金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【土用の丑の日】 今年は7月24日と8月5日 ところで「鰻の完全養殖」のテーマはコスト!

2024-07-26 02:56:38 | 金融マーケット

 とんでもなく暑い日が続いております。

 こんな時は、美味しい鰻の蒲焼を食しながら、冷たいビールを煽るのが1番でありますが、その鰻の価格高騰が止まりません。

 

 ところで、鰻の養殖とは、鰻の幼魚である「シラス」を海辺で獲って、これを育てて成魚にするのが基本なのですが、近年、このシラスの乱獲が酷いために数が急減してしまったのが、鰻の価格が高騰している1番の原因であります。

 もともと鰻を食べる習慣というのは、江戸時代に「蒲焼」を発明した日本が突出して多く、その他の国では「鰻をぶつ切りにした煮物」くらいしか食さなかったので、絶対数が不足することはありませんでした。しかし、海外からの観光客が日本で香ばしい鰻の蒲焼を食べるようになってからは、鰻の人気が海外でも爆謄。これがシラス乱獲に繋がってしまいました。

 

 そうなると、当然ながら「鰻の完全養殖」、すなわち、卵から鰻を孵化させて、それを幼魚であるシラスまで育てる技術を研究開発するのが日本。「本マグロの完全養殖」だって成功させた日本ですから、この「鰻の完全養殖」も期待大であります。

 当初、最も苦労したのが、卵から孵化した稚魚が食べる餌何を食べるのかが全く分かっておらず、さまざまな餌を試行錯誤する時間が長かったそうです。そして、とりあえず辿り着いた答えが「サメの卵」。この「サメの卵」を食べてくれることで、相応の数の稚魚が幼魚「シラス」へ育つことに成功したとのこと。

 問題はコスト「サメの卵」が高価な上に、鰻の稚魚は少しでも水槽が汚れると死滅してしまうため、常に水槽内を綺麗にするコスト(人件費および水槽を大きく出来ないことから来るコスト等)があまりに高く、とても市場に流通させられるレベルにないらしい。

 とはいえ、本マグロの完全養殖の時も、コストを少しづつ下げて、遂には市場で競争できるレベルに達したように、鰻の完全養殖だって、ここからの知恵と努力次第という段階まで来ているようです。

 

 きっと数年後には、少し割高な「完全養殖の鰻」が市場にデビュー、そして2040年頃には、基本的に「鰻の養殖と言えば完全養殖」の時代となって、我々が食す鰻は殆どが「完全養殖の鰻」になるのだと思います。

 

 ちなみに、今、我々が食べている鰻は、二ホンウナギだけではなく、ヨーロッパウナギアフリカウナギの幼魚シラスから成魚に養殖したものが相当数混ざっているそうです。すでに色々取り交ぜた鰻の蒲焼となっているということ。

 でも、前述の「完全養殖の鰻」は、当然ながら本来の二ホンウナギで開発しておりますので、この完全養殖の試みは、江戸文化ゆかりの「鰻の蒲焼」を復活させる試みでもあります。

 

 この「完全養殖の鰻」を応援する意味から、多少高価であっても、「完全養殖の鰻」を積極的に食していきたいと考えております!

 


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