直島のもう一つの顔、それは工業基地としての顔だと、前に書きました。
直島には、三菱マテリアルという大きな銅の製錬工場があります。
島の住民の70%はこの会社で働き、他の商売も、何らかの形でこの会社と関わって生きています。
島の経済を支える大きな産業です。
ご存知のように、銅の精錬から出る煙は、たくさんの亜硫酸ガスを放出します。
よく知られた話に、足尾銅山と田中正造の話があります。
当時と比べたら、はるかに改良された製錬技術なのでしょうが、
それでも、この工場の周りの山々には樹木がありません。
地質がかわってしまって、植物が育たないのだそうです。
だから、『夢の島・直島』の、北?がわ半分は、はげ山なのです。
超モダンなアートの丘、と超工業化した製錬工場の丘、
この取り合わせが直島の実態です。
ここに、去年、新たに超新形のゴミ処理工場が作られました。
コミの不法投棄問題として全国的に有名になった『豊島・てしま』の、不法投棄されたゴミを処理するための工場です。
ここに豊島から運び込まれるゴミの量は、毎日二回、トラック5台分ずつフェリーで運んでも、二年かかるとのこと。
かくて、直島は、瀬戸内海のゴミ処理の基地としての役割も持つことになったのです。
安藤忠雄のすばらしい美術館を訪れたら、こちらも見てみてください。
写真は、瀬戸内海のゴミ不法投棄で有名になった「豊島」(てしま)。