陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

ルート・ブリュック展

2019年04月29日 | 展覧会

 

東京駅のステーションギャラリーで開催中のブリュック展に行ってきました。

ブリュックは、フィンランドを代表するモダン・アートの先駆者です。

目の覚めるような鮮やかな陶のレリーフを中心に、約200点の作品が展示されています。

このような大規模な展覧会は、日本では初めてのことだとのこと。  

 

 

「土と炎」という日本の伝統的な陶芸とはまったく違う北欧の陶芸の世界に見とれ

思わず感嘆の声を上げました。

 

 

 

 

 

 

東京駅丸の内にあるステーションギャラリーで、平成の最後の展覧会を堪能したのでした。

 


花あふれけり

2019年04月23日 | 野草

 

     逝きし人多き この年  大地より 花あふれたり

 ジュウニヒトエ 

 

 

 

 

カラマツソウ 

 

 

ムラサキサギゴケ

 

 

 

キンポウゲ

 

 

スミレソウ

 

いろいろなことがあっても、そんなのあたりまえのこと・・・

あちこちからあたりまえのように出てきて、今年もあたりまえのように咲いている 

庭の小さな小さな花たちです。

 


新緑の季節に寄せて・一期一会

2019年04月11日 | 日記・エッセイ・コラム

 雨上がりの朝の空は、抜けるような青さです。  

 つい先だってまでピンク色だった桜の木に緑色の若葉が出始め、新緑の初夏を思わせます。

ある意味では「無常に・・」と思われるほど素早く、季節が移り変わって行きます。

*

思いがけず災いの多かった三月が終わりました。

寒いのは苦手な私は、6月の東京都美術館での作品展の締め切りを気にかけながらも、

「春になって暖かくなったら・・」と都合の良い理由をつけて仕事を引き延ばしていました。

ところが、三月に入った途端、右足の膝に違和感を感じ、それが次第に痛くなって、歩くのも難しくなったのです。

さすがに「これはまずい」とクリニックに行って注射もしましたが、なかなかよくなりません。

「膝が痛いのは老化現象」と車に乗るのを止め、歩いたり、いろいろとリハビリも試みましたが、ダメでした。 

そんな中、無理をしながら庭の花を切ろうとして、庭の石段を踏み外し転げ落ちたのです。

打ち所が悪ければ命にかかわる大事故だったでしょう。

幸運にも無事だったのですが、日常の中に「死」が潜んでいることを実感したのでした。  

*  

そんなこんなで、ガタガタとした暮らしの中にいた三月の終り頃のこと、

教室の、古くからの戦友のようなメンバーのSさんが、突然亡くなったのです。

「つい先日まで一緒に陶芸をしていた」、その生々しい記憶の前に、ただ呆然と立ちつくしたのでした。 

 

 

人生に起こる出来ごとは、いつでも「突然」だった。今も昔も・・・。

もしも、前もってわかっていたとしても、人は、本当にそうなるまで、何も心の準備なんかできないのだ。

結局は、初めての感情に触れてうろたえ、悲しむことしかできない。

そして、そうなって初めて、自分が失ったものは何だったのかに気づくのだ。

でも、いったい、他のどんな生き方がきるのだろう? 

だからこそ、私は強く思う。

会いたいと思ったら、会わなければいけない。

好きな人がいたら、好きだと言わなければいけない。

花が咲いたら、祝おう。

恋をしたら、溺れよう。

嬉しかったら、分かち合おう。 

大事な人に会えたら、ともに食べ、ともに生き、団欒をかみしめる。

 

一期一会とは、そういうことなのだ・・。 

                                                                                                             (  森下 典子著「日々是好日」から )