今週の日曜日、東京競馬場では、JRAの3歳ダート路線のトップを決めるユニコーンSが開催されます。このユニコーンSのここ6年の勝ち馬は、ノンコノユメ、ゴールドドリーム、サンライズノヴァ、ルヴァンスレーヴ、ワイドファラオ、カフェファラオ。すべて、そのあとに中央・地方のGⅠレースを勝つことになる馬たちです。にもかかわらず、ユニコーンSはGⅢ格付のまま。本来ならば、GⅠ競走に相応しいレースなのに‥。
この点は、2月に行われるヒアシンスS(L)も同様。毎年、超豪華なメンバーが揃う名物レースで、米国ケンタッキーダービーへの出走権争いにも、大きなポイントが付与される重要レース。にもかかわらず、GⅢ格付すら与えられず、リステッド競走のまま。本来ならば、このヒアシンスSに加えて、3月の中山ダート1800mの伏竜Sあたりも、3歳限定のGⅡあるいはGⅢに格付するくらいは、最低限必要な措置だと考えます。
上記措置ができない理由は、3歳ダート路線は、7月に大井競馬場で行われるジャパンダートダービーを頂点とするヒエラルキーが、地方競馬との合意事項として決まってしまっているため。JRAでは、明日に府中で行われるユニコーンSでさえも、勝手に重賞格付を変えられないというのが、この事情の深層です。
実は、南関東では、羽田杯、東京ダービーという3歳ダートのクラシック路線が組まれていますし、その他の地方でも、九州ダービー、東海ダービー、東北優駿など伝統的な地方ダービーが存在します。一方で、国内で最もレベルの高いJRAだけが、重賞競走による「クラシック路線」が存在しないまま。
日本の芝が世界トップレベルにのし上がった今、ダートのレベルをアメリカ並に引き上げていくためには、全国レベルでの3歳ダート路線の組直しと、JRAの3歳ダート重賞の充実が必要な時期になっていると思います。JRAのダートで走る馬たちも、アメリカンファラオ産駒、タピット産駒、ヘニーヒューズ産駒など、血統は世界レベルになってきているのに対して、レース体系だけが前近代的なまま。
本件はもう待ったなし、と言える状況です。今のままでは、地方競馬にとっても健全な発展は望めません。JRAおよび地方競馬の英断を期待しております。