ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

第九と寛容

2024年08月01日 | 日記B

母校の周年事業イベントとして、2025年の春にサントリーホールでベートーヴェンの第九が演奏されることになりました。
今月半ばにOB組織から「大学関係者(学生、卒業生、教員など)から合唱団を募集する」というメールが届いたのですぐに申し込みをしました。

第九って全交響曲の中でも最も有名な曲のひとつなのに、個人的には意外となじみが薄い。
もちろん何回も何回も聞いてはいるのですが、自分で演奏したことがないせいか作品のとらえ方がうすぼんやりしています。
好みとしてもベートーヴェンの交響曲の名では下位に属します。要するにあんまりよく分かっていないという事です。
いつか機会があれば関わって見たいと以前から思っていました。

応募者は多数だったようで抽選になるというお知らせが届きました。
私が出られるのかどうかは8月末まで分かりませんが、とりあえず準備だけはしておこうと思ってamazonで楽譜を購入したのですが、、、、
なんか宅配ボックスではなくポストに無理やり押し込んだようで、

パッケージがこんな状態。

背の部分が折れ曲がっています。

裏側もこんな感じ。

しくしく。予習に入る前から出鼻をくじかれた感じ。amazonの配送でここまで酷かったたことはありません。
一晩どうしようか考えて、翌朝「返品・取り換え」の手続きをしました。
スマホから簡単に手続きできました。驚くべきことにまだこの楽譜が手元にあるのに、先にに新しい物が発送されるようでした。

それを見たら、なぜか急に返品する気持ちが薄れてしまいました。
楽しみにしていた楽譜が折れていたのは残念なことですが、これが使えないかと言えばそんなことはない。
そもそもこの先、合唱団に入れてこれを使うことになるのかどうかも分からない。

SNSではこういうことですごく怒って、罵りの言葉を連ねる人を大勢見るけど、これくらいちょっと我慢できないかな。
わが身に起きたできごとは不幸だけど、これくらいは許せる寛容さがあってもいいんじゃないか。
「不適切にもほどがある」でも宮藤官九郎が訴えたかったのは「寛容になりましょう」ということでした。
ならば私も寛容になろう。このくそ暑い中、ポチした翌日に届けてくれた人を責めるのはやめよう。大目に見ましょう。
そんな思いが一瞬で脳裏を巡って、すぐに「返品・交換をキャンセル」という手続きをしました。

ほんのちょっとだけ資源が無駄にならず、だれの益にもならない配送を1個減らせました。
ほんのちょっとだけ世界の平和に寄与したんじゃないでしょうか。言い過ぎか。でも少なくとも私の心の中の平穏はちょっとだけ広がった気がします。

配達された日から2日。折り目を直すようにあれこれ力を加えたりして楽譜はかなり真っすぐになってきました。
完全ではないけど。でもこのくらいだったら本当に問題ありません。取り換えてもらわなくて良かった。
コメント (8)
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