ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

十二月大歌舞伎

2023年12月25日 | 演劇・芝居

師走の銀座を歌舞伎座へ。道路の反対側から建物全景を撮影したいのに次々と消防車やトラックやバスに阻まれてなかなかうまく撮れないRさんを撮る。

歌舞伎座は建て替えの後に一度ブログのネタにしたことはあります。その時は建築見物でしたが今回はいよいよ歌舞伎を見るために来たのです。
ブログの最後で「母もRさんも歌舞伎好きなので、一度連れてってもらいたい」と書きましたが実現するのに6年かかりました。

一等席の2列後ろの二等席。真ん中でとても見やすい席でした。
始まる前に緞帳の説明。こちらは2023年3月に新調された横山大観の『霊峰飛鶴』。緞帳が上がると後ろのも別の緞帳が。全部で5枚あるそうです。

三越の地下で亀戸升本のお弁当を買ってきていました。幕間に客製でお弁当が食べられるというのがとても好ましい。

田渕俊夫画伯作の「春秋」。2023年9月にお披露目になった新作です。今年は新歌舞伎座10周年なので全部で3枚の緞帳がかけ替えになりました。

十二月大歌舞伎の夜の部は泉鏡花の天守物語。姫路城の天守に住まう物の怪と若武者の恋物語。
数多あるエンタメ性の強い作品と比べると長く地味目の作品ですがなんとかがんばって理解しようと努めて充分楽しんで帰りました。
東銀座から帰宅してテレビをつけたら、放送中の『密着!中村屋ファミリー』で、先ほど見たばかりの天守物語が取り上げられていました。
玉三郎が1977年の初演以来45年間に亘って演じ続けて来た天守物語の富姫役をとうとう七之助に引き継ぐというドキュメント。
こっちを先に見ていたらさらに深く味わえていたかも。今度は賑やかで大笑いで切る奴を見てみたいな。
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東京グランド花月 池袋公演

2022年11月16日 | 演劇・芝居

ヨシモトのグランド花月の池袋公演を見てきました。グランド花月は2019年に大阪で見て以来2度目。あちらから来てくれるなんてありがたいことです。
会場は東京建物Brillia HALL。ハレザ池袋の2棟のうちのTOHO映画でない方。入るのは初めてでした。

ホールのロビーからTOHOシネマズを見る。今いるこの場所はかつて豊島公会堂があった場所。10年前に圓朝祭で落語を聞いた後で取り壊しになりました。
その流れでできたホールなのでBrillia HALLなんて言われていますが正式名称は豊島区立芸術劇場です。

豊島区の施設には至る所でフクロウが見られます。それにしてもこれほど人相(鳥相?)が悪いのはここくらいです。子供が泣きそう。

本日前半の出演者。博多華丸・大吉、フットボールアワーチュートリアル、プラス・マイナス、マヂカルラブリー霜降り明星、オズワルド、蛙亭。
8組中4組がM-1チャンピオン(太字)という豪勢な顔ぶれです。やはり東京でやるとなるとこのくらいの知名度のを連れてこないといけないのか。
オズワルドも昨年錦鯉がチャンピオンになった時の2位でしたが、個人的には圧倒的にオズワルドが優勝だと思っていました。
伊藤俊介が米子こと伊藤沙莉のお兄さんと言うことで肩入れして見ていましたが、ダウンタウンDXでのグループトークの人捌きはすごいと思いました。
残念ながら今回のネタはちょっと不発気味でしたがそんなこともある。華大、フット、霜降りが面白かったです。

2階席の一番後ろから。高さがありますが意外と距離がそれほど遠くなくて見やすかったです。
新喜劇の座長は辻本茂雄。2列ほど前のおばさんグループと左の方の男性グループが爆発的に笑うのでそれに釣られて私たちも楽しく見られました。
なんばグランドで見た時とそれほど変わらないいい雰囲気だったと思います。たまにはお笑いもいいね。
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シネマで見る三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち

2022年08月17日 | 演劇・芝居
三谷幸喜の作・演出で2019年に歌舞伎座で公演が行われた新作歌舞伎を映画館で見てきました。

鎖国によって外国との交流が厳しく制限される江戸時代、天明2(1782)年。幸四郎演じる大黒屋光太夫は、商船神昌丸の船頭として伊勢を出帆します。
しかし江戸に向かう途中で嵐に見舞われて漂流。たどり着いた先は、なんとロシア領のアリューシャン列島アムチトカ島で…。(公式サイトより)

江戸後期に実際にあった商船の遭難から北海の島への漂着、次々と仲間を失いながらロシア領内を西に数千キロ。
10年の歳月を経て最後は日本に帰りつくまでを2時間の歌舞伎で辿ります。
今回の歌舞伎作品はみなもと太郎の「風雲児たち」をベースにしていますが、井上靖や吉村昭もこれを題材に作品を残しています。

歴史的によく知られた出来事のようですが、私自身まったく知らない話でしたので史実に基づく冒険譚として楽しく見ました。
母や妻が歌舞伎に親しんできたのに私自身は未だにスパー歌舞伎くらいしか歌舞伎を見た経験もありません。
今さらという感じもありますが、こういう面白そうな演目の時に一度くらい歌舞伎座に行っておけばよかったかなと思わないこともなかったです。

舞台で見る生身人間が演じる臨場感はありませんが、歌舞伎座の客席からではとても見えなかったであろう細かい所まで見えるのは映画の良さ。
鎌倉殿の13人の時政パパこと坂東彌十郎が、わりと同じようなキャラクターで出ていてたくさん笑わせてくれました。
シネマ歌舞伎の上映は全国の映画館で8月18日まで。東銀座の東劇のみ9月1日までやっています。
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板橋名人会

2020年01月28日 | 演劇・芝居
2人とも予定のない土曜日。近所の催し物を検索していたら板橋名人会というホール落語の案内を見つけました。
9時に板橋文化会館に電話をしたらチケットがあるというので自転車でひとっ走り買いに。2時開演なのでそれまではのんびりと。Rさんはジムでひと汗かいて。

お昼は以前に蟹バーガーを食べたクラフトビールの店で今度は普通のハンバーガーを。美味しいんだけど食べにくいタイプ。

板橋文化会館はうちからあるいて10分ほど。新宿駅から新宿文化センターへ行く方がよっぽど遠いくらい。前回NOKKOと八神純子を聴きに来て以来の2回目。

柳亭小痴楽は昨年秋に抜擢で真打に昇進したので名前だけは知っていました。若手の人気者。あとはたい平しかわかりません。
当日買ったわりにはいい席で楽しく聞きました。林家たい平は笑点での姿しか見たことがなかったのですが、意外にもストイックな感じの「らくだ」でうまいなーと思いました。
八百屋に漬け物樽を借りに行く前で終わりましたが、もう少し聞きたい感じ。というか落語をもっと知りたい。そうか昼間の池袋の定席とかに行けばいいんだな。

落語から帰って夜は「やんぐ」で夫婦飲み夕食。いつも一つ頼んでなんとなく物足りなかったもつ煮込みを今回は最初から2個頼んだよ。
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ナイロン100℃ 46th SESSION​​『睾丸』@池袋芸劇シアターウェスト

2018年07月20日 | 演劇・芝居

ナイロン100℃ 劇団の25周年記念の第2弾。4月に第一弾の『100年の秘密』をやってたったの3か月で第2弾。そしてこのレベル。

タイトルは『睾丸』。チラシで初めてタイトルを知った時は、依然やった「奥様お尻をどうぞ」みたいなナンセンスギャグかと想像していたのですが。
前回の「100年の秘密」同様の、むしろそれ以上のストレートプレイでした。

三宅弘城、みのすけ、新谷真弓、廣川三憲、長田奈麻、喜安浩平、吉増裕士、眼鏡太郎、皆戸麻衣、
菊池明明、森田甘路、大石将弘、坂井真紀、根本宗子、安井順平、赤堀雅秋

舞台は1993年のとある家庭のリビングとダイニング。装置の転換なく照明の変化だけで25年前の1968年にも切り替わる。
学生運動の最盛期。ひとつのセクトを率いるカリスマ的リーダーとそれを崇拝する3人の男女の過去と25年後。
ストーリーそのものが興味深く充分面白い上にサービスの小さなギャグもほどよく散りばめられていて。過去の3時間芝居の中でも特に短く感じました。
個人的には「新宿高校の坂本龍一」という固有名詞が台詞の中に幾度も出てきて楽しかった。(新宿高校は私の母校です)

芝居前、4時半過ぎに待ち合わせして美登里寿司がやっている回転寿司「活」に行きました。いつもすごい行列なのですがさすがに4時半だと30分も待たずに入れます。
小食な人ならこのひと皿でけっこうお腹に溜まりそうなボリューム。サーモン見てもらえば分かりますが乗ってるネタが異様に大きいものが多いです。
よく名前を聞くチェーンの回転ずしに行くならこちらに来る方が断然お得です。ただし二人の共通の感想としてご飯がいまいち。いつもかどうかは不明。

海外からのお客さんも多いです。そして大人も子供も行儀が悪いです。「行儀」って概念があるのかないのか。
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ナイロン100℃ 45th SESSION​​『100年の秘密』@本多劇場

2018年04月20日 | 演劇・芝居

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:犬山イヌコ 峯村リエ
みのすけ 大倉孝二 松永玲子 村岡希美 長田奈麻 廣川三憲 安澤千草 藤田秀世 猪俣三四郎 菊池明明 小園茉奈 木乃江祐希 伊与勢我無
萩原聖人 泉澤祐希 伊藤梨沙子 山西 惇

昔々、狼に追われた少年の命を助けたという奇跡の楡の木。その巨木を取り囲むように建てられた邸宅で暮らすベイカー一家の80年に渡る繁栄と滅亡の物語。
ベイカー家の娘ティルダ(犬山)と小学校に転校してきたコナ(峯村リエ)との長くて強い友情と、庭の楡の木だけが知っているいくつかの秘密を軸に、数十年単位で時代を行きつ戻りつしながら話は進みます。
舞台セットは一種類だけで転換なし。楡の木と池の見える広い庭と、暖炉と応接家具のある室内リビングが同じ場面の中に同時にあるというセットの中で屋外と室内とで同時にストーリーが展開ます。
同じ舞台上にいても室内の人には庭にいる人が見えていないというなかなかに面白い仕掛け。
行き来する時間とクラインの壺のように内側と外側の空間が一つながりになっているという二重の複雑性のせいで見ていて混乱しかけますが、ティルダの12歳からその死後までも亡霊となって舞台に出続けている家政婦メアリーが語り部として状況を説明してくれるので慣れてしまえばそれほど苦労なく物語に入っていけます。

エキセントリックなセリフと展開で脳みそをかき回されながら笑うという作風ではなく、ストーリー自体はきちんと整合性の取れている大河ドラマのような作品で、内容もまあシリアスですがそれでもやっぱり抜群に面白いです。
全員の演技がものすごい。演出的な凝り方が半端ない。プロジェクションマッピングはどんどん進化してる。少なめの音楽もポイントごとに効いている。とエンタメとしての完成度が高い。
やはりわざわざ下北沢まで行ってつまらないものを見るわけにはいかないですから、ケラリーノ作品を見ていれば信頼度は高いです。
2012年の再演だったようです。なんでその時はいかなかったのかな。
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ナイロン100℃ 44th SESSION​​『ちょっと、まってください』@本多劇場

2017年11月28日 | 演劇・芝居

土曜日は本多劇場に久しぶりのナイロン100℃本公演に行ってきました。その前の新作公演が2014年の『社長吸血記』なので3年振り。(間に再演がひとつ入ります)
というかお芝居を見に行くこと自体がずいぶん久しぶりでした。知らない間に本多劇場は椅子が新しくなって少しだけ座りやすくなっていました。
で、芝居ですがやっぱり面白かったです。今回もストーリーとしてはあるようなないようなないような。
良く見かけるようなぎくしゃくした金持ちの一家(実は没落している)と、その町に流れてきた貧乏な一家。不条理な会話と不条理な行動を重ねながらいつの間にかふたつの家族の立場が入れ替わって行きます。

出演:三宅弘城 / 大倉孝二 / みのすけ / 犬山イヌコ / 峯村リエ / 村岡希美 / 藤田秀世 / 廣川三憲 / 木乃江祐希 / 小園茉奈 / 水野美紀 / 遠藤雄弥 / マギー
客演の水野美紀(この名前、普通に変換すると「水飲み器」になる!)が違和感なくナイロンの世界にはまっていて良かった。
そういえば水野美紀ってバカリズムの「黒い十人の女」の時にも毎回牛乳だのコーヒーだのをかけられながらはっちゃけた芝居で面白かったな。

座席が最後尾のシートで、全体はよく見渡せたんですがやっぱり個人個人の表情が全く見えないと少し辛いですね。やはり双眼鏡は持って行くことにしよう。

金持ち一家に貧乏な水野美紀(左端)が入り込んだ所。

貧乏一家と家を出ていく羽目になった金持ち奥様(犬山イヌコ)。

相変わらず休憩を挟んで3時間強と長いんですが、それほど苦痛なく見せるのは脚本、演技、演出のすべてが上等だからかなんでしょう。
これからビッグになる若い劇団を見に行かないとと、10年言い続けていますが、なかなか足を運ばないのはやっぱりこのレベルは期待できないから。
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エノケソ一代記

2016年12月19日 | 演劇・芝居

世田谷パブリックシアターで三谷幸喜の芝居を見ました。
市川猿之助・吉田羊・浅野和之・山中崇・水上京香・春海四方・三谷幸喜

戦後、喜劇王エノケンこと榎本健一の偽物「エノケソ」が全国各地に出没した。
この主人公も、そんな「エノケソ」の一人だ。
エノケンが大好きで、エノケンに憧れ、エノケンに限りなく近づこうとした男。
演劇史には決して残ることのない、無名の喜劇役者と、
彼を支え続けた妻との、哀しくもおかしい二人三脚の物語。
(https://setagaya-pt.jpより)

テレビのない時代、映画やブロマイドでしか見ることのできないスタア、実際の面影を知らないスタアの偽物が実際に相当数全国を回っていたらしい。
そういう時代だったわけだし、実際に娯楽の少ない地方では需要・供給として成立していたことは想像できる。
過去の喜劇人への興味も強い三谷幸喜としてはミヤコ蝶々をモデルにした「なにわバタフライ(2004)」や「恐れを知らぬ川上音二郎一座(2007)」に続く喜劇人シリーズの新作となる。

時系列に沿ってエノケソのエピソードを繋ぐオーソドックスな物語。楽しみました。簡素な舞台装置で場面転換を繰り返しながらエノケソのエノケンへの憧憬と、妻の愛を重ねていく。
9月に大河ドラマを書き終えてから書き始めた脚本らしいが三谷幸喜としての水準は保っている。とはいえ、見ている側としては何か一つでもサプライズを得たかった気がする。
喜劇役者として市川猿之助を見るのは初めてだが、本人の生真面目な性格が多少裏目に出て笑いにくい部分がある。川上音二郎一座をやったユースケサンタマリアにも通じる何か。
とはいえ、歌舞伎役者の身のこなしはさすがだし、感動を生みたい場面でもよく頑張っていた。
吉田羊・浅野和之・山中崇はその点、役者としてのほどよい不真面目感、胡散臭さが笑いに貢献する。山中崇5役お疲れ。
吉田羊はラストシーンで自らガチ泣きしていて、カーテンコールでもまだ涙が止まらないようだったが、そこまで毎回毎回入り込んで大丈夫かと心配になる。一日2回公演の日も多いのに。えらい。

あ、写真真ん中のオールバックが久しぶりに役者として舞台に立つ三谷幸喜本人です。いろいろやりたい人なんだね。

日曜日の13時開演。15時前には終演。三軒茶屋なのでお彼岸以来の墓参をして実家によって母の顔を見てから帰宅。そのまま大河ドラマの最終回へと三谷幸喜デーは続くのでした。
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KERA・MAP#006『グッドバイ』

2015年09月19日 | 演劇・芝居

原作:太宰 治(「グッド・バイ」)
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:
仲村トオル、小池栄子
水野美紀、夏帆、門脇 麦、町田マリー、緒川たまき
萩原聖人、池谷のぶえ、野間口 徹、山崎 一

世田谷パブリックシアター



太宰治の未完の(というか殆ど書き出しと言ってもいいようなところで入水自殺してしまった)作品をケラリーノ・サンドロビッチが舞台化。
ストーリーは太宰の補完といよりほとんどケラのオリジナル。主演に昨年の青山円形劇場のファイナル公演に続いて仲村トオル。

強烈なビジュアルと、観客を翻弄する膨大な台詞で強い印象を与えるものの、きちんと筋書きを説明できない不条理劇が基本のケラ作品だが
今回は一変してストーリー性の高い昭和人情劇、というかほとんどラブコメ?
どんな観客でも楽しめるエンターテインメントな作品になっていました。

以下ネタバレあり。

戦後間もなく。表向きは文芸雑誌の編集長だが裏ではヤミ物資の取引で巨額の利益を得ている色男、田島周二。
妻子を岩手に疎開させている間に東京で数十人の愛人と付き合っている。
しかしそのような暮らしにも嫌気が差しはじめ、愛する娘と一緒に暮らすため、すべての愛人と別れて妻子を東京に呼びたいと考えている。
問題はどうやって多数の愛人ときれいに分かれるか。

そこで友人の作家(山崎 一)の提案。まず絶世の美女を見つける。その女(小池栄子)を言い含めて妻のふりをさせて、一緒に愛人を訪ねて回る。
愛人たちは余りに美しい妻の姿に自らの敗北を知り別れを受け入れる。もちろん充分な手切れ金は与える。というもの。
そうして見つけたのがヤミの担ぎ屋を生業としている絹子。強欲で下卑た性格。怪力の持ち主で一度に数人分の食事を平らげる大食漢だが
きちんと着飾れば所の美しさは比類なく。ただし声も言動も下衆の極みのために、作戦実行中は口はきいてはいけない決まり。

一人目は百貨店の中に入っている美容室の美容師8町田マリー)。妻と同伴で美容室を訪れ別れに成功する。・・・・・とここまでで原作はだいたい終わり。
これ以降はケラの作り出した愛人たちやその周辺の男たちが様々な人間模様を紡いでいく。

雑誌社の挿絵書きの女(夏帆)。その女のアパートに先ほどの美容師が住んでいて自殺騒ぎを起こしている。
田島周二が通う医者の女(緒川たまき)。その病院には自殺未遂の美容師も来ている。
一方田島に作戦を授けた友人の作家は田島の依頼で疎開先の妻子を訪ねた際に妻(水野美紀)と関係してしまう。呼び寄せようとした妻から田島に別れの手紙。
焼身の田島は暴漢に襲われて死亡。1年後、田島の愛人たちは元妻の招きで一堂に会して不埒であるが憎めない色男だった田島を偲ぶ。
しかし、実は田島は記憶をなくして生きていた。

すみません。ちゃんとしたストーリーがあっても説明しようとするとやっぱり不条理にしか見えないな。
まあいろいろあって最後は怪力大食漢美女の絹子と田島がめでたく結ばれるという、そういうお話です。
田島の娘だったり気のふれた親父だったりだいたいで占う占い師だったりで大活躍の池谷のぶえの怪演には本当に笑わされました。あー面白かった。


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夕空はれて ~よくかきくうきゃく~ 青山円形劇場の最後

2014年12月10日 | 演劇・芝居
青山円形劇場プロデュース
「夕空はれて ~よくかきくうきゃく~」

作:別役実/潤色・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:仲村トオル マギー 山崎一 
奥菜恵 緒川たまき 池谷のぶえ 犬山イヌコ



別役実の1985年作品をケラが演出。本当は新作が書き下ろされる予定でしたが作家の体調不良により旧作に。
どっちにしても観劇歴の浅い私たちには縁のない作家なので、新作より評価の定まった旧作の方がよかったかも。

円形舞台をぐるり取り囲む客席。セットは天井から吊られた4本の電信柱。ステージに遠景に並べられた各種の椅子。
椅子の一つに花束。中央の高いとことに吊るされた鉄の檻。

スーツを着た行商の仲村トオル。頭から顔に包帯を巻いた山崎一と犬山イヌコのふたりに話しかけられる。
この場所はライオンを見るための場所であり、昨夜それを見たいた観客の男が檻から逃げたライオンにかみ殺された。その椅子が白い花のある椅子。
二人は行商に当然のようにライオンを見ていくのだろうと問いかける。それも見るのなら今夜一番ライオンに噛まれる可能性が高い椅子に座って。
二人の話しぶりはライオンに噛まれることが目的であるかのよう。しかし堂々巡りの会話では誰も「絶対に」ライオンに噛まれたくないと言う。
続いて出てくる黒い令嬢風の緒川たまきと、白いフリフリの奥菜恵。奥菜恵は死者の様なメイク。
緒川たまきは奥菜恵に噛まれる可能性が高い椅子に座るように勧める。しかし二人が噛むという動物はライオンではなくてトラ。
続いて登場する猟師(マギー)はハーモニカで「夕空はれて」を吹いて檻に入れる動物を捕えようとしている。しかし彼が捉えるのはクマ。

人々は噛まれたいのかそれとも噛まれたくないのか。噛むのはライオンなのかトラなのかクマなのか。話の輪郭がぼやけたままで
延々と続く不合理で理不尽な会話。客観的に見れば論理の破綻している4人に対して仲村トオル一人が常識的であろうとするが
結局4人の不合理に抵抗するもむなしく、巻き込まれて翻弄されて声ばかりが大きくなっていく。
そこに捕まえられて袋に押し込まれた状態の池谷のぶえ(ライオンかトラかクマかヒト)が運び込まれて狂気と混乱は更にヒートアップして行く。

・・ふぅ・・・・・・と、がんばって書いてみましたが、筋書きはほとんどないです。すれちがう言葉がぐじゃぐじゃにかき混ぜられて行くだけ。
見る人にとってはコメディで、実際に私の左隣の女性は終始声を上げて笑っていました。見る人にとっては狂気の村に迷い込んだサイコホラーでしょうし、
また別の人には言葉の洪水が音楽のように感じられたかもしれません。私はこれに近かったです。
不条理に疎い私には素直に「面白かった~♪」というようなものではありませんでしたが、この90分の時間を惜しいと思う事もありませんでした。

ブログでも何度か書きましたが、こどもの城は今年いっぱいで閉鎖。来年から解体に入ります。
もちろん円形劇場もこの演目でラストです。

なくなるのは残念です。ちょっと手を伸ばせば役者さんと握手が出来そうなこの距離感は他では体験できません。
同じ芝居を見ていても、座る座席によって見えている風景がまったく異なるというのもここならではです。新しいビルのどこかにこんな劇場を作ってはくれまいか。


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紫式部ダイアリー @パルコ劇場

2014年12月01日 | 演劇・芝居
作・演出:三谷幸喜
出演:長澤まさみ(紫式部) 斉藤由貴(清少納言)
11月29日(土)14時 パルコ劇場


紫式部と清少納言の才媛を巡るオンナの戦い。「源氏物語」で一躍注目を集め、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの若手作家 紫式部。
「枕草子」が大ベストセラーとなり、エッセイストとして確固たる地位を築いた清少納言。そんな二人が作家としての、そして女としての、
人生を賭けたプライドがぶつかりあいます。(チケットサイトの紹介文)


高級そうなホテルのバー。白いカウンター(飛行機の翼をそのまま使った家うデザイン)で連れが来るのを待っているのが清少納言。
備え付けられたスツールは清少納言の背丈にはやや高すぎて、そこに座るのもそこから立つことも一苦労。
しばし遅れて颯爽と現れる若き紫式部。やや落ち目の随筆作家清少納言とと、源氏物語を執筆中で時の人となっている二人が初めてサシでン飲み始める。
二人は明日発表される「あけぼの文学賞」の選考委員としてこのホテルに入っていた。バーに誘ったのは清少納言。
明日の選考会の事で紫式部に頼みたいことがあった・・・・・。

現代のバーにおける2人劇として100分の作品にまとめる力はさすが。パソコンに携帯と言った小道具、ブログにエゴサーチなどいった
現代的な要素が違和感もなく物語に溶け込んでいる。才媛二人のぶつかり合いということだが、そもそもイマドキ風の、時にはヤンキーに
近い言葉づかいが混じる紫式部が、既に立派なおばさんとなった清少納言を終始振り回し続けていて力関係は明らか。で、心配するほど辛辣にはならない。
たくさんの笑を重ねながらそれぞれの個性と苦悩を描いていく。水と油のような二人が酒の力も借りてお互いをさらけ出していく中で
最後には何か通じ合うものもある二人。

さすがの脚本と演出、二人の演技も素晴らしかった。

長澤まさみとは今まで相性今一つだったんですが、夏のドラマ「若者たち」の演技と歌がかなり良かったりして好感度アップ中。
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ナイロン100℃ 42th SESSION​​『社長吸血記』@本多劇場

2014年10月03日 | 演劇・芝居
なかなか強烈なお芝居を見させていただきました。ケラさんのお芝居はいつも強烈なんですが今回はまた格別でした。
視覚と聴覚と両方への刺激で脳味噌がシェイクされるよう。
私には時に刺激が強すぎて体力を奪われてしまうのですが、他では得難いこの刺激が癖になってまた見たくなってしまうという繰り返しです。

1950年代の後半から東宝が「社長シリーズ」として30本以上の映画を製作しました。主演は森重久弥。最近になってケラさんがTVでこのシリーズを見て、
「中学生のころには分からなかった面白さを理解できた」ことから今回の『社長吸血記録』が生まれたんだそうです。
とはいえケラリーノというフィルターを通せば、もはや動機となるサラリーマン映画の残骸すらなくタイトル「社長」がつくということだけがその名残です。

ステージ上に作られているのはビルの屋上。このビルに努めている男女社員たちがのんびりランチを食べているというところから話は始まります。
そこから先はなんだかもうよくわかりません。この先ネタバレですと書いておきますが、ネタバレにすらなっていないようです。



・会社の社長は3か月前から失踪、もしくは行方不明。社長本人は最後まで登場しない。誰も吸血もしない。
・みのすけは実は警察で人をいらいらさせ、大倉孝二はいつも以上に切れやすい。
・屋上には過去に働いていた社員も集ってくるがそれが同じ世界なのかどうかわからない。
・会社の業務はいわゆる枕営業で何かの契約を撮ってくる悪徳な商売。屋上で色仕掛けの訓練に余念がない。
・その会社に騙された被害者たちがクレームに訪れる。時に被害者は凶暴な団体となって会社に襲いかかる。
・ベランダ越しに入り込めるマンションの一室に社長が軟禁されている。住人の大阪弁の女が屋上に向かって植木鉢を投げる。
・その部屋の住人に大倉孝二の妹(鈴木杏)が入りこんでいるが男に​その気はない。
・時空を超えてそのビルの屋上にいる「よい探偵」の手帳には常に意味不明のことが書かれている。
・警備員にそこは危ないと言われると何もない場所で誰もが転倒する。
・昔勤めていた社員たちは屋上をオフィスにして新たに会社を作ろうとしているが何の会社か誰も知らない。
・奥のビルは時間の経過とともに徐々に傾いて最後嵐の後ではSF映画の廃墟のような街並みになる。

巧みな言葉遊びや悪意の凝縮された罵詈雑言、予想できない笑いが溢れて目を離せないのですが、次に移った途端に直前のシーンの意味がわからなくなります。
今、自分の記憶のためにお芝居の内容を思い出しているとき、頭の中に浮かぶ風景はまさに「夢」そのものです。
何かとんでもない夢を見て見醒めて、その夢の説明しようとしているのに説明できないもどかしさ。あの芝居を見た人の多くがこのもどかしさを感じているはずです。
舞台装置は薄暗いゴミだらけの屋上、細かいところまで写実的に作り込んでいるんだけど、視線と意識が届いていない全体の輪郭はもやもやとはっきりしない。
そのもやもやした風景もまさに「夢」そのものです。

今回、演出にプロジェクションマッピングが使われました。舞台装置と投映される映像が関係するのはずいぶん前から行われていましたが、昨今風のガチの映像は初めてです。
背景のビルの窓が歪んだり垂れたり。一番すごかったのは雷鳴と共に落ちてきた豪雨。何秒間かの間、それが映像だとは分からずに呆然としたままでいました。
騙されることの快感。これがこの午後のハイライト。

ケラさんは本当に驚くほどたくさんのお仕事をされています。twitterで今日は何をしているということをよくつぶやいているのですが、この夏は脚本、
監督をするテレビドラマの撮影などでさらに忙しそうでした。気持ちがある程度集中できて「社長吸血記」の台本書きと稽古が同時進行になったのはほとんど9月に入ってからのよう。
それからわずか3週間ちょっとで本が完成し、役者は膨大なセリフと複雑な動きを覚え、凝った映像と音楽が作られ複雑なパンフレットが作られ9月25日には本番の幕が開いていました。

もちろん製作担当が死ぬ思いでスケジュール調整をしているんですが、でもやっぱり驚くべき早さだと思う訳です。
そのスピードで作品を作りながら、それが今の最上級のレベルで仕上げられているという。まあとにかく驚くべき人と驚くべき作品です。

こないだ三谷幸喜の観劇リストをまとめたので今回はケラリーノ・サンドロビッチ観劇リストをまとめておきます。

【ナイロン定期】
2004 27th SESSION『消失』(2004年12月
2006 28th SESSION『カラフルメリィでオハヨ ~いつもの軽い致命傷の朝~』
2006 29th SESSION『ナイス・エイジ』
2007 31st SESSION『わが闇』(2007年12月
2008 32nd SESSION『シャープさんフラットさん』
2009 33rd SESSION『神様とその他の変種』
2010 35th SESSION『2番目、或いは3番目』
2011 36th SESSION『黒い十人の女 ~version100℃~』<市川崑監督の1961年映画作品>
2011 37th SESSION『ノーアート・ノーライフ』
2014 41st SESSION『パン屋文六の思案 ~続・岸田國士一幕劇コレクション~』(作:岸田國士)
2014 42th SESSION『社長吸血記録』

【ナイロン以外】
2005 砂の上の植物群(KERA・MAP #003)
2006 噂の男(パルコ、作:福島三郎)演出
2007 犯さん哉(キューブ)作・演出
2009 東京月光魔曲(Bunkamura)作・演出
2010 2人の夫とわたしの事情(シス・カンパニー、作:サマセット・モーム)上演台本・演出
2010 黴菌(Bunkamura)作・演出
2011 奥様お尻をどうぞ(キューブ)作・演出

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パルコ・プロデュース公演 作:三谷幸喜 君となら

2014年08月16日 | 演劇・芝居
2014年8月9日(土)~9月15日(月・祝)
渋谷 パルコ劇場

竹内結子 小磯あゆみ(小磯家の長女)
草刈正雄 小磯国太郎(あゆみの父) 
イモトアヤコ 小磯ふじみ(小磯家の次女)
長野里美 小磯よりえ(あゆみの母) 
長谷川朝晴 諸星玄也(ケニーの息子) 
木津誠之 和田(バーバー小磯の従業員)
小林勝也 諸星賢也(あゆみのフィアンセ 愛称:ケニー)



「優香が良かった」酒と涙とジキルとハイドに続いて今年2本目の三谷幸喜。
1995年と1997年に斉藤由貴主演で上演された「君となら」。今回は竹内結子でのリメイク版です。

パルコプロデュースでの三谷幸喜を最初に見たのが1999年の「温水夫妻」。これがめっちゃ面白かった。
だもんでそれ以前の公演7本を見なかったことが悔やまれているのですが、こうやって昔の再演をしてくれるのはとてもありがたいです。

舞台は世田谷のはずれの床屋一家。表通りの店先とは反対側の一家の生活空間を庭先からのぞくセット。
長女あゆみ(28歳)が結婚したい相手は70歳の老人だった。誤解と嘘が交錯する大笑いだけの2時間。素直に面白かったです。
雰囲気はテレビで見る松竹新喜劇みたいな感じ。1995年当時のままの筋だてなので、緊急連絡酒手段はポケベルです。
竹内結子、イモトアヤコが舞台初挑戦。ストーリー上、一番目立つのがお父さんの草刈正雄。
本人の意志に反して娘二人の嘘に巻き込まれてぼろぼろになっていく様が見事なコメディアンぶり。

やはりかつての上演が気になり検索してみたら動画サイトにアップされていました。
冒頭ちらっと見ましたが斉藤由貴と角野卓三の父娘の芝居とそれほど大きな違いはなくてちょっと安心しました。

観劇済の三谷作品、一度整理しておきます。

ショウ・マスト・ゴー・オン(1991)
温水夫妻(1999)
マトリョーシカ(1999)
オケピ!(2000)
バッド・ニュース☆グッド・タイミング(2001)▼(▼マークははテレビで)
彦馬がゆく(2002)
You Are The Top 今宵の君(2002)
オケピ!(再演)(2003)
その場しのぎの男たち(再演)(2003)
なにわバタフライ(2004)
エキストラ(2006)
恐れを知らぬ川上音二郎一座(2007)
ろくでなし啄木(2011)
90ミニッツ(2011)
ベッジ・パードン(2011)▼
おのれナポレオン(2013)
ホロヴィッツとの対話(2013)▼
酒と涙とジキルとハイド(2014)
君となら(2014)


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大倉孝二×ブルー&スカイ「ジョンソン&ジャクソン」第1回公演『窓に映るエレジー』

2014年08月02日 | 演劇・芝居

渋谷のスクランブル交差点にいつのまにか新しい街頭ビジョンが増えていました。既に4つのビジョンが信号待ちの交差点角から見えていましたからこれで5つ目?
ちょうどハチ公の真向かいの場所で、今までの中では最大かつ最も高精細です。

すべてのビジョンがそれぞれに大きな音を出していますので5種類の音楽や宣伝文句が耳に入って来るのですが、人間というのはすごい物で、ちゃんとその時に
見ている映像の音だけをきちんと抽出して聞き分けることができます。それにしてもやっぱりちょっとやかましいよ、ここは。


そんな喧噪のスクランブル交差点から道玄坂を登って観にみたのがこちら。

大倉孝二×ブルー&スカイ「ジョンソン&ジャクソン」第1回公演『窓に映るエレジー』

ええと、大倉孝二はわかりますね。ブルー&スカイというのは劇作家の人の名前です。その大倉孝二とブルー&スカイの二人が組んだ演劇ユニットが「ジョンソン&ジャクソン」
わけわかりませんね(笑) 「コンセプトとしては、くだらない、何の役にも立たない芝居づくりを、澄み切った思いで目指して」いるんだそうです。
大倉孝二が主催しているなら当然そういうことになるでしょうね。

劇場は渋谷ユニクロの6階。マウントレイニアホールと同じ場所にある小劇場「シブゲキ」。初めて入りました。
出演したのは、主催の二人に加えて村岡希美/池谷のぶえ/菊池明明/川原一馬/池田成志。お芝居を見る人から見ればめっちゃ豪華。
村岡希美さんは今、「花子とアン」の白蓮の伯爵様であるお兄さんの奥さん役の人として日本全国に認知されたはず。

お芝居は一言で行ってしまえばナンセンスコメディで、あってないような筋書きよりもその周辺の笑に全員が賭けている感じ。
どっかーんと来る全員爆笑は希で、観客それぞれが自分のツボの台詞や状況で個別に笑う感じ。会場のいろんな方向からいろんなタイミングで笑いが漏れてくるのが可笑しい。

デパートの紳士服売り場の女店員(村岡希美)は資金を貯めるためにデパートの試着室の中に住んでいる。
そうして貯めた9500万円で35階のマンションの一室を手に入れる。眺望がすばらしいその部屋にデパートの友人を連日招いては眺望を自慢し続ける。絵葉書まで作って売る。
広島では禁酒令が施行され、広島カープの北別府(大倉孝二)がヤミ酒で暴利を得ている。北別府の愛犬のマメ芝(池谷のぶえ)は実は古参の警部が柴犬に化けていて
一人の脱獄囚(池田成志)を長年にわたり追っている。この脱獄囚がマンションを買ったデパート店員の実の兄で・・・・・・・。

やっぱりナンセンスコメディの筋書きを描くこと自体がナンセンスでした。
Rさんはやっぱりマメ芝とチンピラ北別府とのからみが面白かったようです。私は銃で撃たれて麻酔なしの手術をした結果、体がビルになってしまった菊池明明も件が好きでした。

ほんっと、とことん役に立たなくてくだらないものを見ました。満足満足。これが第1回ならそのうち2回があるのかな。こんな顔ぶれならまた観に行きます。
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酒と涙とジキルとハイド 作・演出 三谷幸喜

2014年04月24日 | 演劇・芝居


story
舞台は19世紀末のロンドン。 ジキル博士が開発した新薬は、人間を善悪二つの人格に分ける画期的な薬、のはずだった。
それを飲んだジキル博士は、別人格のハイド氏に変身する、はずだった。学会発表を明日に控え、薬がまったく効かないことに気づいたジキル博士。
追いつめられた末の、起死回生の策とは?


出演
片岡愛之助 優香 藤井隆 迫田孝也

会場
プレイハウス
2014年04月10日 (木)~2014年04月30日 (水)

久しぶり、純粋コメディ。楽しい2時間弱でした。
舞台は初めてだという優香がとにかく素敵で双眼鏡で追い続けてしまいました。


目指していた薬ができず、でも開発費をもらうためにその失敗をなんとかごまかそうとするという展開は制作発表の段階では違っていたそうで
(最初は開発には成功したが、その薬を発表前に猫に飲まれてしまった、という話だった、らしい)この変更は当然STAP細胞のドタバタを
取り入れたもの。「200回以上」や「実験ノート」などという単語も4月になってから台詞に追加しているようです。

全体的な雰囲気はNHKの「お江戸でござる」とか藤山寛美の舞台に近いものなので役者同様に観客としても早めに「解放」されると良いです。

愛之助も藤井隆も助手の迫田孝也もみんないいんですがまあとにかく優香が良かったです。
コメント (8)
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