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DAZN観戦 2021年J2リーグ第12節 モンテディオ山形vsヴァンフォーレ甲府

2021-05-06 18:16:46 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山形の記事はこちら(9節・長崎戦、1-3)
※前回の甲府の記事はこちら(8節・松本戦、3-3)

順調なスタートかに見えた甲府ですが、5節以降はやや失速気味。(2勝3分3敗)
攻撃陣が不発なら負け、というのならまだ救いはあるのですが、2点差を追いつかれて引き分けた8節・松本戦(3-3)のような悪目立ちする試合もあり。

前節(金沢戦・2-0)で、山本と野澤が負傷のため相次いで前半で途中交代してしまい、この日は欠場と逆風も強い状況。
合流が遅れていた助っ人2人(ウィリアン・リラ、パウロ・バイヤ)がようやく出場を重ねているという好材料はあっても、前年のようなターンオーバーを行いながら総力で乗り切る戦いがしづらくなってきました。
そんな中でGWの3連戦を迎える事となり、どうなるか。

10番を付けるリラが2試合連続のスタメン。
彼を頂点に据え、3-4-2-1の基本フォーメーションを維持してこの日の試合に臨む甲府。
入りはロングボールの蹴り合いとなり、甲府はそのリラ目掛けてのボールを放り込むものの、それが攻撃機会に結び付く事は無く。
そして山形サイドがボールを繋ぐ攻めに転じると、ひたすら守勢を強いられる展開となります。

前任監督の石丸清隆氏が残していった、最後尾から繋いでのサイドアタックをこの日も敢行する山形。
それでも一度サイドに送れば、最終ラインに戻して作り直しという場面は殆ど見られず。
早めに前へ前へと進み、エリア内へパス(クロス)を送り攻撃を終える事を重視しているようであり、この辺は石丸政権からアレンジしたものなのでしょうか。

好循環の兆しは当然フィニッシュにも繋がり、前半8分には右ハーフレーンで南縦パス→半田ポストプレイ→林エリア内に入りシュート。
ブロックされて再度林がシュートするも、再びブロックに防がれます。
13分には中央から藤田が右斜めへ縦パス、そして中原のポストプレイで山田康太がボールを持つという上記と酷似した場面。
一旦はエリア内にパスした山田康ですが、カットされたボールを拾い直し、自分でエリア内からシュートを放つも、これもブロックに防がれ。

しかし相手の甲府は殆ど攻撃機会を得られずという、ワンサイドな立ち上がり。
このうちに得点しておきたいという思惑を強く感じつつ、迎えた15分。
右サイド・かなり手前からのフリーキックというセットプレー、南のフェイントから中原がクロスを入れ、ファーサイドで野田が折り返し。
そして中央で藤田が頭で合わせシュート、甲府・メンデスに引っ張られ体制を崩しながらもネットに突き刺します。
着地後に腰を痛めたような素振り(以降、何度か腰を抑える動作を見せていた)を見せた藤田でしたが、得点への執念が勝ったでしょうか。

石丸氏が去ったのち、コーチの佐藤尽氏が代行的に指揮を執る戦いに突入した山形。
すると連勝を果たし、「監督解任ブースト」の効果を存分に得る事に成功しています。

オカルトチックな響きでもある、このブーストを科学的?な観点で見ると何が主要因なのか。
監督が居なくなる事により、一旦サッカーがリセットされるのが大前提。
前任者のサッカーでは通用しないという判断が下された以上、そんな思考は起こって当然の事でしょう。
しかし完全にリセットしてしまうのは、シーズンの途中では余りにリスクが大きくなる。
よってこの日の山形のように、ある程度前任者の踏襲をせざるを得ないのが代行監督の舵取りでしょうか。
しかしそれをなぞりながらも、シンプルな攻撃が行われているというのが内面での違い。

そもそも前年好調だった山形が、今季に入り不振に陥っていたのは何故か。
傍らからではその原因は闇の中ですが、前任者の落とし込みが進み、複雑化した内面がチームに悪影響を与えてしまうという側面は無かったか。単純に選手の顔ぶれが入れ替わったからという要素も考えられますが
そんな判断の下、チームをリフレッシュさせるべくの舵取りが行われ、結果的にそれが好循環に繋がるという事が多いのだと思われます。
相手からしても、出方の解らないチームの分析はやり辛くなるものですし、ギャップが生まれて格上相手にも良い戦いが出来る事が多い。
元々上位候補に挙げられていた今季の山形、そんな効果を得られたのならば、好調に転じるのはある意味必然だったのかもしれません。

試合に話を戻すと、先行された甲府は、元来のストロングポイントである泉澤にボールを集めて反撃を試みます。
しかしこの日は、それを活かすべくの右サイドでの展開が出来ず、泉澤を軸にした左での攻撃も効果的にならずに時間を浪費。
また、ビハインドとなり前線からのプレスも必須となりますが、リラの1トップという日の浅い布陣なためそれが全く嵌らず。

飲水タイム(25分)後、再び山形ペースへと試合の針が傾きます。
ビルドアップを殆ど寸断されず、攻撃権を支配していく山形。
そして32分に決定機、山﨑のミドルパスで甲府のプレスを剥がし、山田拓巳を軸に左サイドで前進したのち中央へ展開。
中原のラストパスを受けた山田康がエリア内左からシュートしますが、GK岡西に足でセーブされモノに出来ず。
好循環が続くうちに、追加点を取りたい所でしたが……。

前半も終盤を迎え、甲府サイドは布陣変更。
守備面で機能しないリラ1トップに業を煮やしたか、泉澤がFWの位置に上がり。
そして3ボランチ気味にシフトする3-5-2のフォーメーションを採ります。
3節・栃木戦で挑んだものであり、オプションとして使用しているらしき布陣。

結局前半は1-0のまま終えますが、後半に入り状況は変わります。
お互いロングボールを蹴る前半同様の入りから、流れを掴んだのは甲府。
その最初の好機である後半3分、左サイドで泉澤が受け、キープの姿勢でゆっくり前進したのち切り込み山形・半田を剥がし。
そしてクロスが上がると、中央でリラがヘディングシュートを叩きつけネットに突き刺し同点。
リラの初ゴールという結果が齎され、尚も勢いづく甲府。

その後、甲府が2トップにした効果が出たか、山形はプレスに苦しみ前半のようなビルドアップは影を潜め。
簡単にロングボールを蹴ってはボールを失うシーンが目立ち、前半とは一転して甲府が攻撃権を独占する後半の立ち上がりとなりました。
泉澤の突破力も威力を発揮し始め、彼に対し山形が反則を犯すシーンも頻発。
同点弾を挙げたリラは、5分にミドルシュート(ジャストミートせず)、11分にはエリア内からシュート(ブロック)とさらに得点を狙いにいきます。

10分を過ぎると甲府の勢いも落ち着き、再びボールを握る山形。
しかし前半のようにはいかず、サイドでショートパスを繋ぐも、前半には無かった戻して作り直す場面も目立ち始め。

一種の膠着状態になりつつあり、それがベンチも動き辛くなっていたのか、中々交代カードも使われず推移。
22分に山形が好機、左サイドアタックから、山田拓のクロスがクリアされたのち中央で仕掛け。
藤田のエリア内へのパスに山田康が反応、前半の決定機同様にエリア内左からシュートするも、今度は左サイドネット外側。
このシーンののち、23分に飲水タイムが挟まれます。

そしてブレイク明け、最初の好機がスコアを動かす事に。
掴んだのは甲府で25分、リラのポストプレイを交えつつ前進するも山形ディフェンスも跳ね返す、という攻防ののち右ハーフレーンで受けた長谷川がミドルシュート。
GKの正面でしたが、雨の影響もあり藤嶋はキャッチできず前にこぼし、そこに山田陸が詰めてシュート。
藤嶋がブロックして防ぐもエリア内右へこぼれ、尚も反応良く走り込んだ山田陸がマイナスのクロスを入れると、中央で泉澤が合わせてネットを揺らし。
波状攻撃で山形守備陣を破り、勝ち越した甲府。

その後30分にリラが負傷してしまい、同時に甲府が最初のカードを切ります。(リラ・泉澤→三平→野津田)
布陣はどうなるかと思いましたが、長谷川がFWにシフトし3-5-2を継続。
直後に反撃を図りたい山形も、林→藤村へと交代。(32分)
初出場となった藤村、札幌ではボランチとして(カップ戦で)出場していたものの、ここでは登録通りのFW。

双方交代を経て、甲府の好機が続く展開となり、反撃したい山形。
リードした甲府が以前よりも余裕をもって(そう見えた)5-3-2のブロックを敷いたのもあり、中々糸口を掴めず。
39分には中原の右からのクロスに、山田康がバイシクルシュートを狙う場面(ミートせず枠外)もありましたが、流れを変えるものとはなりません。
直後に山形は山田拓→吉田へと交代。
同時に、このシーンで浦上が足を攣らせた甲府も、41分に交代。(浦上→北谷)
今まで消極的だった分、お互い激しいカードの切り合いとなった終盤。

そして山形は42分に最後の交代。
中原・國分→栗山・松本へと2枚替え、センターバックが本職の栗山がFWに入るという、明らかなパワープレイ体勢に。
これに甲府も警戒したか、栗山にはメンデスを付かせつつ、攻撃権を得るとコーナー付近でキープする逃げ切り体勢へ入ります。(45分には長谷川→金井に交代)

交代直後はメンデスの跳ね返しが目立ったものの、アディショナルタイム突入以降は、狙い通りにロングボールを栗山が落とす攻撃体制に入った山形。
途中、右サイドでボールを受けた同じく途中出場の松本が、カットインからミドルシュートを放ったもののGK岡西がパンチングでセーブ。

そして明暗を分けたのが、(AT4分頃か)右サイドでの半田のクロスがミートせず、ゴールラインを割る所をGK岡西が抑えたシーン。
これが(キャッチしてからラインを割ったと)コーナーキックと判定され、セットプレーという助力を得て尚も押し込む山形。
既に5分台に突入していたAT、2本目のCK。
GK藤嶋も前線に上がる中、キッカー藤村のクロスが中央やや遠目へ入ると、ヘディングシュートを放ったのは栗山。
甲府・三平がブロックするも及ばず、ボールはゴールの中へ吸い込まれ。
最後の最後で、紙一重の差で甲府守備陣を破り、同点に追い付いた山形。

2-2のまま試合終了を迎え、勝ち点1を分け合ったこの試合。
これで監督交代後3戦無敗・勝ち点合計7を得た山形。
既に後任監督としてピーター・クラモフスキー氏の就任が内定しており、同時にコーチとして川井健太氏の入閣も決まり。
ひたすら前年の監督を搔き集めるかのような慌ただしい人事に見えますが、結果として「クラブ初の外国人監督」の誕生という副産物が生まれました。
クラモフスキー氏合流の時期は未定ですが、ここから2年前の横浜FCのような、監督交代による逆転昇格はなるでしょうか。

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