ドームで観戦するのは1年半ぶりぐらいか……と思いつつ、その間にこのご時世にも拘らず浮気っぽい旅をしてしまった事を猛省。
そんな訳で、大通地下歩行空間にある「ISHIYA CAFE」で、腹ごしらえという名のお布施を行う事にした入り。
とは言っても、観戦を決めた同期としては「鳥栖の完成度の高いサッカーを生で観たかった」というものであり。
元来(昇格したての2012年頃)、全員の意思が統一されたプレー(とはいっても当時はショートカウンター偏重でしたが)で勝ち抜くのが売りである鳥栖というクラブ、その気概が蘇ったとあらば今季の躍進もある意味当然だったのでしょう。
経営危機を招いてしまったフェルナンド・トーレス獲得などの拡張路線は、やはり誤りだったという事を自ら証明するかの如き好調ぶり。
これにラフプレーが無くなれば純粋に応援したいと思う
自転車で市街地から向かい、定刻(17時30分に入場開始)ちょっと前に到着。
今回は前述の指向から「奮発してメインスタンドで観るぜ」と勇んで入場しましたが、その実態は単に「一般販売開始の時点でメインスタンドの席以外は売り切れだった」というオチ。
5千人という入場制限でしたが、席の配置は1つ飛ばしであり、もう少し離して欲しかったのが正直な所。
前回の東京・味の素スタジアムでは、1万人でしたが3つ飛ばしだった事を考えると……。
さて客席へ向かうと、既にイベントは始まっており。
テレビ中継のイベントみたいな事をやっていましたが、司会はスタジアムDJ・ゲストの女性はいずれも「コンサドールズ」のメンバーとの事。
臨場感あるトーク番組、といった感じで、この影響か某大森健作氏のコーナーは無し。去年からなのかは観ていないので不明
その時間帯に合わせて売店に行こうと思っていたので、肩透かしを食らった感じでした。
この日は「サッポロクラシックデー」。
自分も大好きなビールですが、アルコールは販売停止中なため、あまりのタイミングの悪さに苦笑せざるを得なかったです。
売店に行き、赤黒オセロを買おうかどうかひたすら迷った末、何も買わず。
ではスタジアムグルメを堪能といっても、今回は事前に食事をしたのでこの場では食う気が起こらず。
結局帰宅後の家飲み用に購入したぐらい。
席に着き、掲げられている弾幕を見回してみます。
岡村に「攻めろ」と言っているような配置。
センターバックが簡単に攻めたらいかんだろ……と下衆なツッコミをしてみます。
キッチリ(彼の身長とほぼ同等の)2mの幅で作られたらしい、GK中野の弾幕。
大森氏の某コーナーの穴を埋めるべく、練習直前というタイミングでドーレくん+コンサドールズのパフォーマンスが。
今まではバックスタンドからだったので、正面から観たのは初めてかな。
その後両チームの練習が始まり。
ミッドウィーク開催かつ、両クラブともプレッシングが売りなので、まずはボールを持たない体幹運動を重視。
ただ札幌がメンバー全員で行っていたのに対し、鳥栖はレギュラー組のみで、サブ組は既に対面パスの練習に入っていたという違いがありました。
その練習の最中にスタメン発表。
札幌は他のチームよりどう考えてもタイミングが早い。(徳島もFC東京も、選手入場直前だったので)
まあインターネットでは、開始2時間前に知る事が出来るのですが。
あれ(最後の観戦)から2年も経った……という事を実感させる、選手紹介時のカラーリングの変化。
新星アタッカーの2人。
特別指定時代から観て来た金子も、すっかり得点源の一人にまで成長と、遠く離れた所に行ってしまった感があり。(何様だよ)
裏抜け能力は鈴木(武蔵)に勝るとも劣らない小柏、故障の多さはそのプレースタイル故仕方無いのかと思いつつ、(得点という結果で)もっと報われて欲しい存在。
岡村はJ2が育てた。(何)
ここまでスタメンは2試合のみでこの日もベンチ止まりですが、キムミンテが退場渦に呑まれている現在、きっとチャンスはあるさ。
コンサドーレ25周年、と釘打たれた今季。
試合前のイベントも盛り上がり……たい所ですが、制限下ではやれる事は限られ。
OBである高木貴弘氏のインタビュー。
2007年・2011年のJ1昇格時にピンポイントで在籍していた選手で、現在はアカデミーでGKコーチとの事。
失礼ながらここで初めて知りましたが、OBの事をもっと知識に入れるのも面白いかも。カフェ経営している岡田佑樹氏とか
その後「サッポロクラシックデー」にちなんだVTRが。
札幌のエンブレムも、25周年を記念した特別なデザインに。
……しかし何処と無く、新潟のに似ているのは気のせいか。
そういや新潟もサッポロビールをスポンサーに……いやこれ以上は止めましょう。
気を取り直して、この日のスタメン。
前節(清水戦・2-0)ではアンデルソン・ロペスの故障、キムミンテの一発退場と、様々な犠牲を払ってしまった札幌。
1トップにはジェイが入り、菅が2試合ぶりのスタメンと、入れ替え自体は大人しく。
一方の鳥栖も中野嘉大→小屋松のみという動きで、しかも中野嘉が札幌からレンタル中という事情。
お馴染みである(と思われる)、ギャラクシーを絡めた暗転演出からの選手入場。
シャッターを押しまくるぞ、と意気込んでいたものの、スタンディングのため視界を確保できず終わってしまいました。
選手整列・写真撮影を経て散っていく中、ピッチサイドに現れたミハイロ・ペトロヴィッチ監督。(以下ミシャ)
椅子と杖が用意されているなど痛々しさを感じさせられますが(オフには骨折もしてしまったそうな)、気丈にこの日も指揮を奮います。
キックオフも目前となり、こちらから近い位置を取るのは金子小屋松。
自分が最も鳥栖で注目している選手であり、活躍を期待したものの、この日は相手の対策に嵌る事となりました。
前半が始まり、ロングボールの蹴り合いを経て、ボールキープしていく鳥栖。
しかし前半4分に札幌のプレッシングが嵌り金子がカット、彼からパスを受けた小柏がシュートを放つもGK朴一圭(パクイルギュ)がキャッチ。
直後の5分に鳥栖もやり返し、山下のディフェンスから、小屋松が前進してエリア手前右からシュートするも枠外に。
以降は11分に樋口がシュート(ブロック)、直後に松岡がミドルシュート(枠外)、16分に仙頭がシュート(ブロック)と鳥栖のフィニッシュシーンが目立ち。
しかしGK菅野を脅かすボールは撃てず、一方の札幌は12分に小柏の右→左へのサイドチェンジを受けた菅が、カットインからシュートを放つもGK朴がセーブ。
21分には福森縦パス→ジェイポストプレイ→深井スルーパスというダイレクトプレイを経て、小柏が裏へ抜け出しGKと一対一になる絶好機。
GK朴が跳び出した所を、左を抜くシュートを放った小柏ですが、外れてしまいモノに出来ず。
ゴールを脅かすという要素で札幌が上回りつつ、飲水タイムへ。
リボンナポリン。
ブレイク中に更なる手を打ったらしき札幌。
ディフェンスの際は田中駿が上がり目の位置を取り、反対にいる福森が中央に絞り。
まるで宮澤・福森の2CBという感じの守備陣形で、どうやら小屋松をケアすべくの方針を取ったようでした。
以降札幌が攻撃権を支配し、鳥栖は思うようにパスを繋げず、ロングボールを蹴っていく展開に。
反面、イレギュラーな布陣が仇となったか、攻撃では福森がキラーパスを供給する局面は減り。
思うようにミシャ式の基本形が取れず、右サイドで金子を走らせてのクロス攻撃がメインとなりました。
しかし適応を見せたか、前半終了間際は福森が左サイドで高目に位置取るお馴染みの形へ修正。
45分にその左から前進したのち菅のクロスが上がると、ファーサイドで金子の折り返しから小柏がシュートしましたが、枠を捉えられず。
アディショナルタイムにも、ジェイが競り合ってこぼれたボールを小柏が拾いエリア内を急襲しますが、ディフェンスに遭い得点出来ず。
積極性を見せた小柏の動きが目立ったものの、前半はスコアレスで終了となりました。
ハーフタイムに突入し、バックスタンド側でダンスをするコンサドールズを尻目に、メイン側に現れたドーレくん。
その隣には……リボンちゃん。(リボンナポリンのキャラクター)
イラストとは違い、口を開けていないのが何ともシュールですな。(昔のイラストでは開けていませんでしたが)
次第に場馴れしてきたのか、ダンスに合わせるリボンちゃん。
のちにコンサドールズがこちら側に合流してきました。
ドーレくんがジャンプした瞬間の絵図。
そしてダンスが終わり、ツーショット。
サブ組が練習しているなか、やっぱり鳥栖・田代の特徴的な頭部が目立つな……なんて事を考えている内に、あっという間にハーフタイムが過ぎ去り。
(そういや他会場の途中経過が無かった気がした)
そして後半が始まり、前半良い流れだった札幌が早くも交代カードに手を付けます。
ただし90分持たないジェイに代わって青木と、妥当な交代でしたが。(小柏がFWにシフト)
後半も、田中駿が小屋松をケアする体勢を取る札幌。
しかし鳥栖も慣れを示し、主に逆の右サイドを中心にしてパスワーク。
良い流れを作り、前半はゼロであったコーナーキックを得てチャンス。
8分の右CK、キッカー仙頭のクロスをファーサイドで松岡がボレーシュート、しかしブロックに阻まれます。
9分に札幌も、深井のスルーパスを小柏が受けエリア内に入る(ディフェンスに阻まれ撃てず)など応戦し、互角の様相に。
そして先にネットを揺らしたのは札幌でした。
13分宮澤の左→右へのサイドチェンジのパスを田中がダイレクトで前方へ送り、受けた金子がエリア内へドリブルしてマイナスのクロスを入れると、中央で菅がシュート。
豪快にゴールに突き刺し、ドーム内もゴールの演出で盛り上がり。
しかし審判のVARチェックを経て、検証が挟まれる事に。
鳥栖サイドはその間に選手交代(山下→林)を行うなど、完全にゴール後のような流れとなっていましたが、結果はノーゴールに。
田中のパスがオフサイドだったという事で、札幌にとっては残念無念。
その後札幌は19分、駒井のドリブルシュートがブロックされたのちCK攻勢の流れとなるも、そこからシュートは生まれず。
一方の鳥栖は右サイドで反則を受けてのフリーキック攻勢に。
特に24分は、林が奥深くまで進入してからカットイン、エリアに入るかどうかという所で菅に倒されるという一歩間違えればPKだったシーン。
しかしこのFK攻勢(左サイドも含めれば3本)もシュートには結び付かず。
28分に遅めの飲水タイムが取られ、明ける際に札幌は2枚替え。(福森・駒井→荒野、ルーカス・フェルナンデス)
高嶺が福森の位置(左CB)に回り、ルーカスが右ウイングバックに入った事で金子がシャドーへ回ります。
31分の札幌のCK、キッカーはルーカスでニアサイドにクロスを入れるもこぼれ、金子がミドルシュートを放つも小柏に当たってしまいオフサイドに。
その後はベンチワークも交錯。
33分に鳥栖が小屋松・中野伸哉→大畑・相良と2枚替えを敢行すれば、35分に札幌も菅→ドウグラス・オリヴェイラに交代。(青木が左WBにシフト)
終盤の局面となり、前半同様に札幌が押し気味の展開に。
37分には金子のパスを受けた小柏がシュートを放つも、ブロックに阻まれ。
金子→小柏のホットラインは終始健在でしたが、ゴールは生まれる事は無く。
40分に鳥栖が本田→ドゥンガへと交代した後は、完全にロングボール主体の攻めへと切り替わり。
ドゥンガの高さを活かさんとするも、主導権は札幌に握られっぱなしでATを迎える事に。(43分に札幌は深井→岡村に交代、田中駿がボランチにシフト)
鳥栖サイドがファールも目立ち始めるなど疲労感も漂うなか、最後までクロス攻勢を見せた札幌。
VAR確認もあり6分となったATでしたが、最後まで得点が生まれる事は無く、試合終了の笛が鳴り響き。
0-0の引き分けに終わり、札幌は今季3度目、鳥栖は4度目となったスコアレスドロー。
札幌にとっては、ロペスの不在が響いた、という月並みな嘆きがこの日はピタリと当て嵌まったような試合だったでしょうか。
良い抜け出しで何度も決定機を作った小柏でしたが、最後の場面で外してしまったのが高くついた格好に。(この辺は前年のドウグラスと被るか)
一方の鳥栖は、左サイドの突破がままならず機能不全となった時間帯が長かったこの日。
各クラブの対策も徹底して来ているとしたら、2巡目はこのままだとキツくなりそう。
もう一段階の発展が欲しい所ですが、その手段は何になるでしょうか。