面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

挑戦者Ⅱ

2008年08月31日 | Weblog
 3333段の石段を登ると、そこには釈迦院という寺がある。4月8日の釈迦の誕生日には昔から長蛇の列が山に向かった。僕が初めて登ったのは中学2年生の春だった。険しい山道の途中に「犬帰り」という崖に張った鎖を伝って登る険しい箇所もあった。友人たちと声を掛け合いながら山道を登りきると、何だか自分が大人になったような特別な気持ちが湧いた。S塚くんは小学校1年生からの付き合いで、初の釈迦院詣でも一緒だった。50年近く過ぎて再び一緒に登るのも何だか照れくさいような、それでいて懐かしい気持ちがわいてくる。

 朝8時、I君が迎えに来る。8時30分、釈迦院の麓から登り始める。60歳の男が5人、3333段に挑戦する。いや、S籐くんは心臓を手術したばかりだそうだから、見物にまわってもらおう。I、S塚、Mと僕、登るのは4人だ。八代からのルートは車で頂上まで行けるので、Iくんの奥方の作った弁当と一緒にS籐くんには車で行ってもらう。残念がるだろうが、命には代えられない。しかし、僕らは本当に大丈夫なのだろうか。8時間後に出発である。少し眠っておいたほうが良さそうだ。

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