<湘南スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 谷
RCB 舘 CCB 石原広教 LCB 大野
RWB 畑 DH 田中聡 LWB 高橋
IH 池田 IH 山田
FW ウェリントン FW 町野
<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 DH 谷口 DH 車屋 LSB 旗手
DH ジョアン・シミッチ
IH 田中碧 IH 脇坂
RWG 遠野 CF 小林 LWG 長谷川
川崎を止められるのは何処か。
16節はミッドウィーク開催で、前回の際(5月12日の前倒し20節)は下位の仙台相手に2-2の引き分け。
ミッドウィークで下位相手、というのが一つのキーセンテンスとなりそうな結果となり、そしてこの日も下位の湘南が相手。
過密日程でターンオーバーを強いられるのは当然で、まさにそのやり時と捉えられがち。
この日も例外では無く、ジェジエウやレアンドロ・ダミアン、三苫・家長をベンチに留めてのスタート(ベンチ外に登里)となった川崎。
試合が始まり、ホームの湘南はFWのウェリントンを起点にしたロングパスを主体にして攻勢。
合流当初はジョーカーとしての起用が主だったウェリントン、コンディションも大分改善されてきたようで、従来のような幅広いポストワークで活躍を見せます。
折りしも川崎はジェジエウの居ない最終ラインとなっており、無理にエアバトルで対抗するよりはある程度自由にやらせる事を選んでいたでしょうか。
湘南の攻撃を凌ぎつつ、マイボールの際はしっかり攻撃を繋いで相手ゴールを脅かす。
そんな王者らしい振る舞いを取っていたでしょうか。
前半13分に右サイドでロングパスを収めた遠野がミドルシュートを放った(枠外)のがファーストシュート。
18分には長谷川の落としを小林が繋いだのち、遠野の短いスルーパスに抜け出してシュート。(GK谷キャッチ)
それでも水曜開催の影響か、お互いフィニッシュシーンは少なめの序盤戦となり、23分に飲水タイムが挟まれます。
明けた後は湘南が攻撃権を握るも、シュートまでは辿り着けず。
3バックの最終ラインを変形させ、2CBの形でビルドアップするというスタイルが特徴の湘南。
しかしその一列前はCBの片割れ(左右CBのどちらか)と、アンカー(田中聡)の2人で、やや流動的なスタイル。
鳥栖のようなボックス型を取る4人を完全固定させる形とはまた別で、ここから攻撃を展開させようとするも、この日はパスの精度が今一つ。
好機を作るのはロングボールか、プレッシングによる敵陣でのボール奪取が主となっていました。(まあその方が効率良いのは確かですが)
そんな湘南の攻撃に対し受けに回っていた感があった川崎。
30分に自陣左サイド・ゴールライン際から攻撃を開始、シミッチを中心としたパスワークで湘南のプレスをいなし、右へ展開したのち遠野からクロス。
これを小林がヘディングシュートで締め、ゴール右へ外れたものの、ここから本領を発揮する事となります。
39分にはシミッチの右へのロングパスから、遠野・田中碧・脇坂が繋いだのち、田中碧がエリア内へドリブル。
ディフェンスに阻まれるも、こぼれ球を遠野がシュートを放ち(GK谷キャッチ)、湘南ゴールを脅かし。
シミッチからの長短交えたパスワークが冴え渡り、攻撃権を支配したものの、ゴールは奪う事は出来ず。
前半はスコアレスで折り返します。
共に交代無く後半のキックオフを迎え、湘南が前半同様、ウェリントンを使い好機を作る入り。
高橋の裏へのロングパスにウェリントンが走り込み、GKチョンソンリョンがエリアを飛び出してクリアしたのが開始1分。
3分にはコーナーキックから、クリアされたのち石原広のロビングをエリア左からウェリントンが折り返し。
町野が合わせにいくも撃てず、こぼれ球を池田がボレーシュート。(ゴール左へ外れる)
4分も浮き球でウェリントンを走らせ、彼が前へ落としたボールを町野が拾い、エリア内右からシュートを放つも枠外に。
川崎に対し何もさせないという時間帯を作り上げると、迎えた11分。
流れの悪さに3枚替えを準備していた川崎サイドを尻目にボールを繋ぎ、右サイドを畑・池田の2人で突破して(畑が)クロス。
クリアされたのち今度は左サイドから繋ぎ、エリア内に高橋が入り込んで中央のウェリントンへ送ると、ウェリントンはポストプレイで後方へ。
そして池田がシュートを放つと、ブロックでエリア内へこぼれたボールをさらに高橋がシュート。
GKチョンソンリョンが至近距離でセーブするも、さらに山田がヘディングで詰め、ネットを揺らしゴール。
しつこいぐらいの追撃でついに王者の守備網を破り、先制点をゲットした湘南。
準備されていた3人を投入した川崎。(脇坂・長谷川・遠野→橘田・三苫・家長)
レギュラークラスの家長・三苫をグラウンドに入れた事で、ペースを取り戻す川崎。
三苫は得意のドリブルを見せ付け、16分にはそれを湘南・田中聡が反則で止めてしまい警告を受ける事に。
その2分後の18分、小林のポストワークからボールを受けた三苫、左からエリア内へと向かうドリブルで好機を演出。(フィニッシュには持ち込めず)
多彩なパスワークに足りなかったもの(ドリブル)を強烈に植え付けていきます。
そしてこのタイミングでダミアンを投入。(シミッチと交代)
小林が右WG・家長がIH・田中碧がアンカーへとそれぞれシフトし、さらに圧力を掛ける体制に。
また同時に湘南サイドもカードを切り、畑・町野→岡本・石原直樹に交代。
さらに3人目として平岡を用意(山田と交代だったらしい)していましたが、あろう事か田中聡が小破してしまい取り消しに。
すぐに田中聡に代えて中村が投入されました。
その直後の21分、早速ダミアンの破壊力が炸裂。
敵陣エリア手前で何度もサイドを揺さぶり、左サイド手前から旗手のクロスが入ると、ヘディングシュートを放ったダミアン。
跳び出したGK谷を押しのけつつループでゴールにねじ込んだものの、VARチェックののち主審がOFRに入った結果、ダミアンの反則となりノーゴールに。
25分に飲水タイムが挟まれたのちも、攻撃権を独占していく川崎。
しかしリードされているのは相変わらずで、焦りも加わる第4クォーターともいえる時間帯。
30分には小林のエリア内右からのクロスがブロックされ、こぼれ球を家長が繋ぐも、シュートにいった旗手はミート出来ず。(その後三苫が拾い折り返すもシュートまで行けず)
続く31分には、ディフェンスラインでの繋ぎで湘南のプレスを受けてしまい、GKチョンソンリョンまで戻されてしまうシーンが。
川崎がこうしてボール保持中に押し込まれてしまうのは観ていて新鮮であり、相当敗戦へのプレッシャーを感じてしまっていたのでしょうか。
32分に最後の交代枠を使い、小林→ジェジエウに交代。(家長が右WGに戻り、旗手がIH・車屋が左SBへシフト)
そのジェジエウ、直後(33分)には最後尾からドリブルで持ち上がるシーンを作ります。
これは好機に繋がらずも、何とか同点・逆転に向けての気勢を高めようとしているように映り。
その後は湘南・ウェリントンを抑え込む役どころに収まり、それを果たしていくジェジエウ。
そして37分、川崎らしい最終ラインでの繋ぎからでした。
ジェジエウから左へと展開し、田中碧が前進から右へロブを出し、右サイドで細かく繋いだのち旗手が中央へヒールパス。
これを山根がダイレクトでエリア内へ送ると、中央でダミアンがワントラップで浮かせた次の瞬間、得意のバイシクルシュートの体勢へ。
これが綺麗にミートされ、ゴール左へ突き刺さり。
ダミアンの個人技が最高の結果を齎し、同点に追い付いた川崎。
リードを失ってしまった湘南ですが、まだ同点で諦める道理は無く。
39分にはエリア手前で山田の左→右へのサイドチェンジを受けた岡本がクロスを上げると、ウェリントンがヘディングシュート。
GKチョンソンリョンがセーブして右CKとなり、キッカー池田はサインプレーを選択してグラウンダーでクロスを入れると、山田がダイレクトでシュートを放ちましたがゴール右へ外れ。
窮鼠猫を噛むかの如く、勝ち越しを狙いに行きます。
川崎サイドも40分、三苫のドリブルから家長がミドルシュートを放ったものの枠を捉えられず。
双方フィニッシュを放つ展開で、どちらに転ぶか全く判らず。
疲労もかなり濃くなってきたか、川崎・谷口が立て続けに反則を犯してしまい、フリーキックで好機を得る湘南。
42分の右サイドからのFK、キッカー中村のクロスをファーサイドでウェリントンが折り返すと、エリア手前中央で待ち構えていた池田がシュート体勢に。
しかしシュートは空振りに終わり、湘南サイドも疲労感漂うシーンとなりました。
アディショナルタイムに入り、最後に流れを得たのは川崎。
右サイドでの家長のキープから左へ展開し、三苫のパスをダミアンが2タッチでのポストプレイで家長に繋ぎ、受けた家長がシュート。
ブロックされこぼれたボールを三苫がさらにシュートしましたがオフサイドとなりモノに出来ず。
その後も三苫のドリブルからのスルーパスに家長が走り込み、エリア内左からシュートするもGK谷がセーブ。
そしてCKとなり、キッカー田中碧のクロスがGK谷のパンチングでクリアされた後、山根の右からのクロスをジェジエウがヘディングシュート。
しかしこれもGK谷がキャッチと、谷の壁を破る事が出来ずに終了を迎えてしまいました。
1-1のままタイムアップで引き分けとなり、依然として川崎の無敗は維持されたまま。
ACLに参加する川崎は6月2日を最後に中断へと入るという変則的な日程で、あと2試合この記録を保つ事が出来るか。
立ち塞がるのは鹿島と横浜FCで、止められないとなると、7月17日の1試合のみで再度五輪による中断に突入。
無敗を続け気分良く休む事となると、今季はもはや連覇に向かうのみとなりそうです。