金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【ワクチン接種】 接種の最終判断に至らない人 「不安」の理由とは?

2021-08-25 07:15:51 | ワクチン接種

 昨日の続きです。民主主義社会では、個々人にワクチン接種の最終判断の自由が与えられています。国民に、少しでも不安があれば、接種を受けない自由があるのが、民主主義社会の誇りでもあります。

 

 それでは、接種の判断に至らない人たちには、どのような不安があるのでしょうか? まず代表的なのは、アナフィラキシー反応と言って、ワクチン接種直後に、激しいアレルギー反応があらわれやすい体質の方々がいます。このような方々は、かかりつけの医師がいらっしゃいますので、主治医がいつでも駆け付けられる、あるいは主治医のところへ即座に駆けこめる状態にした上で、接種を受ける必要があります。まずは、このような方々は、主治医と相談いたしますので、そうした特別な環境で接種を行うことが推奨されています

 また、1回目の接種で、数日間、発熱が続き苦しんだ方が、2回目をキャンセルしてしまうケースもあります。確かに症状が激しいと、72時間前後、発熱が続くようなので、その苦しさは想像に難くありません。しかし、それでも、長くても72時間前後です。昨日お知らせした重症化比率や死亡率を考えると、2回の接種を受ける意義は大変大きいと言えます。最長3日~4日の有給休暇を取る準備をしたうえで、接種することが推奨されています。

 

 問題は、上記のような事例ではなく、SNS上などで、「根拠のないデマ」に不安を感じて、接種の最終判断に至らない方々が、かなりの数いらっしゃいます。

 例えば「妊婦は胎児に影響が出やすい」とか、「ファイザーやモデルナのmRNA方式というのはDNAを書き替える手法だし、従来は認可されていない手法なので、ワクチンを打たれた母体や、次世代のDNAに悪影響が出るのでは?」とかのデマです。このようなデマが出ると、特に妊娠中の女性や、これから子供を持とうとする20代30代の方々は、相当に不安になったはず

 また、何かの理由で、しばらくワクチンが打てない人間が、自分と同じ状況の人を増やそうと、敢えて不安を煽るような内容をSNSで拡散した事態もあったようです。非常に、卑劣で悪意ある行為であり、許されるべき行動ではありません。根拠がない情報なのに、それを転送してしまった人々も反省すべきと思います。デマの片棒を担いだわけですから。

 「妊婦への影響や胎児への影響」については、昨日もご案内したとおり、日本産科婦人科学会などが妊産婦宛て「妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします」とのメッセージを公表していますし、「mRNA方式」は、「DNAを書き替えるのではなく、内容を転写するだけで、人間の根本を決めるDNAを変化させるものではない」ことは、この方式を紹介している米国の論文にも明記されており、専門家の間でこの方式を不安視する向きはいらっしゃいません。

 

 もちろん、それでも、重症化比率は0.004%死亡率も0.001%であり、ゼロではありませんから、リスクは残ります。世の中には「絶対」は存在しませんから、最後の判断が個々人に委ねられている以上、それを尊重するのが民主主義社会です。

 ただ、現在のように、感染爆発が起き始めている状況下、いつか自分がコロナに感染する日が来るのも間近だと考えた場合ワクチン接種していない場合の重症化率のデータはありませんが、直近の東京で見ると、7日間移動平均の感染者数が4,000人前後、重症者数が270名前後ですので、平均治療日数を10日間と仮定した場合、重症化率は0.7%。2回接種組との比較では、リスクは約180倍ということになります。

 

 さて、まだワクチン接種の判断に至らない皆さんは、上記を鑑みて、どう判断されますか? 漠然とした不安で、結論を後回しにするのではなく、そろそろ、最終結論を出すべきタイミングになっていると思います。

 もちろん、接種しないという判断も有りです。それが民主国家の誇りですので。(続く)


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