金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】 出張最終日につき、そろそろ本音を‥

2019-10-19 06:43:44 | 金融マーケット

 広州も深圳も、アジアで最も勢いのある街であることを確認できましたが、それにしても、そこでガンガン稼ぐ一部のエリート(およびそのエリートから利権を得る人達とその家族)と、とにかく家族を養うためにゴミみたいな低賃金でほぼ徹夜で働く地方出身の人達が居て、それをごちゃ混ぜにして「中国とは?」を語ることは、あまり意味がないというのが、今回の出張の成果だと思います。

 なお、深圳という街のスピード感の凄さについては、また改めてお話したいと思います。

 これ以上書くと、アップが難しくなりそうなので、以下は2月に書いた「30年前の思い出」を再掲いたします。


 今から30年ほど前のこと。私の自宅の隣地に、母親が持っているアパートが建っていて、そこには中国人留学生同士の若い夫婦が住んでいました。感じの良い若夫婦で、日本語も短期間ながら非常に上手で、生まれたばかりの赤ちゃんも本当に愛くるしく、幸せそうな一家でした。

 それがある朝、一家ごと忽然と姿を消したのです。いわゆる夜逃げでした。家賃が払えないような状況には見えませんでしたので、何か特殊な事情があるのだろうな、と思っていたら、その一週間後に警察が事情聴取に現れて、その理由が判明しました。不法滞在と不法就労の疑い、だそうです。

 当時の留学生ですから、国からの公費で日本に来ていたのでしょう。でも、留学期間が終了した後も、本国へ帰らず、自由を求めて日本で生活を続けていたのだと思います。日本の警察の動きを機敏にキャッチして、事前に逃れたのだと思います。

 今、そのアパートは古くなり、誰も住んでいませんが、彼らが植えた「夏ミカンの木」がかなり大きく育ってきました。2年に一度、30個近い夏ミカンが生ります。この夏ミカンを見ると、あの時の夫婦は今頃どうしているのか? またあの赤ん坊は日本で育ったのか? 想いが膨らみます。


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