熱燗。最近は空前の焼酎ブームのせいか、あまり話題にならないですね。
90年代にも一時期日本酒ブームがありましたが、そのときはどちらかと
いうと冷酒のほうがクローズアップされて、熱燗はやや冷遇されていた
記憶があります。いいお酒は冷やで飲んでこそおいしい、繊細な日本酒は
熱燗にすると味が壊れる、などという意見もありました。
また、熱燗独特の強い香りが、特に日本酒を飲みなれていない若い人に
敬遠されがちなこともあるのでしょう。私の場合でいうと、酒飲みの父親の
せいで、物心付いたときにはすでにほぼすべてのお酒を飲んだことがあり
ましたが、熱燗だけはいやだった記憶があります。やはり、飲んだときに
鼻につんとくる、あの刺激臭がいやでした。
しかし、熱燗のすばらしさがわかってしまうと、もう冬には熱燗が無性に
恋しくなってしまいます。あの、ふわ~んとした酔い心地は、他には
代えがたいものがあります。焼酎のお湯割りやウイスキーのお湯割りでは、
ああいうまわりかたはしないので、日本酒だけが何か特別なものをもって
いるのでしょう。
実は先日のドイツ出張で、帰国前の最後の日に、お世話になった現地の
人と夕食を食べたのですが、そこは「喜長」という日本料理のレストラン
でした。外国のジャパニーズレストランとしては珍しく、スタッフは全員
日本人という気合の入りようで、当然日本語オッケーです。そこで料理を
注文したのですが、その人は日本料理が始めてということで、すべて私が
注文しました。
その人はお酒が飲めるので、とりあえず最初はビールで。キリンを頼んだ
のですが、これは受けが良かったです。一般に、ドイツの人は日本の
ビールに対して好意的で、その人も例外ではありませんでした。しばらく
飲み進むうちにビールが空いてしまい、その人は「日本では続けて同じのを
注文するの?」と聞いてきたので、これはかなりいける口だと見た私は、
熱燗を注文しました。
最初は不思議そうに飲んでいましたが、飲んでいるうちに平気になって
きたようで、どんどん杯が空になります。熱燗が体に入っていくうちに、
その人の話し方がだんだんゆっくりと、熱燗で酔ったとき特有の状態に
なってきました。おぉ、熱燗の酔い方は洋の東西を問わないんだな、と
わかりました。
さんざん飲んでから店を出たのですが、そのときに彼は「まるで夢の中に
いるようだ」「こんないい酒があるなら、日本ではドラッグは必要ないな」
と上機嫌で熱燗の感想を述べていました。人々に平和と幸福感をもたらす
熱燗、世界中でブレイクする日も、そう遠くないことでしょう。実際、
ワインで有名なカリフォルニアのナパバレーでは、カリフォルニア米を
使った日本酒の醸造も行われています。熱燗ばんざい!
90年代にも一時期日本酒ブームがありましたが、そのときはどちらかと
いうと冷酒のほうがクローズアップされて、熱燗はやや冷遇されていた
記憶があります。いいお酒は冷やで飲んでこそおいしい、繊細な日本酒は
熱燗にすると味が壊れる、などという意見もありました。
また、熱燗独特の強い香りが、特に日本酒を飲みなれていない若い人に
敬遠されがちなこともあるのでしょう。私の場合でいうと、酒飲みの父親の
せいで、物心付いたときにはすでにほぼすべてのお酒を飲んだことがあり
ましたが、熱燗だけはいやだった記憶があります。やはり、飲んだときに
鼻につんとくる、あの刺激臭がいやでした。
しかし、熱燗のすばらしさがわかってしまうと、もう冬には熱燗が無性に
恋しくなってしまいます。あの、ふわ~んとした酔い心地は、他には
代えがたいものがあります。焼酎のお湯割りやウイスキーのお湯割りでは、
ああいうまわりかたはしないので、日本酒だけが何か特別なものをもって
いるのでしょう。
実は先日のドイツ出張で、帰国前の最後の日に、お世話になった現地の
人と夕食を食べたのですが、そこは「喜長」という日本料理のレストラン
でした。外国のジャパニーズレストランとしては珍しく、スタッフは全員
日本人という気合の入りようで、当然日本語オッケーです。そこで料理を
注文したのですが、その人は日本料理が始めてということで、すべて私が
注文しました。
その人はお酒が飲めるので、とりあえず最初はビールで。キリンを頼んだ
のですが、これは受けが良かったです。一般に、ドイツの人は日本の
ビールに対して好意的で、その人も例外ではありませんでした。しばらく
飲み進むうちにビールが空いてしまい、その人は「日本では続けて同じのを
注文するの?」と聞いてきたので、これはかなりいける口だと見た私は、
熱燗を注文しました。
最初は不思議そうに飲んでいましたが、飲んでいるうちに平気になって
きたようで、どんどん杯が空になります。熱燗が体に入っていくうちに、
その人の話し方がだんだんゆっくりと、熱燗で酔ったとき特有の状態に
なってきました。おぉ、熱燗の酔い方は洋の東西を問わないんだな、と
わかりました。
さんざん飲んでから店を出たのですが、そのときに彼は「まるで夢の中に
いるようだ」「こんないい酒があるなら、日本ではドラッグは必要ないな」
と上機嫌で熱燗の感想を述べていました。人々に平和と幸福感をもたらす
熱燗、世界中でブレイクする日も、そう遠くないことでしょう。実際、
ワインで有名なカリフォルニアのナパバレーでは、カリフォルニア米を
使った日本酒の醸造も行われています。熱燗ばんざい!