ここは、岐阜県瑞浪市にある地層の研究所です。
地下1000メートルの竪穴を掘って、その地層の動き・働き
を科学的に調査する研究を、平成8年から行っています。
ここが、地下300メートルの横抗。 断層や花崗岩の岩盤から
流れる水の浸透の具合や、地層の調査をしています。
写真は、地下300メートルのボーリング横抗。岩盤が美術
作品のように美しい模様を描いています。
原子力発電が必要であることは判っていても、それを手放し
で肯定できないのは、高レベル放射性廃棄物の処理の方法が、
なかなか確立できないことです。はたして、地層深く埋蔵した高
レベル放射能廃棄物が、1000年後・10000年後に人類の負の
遺産にならないか、そんな疑問がずっと解けませんでした。
見学したのは、その課題に対応した、深地層の科学的な
調査研究を進めている機関です。
「放射能の半減期に応じた多重バリアによる地層処理」、に
ついて難解な科学のお話を専門家から伺いました。
そして、その実証研究の現場の進捗状況も見学しました。
研究は随分と進んでいましたが、まだ実践にまでは至って
いません。
* * *
今、低炭素時代の新たな戦力としての位置づけで、世界中に
たくさんの原子力発電所が計画され、商品として世界中に売り
出されようとしています。それを実現させるためには、先ず、核
燃料のリサイクル技術と核廃棄物の処理のノウハウとをセット
にて欲しい、と私は思うのです。それが人類の叡智であり、日
本の最先端科学技術に課せられた義務のように思うのです。