※前回の山口の記事はこちら(7節・ヴェルディ戦、1-3)
※前回の相模原の記事はこちら(10節・千葉戦、1-0)
助っ人関連で慌ただしい動きを余儀なくされている相模原。
ユーリの故障離脱に続き、ホムロが家庭の事情で契約解除・帰国を余儀なくされ、前線の2人が一気に消えてしまう暗雲に晒されました。
それでもユーリがこの日ベンチに復帰し、合流が遅れていたGKアジェノールとDFクンデも前節からスタメンに名を連ね。
視界良好と言いたい所でしたが、この日の山口・維新みらいふスタジアムはあいにくの雨となりました。
ボールポゼッションを重視する山口が相手という事で、持ち味のロングカウンター狙いがいかに冴え渡るかどうかがカギとなる相模原。
その予想の通り、立ち上がりから山口が攻勢を掛け、右サイド重視の攻撃を展開。
開幕節から続けていた4-4-2の基本フォーメーションを、10節(京都戦・0-2)から改めて3-4-1-2へとシフトし現在に至る山口。
両センターバック(右=石川・左=ヘナン)が攻撃に参加し、人数を増やしたうえでパスを繋ぎ前進する攻撃は中々見応えがあり。
ポゼッションを高めてパスを繋ぐも、中々前進できずどん詰まりになるという従来の問題(前年から?)は解消傾向にあるようです。
右サイドからクロスを入れ続けるも、フィニッシュシーンに結び付かなかった山口。
前半12分からは逆の左サイドで好機を作り、そこからコーナーキック攻勢に持ち込み。
15分の左CK、キッカー池上はショートコーナー、受けた田中がさらに戻したのち石川がグラウンダーでミドルシュート。
GKアジェノールにセーブされて再度左CK、今度はクロスを入れた池上、ニアサイドで梅木がヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
18分には左からのスローイン、高井が直接エリア内へ叩くと、梅木がトラップからシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
3バックとボランチ1人による、「丁の字型」でのビルドアップがこの日の山口の基本形。
ボランチは縦関係になり後方は主に神垣が務めるも、最終ラインが持っている最中でも田中と位置を入れ替えたり、並列に並ぶなど変化を付ける事も忘れず。
3人のCBも立ち上がりは距離感が近かったものの、徐々に両サイドが広がっていき、スムーズなサイド攻撃に繋げようと振る舞っていました。
20分前後から相模原も好機を掴み、19分には右サイドでの夛田のクロスからニアサイドで平松がヘディングシュート。(GK関キャッチ)
21分には鎌田の縦パスから平松→藤本と渡り、エリア内左から藤本がシュート。(GK関キャッチ)
相手の攻撃を受けながらも、少ない好機で全力で相手ゴールを脅かすという狙い通りの展開を作りつつあった相模原ですが、23分にアクシデントが発生。
クンデが足を痛めて倒れ込み、自ら交代をアピールする事象となってしまいます。
しかし同時に飲水タイムに入り、クンデは自らの足でピッチ外に出ると、驚いた事に再開の際ピッチに復帰。
アピールは何だったんだと一瞬思わされましたが、直後の27分に結局交代となり(クンデ→和田)、再び助っ人の途中交代という事態に襲われました。
和田はシャドーに入り、夛田が右ウイングバック→右CB、星がシャドー→右WBへと大きく動く事も余儀無くされました。
そのクンデがピッチに立っていた間に、決定機を得た相模原。(26分)
右サイドで夛田がパスカット、ドリブルからスルーパスを送ると、走り込んだ星の低いクロスがエリア手前へと転がり。
フリーで受けた藤本が左ハーフレーンからシュートするもGK関がセーブ、平松が詰めにいったものの抑えられ先制ならず。
クンデが退いて以降、再び山口ペースとなる試合展開。
基本型のビルドアップから、それに加わらないもう片方のボランチが動き回り、時には最前線でもボールを受ける流動性を見せていき。
CBの一人や、トップ下の池上も加わるサイド攻撃然り、これらを活かすパスワークに相模原サイドも手を焼かされているという印象。
それでもカウンターの好機を得た際は全力で仕掛けにいきます。
43分にはクリアボールを藤本が拾い、そのまま左サイドへスルーパス。
これに平松が抜け出して受けるも、藤本が山口・池上と激突してしまった事で反則を取られるという、勿体無い逸し方となりました。
アディショナルタイムには左サイドでフリーキックを得て、キッカー舩木のクロスを中央で和田がヘディングシュートに持っていきましたが、オフサイドと判定され無効に。
良いシーンを点在させるも、ゴールは奪えなかった相模原。
結局前半はスコアレスでの折り返しとなります。
雨脚が強まる中で迎えた後半のキックオフ。
山口は立ち上がり、前半と同様右サイドから攻勢を仕掛けていきます。
クロスを何度も上げ、後半2分にはこぼれ球を田中がボレーシュートにいく場面もありましたがミートせずに終わり。
7分から長い攻撃を仕掛け、右→左へとサイドを変えて繋いだのち左から田中がクロス、クリアされたボールを石川がシュートするもブロックされ。
しかし高井が拾って尚も右サイドからクロスを連発し、跳ね返されるも最後は再び石川がシュートを放ち、ブロックされCKに。
その左CK、池上がファーサイドに上げたボールをヘナンがヘディングシュート、ゴール左を捉えたものの寸前で相模原・和田がブロックしてゴールならず。
押し込みながらも得点出来ない山口、12分に高木→澤井へと交代します。
16分に再び山口がCKから、梅木が繋いだボールを神垣がミドルシュートにいきましたが枠外に。
その直後、押し返したい相模原は左サイドから、ドリブルで前進した舩木がクロスと見せかけてシュートを放つも惜しくもゴール上へ外れ。
雨によりピッチ上に水も溜まっていき乱戦模様へと移るなか、直後に藤本→ユーリへと交代した相模原。
14分には和田のパスを受けたユーリ、ディフェンスに入った山口・渡部を文字通り跳ね飛ばしてキープし、彼から受けた平松がエリア内からシュート。(枠外)
ユーリの規格外のフィジカルが見られたシーンで、これを機に主導権を得たかった相模原ですが、山口サイドも直後に2枚替え。(梅木・神垣→小松・島屋)
以降、山口は島屋が上がり目の3-3-2-2のような立ち位置になったでしょうか。
エリア近辺で島屋がボールを引き出すシーンが目立ち、その分攻撃機会も増えていきます。
21分には左から、23分には右から島屋がクロスを入れ、小松が合わせにいくシーンも。(前者は足で跳び込むも合わず、後者はフリックするも直接GKアジェノールがキャッチ)
そんな流れの中25分に飲水タイムが挟まれると、文字通りのブレイクとなり、以降再び相模原のペースに。
ユーリにボールが収まり、これを主体に攻撃を組み立てるもシュートには辿り着けない相模原。
31分には清原→梅鉢へと交代し、梅鉢がボランチに入り3-4-2-1のフォーメーションにシフト。(平松がFW→シャドーへシフト)
ユーリによるカウンター一辺倒で、引き分けを狙いつつあわよくばウノゼロでの勝利を目指すという体勢へ移行したでしょうか。
しかしそれは同時に、山口にほぼ完全にボール支配されるという事でもあり。
その通りに再び山口にペースが傾きます。
33分には田中のボール奪取から、島屋が遠目からロングシュートを狙い、これがループで枠内を捉えるボールとなり辛うじてGKアジェノールがセーブ。
これで浮足立ったのか、続く34分には右サイドから川井が高いクロス。
このボールが風で動かされると、GKアジェノールは目測を誤り中途半端に位置した結果、中央で捉えた澤井のヘディングシュートが無人のゴールに吸い込まれ。
押し込まれる事を厭わない姿勢が、悪天候という要素もあり崩れた瞬間となってしまいました。
ビハインドとなり、嫌でも攻めなければならなくなった相模原。
37分には川崎のロングパスが平松に繋がり、エリア周辺でボールを繋いだのち夛田がエリア内へ浮き球を入れ、平松がフリックした奥で梅鉢が合わせにいくもオフサイド。
41分には舩木が左サイド中盤から一気にエリア内へ送ると、平松がボレーシュートで合わせにいきましたが惜しくもミートせず。
攻め手も限定されている中、必死に同点を狙う姿勢は見せたものの、それが結果に繋がるとは限らないのがプロの世界。
逆に、攻勢が終盤になって実を結びリードを奪った山口。
悪天候でピッチの水の量も尋常では無くなり、繋ぐ事も出来なくなったためか守備重視にシフトします。
42分に最後の交代カードを切り、高井・石川→ヘニキ・菊地と2枚替え。
FWの数を減らす事で、後ろを固めて紛れを起こさせない体勢を取ります。
以降は相模原のロングボール攻勢を、今季初出場となったヘニキを中心にしっかりと跳ね返し時間を経過させる山口。
ATに突入しても、相模原が1本CKを得たのみでほとんど何もやらせず。
そして試合終了の時を迎え、前節(金沢戦)に続くウノゼロでの勝利を手にしました。
これでここ4試合で3勝(1敗)となった山口、3バックへ変更した効果は表れつつあるようです。
リーグも丁度3分の1を消化し、掴みかけている上昇機運を形にするべくの戦いに入っていく事でしょう。