絵描き男の料理徒然草

香本博が厨房で考案した
短時間で出来るツマミや
お勧めの料理店・飲み屋など紹介。
纏わる話 開設200610

おむすび・おにぎり・画家と縁切りを回避

2016年01月07日 23時31分06秒 | 食べ物講座
もう今日という今日は、あの画家とは縁切りだ
熊谷にあるカフェギャラリーのオーナーは
苦しい胸中だった。
その画家は金のトラブルがあちこちであり
自分の店の展示にも及んでいた。
そうした中、金の無心をされて、主はレジを開けて見せ
これだけしかない。うちも苦しいんだ・・
そんな繰り返しで疲れ果て、もう展示も断わりたい
今日は、はっきりとそう言おうと思っていた。
彼が来た。
その画家Sは、絵と共に おにぎりを握ってきた。
炊き立てのお米の香りがするし
暖かくふわっと握られていた。
オーナーは、これを食べたときの感想を
私に話した。
自分は、彼を【切ろう】としていた。
でも、その 【中に入った】暖かさと柔らかさは
おに・切り  ではなくて
おむすび【結び】だったんだ。
私は彼を許して、金を用立てたと。

これは美談だと思った。
切る 結ぶは この食べ物で そうした意味ではないと思うが
ここでは、その食物と人間関係に言及できていた。

しかし残念ながら、いまだ、私がSに貸した金も
10数年たっても帰っては来ないままだ。


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