大山ハッピーロード商店街。いつも賑わう商店街も週末の朝は人もまばらです。
商店街の中ほどを都市計画道路補助26号線が通ることから商店街が分断されつつあります。
道路より先に道路を囲むマンション群が建設されていますが、いよいよ象徴であるアーケードも撤去されたということで見に行ってきました。
最後に見た時はアーケードの残骸の様なものが中空に浮かんでいましたが、それもなくなって驚くほど広い空がそこにありました。
昭和に作られた道路計画に付随して、できた土地にマンションが建ったようですが、どう見てもマンションを建てることが優先されたように見えてしまいます。
新しい幹線道路ができて交通がスムーズになったり災害対策ができるのはいいことです。
でもそれが古くからそこにある地元の商店街を壊してまで道路を建設する必然性があったようには思えません。
仲宿は江戸時代に板橋宿と川越を繋ぐ古道に戦後に闇市ができたことで生まれた商店街です。
国は重要伝統的建造物群の保存にはある程度協力的ですが、近い将来に重要伝統的建造物群になりうる街並みの保存には無頓着です。
昭和の風景を残す商店街で、今も大規模商業施設に負けずに生き残っているような街並みはそろそろ緩やかな保存を考えるべきです。
商店街がなくなった部分は思っていたより大きかった。500mの商店街のうち150mほどが消滅しました。奥に見えるのが分断したアーケードが再開するところ。
ちなみに写真中央の建物も再開発の一部としてできたビルです。新しい道路はそのビルの左奥へ向かって作られる予定です。
道路予定地。150m分ほど、まだ土地の収用が終っていません。
道路予定地に残る建物の一つ。ストリートビューで見ると2013年以降に建て替えられたように見えます。
当然道路計画のことは分かっていたと思われますが、予想より展開が早かったのかも知れません。
川越街道に面した道路予定地の入り口が道路予定地を見る。完成した時にはここが大きな交差点になります。
補助26号線は中央の二つの背の高いマンションの間を通って板橋区役所北の山手通りと中山道との合流地点に繋がります。
振り返るとこんな風景。2014年の衛星写真ではすでにここまでは完成していました。
ハッピーロードの川越街道側入り口。
補助26号線は基本的に都道420号線です。現在の都道は地図上では緑の線のようにここで折れ曲がっています。
実際には商店街の中を車が通行することはできません。420号の標識は経っていますが現実にはここで一旦途切れているということです。
繋がっていない黄色い太い道路を赤い矢印のように一直線にぶち抜いて繋げようという計画。赤い楕円が分断されたハッピーロード商店街。
上の写真の緑の線はこちらでは青いジグザグです。
補助26号線は完成すれば品川区大井から板橋区仲宿まで22kmを繋ぐ道路です。環状6.5号線というニックネームでこのブログでも最も奥登場する都市計画道路です。
少年期を過ごした目黒通りから学芸大学駅付近や三宿を経由し、大山商店街を貫いて中宿という個人的に深い関係のあるコースを通ります。
私が生きているうちに全線開通はなさそうですし、特に応援しているわけでもありませんが状況は今後も見守っていきます。