「レターフロムS13 ホタルの川とトホホな海」再掲です。
5月の第3週。
日本の南海上を北上する台風の進路がとても気になります。
週末には、ツアーが入っているのです。
こまめに気象サイトとにらめっこをする僕は、その予想進路に一喜一憂。
参加者とフィールドの状況についてメールでやりとりしながら、
当日の四万十川の状態を予想し、ツアー可否の最終判断をしなくてはいけない。
去年、この時期に台風に直撃された川は、
沈下橋が泥水にもぐるほど増水し、まだ小ぶりなアユやホタルのさなぎは流されてしまいました。
台風は、当初の予想進路よりも大きく南の海上にそれそうです。
でも、前線が四国にかかっているため、大雨(雨量)がシンパイ。
ダダッ!ダダッ!
屋根をたたく雨音が強くなる度に、チッ!と舌打ちをしてる自分に気づき、思わず苦笑いです。
いつもは恵みの雨とか言ってるくせに・・・・。
「ドント ウオーリ マイト!」 「ティキリィジィ!take it easy」ですね。
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週末は天気が回復しました。
シンパイした川の水位は、少し高くなったていどですみました(水は笹濁り)。
予想よりもいい状況のフィールドに、ホッとしました。
土曜日のツアーは、空が曇りがちで少しザンネンだったけれど、日曜日のツアーは、バッチリ晴れてラッキー。
最高気温27度。増水した水が残る川の水温は(平水時よりも低く)、19度。
初夏のまぶしい光、すきとおった風、ヒンヤリした水が、心地よいツアーでした。
カヤックから沈脱し川を流れたTさんは、水の冷たさと太陽のぬくさが身に染みる1日となったようですが。
某日。
四国西南部、大月町柏島の海は、足摺宇和海洋国立公園の一画。
魚の種類も珊瑚も豊かな南国の海は、エメラルドグリーン。西日本人気ナンバーワン、ダイビングスポットです。
今日はこの美しい海で、関西からの修学旅行生達が、釣り、シュノーケル、シーカャックを体験。
僕は、シーカャックのインストラクターとして参加です。
準備段階の昨日は、夏を思わせる晴天だったのに、今日は曇天。おまけに風も吹きはじめました。あらら。
もう1人のインストラクターとして連れてきた友人のテルミちゃんは、
今日がイントラとしてのデビュー戦。な、の、に2日酔い・・・。
青い顔をしてうつむきかげんのテルミちゃん、トホホなのでした。海にエサまかないでね。
240人を6クラスに分け、1クラス40人、各組40分のカヌー体験。
僕は、6~7分でチョー簡単に漕ぎかた、
乗りかた、漕げるエリアを教えたあと、子どもたちをカヌーに乗りこませ、海で遊ばせました。
強い向い風に子どもたちは、すぐに風下に流されてしまう・・・。
わっせわっせと風上に漕いでもどり、ちょっと海とたわむれて、ハイ時間終了~。短っ!!
「主催者は、なんでこんなやりかたするのかな?生徒は楽しいのかな?」
これまたトホホ・・・なのでした。
まあ、大人数の修学旅行生の体験カヌーは、どこもこんなものでしょうけど・・・。
それにしてもここの海はキレイだ。
今度はプライベートで、カヌーを漕いだり、シュノーケリングをしてのんびり遊ぼう、と思いました。
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5月29日。気象庁は、四国地方の梅雨入りを宣言。
いつもの年よりも、一週間早く四万十に雨の季節がやってきました。
その日の夕刻。友人に用事をたのまれ、上流の大正町まででかけた僕は、
用事をすませた後、帰路、ところどころでホタルの光りをながめました。
今頃がピークなのだろう。本流でも沢山の「ゲンジボタル」の光が舞っています。
水のきれいな支流は、さらに数がおおい。幻想的なホタルの命の点滅に、しばし時を忘れ見入ってしまいました。
それから1週間後。
2人の素敵なゲストが、忙しい都会の日常をちょっと抜け出し、ホタルを見るため四万十へやってきました。
僕らが、黒尊川(四万十川の支流)上流、黒尊渓谷に着くころには雨がやみ、
やがて雲の切れ間から、青空も見えるように。ラッキー!ハッピー!
渓谷の新緑の森のなか、渓流の瀬音をききながら、夕食を食べ、お酒を飲み、夜の闇を待つ。
そして、あたりがしっかりと暗くなると、淡い光りを点滅させながら、ホタルがふわふわ飛びはじめました。
「うわっっ、キレイ!すごい!こんなに光るとは思わなかった」
と、ゲストの2人は、ほとんど初めて見るホタルの幻想的な光りにカンゲキ!
その声をとなりで聞いた僕は、「良かったぁー」とココロからうれしく思いました。
渓谷付近ではホタルの数が少なかったため、さらに下流のポイントに移動。
下流では、数多くのホタルがその美しい舞を見せてくれました(先週のピーク時より数は少ないけど)。
黒尊から本流に向かう狭い道では、たくさんの鹿たちが車の前を駈けてゆく姿も見られました。
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黒尊山塊:熊のコル 初夏
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熊のコルには、ブナ林が残されてます。
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今宵の川は、ムーンリバーならぬスターリバー。
黒尊川から四万十川に移動した僕らは、星降る川にカヌーで漕ぎだしました。
黒々とした山の稜線にかこまれた夜の川。頭上には、無数の星がまたたいています(ホタル光も)。
ゆらゆらとワイン片手に、ゆるゆると夜の川を下ってゆけば、聞こえて来るのは風の声、パドルの音、野生の息吹。
なんだか別の惑星にまぎれ込んでしまったみたい・・・あまりに幻想的すぎて。
翌日は、黒尊川の清らかな流れとたわむれて、のんびりと過ごした後、昼過ぎに解散です。
短い時間だったけれど(何度か昼間のカヌーツアーに参加しているゲストが)
四万十の夜の自然も堪能できたアレンジツアーでした。Mさん&Yさん、サンキュー!
*通常のツアーではナイトカヌーは行ってません(ホタルの季節、満月時などにツアーを提案することはありますが)。
もちろん僕は熟知したフィールドですし、シラフです(念のため。)
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