最高気温27、7度(最低気温6、7度)。
明日(4月28日)は、新月。
今回は、新月をテーマに書いた過去の記事から、9つのストーリーを抜粋しました。
星空、焚き火、ウイスキー、星空カヌー、ロマンチックな星降る川への案内状です。
1 明日(4月28日)は、新月ですね。*書き下ろし
四万十川流域は(町付近の下流域をのぞいて)、川だけでなく、美しい星空も見られるところです。
せわしない日常に、人間関係に、SNSの世界にくたびれたときは、
スローでキレイな川が流れる四万十で —もちろん自然豊かな川でのカヌーもよいけど—
ただただ、ぼおっとステキな星空をながめてみるのも一手かな、と。
そして、いくつになってもユメ見がちな、おセンチガイドは、
きれいな星空をみあげれば、古いジャズナンバーの歌詞を思い出したりします。
純粋な恋をしていた少年の日の記憶をたぐって。
「恋している人のように」Like Someone in Love
最近ふと気がつくと 知らないあいだに
1人で星をじっと見つめたり ギターの調べに聴きいったりしているんだよね
まるで恋している人のように
2 ♪流れ星 流れ星 すぐに消えちゃう君が好きで♪
明後日15日は、新月ですね。人少なく灯り少ない四万十川の川原は、星を見るにもよいところ。
夜の川原で、火を囲み、酒を飲み、秋の実りを食し、星をながめれば(ナイトカヌーもイイね)、
あなたは、「四万十の秋」そのものになってしまうでしょう。たぶん。
*ごろた石の川原キャンプでは、コットを使うとカイテキですよ。
3 *西土佐地域(江川崎、口屋内村など)は、「星空の街」に認定されてます。
江川崎には、小さな天文台があり(4mの観測ドーム、直径36cmの反射望遠鏡)、
専門員による星空観察(要予約)もおこなってます。ギャラリー|四万十天文台
星を見るときは、足元にも気をつけたいものです。
山頂、土獏、海上、これまでいろんな旅の夜に、ステキな星空を(月空)をながめてきましたが、
一歩まちがえれば、星を見てた自分が、星になっていたかも、ということが何度かあります。
そのひとつは、ある晩秋の夜。
我が家の対岸にある知人宅で開かれたワインパーティに参加した(新酒がメイン)ときの帰り道でのコト。
ヌーボーは、軽くのどごしがいい。つまみは、炙ったイカでいい。
調子にのった僕は、注がれるままガバガバとワインを飲んだ。
やがて、パーティがお開きになるころには、酩酊。べろんべろんに。バカなのだ・・・。
帰路。チドリ足でフラフラと沈下橋をわたる、と頭上にまたたく無数の星の饗宴に目をうばわれた。
わおっ、なんてキレイな・・・。夜空の宝石箱や~。
沈下橋のふちにこしかけて星を見はじめた僕は、やがてゴロリとあおむけに。
そして、そのまま夢のなかに、フネを漕ぎはじめた。
さぶっ!しばらくしてヒエヒエ夜風に目がさめた。すぐ足元は、凍るように冷たい冬の川。
ずいぶんアブナイところで寝てしまったのだ。そして思った。
ああ、落ちてたら、(四万十川ではなく)三途の川をわたり、お星さまになっちまうところだった、と。
皆さんも、星を見るときは、くれぐれも足元にお気をつけを。
4 「流れ星を見つけるコツは、星空の一点を集中して見ずに、夜空全体をぼんやりとながめるコトさ」
コットのシュラフに潜りこみ、ウイスキーをなめながら、ぼおっと星空をながめ流れ星をさがしました。
大きく明るい星が、夜空の低いところをゆっくりながれてゆく。
小さく明るい星が、夜空の天上をかすめるようにスバヤクながれてゆく。
そして、晩秋の星空を鑑賞しながら思うのでした。
過疎暮らしは、ネットの速度が遅いコト、ラジオの受信状況がよくないコトが難点だけど、
ステキな星空を目のまえで見て、心おどるリアリティを感じられたから、まぁ、いいか、と。
5 木陰をわたる南風が、心地よい午後です。
今夜は新月ですね。人少なく、灯り少ない四万十川の川原は、星を見るにもよいところ。
星明かりの川原で、お酒でも飲みながら、のんびり夏の夜空をながめてみてはいかが。
天の川、夏の大三角(こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ)、
赤く輝くさそり座のアンタレスなど、
華やかで見ごたえのある星が楽しめますし、流れ星をさがすのも、またよろし、です。
そうそう、ごろごろ石の川原では、コットを使うとカイテキですよ。
時には、星の下で眠ろう。
6「新月の流れ星を沈下橋でみたものはユメがかなう」とこのあたりではいわれます。
ウソです。これは今、僕がかってに思いつきました。
でも —深緑のなかを青くながれる昼間の川とはまるでちがう表情をみせる —
神秘的な星空の川は、あなたのユメをみるチカラを、きっとぐっと高めてくれますよ。ぜひ。
あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこです。
4日、かわらでほしみしますから、おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい。
さのねこ拝
7 そんな、陽と風が心地よい秋の四万十川は、カヌー&焚き火キャンプにもよいフィールド。
昼は、光る風がわたる透明度のよい川をカヌーでくだり、
夜は、冷えた空気の川原で焚き火にあたりながら酒を飲む。♪肴はあぶったイカでいい♪焼いたアユでもいい。
時々星もみる。ラーメンでしめたあと、テントはいり寝袋にもぐる。
ヘッドランプの灯りで本を読む。いつの間にか眠ってしまう。
♪流れ星 流れ星 すぐに消えちゃう君が好きで♪
明後日(11月1日)は、新月。カヌーにのって星空の川に流れ星をさがしにいこうか。
8 明後日13日は、新月。そして、おうし座北流星群の活動が極大となります。
星の秋。だれっちゃおらん真っ暗な川原、澄んだ夜空。
秋の四万十川は、星を見るのによいフィールドです(月もね)。
秋の夜長、ごろり川原に寝転んで流れ星を見ませんか。焚き火にぬくもりながら。
そうそう、星降る夜の川に、カヌー(カナディアン)で漕ぎだすのも、またオツなものですよ。
9 焚き火も心地よい、秋~春の四万十川の川原。
そんな焚き火には、「焚き火マジック」があるのをご存知ですか。
いつもは無口なヤツが饒舌に語りだしたり、いつもはおしゃべりなヤツが黙り込んだり、
とても大切なハナシをいきなりぶっちゃけたり、
焚き火を見つめていると、ときどき人は、ゆらめく火の魔法にかかってしまうコトがあるのです。
「実はなぁ、オレ、あいつと別れたよ」
「ん?」
「離婚したんだ。子供は向こうについていった」
「そうか・・・」焚き火の向こうにいる友人Kのトートツな打ち明けバナシに、
僕は、なにを言っていいのかわからず、相槌をうつしかなかった。
それは、ある春の夜。
カナディアンカヌーで四万十川をくだり、川原で焚き火キャンプをしていた時のコト。
焚き火マジックにかかったKは、苦しい胸のうちを訥々と語りはじめた。
独り暮らしの寂しさのコト、子供のコト、うまくいかない仕事のコト、不安な将来のコト。
それまで僕らは、バカ話をしながら陽気に飲んでいたので、
不意の打ち明けバナシに不意をつかれ困惑した僕は、ただただ黙って彼のハナシを聞いた。
ひととおりハナシおえると彼は黙りこんでしまった。
ふと見あげた頭上には、たくさんの星が瞬いていた。明日は、新月だ。
「なぁ、星降る川に、カヌーでくりだしてみようぜ!」と僕は言った。
ほとんど流れてない長いトロ場に、カヌーをうかべ、星々の饗宴に酔いしれた。バーボン片手に。
「すげえなぁ・・・。うつむいてばかりいたら、このステキな星空に気がつかなかったかもな。
なぁ、この宇宙の膨大な時間のなかでは、人の一生なんて、ほんの一瞬の光りの輝きなんだろうな・・・」
「そうだなぁ。過去も未来もなく、今、俺たちはサイコーな星空にしびれている。それでよくね?」
「これから独りどうやって生きていこうか・・・」
「・・・旅にでて、新しい世界にふれてみては?」
テント場にもどった僕らは、消えかかっていた火を復活させた。
Kは、だまって夜更けまでギターを弾いた。
それから数カ月後。我が家に、エベレストが写ったポストカードがとどいた。
そこには、短い文章が書かれていた。
「よう、元気か?俺は、あれから旅にでたよ。おっさんバックパッカーさ。
香港からはいって、タイ、インドネシアなど東南アジアをまわり、インド、ネパールへ。
そこからヨーロッパまで。あと2か月ほど旅をして日本へ帰る。
やっかいなことに巻きこまれたり、
あぶない目に会ったりもするけど、今をとても楽しんで旅をしているよ。世界は広いな!
帰ったら、また星空の川原で、焚き火をかこんで一杯やろうぜ!!」