面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

初夢譚

2009年01月02日 | Weblog
朝倉「今日も走りました」
龍真「死に急ぐことはないのに…」
朝倉「…体脂肪を」
龍真「それより、年賀状だが、東京では取りにも行けないな」
朝倉「明日、劇団員がポストを覗いてくれることに」
龍真「それはよかった。しかし、あれだな、年賀メールの返事もよこさない奴、どう思う」
朝倉「今年は相手の立場を尊重しようと思うので、発言を控えます」
龍真「いや、はっきり言って失礼な奴だと思うよ。付き合いを考えよう」
朝倉「向こうが付き合いたくないからかも知れませんよ」

龍真「今夜は初夢だな」
朝倉「ちょうど10年前、身の丈50メートルはある龍の夢をみましたね。南の海から現れて、両側に古めかしい鎧に身を固めた5万づつの兵士を従えていました。吼えるような大声で”何なりとご命令を”と、言われたのですが、足を踏ん張るのが精一杯で”何もない”と、答えてしまいました」
龍真「それは残念だった。小心者だからな」
朝倉「今夜現れたら、何て答えましょう」
龍真「よきにはからえ」
朝倉「はあ?」
龍真「10年も生き延びることが出来たんだ。感謝の一言だろう」
朝倉「そうでしたね。望むことより、感謝でした。安心して眠れます」
龍真「そんなことで悩んでいたのか!ほんとに肝の住まいの狭い奴だ」
朝倉「10年も、考えていました。僕はあの時、冷静に命令できたら、龍に何を命令したのだろうかと」
龍真「で、結論は?」
朝倉「それが、今日の今まで、答えが見つからなかった」
龍真「ほんとにバカだな、感謝の一言だろう!」
朝倉「ありがとう!ですね」


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