講師の弓手研平です。 <o:p></o:p>
なかなか見応えのある展覧会『桜桃会展』の紹介をさせていただきます。
『人物画スペシャリスト(第2・4水曜18:00~21:00)』という、なんともレベルの高そうな名前の講座を受講されている方々の有志によるグループ展『桜桃会展』が大阪市西天満、旧老松通りの『大阪現代画廊』にて16日(土)まで開催中です。
“レベルの高そうな”
、実際なかなか見応えがありましたから、親バカならぬ講師バカ目線ではありますが、レベルの高いグループ展だと思います。教室授業では講座名の通り、人物モデルさんを描くことが中心です。そしてモデルポーズも単にイスに座っているだけでなく、いつも一捻り二捻り工夫しています。例えば最近では三面鏡(スタッフが工夫して作ってくださった舞台セット)の前でカーディガンを羽織った裸婦が赤い口紅を差すポーズなどです。ヌードやコスチュームはもちろんですが、静物課題にも取り組みます。例えば前に『日曜アートセミナー』でも応用しましたが、『ピカソのように描いてみよう!キュビズムスタイルで描く‥』のパターンはこのクラスで行ったことがきっかけでした。楽器をメインに毎回モチー
フを追加したり組み換えたりして画面も頭も捻りに捻って描いていただきました。
「こんな難解そうな課題だと、相当な熟練者でないとついていけないのでは~?」<o:p></o:p>
って思われることでしょう。 <o:p></o:p>
いやいや、案外そんなことはなくて、むしろ絵画初心者さんに<o:p></o:p>
「どうせ描くのなら面白そうなモチーフを描きたいわー」<o:p></o:p>
って方々に意欲的に取り組んでいただいております。講師弓手としましては、<o:p></o:p>
『デッサン力は感動力!』<o:p></o:p>
という信念を持って指導させていただいております。
前おきが長くなってしまいました。
では、そんな授業をいつも受けていただいている『桜桃会』の皆さんの作品の一部を紹介させていただきます。
こちらはYKさんの木炭デッサン大判です。教室で『落ち葉の上で寝そべる裸婦』という課題の時の作品です。教室時間内で仕上げられていますが、量感も骨格もしっかりと捉えられていて、特に木炭が重厚に食いついていて力強い作品です。
こちらはMIさんの静物作品です。クレパスやモデリングペースト、コラージュなども取り入れられています。教室課題で『青い静物』と題して、教室モチーフ棚から青いモノばかりで組んだモチーフを人物画で鍛えられた空間認識力と豊かな色感表現力で魅力的な作品に仕上がっています
こちらも先の『落ち葉の上で寝そべる裸婦』の課題でのパステル作品です。枯れゆく秋の落ち葉の色と裸婦の肌に感じる色感が、赤と緑の補色がつくる微妙なグレーを基調色として心地よく溶け合って、不思議な叙情的味わいを醸し出しています。
こちらは先にも触れた『日曜アートセミナー』で『キュビズムスタイルで描く人物画編』で描かれたHHさんの作品です。キュビズムスタイルで描いたのにタイトルに『シャガール風‥』とありました。たしかに、どこかシャガールっぽいですね。HHさんは色感がとても豊かな表現をされる方で、キュビズムスタイルで描いても立体を感覚的な色面に解体されて、結果シャガールのように “色彩の魔術師” のごとく楽しい作品に仕上げられました。
こちらはいつもお忙しくて、なかなか教室時間内で作品を仕上げられないYIさんのパステル作品です。しかしこの難しい裸婦寝ポーズのしかも頭側からの俯瞰アングルという難解表現を、焦点ポイントを尻部に当てて意外性のある作品に仕上がっています。YIさんは、サクラアートサロンのこのクラスに来られるまで、特に専門的な習練はされていませんでした。当然というか、最初は思うようには描けませんでした。ですがそんなことは意に介さず?、まさに “デッサン力は感動力!”
とご理解いただけたかは分かりませんが、周りの方々からの刺激を大いに糧にされて力をつけてこられました。この作品は特にご自宅でも加筆され、見事に見応えのある作品となっています。
こちらはいつも課題を出題する側を驚かせ楽しませてくれる、独特の感覚表現をされるMTさんの作品です。こちらの作品はなんと、『日曜アートセミナー』で 『写実の本道を探る~静物編~』と題して行った講習会で、MTさんなりの “写実作品”
として仕上げられたものです。写実と言うと、いわゆる写真のような表現と一般的には解釈されがちですが、実はもちろんそんなことはなくて、この作品のように講習会当日には無数に並べられた静物モチーフの中から、ほんの10センチほどのナンでもない馬の飾り物に、1日中向き合ってこのようなある種ファンタジックな楽しい “写実” 作品に仕上げられました。まさに “デッサン力は感動力!”
です。 MTさんもこのクラスに来られるまでは特に専門的な絵画の習練はされていませんでした。
こちらはいつも骨太なデッサンをされるYNさんの油絵作品です。木炭でもクレパスでも、いつも圧倒的に骨太にグイグイとえぐり出すように描かれ、描いているうちにいつしかフォルムもデフォルメされて、観る者の記憶に強く焼き付く魅力的な作品を描かれます。ですがご本人は極めて控え目で、どこにこの力強さが潜んでいるのかと戸惑うほどに華奢な方です。この作品では、その骨太な筆致に加えて、ピリリと効いた彩度の高い色彩が心地よいアクセントとなっているところも魅力です。
こちらはKMさんの小品作品の一部分です。普段KMさんは150号の大作などを主に日本画作品で表現されています。この小品にも岩絵の具が使われていますが、KMさんはいつもあらゆる画材材料や一般的には画材と分類されない、例えば化粧品なども画材に化けさせて描かれたりする探究心旺盛な方です。ちなみにこの度、とある公募展にてKMさんが『文部科学大臣賞』を受賞されました。おめでとうございます。
まだまだ紹介したい作品や出品者の皆さんが居られますが、長くなってしまいましたのでこのへんで‥
“とても見応えのある展覧会『桜桃会展』” ぜひぜひお足をお運びくださいませ。<o:p></o:p>
『桜桃会展』
3月16日(土)まで開催!
11:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:現代画廊
大阪市北区西天満4-6-24(老松通り)
TEL06-6361-6088
南森町②出口を左へ12分
淀屋橋①出口を右へ12分