陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

古代の美(4)飛鳥仏

2012年02月27日 | 美術館めぐり

 もう一つ、飛鳥に行ったら是非会ってきて欲

しいのが、飛鳥寺の飛鳥仏です。

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 飛鳥寺は、崇峻元年(588年)、蘇我馬子が

 真神原に曽我氏の氏寺として建立したもので

 す。そこに、この大仏像が据えられたのは推古

 14年(606年)、何とこの寺の完成までに18年

 もの歳月を掛けているのですね。

               *

 ところでこの魅力的な仏像、何だか知的で渋くて

 生身の男性の感じがしませんか。

 仏像が、現在のような悟りの姿に成るまでには、

 長い年月がかかっているのでしょうね。   (おわり)


古代の美(3)石の舞台

2012年02月19日 | 美術館めぐり

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        石の舞台古墳です。

  飛鳥に行ったら絶対に見たい古墳です。

 蘇我馬子の墳墓だと言われています。

 今から1350年くらい前、莫大な時と莫

 大な人力とを掛けて作らたものです。

 当時飛鳥で絶大な権力を握っていた蘇我

 馬子(推古34年・626年没) の面目躍如

 たるものがあります。

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  巨大な石を削って組み合わされた壁石の

 組み方の見事さや、玄室の広さや羨道部の

 美しさは、まさに石の芸術です。

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          (参考資料から)

                 

  この立派な石室、実は作られ当時は土に

 埋められていて見えず、古墳の姿をしてい

 たのだそうです。それが、権力を争う時代の

 歴史の中で、土が掘りかえされ、墓が荒らさ

 れ、現代のような姿になったのだと聞きまし

 た。たとえそうであったとしても、この石の舞

 台だけで十二分に蘇我馬子の権力の大きさ

 が感じられます。

            *

  日本のことを、日本人のことを、もっとよく知りた

 いと思う若者たちに、是非訪れて欲しい場所です。

 本の知識だけでは解らない飛鳥の人々の息づか

 いが、身近に感じられるようです。


古代の美(2) 高松塚古墳

2012年02月15日 | 美術館めぐり

       ヤマトは 国のまほろば 

 たたなづく 青垣 山ごもれる やまとし うるわし

  高松塚古墳から発掘された石槨の壁面には、

青竜・朱雀・白虎・玄武の4神と共に、男子4人と女

子4人の人物像が、鮮やかな色彩で描かれていま

す。 (高松塚壁画館で原寸の再現図が見られます)

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      ここが、高松塚古墳です。

今から約1500年程前、日本の都は飛鳥にあ

りました。飛鳥は、四方を山々に囲まれたみど

り豊かな地でした。そこに大きな富を持つ豪族

が生まれ、安定した王朝が成立します。権力を

めぐる闘争は耐えませんが、そうした中に、素

朴で伸びやかな飛鳥の文化が花開きます。

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 春の野を散策する、色彩やかな衣装を着た

男女の飛鳥人の姿を想像してみてください。

万葉集の歌のいくつかが浮かんできます・・。

             *

 1500年の時を隔てた今、飛鳥は古墳の宝

庫になりました。中学校の頃、歴史の教科書で

知った歴代の天皇の墳墓があちこちにあって、

それらが実在の人物であったことを改めて知ら

されます。

             *

 残されているのは古墳ばかりではありません。

丘陵の草地の中に朽ちることなく残っているのが

石で作られてた不思議な「石の像」たちです。

   その役割もつくられた目的も不明な石像。

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 有名な「猿石 」と共にある、男像と女像。

ふと「モアイの石像」を思い出します。古代人

たちは何を思い何のためにこんな石像を創っ

たのでしようか、飛鳥は謎めいたたくさんの不

思議を、無言のまま語りかけます。


古代の美(1)奈良

2012年02月12日 | 美術館めぐり

 

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 この冬、京都・奈良・飛鳥と日本の歴史の舞台を

旅する機会に恵まれました。 その文化を、私たち

の先祖が積み上げてきた物づくりの形で捕らえて

みたいと思います。

 奈良の都平城京の軒丸瓦。平城京は、710年に鳥の

藤原京から移されました。その屋根の先端の瓦です。

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 素朴ですが可愛い模様がいろいろあり、現代的な

 美意識を感じます。最初の型は、粘土で作ります。

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 組み合わせのカーブの美しさに注目です。

 

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 奈良春日大社では、一年に一度、節分の日に

灯篭に明かりをともすのだそうです。午後6時、

広い境内にあるすべての灯篭に蝋燭がともされ

ました。

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 燈篭につけられた銅版?の模様が、蝋燭の明かりに

照らし出されます。いろいろな祈りを込めてこれを奉

した昔の人の想いが、今に蘇ります。

どれもこれも、美しい細工です。

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