アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

南の川から(気まぐれダイアリー)6月28日

2024-06-28 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、雨。

予想されていた大雨とはならず・・・。

雨は夜通し、ポチャポチャと弱く降りつづきました。

大雨を想定していたはさのは、なんだか肩透かしをくらったようなキブンです。んが。

さて、今日はこれからどれくらい降るのだろうか?コーヒ片手に、じっと雨空を見る。

それにしても、洗濯物が乾かなさよ。ジメジメ。

8:00現在。四万十川の水位は、平水+90センチ(川登)↑

*累加雨量は、上流のおおいところで、35㍉ほど。

今日の最低気温は、22、4度。

 

 最高気温25、6度。

午後も雨。シトシト雨が降ったり、止んだり。

15:00現在。

四万十川の水位は、平水+1、3メーター(川登)。

週末の川は、水量たっぷり。カヌーにのって長距離をスイスイくだりたい方には、良い水量です。

天気は、よくなさそうですが。

 

(週間天気予報によると)ダラダラと降りつづく長雨は、どうやら6月いっぱいでオワリ。

7月初句の四万十は、ひさしぶりの夏の太陽が、連日顔を見せてくれそうです。

梅雨の中休み?それとも梅雨明け?

いずれにせよ来週は、オニ暑な真夏のさきがけのような日々となりそうです。

カヌー&川遊びもユカイな。

 

以下の雑文は、ある夏(梅雨明けごろに)、

初めて高知県西南部をソロバイク旅したときに(まだ四万十に移り住むまえに)、

初めて四万十川をカヤックでくだったときの日記をかきなおしたものです。おヒマなら読んでね。

 

 7月27日。江川崎カヌー館。キャンプサイト。

今日も雨。もう7月も終わるというのに、なかなか梅雨が明けない。

四万十川は、増水中(+2、5メータほどか)。雨がつづく川は、なかなか水位がさがらず・・・。

 

夕方、テント前の小さなタープの下で、もう何日も水量がおちつくのを(カヤックで下るため)

まっていた僕のちかくに、おっさん三人組がやってきてテントをはった。

夕食は、彼らといっしょに食卓をかこみ、ハナシをした。

アユやエビ、カツオなど、川と海の幸をごちそうになる。ダバタ火振り(クリ焼酎)とともに。

ビンボーバイク旅の僕には、なんともラッキ&ハッピーな夜になった。

おっさんは、三人とも55才。僕は、彼らを「ゴーゴートリオ」と心のなかで名付けた。

 

「晴れて水量もおちつきそうな明後日に、川を下ろうかと思っている」

と僕がいうと、ゴーゴートリオもその日に下る予定だという。

「どうだい。一緒に下らないか?」

とのおさそいは丁寧におことわりした。一人で自由気ままに下りたかったのだ。

7月29日 晴れ。AM9時。江川崎 西土佐大橋上流 右岸の川原。

今朝の空は、よく晴れている。

川の水量は、ややおちついてきたが(+2メーターほど)、ウグイス色の水は、全体的に流れが速い。

ところどころにある瀬の波は高くはない、でも、なかなかパワーがありそうだ。

僕が使うカヤックは、レンタルしたポリ艇(ゴーゴートリオも)。*レンタルは、シマムタ共游国さん

 

カヤックで川を下るのは、ひさしぶりだ(四万十川は初体験)。

まずは、西土佐大橋上流、右岸の川原にできた狭いトロ場で少しならす。*トロ場:流れがゆるい箇所

ここは陸より、川のうえのほうが空が広く開放感がある。

 

流れる水を尻にかんじながら漕ぐカヤックのバランスは繊細で、

艇を大きくかたむけると、沈(ひっくり返るコト)するコトも。

しかし、その分こまわりがきくカヤックは、軽快で自由度が高い。それがポリ艇カヤックの魅力だ。

安定をもとめるなら、ダッキーやパックラフトのほうがいい。肴はあぶったイカでいい。

 

瀬音、風音、鳥、蛙の歌、ぽちゃぽちゃパドル音。

水面にちかく目線がひくいカヤックは、水鳥の視点で川をながめられるのがシンセンだし、

機械音がないので、水の自然を(水や音、風、生き物)五感で感じるにはサイテキな道具(ギア)だ。

バサバサ。少し遠くの川原から、アオサギが飛びたっていった。

 

さぁ、いくぞ!ざぶん、ざぶん!うっひょー!!

下りはじめて ―やや緊張しながら— すぐに突入した、初っ端の波高い瀬を無事クリアー。

スプレー・スカートを付けなかったので、カヤックは水船になり、全身はびしょ濡れだ。

濡れたカラダに、ギラギラ太陽が、ジリジリと照りつけた。

 

ん?荒瀬おわりの左側の川原に、艇の水抜きをしている、カヤッカーの姿が。ゴーゴートリオだ。

まったくの初心者の彼らは、2人が荒瀬で沈したようだ。

他人の沈は、蜜の味・・・。

僕は、ニカニカ笑いながら彼等に声をかけた。

全員じゃなくてよかったね(3人ともセルフレスキューになってしまう)、真夏の川でよかったね、と思いつつ。

「やっちゃいましたね」

「わははっ、気持ちイイよ~。四万十川に初沈をささげたよ」

「手伝いましょうか?」

「ん、だいじょうぶだぁ~。どこまで下るん?」

「いけるとこまで、いってみます。流れも天気もイイし」

「気をつけてな~」

「四万十川の水を飲んだ者は、四万十川に帰る、です。いつかまた、この川であいましょう」

ゴーゴートリオと別れた僕は、再びメインストリームにカヤックをのせ、スイスイと川を下っていった。

 

 コクピットからのけぞってみる夏空には、ギラギラ太陽、モクモク入道雲。

聞えてくるのは、にぎやかなセミの大合唱。南風にざわめく葉擦れの音。

これで梅雨明けだろう。ついに真夏がやってきたのだ。四万十川に!夏の旅人に!

「とりあえず文句ない文句ない」

プチン!僕はひとりごちながら、冷えた缶ビールのプルトップを開けた。