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陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

秋・お茶を一服!

2022年10月14日 | 茶の湯

「お茶を一服いかがですか」秋を集めて・・・・

 

 

軸の絵は戦国秦時代の「鹿紋瓦当」

瓦当とは軒先の瓦の正面の丸い部分のことで、そこに描かれた鹿の模様です。秦の始皇帝の「兵馬俑展」に展示されていた瓦当のものです。「鹿」はやっぱり秋を思わせます。私が思い出したのは、奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき ご存じの百人一首の句です。雌鹿を求めて鳴く牡鹿の声が山里まで聞こえてきたのでしょうか。こちらは平安時代の抒情ですが、秦と言ったら紀元前220年頃ですから、「鹿」と「人」とのかかわりは驚くほど昔から続いてきたのでしょう。

鹿ろくもんとう》戦国秦 戦国秦には素朴な動物紋様の瓦当が多く、本品も走りながら振り返る雄鹿の姿を描いたものです。秦の人々にとって、鹿は狩猟の対象であると同時に、愛着を感じる身近な存在だったと考えられています。

 

花は 吾亦紅 と 桜蓼

      

どちらも田舎に行けば河原や山道で見かけることのできる山野草です。

こちらも昔から人々に愛されてきた秋草花で、俳句の季語にもなっています。

 

お菓子は栗の渋皮煮

先日、信州から送られてきた栗を何度も何度も茹でて渋を抜き、砂糖で煮〆た渋皮煮です。煮ていると栗の葉脈のようなものが見えてきて、自称「芸術品」のようなお菓子。器は韓国の青磁です。

これ、先日のお茶のお稽古のしつらえですが、抹茶茶碗を撮るのを忘れました。


花びら餅

2015年01月14日 | 茶の湯

 「茶花」について書いたので「茶菓子」についてもひとこと

初茶会のお菓子といえば「花びら餅」が定番です。花びら餅とは、求肥の皮にごぼうと白味噌の餡を包んだもので、新春の和菓子やさんを覗けば、どこの店にも大概これが並んでいます。

                                             静岡市鷹匠・増田屋さんの花びら餅

花びら餅の歴史は古く、平安時代から宮中の新年行事の中で歯固めの儀式に「菱葩餅」というものが使われていたという記録があります。牛蒡をお菓子に使うなんて珍しいこと、と思っていたのですが、「歯固め」の意味があってのことかと納得しました。古くから伝わる儀式には、それなりの理由があって、それが形や意味を変えながら今に繋がっているのが面白いですね。

 

格式ばった「茶道」の世界はあまり好きになれませんが、庭の花を楽しみ、自分の作った茶碗で一服のお茶を戴く、そんな気ままで自己流の「お茶」を.今年も楽しんでいきたいとおもっています。


侘助

2015年01月13日 | 茶の湯

 初釜というと大袈裟ですが、今日は、今年初めてのお茶のお稽古でした。

お茶を点てる為にはいろいろな準備が必要ですが、私がとても大事にしていることは花を生けること。庭に咲いている季節の花を一輪、花に合う花器を選んで生けます。

    本日のお花は「侘助」、黒地の水指に一枝なげ入れました。

 椿にはたくさんの園芸種があってその呼び名も多様ですが、ひと重のこの小さな花をどうして「侘助」と呼ぶのでしょうか。

「侘助」の名のいわれを調べると、いずれも利休や秀吉の故事にちなんだものであることが分かります。この花は、昔から「茶の湯」と深く関わっていたのです。樹々が葉を落とす寒い冬の季節に、凛として咲くその姿形の美しさ、品のよさ、それがどこか茶の湯の「詫び」「さび」に通じるものだったのか・・・・、私にはよく分かりませんが、それにしても「侘助」とは見事なネーミングだと思うのです。

 

品のよい小料理屋や飲み屋に「侘助」と命名するのも、分かる気がしますネ