアンですが、ミートせず枠外となりモノに出来ません。

攻撃機会が少ない分、一発に賭けるというサッカーを展開する愛媛は31分。
右CKを得ると、キッカーの位置に森谷と内田の2人を立たせる奇策を採り、森谷のニアサイドへのクロスがこぼれた所を唐山がシュート。
決まったかと思われましたが、GK三浦のファインセーブに阻まれます。
その後もスローインを得ると、茂木がロングスローの体制を取り、ロングスローと見せかけて近くに放るなどと変化を付けての攻撃を見せます。

次第にそんな愛媛の姿勢に押され始める磐田でしたが41分。
今野の裏へのロングパスが、水たまりで止まった所にルキアンが走り込むという、自然を味方に付けての好機。
ルキアンはダイレクトでシュート、それもGK秋元の上を通しにいくループシュートを狙いましたが、ここも巧くミートせずに枠外に。

文字通りの泥臭い攻防が続き、前半終了間際には磐田が中盤からのフリーキック。
この日は自陣からでもFKは放り込む姿勢を取っていた磐田、ここでもその体勢でしたが、キッカー山田は変化を付けてエリア手前へのパス。
しかしこれが愛媛のカウンターを招いてしまうと、内田の右サイド裏へのロングパスに唐山が走り込み、拾ったのちカットインでエリア内へ。
一旦はクリアされるも、拾った茂木がそのまま強烈なミドルシュートを放ちますが、GK三浦が辛うじてセーブ。
その後のCKでも、内田のクロスをニアサイドで川村がフリック、誰かが触ればというシーンを作りましたがゴールはならず。
シュート数は磐田が圧倒しながらも、ゴールを脅かした回数は互角といった印象で、前半を終え折り返します。

ハーフタイムの間に、水たまりを除去する作業が行われて迎えた後半戦。
それでも完全にとはいかず、画面上で目立たなくなったのみで依然としてボールが止まる現象は散見。

後半立ち上がり、ここも前半同様に磐田が押し込む展開。
それに対し愛媛は、守備時には右ウイングの小暮を右ウイングバックの位置まで下げ、5バックの体勢で守ります。
それでも、後半の愛媛陣内の左サイド(磐田から見て右サイド)、水分の少ない部分でパスワークを展開する磐田。

後半9分、そこから一転して左サイドで形を作り、今野のミドルパスを中央でルキアンが受けてエリア内へ進入。
そしてシュートを放ち、GK秋元がセーブした所を山田が詰めてシュートしますが、ブロックに阻まれゴールならず。
自然に左右される要素が少なくなった中でも、磐田のクオリティが冴え渡り。

前半から守備に走らされてきたという印象の愛媛、11分に近藤・唐山→藤本・吉田へと2枚替え。
早めに動き体勢を整えようとしたのが伺えましたが、結局交代カードは使い切らずに終わります。

ルキアンの脅威が目立った前半の磐田ですが、後半は伊藤(左WB)がゴールを狙う場面が多くなり。
13分に右ハーフレーン・エリアからやや手前の直接FKを得ると、伊藤が直接シュートするもエリア内でブロックされ。
こぼれ球を鹿沼が拾い、彼のクロスがクリアされたボールを、伊藤がさらに遠目からシュートするもGK秋元がキャッチ。
15分には右サイドで鈴木雄斗のロングパスから、受けた大森がエリア手前中央へ送ると、再び伊藤がシュートしましたがゴール右へと外れ。
彼の動きに触発されたか、その後18分に山田がエリア内右からシュート。
20分には山本義道が中央遠目からシュートと積極性を取り戻しましたが、いずれもGK秋元のセーブに阻まれます。

一方の愛媛は交代で入った藤本が左サイドをドリブルし、活路を見出す場面が見られたもののシュートには繋がらず。
また後半からは、CKは普通に内田が蹴るスタイルへと転換するなど、前半程のクレバーさは見られずに時を過ごし。

飲水タイム(24分)の後も磐田の猛攻は続き。
26分にはCKからの二次攻撃で、伊藤が再びミドルシュートを狙い、ゴール上へと際どく外れ。
28分には右サイドで鹿沼・山田・鈴木雄・大森でパスを繋ぎ、最後は大森が右アウトサイドで浮き球のパスを送り、走り込んだ森岡がクロス。
これをルキアンがバイシクル気味にボレーシュートを放つも、枠を捉えられず。

その後も磐田は攻め続けますが、流石に攻め疲れてきたか、交代カードに手を付け始め。
28分に大森→藤川へと交代、36分にはルキアン→小川航基へと交代。
中心ともいうべき2人が退いた事で、ペースダウンを余儀なくされます。

愛媛サイドも、29分に横谷→岩井に交代したものの、これ以降交代カードを切る事は無く。
我慢の展開を過ごし、そして所々惜しいシーンを作っていたため、必要性を感じられなかったのでしょうか。
33分左サイドでのスローインから攻撃、内田のクロスがファーサイドに上がると、小暮が折り返したボールが中央の吉田の下へ。
後は合わせるだけというシーンでしたが、吉田は合わせたもののミート出来ず、クリアされてゴールならず。

45分には再び左サイドでのスローインから、藤本が倒れながらもキープして繋ぎ、受けた岩井がエリア内左へ進入。
中央へ流れてこぼされ、川村が拾いシュートしたもののブロックに阻まれ。
終始攻め込まれる中、蜂の一刺しの如き先制点を期待させたものの、結局それが生まれる事はありませんでした。

泥仕合に相応しい、引き分けという結果に終わったこの試合。
とりあえず連敗を止めた愛媛は、残留へ向け貴重な勝ち点1に出来るかどうか。
この日のようにとは極端すぎますが、泥臭く戦い抜けるでしょうか。

コメント
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