北京五輪が終わり、いよいよロシアのウクライナ侵攻が始まりました。しかし、ロシアと対峙するNATO諸国の首脳たちは、バイデンをはじめ、まるで素人集団で、ワイワイと騒ぐばかり。十分な準備をしてきたプーチンからは、全てを見透かされている感があります。
バイデン、マクロン、シュルツなどのNATO首脳陣は、最初から「経済制裁」を宣言して、軍事介入の選択肢を外しています。これは、実際の局地戦になった場合のNATOの陸軍戦力が、対ロシアで絶対的に不足している事実があります。まぁ、内戦状態になった時は、結局、陸兵の数や戦車や装甲車の数がモノを言うということ。ミサイルや爆撃では、町は破壊できるけど、占領はできないため、ウクライナ市民を救うことはできません。そのための陸軍戦力を派遣するには、準備に時間がかかることを、プーチンに見透かされているのです。
北京五輪後のプーチンの第1手は、「ウクライナ東部の親ロシア派が支配する『ドネツク人民共和国』と『ルガンスク人民共和国』の独立承認」。けっこう強烈な1手ではありますが、柔らかな手でもあります。政治的には踏み込むが、軍事的には動かない手だからです。なお、昨日の段階で「派兵命令」を出していますが、まだ軍は動いていません。
この手にNATO首脳陣は大わらわ。まだ軍事行動は起こしていませんから、「経済制裁」のレベルが難しい。かと言って、手ぬるい制裁では馬鹿にされる。
プーチンとしては、NATO側の経済制裁の内容を見ながら、最終的にどこまでの制裁内容を用意しているかを、見定める意味もあります。まぁ、なかなかの好手と言えるでしょう。
もう、この様子を見ていると、将棋界のチャリティイベントか何かで、藤井聡太五冠が素人5名と五面将棋を指している風情。素人がキャッキャ言っている間に、藤井五冠が、どんどん手を進めて、相手玉を次々詰めていってしまう様子です。(続く)