三日月ノート

日々の出来事を気ままに。

片方の白い手袋

2013年11月20日 07時34分41秒 | よしなしごと
私が小学校1年生の冬、母に真っ白いミトンの手袋(スキーグローブ)を買ってもらったことがありました。
普段は「すぐに汚すから」と言って、白いものはなかなか買って貰えなかったのに、この時は何故か買って貰えたのです。

ところが数日後、なんと私はその片方を無くしてしまったのでした。

喜びは一転し、私は悲しくて悲しくて、その後何日かは残った片方の手袋を枕元に置いてメソメソしていました。

すると見かねた母は、
「そんなもの、さっさと捨ててしまいなさい!そんなのがあるからいつまでも悲しいんだから!」
と私に言ったのでした。

それを私がどうやって捨てたのかは全く記憶にないのですが、捨ててしまった後はいつしかその手袋のことは忘れてしまったようでした。

今思い返すと、一見、子供に対しては残酷な母の言葉も、いいとこ突いてるなぁと思います。

確かに手袋の片方を残しておいても使えるわけでもなし、悲しい記憶がグルグルするだけで。

「忘れるために手放す」って、ときには大事なことかもしれません。